有価証券報告書-第17期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/21 15:03
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(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、年度後半より米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題、新興国の通貨安に加え、中東・東アジアの地政学的リスクの影響により景気の減速が意識される不透明な状況で推移しました。一方、日本経済においては、自然災害の多発による一時的な生産の停滞や輸出の減速は見られたものの、その後の持ち直し、雇用や所得環境の改善等を背景として緩やかな回復基調を辿りました。
当社の属する半導体業界では、先端技術をめぐる米中の摩擦が顕在化し、特定の分野に深刻な影響が出ているものの、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTや人工知能(AI)、ビッグデータ、次世代高速通信規格、自動運転関連のビジネスは拡大の一途を辿っており、これらの分野における旺盛な需要により活況を呈しております。
当社の事業領域であるAI/ビジュアル・コンピューティング分野においては、AI関連の市場規模拡大を背景に、異業種からの参入も含めたAIチップの開発競争が続いており、技術優位性に加え、市場ニーズを的確に捉えた製品の開発と速やかな市場投入が要求される事業環境にあります。
このような環境下において、当社は、前事業年度より開始した画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、既存のエッジAI IP ZIA DV700に加え、新たにZIA DV500を開発し、販売を開始しました。なお、ZIAについては、IPにとどまらず、DVシリーズを搭載したエッジAI向けFPGAモジュールZIA C2、C3キットを開発し、好調な販売開始となりました。これらAI関連製品のラインナップ充実に加え、㈱ACCESS、㈱パルテック、㈱マクニカ、㈱クロス
コンパス等のアライアンスパートナーとの協業による収益機会の多角化を推進してまいりました。また、IPライセンスビジネスにおいては、既存のGPU IPの新規ライセンスに加え、新たにAI IPのライセンス契約も複数獲得することができました。さらに、プロフェッショナルサービスにおいてもAI関連の受託開発案件が伸張しており、案件の増加に伴いこの分野に精通したエンジニアの増員を行ない、開発体制の強化を図りました。
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より委託を受けております「省電力AIエンジンと異種エンジン統合クラウドによる人工知能プラットフォーム」の開発に関しては、2017年3月期より3年間の開発期間が終了し、計画どおりの進捗を見ることができました。なお、本受託開発については、2019年4月より2年間の開発期間延長が決定され、翌事業年度より助成金を受けて開発を継続してまいります。
業務資本提携先である㈱UKCホールディングス(注)との協業に関しましては、LSI事業におけるチャネルパートナーとしての取引に加え、AI関連の取引が拡大しております。
この結果、当事業年度の売上高は、IPライセンス、ランニングロイヤリティ収入、LSI製品、プロフェッショナルサービスにおけるAI関連の受託開発売上を計上し、1,086百万円(前年同期比11.6%増)となり、増収となりました。利益につきましては、利益率の高いIPライセンス事業の売上が期初計画を下回った影響等により、営業利益は28百万円(前年同期比58.5%減)となり、経常利益は33百万円(前年同期比49.9%減)となりました。また、当期純利益は、35百万円(前年同期比67.8%減)となりました。
当社は、単一セグメントでありますが、事業の傾向を示すため、事業別の業績を以下に示します。
事業別売上高
a.IPコアライセンス事業
GPUおよびAIの新規ライセンス、既存顧客からのランニングロイヤリティ収入および保守サポートによる収入を計上したことにより、売上高は230百万円となりました。
b.LSI製品事業
「RS1」の量産出荷による売上に加え、AI FPGAモジュール「ZIA C3」の売上を計上し、売上高は364百万円となりました。
c.プロフェッショナルサービス事業
AI関連受託開発売上が好調に推移するとともに、NEDOの受託開発売上を計上したことにより、491百万円となりました。
(注)㈱UKCホールディングスは、2019年4月1日をもって㈱バイテックホールディングスとの合併により商号を㈱レスターホールディングスに変更しております。
(財務状態)
(資産)
当事業年度末における資産合計額は2,383百万円となり、前事業年度末に比べ262百万円増加いたしました。これは主に、売掛金が333百万円増加したこと、従業員向けに譲渡制限付株式を発行したことに伴い長期前払費用が31百万円増加したこと、および販売目的のソフトウエアを減価償却したことに伴い無形固定資産が52百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における流動負債および固定負債は合計で385百万円となり、前事業年度末に比べ137百万円増加いたしました。これは主に、画像処理半導体の仕入計上に伴う買掛金が162百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計額は1,998百万円となり、前事業年度末に比べ124百万円増加いたしました。これは主に、当事業年度においてストック・オプションが17,100株行使されたことおよび従業員向けに譲渡制限付株式10,100株を発行したことにより、資本金、資本準備金がそれぞれ45百万円増加したことに加えて、当期純利益の計上により利益剰余金が35百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は83.8%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ62百万円減少し1,442百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、97百万円の支出(前年同期は205百万円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益36百万円、減価償却費61百万円、仕入債務の増加額162百万円、および売上債権の増加額333百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2百万円の支出(前年同期は141百万円の収入)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出1百万円、および敷金の差入による支出1百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、31百万円の収入(前年同期は97百万円の収入)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入34百万円によるものであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
2015年3月期2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期
自己資本比率(%)96.688.993.688.283.8
時価ベースの自己資本比率(%)276.1238.0392.9834.8548.5

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(注)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
③生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当事業年度の仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
事業部門の名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
仕入実績(千円)前年同期比(%)
IPコアライセンス事業--
LSI製品事業265,652290.8
プロフェッショナルサービス事業--
合計265,652290.8

(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当事業年度の受注状況を事業部門別に示すと次のとおりであります。
事業部門の名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
IPコアライセンス事業----
LSI製品事業361,092234.9--
プロフェッショナルサービス事業322,92596.63,9832.3
合計693,017142.03,9832.3

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.IPコアライセンス事業には、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
事業部門の名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
販売実績(千円)前年同期比(%)
IPコアライセンス事業230,97170.8
LSI製品事業364,470242.4
プロフェッショナルサービス事業491,27198.8
合計1,086,713111.6

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社UKCホールディングス318,63132.7489,87045.1
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構242,20124.9172,32915.9
シャープ株式会社136,40914.0--

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度のシャープ株式会社については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。当社はこの財務諸表の作成にあたって、たな卸資産の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、市場販売目的のソフトウエアの見込販売数等の重要な会計方針に関する見積りおよび判断を行っております。当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績は、IPライセンス、ランニングロイヤリティ収入、プロフェッショナルサービスにおけるAI関連の受託開発売上を計上し、1,086百万円(前年同期比11.6%増)となりました。利益面につきましては、利益率の高いIPコアライセンス事業の売上が期初計画を下回った影響等により、営業利益は28百万円(前期比58.5%減)となり、経常利益は33百万円(前期比49.8%減)となりました。また、当期純利益は35百万円(前期比67.8%減)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金及び設備投資等資金には、主として自己資金を充当することを基本方針としております。この方針に従い、当事業年度における運転資金、IT機器等の設備投資資金については、自己資金を充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、事業拡大に向けた技術優位性の維持向上と開発体制の強化のための人的投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、自己資金を充当する予定であります。
④経営戦略の現状と見通し
今後の世界経済は、米中の貿易摩擦や英国のEU離脱問題など、保護主義的な色彩が更に強まるものと懸念され、先行きに不透明感のある展開が予想されます。
当社の属する半導体業界では、本格的なAI/IoT時代の到来が迫り、関連する分野の半導体需要の増大が続くものと見込まれます。
このような環境下において当社は、引き続き、主力製品である「RS1」の販売数量拡大に注力するとともに、AI分野における収益基盤の確立を図るため、「ZIA」シリーズのポートフォリオを充実させ、カメラ、産業機器、車載機器をはじめとする様々な分野において顧客ニーズを的確に捉えた製品を投入することにより、収益機会の拡大を図ります。また、AI分野における技術優位性の維持向上と開発体制の強化を図るため、優秀なエンジニアの採用、育成にも経営資源を配分し、今後の事業拡大に備えた投資と位置づけてまいります。

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