有価証券報告書-第15期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/25 14:48
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大、更には長期化により、経済活動は著しく制約を受け、極めて厳しい状況となりました。消費活動は4月、5月の最悪期を脱し、一時的に回復の兆しが見受けられましたが、依然として感染再拡大の懸念は払拭されておらず、当面の間は経済活動の正常化に向けた足枷となり、コロナ禍以前の経済回復までには時間を要すものと見込まれます。
国内化粧品市場においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴うインバウンド需要の大幅減少、緊急事態宣言の発出に伴う、店舗休業や外出自粛等により、対面型サービスを利用した消費行動は、一時、急速な落ち込みを見せました。緊急事態宣言解除後は、徐々に持ち直しの兆しがありましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大以前の水準を回復するには至っておらず、依然として先行きも不透明な状況が続いております。一方で、新しい生活様式の定着が進む中、コロナ禍がもたらした非接触型の行動変容が追い風となり、ECをはじめとする通信販売チャネルへのシフトが顕著に進み、同チャネルの重要性はますます高まっております。
海外化粧品市場においても、世界規模で拡大する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響等により、先行き不透明な状態が続いておりますが、中国市場では経済活動の再開により消費はコロナ禍以前まで回復に転じております。
以上の結果、当連結会計年度における業績は次のとおりとなりました。
売上高は、前年同期比19.8%減の176,311百万円となりました。営業利益は、売上高減による売上総利益減少により、前年同期比55.8%減の13,752百万円、経常利益は前年同期比58.9%減の12,579百万円となりました。以上の結果に加え、Jurliqueブランドに係る固定資産の減損損失の計上及び新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による緊急事態宣言を受けて実施した臨時休業に伴う費用を特別損失に計上した影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比76.5%減の4,632百万円となりました。
[業績の概要]
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
売上高219,920176,311△43,609△19.8
営業利益31,13713,752△17,384△55.8
経常利益30,63012,579△18,051△58.9
親会社株主に帰属する
当期純利益
19,6944,632△15,062△76.5

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[セグメント別の業績]
売上高(外部顧客への売上高)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
ビューティケア事業214,886171,658△43,228△20.1
不動産事業2,6192,291△327△12.5
その他2,4152,361△53△2.2
合 計219,920176,311△43,609△19.8


セグメント利益(営業利益)
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
前年同期
増減額(百万円)増減率(%)
ビューティケア事業30,19312,965△17,228△57.1
不動産事業1,021710△310△30.4
その他130128△2△1.8
セグメント利益の調整額
(注)
△207△51156-
合 計31,13713,752△17,384△55.8

(注) セグメント利益の調整額とは、グループの内部取引に伴う利益及びセグメントに含まれない経費などを連
結時に消去・加算した金額であります。なお、セグメント利益の調整額の詳細につきましては、「第5
経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等) 3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報(注2)」をご覧ください。
(ビューティケア事業)
ビューティケア事業は、基幹ブランドとして「POLA」「ORBIS」を、海外ブランドとして「Jurlique」「H2O PLUS」を、育成ブランドとして「THREE」「DECENCIA」「Amplitude」「ITRIM」「FIVEISM×THREE」を展開しております。
POLAブランドでは、市場からのニーズが高いエイジングケア・美白を中心とした高付加価値商品の投入、ならびに基本活動であるカウンセリング・エステに注力することで、継続率の高い顧客の獲得を目指しております。国内では、9月に発売したポーラ最高峰エイジングケアシリーズの新B.Aを筆頭に、リンクルショット、ホワイトショットが多くのベストコスメを受賞しております。また、ECチャネルの売上が大きく伸長しており、引き続きECチャネル強化を進めてまいります。エステ店も店内衛生管理・感染防止対策を徹底し、既存客を中心に来店が回復傾向にあります。海外では、特に中国EC、韓国免税店が高成長を継続しております。中国のW11・W12商戦では百貨店及びライブコマース等の取り組みも好調に推移しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による売上減少の影響は大きく、POLAブランドは前年同期を下回る売上高・営業利益となりました。
ORBISブランドでは、高収益事業へと再成長を遂げるため、ブランド差別性の創出による存在感の向上に取り組んでおります。国内においては、エイジングスキンケアシリーズ「オルビスユー」を中心に、特に第3四半期から第4四半期にかけて、新規顧客獲得と2回目購入が好調に推移しております。また、通販事業では、費用構造改革とコロナ禍で急速に進んだ非接触型の消費行動への変化に対応すべく取り組んだ、通販チャネルへの誘導施策が奏功し、コロナ禍において増益を果たしております。12月には、独自のスキンケアチェックサービス「AI未来肌シミュレーション」を開始し、テクノロジーを活用した高い体験価値を提供することで、「スマートエイジングⓇ(自分らしく美しい肌年齢を重ねていくこと)」の実現に向けて取り組みました。海外においては、アジア圏における顧客接点の拡大によるブランド認知率の向上に取り組んでまいりましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により、店舗の臨時休業等があり、ORBISブランドは前年同期を下回る売上高・営業利益となりました。
海外ブランドについては、Jurliqueブランドでは、中国ECチャネルにおいて高成長を果たした一方で、豪州・香港の直営店舗や大手百貨店店舗において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)再拡大による売上減少の影響が大きく、前年同期を下回る売上高となりました。費用面では積極的なコスト削減に取り組んだ結果、営業損失が縮小する結果となりました。H2O PLUSブランドは、ECチャネルでの事業拡大を目指し、商戦期に絞った積極的な広告投下とプロモーション活動に取り組みました。新規顧客・リピート顧客購入を促進することで、前年同期を上回る売上高となりました。また、ホテル向けアメニティ事業では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が長期化する中、商業施設の休業による出荷の減少が継続したことで、前年同期を下回る売上高となりましたが、積極的なコスト削減に取り組んだ結果、営業損失は縮小する結果となりました。
育成ブランドについては、DECENCIAブランドのECチャネルにおける新規顧客獲得の好調や、2018年にローンチしたAmplitudeブランド、ITRIMブランド、FIVEISM×THREEブランドの売上成長がありましたが、THREEブランドにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による売上減少の影響が大きく、前年同期を下回る売上高・営業利益となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は171,658百万円(前年同期比20.1%減)、営業利益は12,965百万円(前年同期比57.1%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業では、都市部のオフィスビル賃貸を中心に、魅力的なオフィス環境の整備による賃料の維持向上と空室率の低下に取り組むとともに、子育て支援に特化した賃貸マンション事業も展開しております。当連結会計年度は、一部テナントの退去の発生により、前年同期を下回る売上高・営業利益となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は2,291百万円(前年同期比12.5%減)、営業利益は710百万円(前年同期比30.4%減)となりました。
(その他)
その他に含まれている事業は、ビルメンテナンス事業であります。
ビルメンテナンス事業は、主にビルの運営管理を行っております。当連結会計年度は、工事受注減少により、前年同期を下回る売上高・営業利益となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は2,361百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は128百万円(前年同期比1.8%減)となりました。
当連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ23,513百万円減少し、203,742百万円(前連結会計年度末比10.3%減)となりました。主な増減項目は、有価証券の増加1,062百万円、ソフトウェアの増加1,215百万円により増加し、現金及び預金の減少7,029百万円、受取手形及び売掛金の減少3,669百万円、未収金の減少に伴う流動資産「その他」の減少6,431百万円、投資有価証券の減少4,328百万円により減少しております。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ2,298百万円減少し、33,887百万円(前連結会計年度末比6.4%減)となりました。主な増減項目は、支払手形及び買掛金の減少471百万円、リース債務の減少404百万円、未払法人税等の減少780百万円、ポイント引当金の減少389百万円により減少しております。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ21,214百万円減少し、169,854百万円(前連結会計年度末比11.1%減)となりました。主な増減項目は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上4,632百万円により増加し、一方で剰余金の配当25,678百万円により減少しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ6,944百万円減少し、58,844百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、23,394百万円の収入(前年同期比10.7%増)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益9,169百万円、減価償却費7,255百万円並びに減損損失2,608百万円、売上債権の増減額3,726百万円、たな卸資産の増減額2,535百万円により資金は増加し、一方で、ポイント引当金の増減額389百万円、仕入債務の増減額465百万円、法人税等の支払額1,794百万円、新型コロナウイルス感染症関連損失の支払額1,093百万円により資金は減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,342百万円の支出(前年同期比73.3%減)となりました。主な要因は、有価証券の売却及び償還による収入20,400百万円、投資有価証券の売却による収入3,452百万円により資金は増加し、一方で、資金運用計画に沿った余剰資金の運用に伴う有価証券の取得による支出10,000百万円並びに投資有価証券の取得による支出9,222百万円、有形固定資産の取得による支出3,497百万円、無形固定資産の取得による支出3,955百万円により資金は減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、27,133百万円の支出(前年同期比40.3%増)となりました。主な要因は、リース債務の返済による支出1,462百万円、配当金の支払額25,670百万円によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2016年12月期2017年12月期2018年12月期2019年12月期2020年12月期
自己資本比率(%)79.978.677.083.983.2
時価ベースの自己資本比率(%)233.2346.3268.5254.5227.4
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.20.10.10.10.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)406.0481.0510.0251.1264.6

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象
としております。
③生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
ビューティケア事業25,361△17.3
合計25,361△17.3

(注) 1 金額は製造会社販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 不動産及びその他事業については、生産活動を行っておりません。
(受注実績)
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
ビューティケア事業171,658△20.1
不動産事業2,291△12.5
その他2,361△2.2
合計176,311△19.8

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、その作成には経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。この判断及び見積りに関しては過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しており、また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による影響に関する一定の仮定および連結財務諸表への影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
なお、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(たな卸資産)
商品、製品、仕掛品及び原材料は、主として月別移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により算定しており、貯蔵品については、主として最終仕入原価法を採用しております。また、販売可能性の低い長期滞留品については、必要な評価減並びに廃棄処分等を行っております。
(固定資産)
当社グループでは、固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の判定を行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
(有価証券)
当社グループでは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ時価又は実質価額が著しく下落したものについては、回復可能性があると判断される場合を除き、減損処理を行っております。時価のあるものについては、個々の銘柄の時価が取得原価に比較して50%を超えて下落したものについてはすべて、30%を超えて下落したものについては時価の推移及び財政状態等の検討により回収可能性を総合的に判断し、減損処理を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産の貸借対照表への計上にあたって、繰延税金資産総額から評価性引当額を減額し、回収可能額の範囲内に調整しております。評価性引当額の必要性の検討にあたっては、中期経営計画に基づいた将来課税所得や将来減算一時差異のスケジューリングの結果により判断することで、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上しております。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産の調整により、当該判断を行った期間に利益を計上しております。
なお、当社及び一部の国内子会社は、連結納税制度を適用しているため、繰延税金資産の回収可能性の判断については、連結納税グループ全体の課税所得の見積りにより判断しております。
(ポイント引当金)
ポイント制度における将来のポイント使用による売上値引及び記念品費用の支出に備えるため、未使用のポイント残高に対して、過去の使用実績から将来使用されると見込まれる金額を見積り適正な引当金を計上しております。
(退職給付費用及び債務)
当社及び国内連結子会社は、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度(キャッシュバランスプラン)、退職一時金制度を設けております。また、一部の海外連結子会社は、退職一時金制度及び確定拠出型制度を設けております。従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などを含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えていますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
イ 売上高
当連結会計年度の売上高は176,311百万円(前年同期比19.8%減)となりました。セグメントごと(セグメント間取引を除く)に見ると、ビューティケア事業で171,658百万円(前年同期比20.1%減)、不動産事業で2,291百万円(前年同期比12.5%減)、その他の事業で2,361百万円(前年同期比2.2%減)となりました。ビューティケア事業における減少の主な要因は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による国内インバウンド売上の減少や、緊急事態宣言を受けて実施した店舗の臨時休業や短縮営業の影響によるものであります。
ロ 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、売上高の減少に伴い、前連結会計年度より37,663百万円減少し、146,331百万円(前年同期比20.5%減)となりました。
ハ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より20,278百万円減少し、132,578百万円(前年同期比13.3%減)となりました。変動費であるPOLAブランドの販売手数料が減少した他、全社的なコスト合理化に取り組んだものの、売上高減少による固定費負担の影響が増加したことにより、売上高に対する比率は前年を上回っております。
ニ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度より17,384百万円減少し、13,752百万円(前年同期比55.8%減)となりました。前述の売上高減による売上総利益減少によるものであります。
ホ 経常利益
経常利益は、前連結会計年度より18,051百万円減少し、12,579百万円(前年同期比58.9%減)となりました。営業利益が減少したことにより、前年を下回っております。
ヘ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度より20,643百万円減少し、9,169百万円(前年同期比69.2%減)となりました。前述の経常利益が減少したことに加えて、Jurliqueブランドに係る固定資産の減損損失及び新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による緊急事態宣言を受けて実施した臨時休業に伴う費用を特別損失に計上した影響により、前年を下回っております。
ト 法人税等
法人税等は、前連結会計年度より5,583百万円減少し、4,527百万円(前年同期比55.2%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少の影響によるものであります。
チ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より15,062百万円減少し、4,632百万円(前年同期比76.5%減)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ23,513百万円減少し、203,742百万円となりました。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2,298百万円減少し、33,887百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ21,214百万円減少し、169,854百万円となりました。
主な増減内容については、『(1)経営成績等の状況の概要』に記載のとおりであります。
以上の結果、財務指標としては、流動比率が前連結会計年度末の536.9%から509.9%に低下し、自己資本比率が前連結会計年度末の83.9%から83.2%に低下しております。
(経営戦略の現状と見通し)
経営戦略の現状と見通しについては、『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』にて報告しております。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社グループは、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。今後の資金使途につきましては、新価値創出に向けた研究開発投資、店舗の出店・リニューアルや生産性向上のための設備投資、M&Aを含む新規ブランドの創出・育成に取り組むことで、将来のキャッシュ・フローの創出を目指します。なお、キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、子会社における資金業務を当社に集中させることにより、当社グループ全体の資金効率化を図っております。
事業資金と余剰資金については、それぞれ資金運用管理規程及び資金運用管理基準をもとに運用しております。当連結会計年度末の現金及び預金残高は59,518百万円と前連結会計年度末に比べ7,029百万円減少しております。
(経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、2021年から2023年の新中期経営計画を、持続的な成長に向けた基盤構築の期間と位置づけ、3ヶ年平均の連結売上高成長率7~9%、連結営業利益成長率30%、2023年末時点のROE 12%の達成を目指し、2023年のコロナ禍以前の2019年水準を超える業績への回復を目指してまいります。次期(2021年12月期)の業績見通しにつきましては、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴う経済の下押し圧力等を勘案し、売上高190,000百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益19,000百万円(前年同期比38.2%増)、経常利益19,000百万円(前年同期比51.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11,300百万円(前年同期比144.0%増)を見込んでおります。『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』に記載の重点戦略に取り組み、目標とする経営指標の達成を目指してまいります。