半期報告書-第19期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2024/08/14 12:06
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善するもとで、景気はこのところ足踏みがみられるものの、緩やかに回復している状況です。一方で、賃金の上昇を上回る物価上昇が継続していること等により、個人消費の持ち直しに足踏みがみられております。
国内化粧品市場においては、緩やかな景気回復を背景に、個人消費が持ち直しております。また、円安による追い風もありインバウンド需要の伸長が継続しております。中国市場においては、政策効果により景気は持ち直しの兆しがみられますが、消費の持ち直しは足踏みがみられる状況にあります。
このような市場環境のもと、2024年からスタートした中期経営計画(2024年から2026年)に基づき、4つの事業成長戦略「国内事業の顧客基盤強化、持続的成長と収益性改善」「海外事業の更なる成長と新市場での基盤確立」「育成ブランドの成長を伴う黒字化による持続的収益貢献」「ブランドポートフォリオ拡充と事業領域拡張」と、それを支える持続的な経営基盤の強化として「新価値創出に向けた研究開発力強化」「社会課題対応と独自性を兼ね備えたサステナビリティ強化」をテーマに掲げ、取り組んでまいりました。
以上の結果、当中間連結会計期間における業績は次の通りとなりました。
当中間連結会計期間の売上高は、主に基幹ブランドであるPOLAブランドの売上の減少影響により前年同期比2.3%減の83,836百万円となりました。営業利益は売上高減による粗利の減少により前年同期比18.4%減の7,316百万円、経常利益は円安の継続で為替差益を計上した影響により、前年同期比2.4%減の11,121百万円となりました。以上の結果に加え、前年に計上した特別損失の影響により、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比1.3%増の7,500百万円となりました。
[業績の概要]
前中間連結会計期間
(百万円)
当中間連結会計期間
(百万円)
前年同期
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上高85,83683,836△2,000△2.3
営業利益8,9667,316△1,649△18.4
経常利益11,38911,121△268△2.4
親会社株主に帰属する
中間純利益
7,4047,500951.3


[セグメント別の業績]
売上高(外部顧客への売上高)
前中間連結会計期間
(百万円)
当中間連結会計期間
(百万円)
前年同期
増減額
(百万円)
増減率
(%)
ビューティケア事業83,52981,322△2,207△2.6
不動産事業1,036995△40△3.9
その他1,2701,51824719.5
合 計85,83683,836△2,000△2.3

セグメント利益又は損失(△)(営業利益又は損失(△))
前中間連結会計期間
(百万円)
当中間連結会計期間
(百万円)
前年同期
増減額
(百万円)
増減率
(%)
ビューティケア事業8,7137,890△823△9.5
不動産事業2770△277△99.9
その他30141110359.3
セグメント利益の調整額
(注)
△55△714△659-
合 計8,9667,316△1,649△18.4

(注) セグメント利益の調整額とは、グループの内部取引に伴う利益及びセグメントに含まれない経費等を連結時に消去・加算した金額であります。なお、セグメント利益の調整額の詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) 1 報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報(注2)」をご覧ください。
(ビューティケア事業)
ビューティケア事業は、基幹ブランドとして「POLA」「ORBIS」を、海外ブランドとして「Jurlique」を、育成ブランドとして「THREE」「DECENCIA」「FIVEISM×THREE」「FUJIMI」を展開しております。
POLAブランドでは、エイジングケア・美白を中心とした高機能商品の投入による更なるブランド価値の向上と、中長期的な顧客基盤構築を進めております。国内事業では、新規顧客獲得から高LTV化までの転換促進を実現するブランド体験(One POLAモデル)の構築に取り組んでおります。2023年に始動した全ての販売チャネルを対象とするメンバーシッププログラム「ポーラ プレミアム パス」の浸透により、お客さまのチャネル回遊が始まりました。また、多数のベストコスメ賞を受賞した新商品を軸としたカウンセリングサービスの強化等により、百貨店チャネルでは二桁増収が継続し、委託販売チャネルでは新規顧客獲得が良化傾向にありますが、委託販売チャネルにおける店舗数と顧客数の減少等の影響により、国内事業全体で前年を下回る実績となりました。海外事業では、アフターコロナにおける事業回復と、最重点市場である中国でブランドプレゼンスの確立のためのハイプレステージ顧客層との接点拡充とCRM強化に取り組んでおりますが、中国を中心とする一部のアジア地域における景気減速の影響により、海外事業全体で前年を下回る実績となりました。以上の結果、POLAブランドは前年を下回る売上高・営業利益となりました。
ORBISブランドでは、高収益事業へと再成長を遂げるため、ブランド差別性の創出によるプレゼンス、顧客ロイヤリティの向上と、エイジングスキンケアシリーズ「オルビスユー」を中心に据えたシワ改善・美白ケア等、スキンケア顧客の拡大を進めております。国内事業では、スキンケアを軸にした直販事業の安定成長及び強固な利益基盤の構築と、未開拓市場への参入による新しい領域でのトップライン拡大に取り組んでおります。顧客基盤の安定化が進む直販チャネルでは、顧客数が新規・既存ともに増加し、また高機能・高単価商品が伸長して顧客単価上昇に寄与したことにより、大幅な増収となりました。新たな成長ドライバーと位置づけ積極展開している外部チャネルでは、好調が継続し、売上が大きく伸長しております。海外事業では、重点市場である中国での成長加速と黒字化のため、引き続き顧客接点の拡大とブランド認知向上に注力しておりますが、中国における景気減速の影響により、海外事業全体で前年を下回る実績となりました。以上の結果、ORBISブランドは前年を上回る売上高・営業利益となりました。
Jurliqueブランドでは、引き続き、豪州及び中国を中心としたアジア市場での事業成長に向けた取り組みを進めております。本国である豪州においては、アフターコロナの事業回復が順調に進み、更に新製品が好調に推移したことにより、前年より二桁成長の実績となりました。中国においては、景気減速の影響を受け、とくに4月以降は百貨店・ECチャネルともに販売が落ち込んだことにより、前年を下回る実績となりました。以上の結果、Jurliqueブランドは前年を上回る売上高となりました。一方で、販売管理費の増加や為替の影響等により営業損失が拡大する結果となりました。
育成ブランドでは、THREEブランドでブランド再生への取り組みを進めております。差別性である「精油」を軸とした新商品により店頭の活性化を図っておりますが、新規顧客の獲得が前年に及ばず、前年を下回る実績で推移しております。DECENCIAブランドでは、顧客属性に応じた販売施策の強化等により顧客数の増加が継続し、前年を上回る実績で推移しております。FUJIMIブランドでは、黒字化に向けて顧客体験価値を高める取り組みを進めており、前年並みの実績で推移しております。以上の結果に加え、前年に2ブランドを撤退した影響により、育成ブランド全体では前年を下回る売上高となりました。一方で、各ブランドにおいて厳格な費用コントロールを実施したこと等が奏功し、営業損失は改善しております。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は81,322百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は7,890百万円(前年同期比9.5%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業では、都市部のオフィスビル賃貸を中心に、魅力的なオフィス環境の整備による賃料の維持向上と空室率の低下に取り組むとともに、子育て支援に特化した賃貸マンション事業も展開しております。当中間連結会計期間は、一部テナントの退去や「ポーラ青山ビルディング」の竣工に伴う費用の計上影響等により、前年を下回る売上高、営業利益となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は995百万円(前年同期比3.9%減)、営業利益は0百万円(前年同期比99.9%減)となりました。
(その他)
その他に含まれている事業は、ビルメンテナンス事業であります。
ビルメンテナンス事業は、主にビルの運営管理を行っております。当中間連結会計期間は、契約件数の増加等により、売上高、営業利益ともに前年を上回る結果となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は1,518百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益は141百万円(前年同期比359.3%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,162百万円減少し、200,044百万円(前連結会計年度末比0.6%減)となりました。主な増減項目は、投資有価証券の増加4,923百万円、有形固定資産の増加4,113百万円により増加し、一方で現金及び預金の減少4,192百万円、未収還付法人税等の減少に伴う流動資産「その他」の減少2,395百万円、有価証券の減少2,009百万円、受取手形及び売掛金の減少1,302百万円により減少しております。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ213百万円減少し、32,596百万円(前連結会計年度末比0.6%減)となりました。主な増減項目は、未払法人税等の増加1,857百万円により増加し、一方で未払金の減少に伴う流動負債「その他」の減少1,253百万円、賞与引当金の減少622百万円、退職給付に係る負債の減少411百万円により減少しております。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ949百万円減少し、167,448百万円(前連結会計年度末比0.6%減)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上7,500百万円により増加し、一方で剰余金の配当6,865百万円、為替換算調整勘定の減少1,683百万円により減少しております。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当中間連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物の中間期末残高は、前連結会計年度末に比べ4,312百万円減少し、42,064百万円(前年同期比27.5%減)となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、14,054百万円の収入(前年同期比51.8%増)となりました。
主な要因は、税金等調整前中間純利益10,896百万円、減価償却費4,065百万円、売上債権の増減額1,582百万円、法人税等の還付額4,342百万円により資金は増加し、一方で、為替差損益3,458百万円により資金は減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11,724百万円の支出(前年同期比68.6%増)となりました。主な要因は、有価証券の売却及び償還による収入3,000百万円により資金は増加し、一方で、有形固定資産の取得による支出6,433百万円及び無形固定資産の取得による支出2,054百万円、投資有価証券の取得による支出4,701百万円により資金は減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、7,391百万円の支出(前年同期比0.3%増)となりました。主な要因は、配当金の支払額6,901百万円によっております。
(4) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,432百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等について、当中間連結会計期間に完成したものは次の通りであります。
会社名事業所名(所在地)セグメントの名称設備の内容完成年月
ポーラ化成工業㈱横浜研究所
(神奈川県横浜市戸塚区)
ビューティケア事業事業所の再編2024年3月
㈱ピーオーリアルエステート青山ビル
(東京都港区)
不動産事業賃貸物件の改築2024年3月