有価証券報告書-第22期(2023/04/01-2024/03/31)
[経営成績等の概要]
(1)経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行するなど、感染拡大防止のための行動制限緩和によって経済社会活動の正常化が進展したものの、不安定な国際情勢の中、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、円安を背景とした物価上昇など、経済動向は引き続き先行き不透明な状況にあります。
このような状況の中、当連結会計年度においては、当社グループの柱であります乗換案内等の有料会員サービスは、コモディティ化等の市場環境の影響による有料会員の減少傾向に伴い、当サービスにおける収益は継続的に減少しており、新たな柱となる事業創出、ポートフォリオ強化が急務となっております。その一環として、2022年11月にプラウドエンジン株式会社、2023年4月に株式会社駅探I&Iを連結子会社にしたことにより、売上高は大幅に増加しました。
一方、利益面では、第2四半期連結累計期間までは、有料会員サービス収益の減少、株式会社サークアの取り巻く環境の厳しさが増したことが影響し、低調な業績となりました。しかし、第3四半期連結会計期間において、株式会社サークアにおける体制見直しや経費圧縮によるコスト削減の実施、また、新たなジャンルの商材による収益貢献もあり、株式会社サークア単体における業績は黒字化を実現いたしました。更に、チケットレス出張手配サービス「BTOnline」の改修作業の収束、のれん等の無形固定資産の減損による減価償却費の圧縮があり、第3四半期連結会計期間以降におけるグループ全体の営業利益は97,741千円、経常利益は99,034千円と大幅に改善いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、当連結会計年度において、乗換案内サービス、株式会社サークア及び新規サービスであります「駅探PICKS」の将来キャッシュ・フローの見積りを行った結果、のれん等の無形固定資産の回収は困難であると判断し、855,627千円の減損損失を特別損失に計上したため、大幅な赤字計上となりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は4,038,300千円(前年同期比26.0%増)、EBITDAは184,667千円(前年同期比37.8%減)、営業利益は23,623千円(前年同期比77.5%減)、経常利益は27,457千円(前年同期比73.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は736,292千円(前年同期は89,827千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、当連結会計年度より、M&A・インキュベーション事業セグメントを追加しております。
①モビリティサポート事業
当連結会計年度における当セグメント利益は、乗換案内サービスのコモディティ化による継続的な有料会員の減少に伴い、減益となりました。
当連結会計年度では、前述した継続的な有料会員の減少に加え、前連結会計年度で対応しておりましたチケットレス出張手配サービス「BTOnline」の改修作業の追加コストが生じたため、減収減益となりました。
この結果、売上高は1,485,549千円(前年同期比6.9%減)、EBITDAは380,042千円(前年同期比26.3%減)、セグメント利益は323,554千円(前年同期比29.3%減)となりました。
②広告配信プラットフォーム事業
当連結会計年度における当セグメント利益は、株式会社サークアにおいて、体制見直しや経費圧縮によるコスト削減の実施、また、新たなジャンルの商材による収益貢献もあり、単体における業績は黒字化したことにより、大幅に改善いたしました。
当連結会計年度では、前第3四半期連結会計期間からプラウドエンジン株式会社を当セグメントに追加した一方で、株式会社サークアにおいては、改善の傾向は見られるものの、薬機法の改正やその取り巻く環境が厳しくなった影響が大きく、減収となりました。利益面では、前述したとおり、第3四半期連結会計期間において、株式会社サークアによるコスト削減、新ジャンルの商材による収益貢献もありましたが、第2四半期連結累計期間で発生しましたのれん等の償却費をカバーするまでには至らず、セグメント損失となりました。
この結果、売上高は1,486,001千円(前年同期比7.7%減)、EBITDAは22,530千円(前年同期比66.3%減)、セグメント損失は55,545千円(前年同期は61,499千円のセグメント損失)となりました。
③M&A・インキュベーション事業
当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高1,071,286千円、EBITDA73,951千円、セグメント利益51,998千円となりました。なお、当セグメントは、2023年4月25日付で株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、新たに追加したものであり、比較すべき前連結会計年度の金額が存在しないため、当連結会計年度に発生した金額のみ記載しております。
(2)財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,109,795千円となり、前連結会計年度末に比べ241,220千円増加しました。固定資産は625,373千円となり、前連結会計年度末に比べ658,999千円減少しました。この結果、総資産は2,735,168千円となり、前連結会計年度末に比べ417,779千円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は666,983千円となり、前連結会計年度末に比べ228,843千円増加しました。固定負債は368,147千円となり、前連結会計年度末に比べ141,313千円増加しました。この結果、負債合計は1,035,130千円となり、前連結会計年度末に比べ370,157千円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,700,038千円となり、前連結会計年度末に比べ787,936千円減少しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ100,405千円減少し、1,324,577千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、141,944千円の収入(前年同期は63,211千円の収入)となりました。これは主に、減損損失855,627千円、税金等調整前当期純損失839,423千円及び減価償却費114,780千円があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、161,303千円の支出(前年同期は265,555千円の支出)となりました。これは主に、短期貸付金の回収による収入112,500千円、新規連結子会社の取得による支出97,102千円、無形固定資産の取得による支出89,352千円及び短期貸付けによる支出67,500千円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、81,046千円の支出(前年同期は452,250千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出68,421千円、配当金の支払額67,625千円及び長期借入れによる収入60,000千円があったことなどによるものです。
[生産、受注及び販売の実績]
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.広告配信プラットフォーム事業においては、主に広告配信サービスの提供を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。
2.株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、当連結会計年度より、M&A・インキュベーション事業セグメントを追加しております。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.広告配信プラットフォーム事業においては、主に広告配信サービスの提供を行っており、受注実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。
2.当連結会計年度において受注残高に著しい変動がありました。これは、モビリティサポート事業においてチケットレス出張手配サービス「BTOnline」関連の受託業務が減少したこと等によります。
3.株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、当連結会計年度より、M&A・インキュベーション事業セグメントを追加しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.各セグメントの販売実績は、セグメント間の内部取引高を含んでおり、調整額でセグメント間取引の合計額を消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度における株式会社アップデイトに対する販売実績は、連結損益計算書の販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。
3.株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、当連結会計年度より、M&A・インキュベーション事業セグメントを追加しております。
[経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容]
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
イ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,038,300千円(前年同期比26.0%増)、営業利益23,623千円(前年同期比77.5%減)、経常利益27,457千円(前年同期比73.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失736,292千円(前年同期は89,827千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
(売上高)
当社グループの柱であります乗換案内等の有料会員サービスは、コモディティ化等の市場環境の影響による有料会員の減少傾向に伴い、当サービスにおける収益は継続的に減少しており、新たな柱となる事業創出、ポートフォリオ強化が急務となっております。その一環として、2022年11月にプラウドエンジン株式会社、2023年4月に株式会社駅探I&Iを連結子会社にしたことにより、グループ全体の売上高は、前年同期比26.0%増となりました。
・モビリティサポート事業
乗換案内等の有料会員サービスにおいて、コモディティ化等の市場環境の影響による当サービスの売上高が減少した結果、前年同期比で7.0%減となりました。
・広告配信プラットフォーム事業
前第3四半期連結会計期間からプラウドエンジン株式会社を当セグメントに追加した一方で、株式会社サークアにおいて、薬機法の改正やその取り巻く環境が厳しくなった影響が大きく、前年同期比で7.7%減となりました。
・M&A・インキュベーション事業
当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高1,068,886千円となりました。なお、当セグメントは、2023年4月25日付で株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、新たに追加したものであり、比較すべき前連結会計年度の金額が存在しないため、当連結会計年度に発生した金額のみ記載しております。
(営業利益、経常利益)
ポートフォリオの強化として実施いたしましたプラウドエンジン株式会社及び株式会社駅探I&Iの子会社化により増益となりましたが、利益率の高い有料会員サービスの売上高減少分を補うには至らず、また、チケットレス出張手配サービス「BTOnline」における改修コストが増加したため、グループ全体では減益となりました。この結果、営業利益は前年同期比77.5%減、経常利益は前年同期比73.7%減となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失)
乗換案内サービス、株式会社サークア及び新規サービスであります「駅探PICKS」の将来キャッシュ・フローの見積りを行った結果、のれん等の無形固定資産の回収は困難であると判断し、855,627千円の減損損失を特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は736,292千円(前期は89,827千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
ロ.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,109,795千円となり、前連結会計年度末に比べ241,220千円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加193,544千円、流動資産「その他」の増加101,169千円及び、現金及び預金の減少56,093千円によるものであります。固定資産は625,373千円となり、前連結会計年度末に比べ658,999千円減少しました。これは主に、のれんの減少319,332千円、ソフトウエアの減少264,481千円によるものであります。この結果、総資産は2,735,168千円となり、前連結会計年度末に比べ417,779千円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は666,983千円となり、前連結会計年度末に比べ228,843千円増加しました。これは主に、流動負債「その他」の増加136,216千円、1年内返済予定の長期借入金の増加66,691千円によるものであります。固定負債は368,147千円となり、前連結会計年度末に比べ141,313千円増加しました。これは主に、長期借入金の増加201,250千円、繰延税金負債の減少110,272千円によるものであります。この結果、負債合計は1,035,130千円となり、前連結会計年度末に比べ370,157千円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,700,038千円となり、前連結会計年度末に比べ787,936千円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失736,292千円、剰余金の配当67,864千円によるものであります。この結果、自己資本比率は62.2%となり、前連結会計年度末に比べ16.8ポイント低下しました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ100,405千円減少し、1,324,577千円となりました。当連結会計年度の区分ごとのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー141,944千円、投資活動によるキャッシュ・フロー△161,303千円、財務活動によるキャッシュ・フロー△81,046千円であります。
当社グループの主な資金需要は、人件費や外注費等の売上原価の支払、販売費及び一般管理費の支払、配当金の支払、借入金の返済及び法人税等の支払等であります。また、事業戦略として、M&Aによる事業拡大を推進しており、有望な案件があれば投資を実行してまいります。これらの必要な資金に関しては、自己資金により充当し、大型投資の資金は必要に応じて金融機関からの借入等により資金調達することを基本方針としております。
当連結会計年度末現在、借入金の残高は367,941千円であります。また、当社は、取引銀行と当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額の総額は500,000千円であり、借入実行残高はありません。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行するなど、感染拡大防止のための行動制限緩和によって経済社会活動の正常化が進展したものの、不安定な国際情勢の中、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、円安を背景とした物価上昇など、経済動向は引き続き先行き不透明な状況にあります。
このような状況の中、当連結会計年度においては、当社グループの柱であります乗換案内等の有料会員サービスは、コモディティ化等の市場環境の影響による有料会員の減少傾向に伴い、当サービスにおける収益は継続的に減少しており、新たな柱となる事業創出、ポートフォリオ強化が急務となっております。その一環として、2022年11月にプラウドエンジン株式会社、2023年4月に株式会社駅探I&Iを連結子会社にしたことにより、売上高は大幅に増加しました。
一方、利益面では、第2四半期連結累計期間までは、有料会員サービス収益の減少、株式会社サークアの取り巻く環境の厳しさが増したことが影響し、低調な業績となりました。しかし、第3四半期連結会計期間において、株式会社サークアにおける体制見直しや経費圧縮によるコスト削減の実施、また、新たなジャンルの商材による収益貢献もあり、株式会社サークア単体における業績は黒字化を実現いたしました。更に、チケットレス出張手配サービス「BTOnline」の改修作業の収束、のれん等の無形固定資産の減損による減価償却費の圧縮があり、第3四半期連結会計期間以降におけるグループ全体の営業利益は97,741千円、経常利益は99,034千円と大幅に改善いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、当連結会計年度において、乗換案内サービス、株式会社サークア及び新規サービスであります「駅探PICKS」の将来キャッシュ・フローの見積りを行った結果、のれん等の無形固定資産の回収は困難であると判断し、855,627千円の減損損失を特別損失に計上したため、大幅な赤字計上となりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は4,038,300千円(前年同期比26.0%増)、EBITDAは184,667千円(前年同期比37.8%減)、営業利益は23,623千円(前年同期比77.5%減)、経常利益は27,457千円(前年同期比73.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は736,292千円(前年同期は89,827千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、当連結会計年度より、M&A・インキュベーション事業セグメントを追加しております。
①モビリティサポート事業
当連結会計年度における当セグメント利益は、乗換案内サービスのコモディティ化による継続的な有料会員の減少に伴い、減益となりました。
当連結会計年度では、前述した継続的な有料会員の減少に加え、前連結会計年度で対応しておりましたチケットレス出張手配サービス「BTOnline」の改修作業の追加コストが生じたため、減収減益となりました。
この結果、売上高は1,485,549千円(前年同期比6.9%減)、EBITDAは380,042千円(前年同期比26.3%減)、セグメント利益は323,554千円(前年同期比29.3%減)となりました。
②広告配信プラットフォーム事業
当連結会計年度における当セグメント利益は、株式会社サークアにおいて、体制見直しや経費圧縮によるコスト削減の実施、また、新たなジャンルの商材による収益貢献もあり、単体における業績は黒字化したことにより、大幅に改善いたしました。
当連結会計年度では、前第3四半期連結会計期間からプラウドエンジン株式会社を当セグメントに追加した一方で、株式会社サークアにおいては、改善の傾向は見られるものの、薬機法の改正やその取り巻く環境が厳しくなった影響が大きく、減収となりました。利益面では、前述したとおり、第3四半期連結会計期間において、株式会社サークアによるコスト削減、新ジャンルの商材による収益貢献もありましたが、第2四半期連結累計期間で発生しましたのれん等の償却費をカバーするまでには至らず、セグメント損失となりました。
この結果、売上高は1,486,001千円(前年同期比7.7%減)、EBITDAは22,530千円(前年同期比66.3%減)、セグメント損失は55,545千円(前年同期は61,499千円のセグメント損失)となりました。
③M&A・インキュベーション事業
当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高1,071,286千円、EBITDA73,951千円、セグメント利益51,998千円となりました。なお、当セグメントは、2023年4月25日付で株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、新たに追加したものであり、比較すべき前連結会計年度の金額が存在しないため、当連結会計年度に発生した金額のみ記載しております。
(2)財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,109,795千円となり、前連結会計年度末に比べ241,220千円増加しました。固定資産は625,373千円となり、前連結会計年度末に比べ658,999千円減少しました。この結果、総資産は2,735,168千円となり、前連結会計年度末に比べ417,779千円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は666,983千円となり、前連結会計年度末に比べ228,843千円増加しました。固定負債は368,147千円となり、前連結会計年度末に比べ141,313千円増加しました。この結果、負債合計は1,035,130千円となり、前連結会計年度末に比べ370,157千円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,700,038千円となり、前連結会計年度末に比べ787,936千円減少しました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ100,405千円減少し、1,324,577千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、141,944千円の収入(前年同期は63,211千円の収入)となりました。これは主に、減損損失855,627千円、税金等調整前当期純損失839,423千円及び減価償却費114,780千円があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、161,303千円の支出(前年同期は265,555千円の支出)となりました。これは主に、短期貸付金の回収による収入112,500千円、新規連結子会社の取得による支出97,102千円、無形固定資産の取得による支出89,352千円及び短期貸付けによる支出67,500千円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、81,046千円の支出(前年同期は452,250千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出68,421千円、配当金の支払額67,625千円及び長期借入れによる収入60,000千円があったことなどによるものです。
[生産、受注及び販売の実績]
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
モビリティサポート事業(千円) | 51,021 | 87.9 |
広告配信プラットフォーム事業(千円) | - | - |
M&A・インキュベーション事業(千円) | 39,022 | - |
合計 | 90,043 | 155.1 |
(注)1.広告配信プラットフォーム事業においては、主に広告配信サービスの提供を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。
2.株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、当連結会計年度より、M&A・インキュベーション事業セグメントを追加しております。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
モビリティサポート事業 | 72,498 | 101.6 | 4,410 | 32.3 |
広告配信プラットフォーム事業 | - | - | - | - |
M&A・インキュベーション事業 | 97,792 | - | 412 | - |
合計 | 170,291 | 238.7 | 4,822 | 35.3 |
(注)1.広告配信プラットフォーム事業においては、主に広告配信サービスの提供を行っており、受注実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。
2.当連結会計年度において受注残高に著しい変動がありました。これは、モビリティサポート事業においてチケットレス出張手配サービス「BTOnline」関連の受託業務が減少したこと等によります。
3.株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、当連結会計年度より、M&A・インキュベーション事業セグメントを追加しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
モビリティサポート事業(千円) | 1,485,549 | 93.1 |
広告配信プラットフォーム事業(千円) | 1,486,001 | 92.3 |
M&A・インキュベーション事業(千円) | 1,071,286 | - |
調整額 | △4,537 | - |
合計 | 4,038,300 | 126.0 |
(注)1.各セグメントの販売実績は、セグメント間の内部取引高を含んでおり、調整額でセグメント間取引の合計額を消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度における株式会社アップデイトに対する販売実績は、連結損益計算書の販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
株式会社NTTドコモ | 660,409 | 20.6 | 583,587 | 14.5 |
株式会社アップデイト | 340,042 | 10.6 | - | - |
3.株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、当連結会計年度より、M&A・インキュベーション事業セグメントを追加しております。
[経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容]
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
イ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,038,300千円(前年同期比26.0%増)、営業利益23,623千円(前年同期比77.5%減)、経常利益27,457千円(前年同期比73.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失736,292千円(前年同期は89,827千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
(単位:千円) |
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | |
2024年3月期 | 4,038,300 | 23,623 | 27,457 | △736,292 |
2023年3月期 | 3,206,085 | 105,084 | 104,496 | 89,827 |
増減率(%) | 26.0 | △77.5 | △73.7 | - |
(売上高)
当社グループの柱であります乗換案内等の有料会員サービスは、コモディティ化等の市場環境の影響による有料会員の減少傾向に伴い、当サービスにおける収益は継続的に減少しており、新たな柱となる事業創出、ポートフォリオ強化が急務となっております。その一環として、2022年11月にプラウドエンジン株式会社、2023年4月に株式会社駅探I&Iを連結子会社にしたことにより、グループ全体の売上高は、前年同期比26.0%増となりました。
(単位:千円) |
モビリティサポート 事業 | 広告配信プラット フォーム事業 | M&A・インキュベーション事業 | 計 | |
2024年3月期 | 1,483,895 | 1,485,518 | 1,068,886 | 4,038,300 |
2023年3月期 | 1,595,863 | 1,610,222 | - | 3,206,085 |
増減率(%) | △7.0 | △7.7 | - | 26.0 |
・モビリティサポート事業
乗換案内等の有料会員サービスにおいて、コモディティ化等の市場環境の影響による当サービスの売上高が減少した結果、前年同期比で7.0%減となりました。
・広告配信プラットフォーム事業
前第3四半期連結会計期間からプラウドエンジン株式会社を当セグメントに追加した一方で、株式会社サークアにおいて、薬機法の改正やその取り巻く環境が厳しくなった影響が大きく、前年同期比で7.7%減となりました。
・M&A・インキュベーション事業
当連結会計年度における当セグメントの業績は、売上高1,068,886千円となりました。なお、当セグメントは、2023年4月25日付で株式会社駅探I&Iを設立したことに伴い、新たに追加したものであり、比較すべき前連結会計年度の金額が存在しないため、当連結会計年度に発生した金額のみ記載しております。
(営業利益、経常利益)
ポートフォリオの強化として実施いたしましたプラウドエンジン株式会社及び株式会社駅探I&Iの子会社化により増益となりましたが、利益率の高い有料会員サービスの売上高減少分を補うには至らず、また、チケットレス出張手配サービス「BTOnline」における改修コストが増加したため、グループ全体では減益となりました。この結果、営業利益は前年同期比77.5%減、経常利益は前年同期比73.7%減となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失)
乗換案内サービス、株式会社サークア及び新規サービスであります「駅探PICKS」の将来キャッシュ・フローの見積りを行った結果、のれん等の無形固定資産の回収は困難であると判断し、855,627千円の減損損失を特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は736,292千円(前期は89,827千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
ロ.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,109,795千円となり、前連結会計年度末に比べ241,220千円増加しました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産の増加193,544千円、流動資産「その他」の増加101,169千円及び、現金及び預金の減少56,093千円によるものであります。固定資産は625,373千円となり、前連結会計年度末に比べ658,999千円減少しました。これは主に、のれんの減少319,332千円、ソフトウエアの減少264,481千円によるものであります。この結果、総資産は2,735,168千円となり、前連結会計年度末に比べ417,779千円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は666,983千円となり、前連結会計年度末に比べ228,843千円増加しました。これは主に、流動負債「その他」の増加136,216千円、1年内返済予定の長期借入金の増加66,691千円によるものであります。固定負債は368,147千円となり、前連結会計年度末に比べ141,313千円増加しました。これは主に、長期借入金の増加201,250千円、繰延税金負債の減少110,272千円によるものであります。この結果、負債合計は1,035,130千円となり、前連結会計年度末に比べ370,157千円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,700,038千円となり、前連結会計年度末に比べ787,936千円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失736,292千円、剰余金の配当67,864千円によるものであります。この結果、自己資本比率は62.2%となり、前連結会計年度末に比べ16.8ポイント低下しました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ100,405千円減少し、1,324,577千円となりました。当連結会計年度の区分ごとのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー141,944千円、投資活動によるキャッシュ・フロー△161,303千円、財務活動によるキャッシュ・フロー△81,046千円であります。
当社グループの主な資金需要は、人件費や外注費等の売上原価の支払、販売費及び一般管理費の支払、配当金の支払、借入金の返済及び法人税等の支払等であります。また、事業戦略として、M&Aによる事業拡大を推進しており、有望な案件があれば投資を実行してまいります。これらの必要な資金に関しては、自己資金により充当し、大型投資の資金は必要に応じて金融機関からの借入等により資金調達することを基本方針としております。
当連結会計年度末現在、借入金の残高は367,941千円であります。また、当社は、取引銀行と当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額の総額は500,000千円であり、借入実行残高はありません。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。