有価証券報告書-第18期(2023/01/01-2023/12/31)

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2024/03/28 15:19
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2023年1月1日~2023年12月31日)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年1月1日~2023年12月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症法上での扱いが5類に移行したこと等により経済社会活動の正常化が進み、一部に足踏みがみられるものの、緩やかな景気回復がみられる状況です。一方で、賃金の上昇を上回る物価上昇等を背景に、消費者マインドの持ち直しは停滞する状況がみられております。
国内化粧品市場においては、経済活動の正常化による外出機会の増加により、個人消費が持ち直す状況となりました。また、円安も呼び水となった訪日外国人客によるインバウンド需要の伸びが売上を後押ししました。一方で、人々のライフスタイルの変容による消費行動や消費構成の変化、販売チャネルの構造変化、EC市場での広告費の高騰等がみられており、環境変化への対応により一層の工夫が求められる状況にあります。
海外化粧品市場においては、景気は一部の地域で弱さがみられるものの、持ち直している状況です。中国市場においては、ゼロコロナ政策の解除により経済活動が正常化へと向かい、人の流れが活発化してサービス関連の消費を中心に回復基調にありましたが、雇用不安等により景気の持ち直しに足踏みがみられる状況にあります。また、原子力発電所によるALPS処理水の海洋放出に端を発した日本製品を回避する動きがみられております。
このような市場環境のもと、2021年からスタートした中期経営計画(2021年から2023年)に基づき、「国内ダイレクトセリングの進化」「海外事業の利益ある成長」「育成ブランドの利益貢献」「経営基盤の強化」「新ブランド、“美”に関する領域拡張」を重点テーマに掲げ、取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は次の通りとなりました。
売上高は、コロナ禍の混乱からの回復を受けて前年同期比4.2%増の173,304百万円となりました。営業利益は、売上高増による売上総利益増加により、前年同期比27.8%増の16,080百万円、経常利益は前年同期比23.7%増の18,469百万円となりました。また、前年に計上した法人税等調整額が減少した影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比15.6%減の9,665百万円となりました。
[業績の概要]
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
売上高166,307173,3046,9964.2
営業利益12,58116,0803,49927.8
経常利益14,92818,4693,54123.7
親会社株主に帰属する
当期純利益
11,4469,665△1,781△15.6


セグメントごとの経営成績は、次の通りであります。
[セグメント別の業績]
売上高(外部顧客への売上高)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
ビューティケア事業161,654168,4776,8224.2
不動産事業2,0832,078△5△0.2
その他2,5692,7481787.0
合 計166,307173,3046,9964.2

セグメント利益(営業利益)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
ビューティケア事業13,79316,3542,56118.6
不動産事業491440△51△10.5
その他961495254.7
セグメント利益の調整額
(注)
△1,800△863936
合 計12,58116,0803,49927.8

(注) セグメント利益の調整額とは、グループの内部取引に伴う利益及びセグメントに含まれない経費等を連結時に消去・加算した金額であります。なお、セグメント利益の調整額の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等) 3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報(注2)」をご覧ください。
(ビューティケア事業)
ビューティケア事業は、基幹ブランドとして「POLA」「ORBIS」を、海外ブランドとして「Jurlique」を、育成ブランドとして「THREE」「DECENCIA」「FUJIMI」を展開しております。
POLAブランドでは、エイジングケア・美白を中心とした高機能商品の投入による更なるブランド価値の向上と、中長期的な顧客基盤構築を進めております。国内事業では、オンラインとオフラインのチャネル融合(OMO:Online Merges with Offline)の推進により、各チャネルの特性や強みを生かした高LTV事業の実現に取り組んでおります。2023年4月に始動した新メンバーシッププログラム「ポーラ プレミアム パス」により、全ての販売チャネルの顧客IDを統合し、国内全てのお客さまへ共通のサービス体験のお届けを開始しました。経済活動の正常化による人流の戻りや訪日外国人客の戻りに加えて、新商品の「B.Aミルクフォーム」やリニューアル発売した「B.AグランラグゼⅣ」、エステの好調等により、国内事業全体で前年を上回る実績で推移しております。海外事業では、引き続き、最重点市場である中国でブランドプレゼンスの確立のための顧客接点の拡充に取り組んでおります。中国及び一部のアジア地域における景気減速等の影響が生じたものの、海外事業全体で前年を上回る実績となりました。以上の結果、POLAブランドは前年同期を上回る売上高となりました。一方で、下半期に生じた海外事業の減速影響等により、前年同期を下回る営業利益となりました。
ORBISブランドでは、高収益事業へと再成長を遂げるため、ブランド差別性の創出によるプレゼンス及び顧客ロイヤリティの向上と、「オルビスユー」シリーズを中心に据えたスキンケア顧客の拡大を進めております。国内事業では、ブランド体験の基軸となるワンストップアプリによる顧客に寄り添った伴走型コミュニケーションの提供と、新商品の継続投下により、拡大に転じた顧客数の更なる増加とLTV最大化に取り組んでおります。直販チャネルでは、成長を牽引する「オルビスユードット」のリニューアルや、ベストコスメを多数受賞しているUVのスペシャルケア品等の伸長により、顧客数、顧客単価ともに前年超過となりました。外部チャネルでは、ロングセラー商品のヘアケア品がベストコスメ総合大賞を受賞する等、新たな顧客接点の開拓に寄与しており、販路も拡大し前年同期より大幅に伸長しております。海外事業では、重点市場の中国を中心に事業の成長加速と黒字化に向けた取り組みを進めております。中国では顧客接点の拡大とブランド認知向上に向けた投資の強化に取り組んでおり、景況の悪化やALPS処理水海洋放出に伴う影響が生じたものの、前年を上回る実績となりました。以上の結果、ORBISブランドは前年同期を上回る売上高・営業利益となりました。
Jurliqueブランドでは、豪州及び中国、その他アジア市場での成長に向けた取り組みを継続しております。重点市場の豪州においてオフライン売上の回復が進み、前年を上回る実績となりました。また中国においては、景気回復ペースの減速の影響を受けながらも、新商品の投入及び戦略商品への注力によるブランド価値の向上等により、前年を上回る実績で推移しております。以上の結果、Jurliqueブランドは前年同期を上回る売上高となりました。一方で、免税事業の減速等の影響により、営業損失が拡大する結果となりました。
育成ブランドでは、THREEブランドで、黒字化に向けた構造改革の取り組みを進めております。リニューアル発売した基幹スキンケアシリーズやブランド初のフレグランス発売等により顧客の動きが活性化し、国内事業は前年を上回る実績で推移しております。DECENCIAブランドでは、2023年9月に主力商品のシワ改善美容液をリニューアル発売しました。顧客属性にあわせた購買促進施策の展開により顧客数が増加し、国内事業は前年を上回る実績で推移しております。FUJIMIブランドでは、2023年1月に新ブランドメッセージを策定し、リブランディングを進めております。以上の結果、育成ブランド全体では前年同期を上回る売上高となりました。また、各ブランドにおいて厳格な費用コントロールを実施したことが奏功し、営業損失は改善しております。なお、ビューティケア事業におけるブランドポートフォリオの改革と更なる収益性向上を目指す一環として、2023年3月6日付で「Amplitude」「ITRIM」の2ブランドの撤退を決定し、年内での撤退が完了しております。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は168,477百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益は16,354百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業では、都市部のオフィスビル賃貸を中心に、魅力的なオフィス環境の整備による賃料の維持向上と空室率の低下に取り組むとともに、子育て支援に特化した賃貸マンション事業も展開しております。当連結会計年度は、前年にオフィスビルを一部売却した影響等により、前年同期を下回る売上高・営業利益となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は2,078百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は440百万円(前年同期比10.5%減)となりました。
(その他)
その他に含まれている事業は、ビルメンテナンス事業であります。
ビルメンテナンス事業は、主にビルの運営管理を行っております。当連結会計年度は、契約件数の増加等により、前年同期を上回る売上高、営業利益となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は2,748百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は149百万円(前年同期比54.7%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,727百万円減少し、201,207百万円(前連結会計年度末比2.3%減)となりました。主な増減項目は、建設仮勘定の増加9,136百万円、流動資産その他の増加4,333百万円、投資有価証券の増加1,206百万円により増加し、一方で現金及び預金の減少16,117百万円、繰延税金資産の減少4,342百万円により減少しております。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,666百万円減少し、32,809百万円(前連結会計年度末比4.8%減)となりました。主な増減項目は、未払金の増加1,266百万円により増加し、一方で退職給付に係る負債の減少1,073百万円、流動負債その他の減少1,031百万円より減少しております。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,060百万円減少し、168,398百万円(前連結会計年度末比1.8%減)となりました。主な増減項目は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上9,665百万円により増加し、一方で剰余金の配当11,516百万円、為替換算調整勘定の減少1,468百万円により減少しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ16,185百万円減少し、46,376百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、14,423百万円の収入(前年同期比7.2%減)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純利益15,360百万円、減価償却費7,712百万円並びに減損損失1,813百万円により資金は増加し、一方で退職給付に係る負債の増減額971百万円、為替差損益2,176百万円、棚卸資産の増減額1,464百万円、法人税等の支払額6,586百万円により資金は減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、18,734百万円の支出(前年同期比51.5%増)となりました。主な要因は、有価証券の売却及び償還による収入11,100百万円により資金は増加し、一方で、有価証券の取得による支出1,000百万円、有形固定資産の取得による支出12,146百万円、無形固定資産の取得による支出4,088百万円、投資有価証券の取得による支出11,403百万円により資金は減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12,375百万円の支出(前年同期比2.3%減)となりました。主な要因は、リース債務の返済による支出815百万円、配当金の支払額11,547百万円によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2019年12月期2020年12月期2021年12月期2022年12月期2023年12月期
自己資本比率(%)83.983.283.183.083.4
時価ベースの自己資本比率(%)254.5227.4203.9199.8174.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.10.10.10.10.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)251.1264.6264.1168.6137.4

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象
としております。
③生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
ビューティケア事業27,984+8.2
合計27,984+8.2

(注) 1 金額は製造会社販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 不動産及びその他事業については、生産活動を行っておりません。
(受注実績)
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
ビューティケア事業168,477+4.2
不動産事業2,078△0.2
その他2,748+7.0
合計173,304+4.2

(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、その作成には経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。この判断及び見積りに関しては過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積り及び仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
イ 売上高
当連結会計年度の売上高は173,304百万円(前年同期比4.2%増)となりました。セグメントごと(セグメント間取引を除く)では、ビューティケア事業で168,477百万円(前年同期比4.2%増)、不動産事業で2,078百万円(前年同期比0.2%減)、その他の事業で2,748百万円(前年同期比7.0%増)となりました。ビューティケア事業における増加の主な要因は、コロナ禍の混乱からの回復を受けたPOLAブランド、ORBISブランド等の百貨店・EC事業の好調によるものであります。
ロ 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度より6,806百万円増加し、142,076百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
ハ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より3,307百万円増加し、125,996百万円(前年同期比2.7%増)となりました。売上高の増加に伴い変動費である販売関連費や一部の固定費の負担が増加しましたが、売上高に対する比率は前年を下回っております。
ニ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度より3,499百万円増加し、16,080百万円(前年同期比27.8%増)となりました。前述の売上高の増加による売上総利益増加によるものであります。
ホ 経常利益
経常利益は、前連結会計年度より3,541百万円増加し、18,469百万円(前年同期比23.7%増)となりました。前述の営業利益の増加が主な要因です。
ヘ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度より3,049百万円増加し、15,360百万円(前年同期比24.8%増)となりました。主に前述の経常利益の増加によるものであります。また、特別損失としてFUJIMIブランドの減損損失及びAmplitudeとITRIMブランド終了に伴う損失を計上しております。
ト 法人税等
法人税等は、前連結会計年度より4,823百万円増加し、5,627百万円(前年同期比599.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加に加え、前年に計上したH2O PLUSの清算に伴う法人税等調整額の減少の影響であります。
チ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より1,781百万円減少し、9,665百万円(前年同期比15.6%減)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,727百万円減少し、201,207百万円となりました。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,666百万円減少し、32,809百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ3,060百万円減少し、168,398百万円となりました。
主な増減内容については、『(1)経営成績等の状況の概要』に記載の通りであります。
以上の結果、財務指標としては、流動比率が前連結会計年度末の455.7%から420.0%に低下し、自己資本比率が前連結会計年度末の83.0%から83.4%に増加しております。
(経営戦略の現状と見通し)
経営戦略の現状と見通しについては、『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』にて報告しております。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社グループは、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。今後の資金使途につきましては、新価値創出に向けた研究開発投資、店舗の出店・リニューアルや生産性向上のための設備投資、M&Aを含む新規ブランドの創出・育成に取り組むことで、将来のキャッシュ・フローの創出を目指します。なお、キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、子会社における資金業務を当社に集中させることにより、当社グループ全体の資金効率化を図っております。
事業資金と余剰資金については、それぞれ資金運用管理規程及び資金運用管理基準をもとに運用しております。当連結会計年度末の現金及び預金残高は47,200百万円と前連結会計年度末に比べ16,117百万円減少しております。
(経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
長期経営計画・VISION 2029の実現に向けて、2021年から始まった前中期経営計画では、1stステージとして、短中期の課題解決を通じ、長期的な成長に繋がる基盤の構築とコロナ禍以前の売上高・営業利益水準への回復を目指し取り組んでまいりました。2023年の経営指標は、連結売上高は2,050億円~2,150億円、連結営業利益は営業利益率12%以上の達成を掲げ、また、ROEについては9%以上、配当性向は引き続き60%以上を目標としてまいりました。コロナ禍の混乱からの国内事業の立て直しに時間を要したことや中国市場における市況悪化もあり、経営指標は計画未達となったものの、2022年を底に業績は回復し収益性の良化を実現しております。また国内EC売上高比率の向上は進捗し、ビジネスモデルの構造改革に一定の成果を得ることができました。
2024年から始まる新たな中期経営計画は、VISION 2029の達成に向けた2ndステージとして「再挑戦と成長基盤確立の3年間」と位置づけ、ブランドをより先鋭化して国内利益創出力を強化し、海外や新事業等の成長領域へ投資をしてまいります。連結売上高は年平均で5%(国内+4%、海外+12%)の成長、2026年時点で2,000億円を目指します。連結営業利益率は12~13%の達成を計画しております。また、ROEは10%以上、配当性向は引き続き60%以上を目標値としております。加えて、引き続き重点テーマである海外売上高比率は、2026年末までに20%まで高めることを目標としております。
来期(2024年12月期)につきましては、売上高179,000百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益17,900百万円(前年同期比11.3%増)、経常利益17,900百万円(前年同期比3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益11,600百万円(前年同期比20.0%増)を見込んでおります。『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』に記載の重点戦略に取り組み、目標とする経営指標の達成を目指してまいります。