有価証券報告書-第21期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/27 15:13
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行が第6波から第8波まで周期的に継続する中、行動制限の緩和や社会経済活動の活性化の取り組みにより、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られました。しかし、急激な円安、物価やエネルギーコストの高騰等による経済、国民生活に与える影響が顕在化しています。先行きについては、2023年5月8日の新型コロナウイルス感染症の2類相当から5類への分類移行もあり、社会経済活動の正常化に大きく舵が切られましたが、周期的な感染拡大のリスクへの対応など課題は残されています。また、世界においては、金融引き締めによる影響に加え、ウクライナ情勢の影響による原材料、食料価格の高止まりや供給面での制約等に伴う景気後退リスクが顕在化しています。
当社グループの属する半導体業界では、様々な産業における旺盛な需要による半導体の供給不足が継続し、自動車を含め半導体を使用した電子機器の生産に影響が出ました。中期的にも、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTや人工知能(AI)、ビッグデータ、次世代高速通信規格、自動運転向けの需要拡大が見込まれます。
当社グループの事業領域であるAI/ビジュアル・コンピューティング分野においては、少子高齢化に伴う労働人口の減少、コロナ禍、気候変動等の社会・環境課題の解決や安全安心社会の実現に向けたイノベーションの加速やAIの果たす役割の増大が予想されます。
このような環境下において、当社グループは、社会・環境課題の解決への貢献と収益・利益の獲得を両立し、企業価値を向上させるCSV(Creating Shared Value)経営を実現することを、中期経営計画の基本方針としております。注力分野であるセーフティ分野およびロボティクス分野において、企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体に亘り、アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開し、付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図ってまいります。
当連結会計年度の注力分野における具体的な取り組みと成果としては、まずセーフティ分野において、安全運転支援向けとして、エンドユーザー車両にすでに搭載されているドライブレコーダーに当社のソフトウエアを無線で実装するOTA(Over the Air)案件を含むエッジからクラウドに亘る既存プロジェクトからのリカーリング収益を獲得するとともに、新規顧客や既存顧客の新規プロジェクト向けに新規ライセンスやプロフェッショナルサービスを提供いたしました。また、業務用車両の周辺監視用途ZIA C3キットを量産出荷いたしました。
ロボティクス分野においては、顧客のPoCプロジェクトを発掘、推進するとともに、製品のロバスト性向上等の取り組みを行い、加えて、自律走行ロボット、協働ロボット等のアプリケーションにおいて、高速・高精度な距離計測を実現するStereo Vision IP「ZIA SV」の提供を開始いたしました。また、資本業務提携先のCambrian社の協働ロボット向けビジョンシステムについては、自動車産業を中心とした製造業等の最終顧客の省人化や生産性向上に向けた案件が進捗するとともに、エコシステムを拡張すべく、国内外の協働ロボットへの接続対応を進めております。
アミューズメント分野においては、稼働が好調なスマートパチスロを含むパチスロやパチンコ向けに画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続しており、「RS1」を搭載した株式会社ジーグ(サミー株式会社と株式会社ユニバーサルエンターテインメントの合弁会社)の筐体の販売が10機種10万台を突破いたしました。引き続きこのユニークな2D・3D統合チップの優位性を発揮できる市場セグメントにおけるシェア拡大を目指してまいります。
また、その他の取り組みと成果として、高精細エッジAIプロセッサー「ZIA DV720」がTVS REGZAのテレビ「レグザ」の新商品2シリーズに採用され、当年度よりランニングロイヤリティ収入を計上しております。また、現行製品の性能を大きく上回るAI IPプロセッサーの開発を進めております。
当連結会計年度の業績につきましては、製品事業において画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、量産向けZIA C3モジュール、量産ドローン向けカメラモジュール、Cambrianビジョンシステム等を出荷いたしました。IPコアライセンス事業においては、AI/GPUランニングロイヤリティ収入に加えて、セーフティ分野、ロボティクス分野においてリカーリング収益を計上いたしました。また、プロフェッショナルサービス事業においては、AI/GPU受託開発サービスを提供いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、2,322百万円(前連結会計年度比39.2%増)、営業利益は27百万円(前連結会計年度営業損失126百万円)、経常利益は28百万円(前連結会計年度経常損失122百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は22百万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純損失157百万円)となりました。
当社グループは、単一セグメントであるためセグメント別の記載はしておりませんが、事業別業績の概要は以下のとおりであります。
①IPコアライセンス事業
ディジタルスチルカメラ、4Kテレビ、OA機器等のディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入に加え、新規ライセンス収入やOTAを含むセーフティ分野およびロボティクス分野におけるリカーリング収益の計上により、売上高は261百万円(前連結会計年度173百万円)となりました。
②製品事業
「RS1」の好調な量産出荷に加えて、業務用車両の周辺監視用途ZIA C3キット、量産ドローン向けカメラモジュール、Cambrianビジョンシステム等の売上の計上により、売上高は1,956百万円(前連結会計年度1,199百万円)となりました。
③プロフェッショナルサービス事業
顧客開発案件の減少により、売上高は104百万円(前連結会計年度295百万円)となりました。
また、分野別業績の概要は以下のとおりであります。
①セーフティ分野
業務用車両の周辺監視用途ZIA C3キットの量産出荷売上、プロフェッショナルサービス収入、OTAを含むリカーリング収益等により、売上高は170百万円(前連結会計年度163百万円)となりました。
②ロボティクス分野
IPコアライセンス事業における収入、製品事業におけるCambrianビジョンシステムや量産ドローン向けカメラモジュールの売上等を計上したものの、プロフェッショナルサービス事業における顧客開発案件の減少により、売上高は185百万円(前連結会計年度236百万円)となりました。
③アミューズメント分野
「RS1」の量産出荷売上等の計上により、売上高は1,821百万円(前連結会計年度1,155百万円)となりました。
④その他分野
GPU IPライセンス収入、ディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入等の計上により、売上高は144百万円(前連結会計年度111百万円)となりました。
(2)当期の財政状態の概況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計額は3,842百万円となり、前連結会計年度末に比べ369百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が433百万円、売掛金及び契約資産が444百万円増加し、早期償還に伴い投資有価証券が499百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債および固定負債は合計で717百万円となり、前連結会計年度末に比べ341百万円増加しました。これは主に、買掛金が292百万円および契約負債が29百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計額は3,124百万円となり、前連結会計年度末に比べ28百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が22百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は81.3%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ433百万円増加し2,435百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、37百万円の支出(前連結会計年度は39百万円の支出)となりました。主な増加要因は、仕入債務の増加額292百万円、減価償却費71百万円および税金等調整前当期純利益28百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額444百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、465百万円の収入(前連結会計年度は77百万円の支出)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の償還による収入500百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、0百万円の支出(前連結会計年度は0百万円の支出)となりました。減少要因は、自己株式の取得による支出0百万円であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2019年3月期2020年3月期2021年3月期2022年3月期2023年3月期
自己資本比率(%)83.892.293.589.281.3
時価ベースの自己資本比率(%)548.5162.3250.2128.5225.1

2021年3月期より連結ベースの財務数値により計算しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
事業部門の名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
仕入実績(千円)前連結会計年度比(%)
IPコアライセンス事業--
製品事業1,339,527152.5
プロフェッショナルサービス事業--
合計1,339,527152.1

(注)金額は仕入価格によっております。
b.受注状況
当連結会計年度の受注状況を事業部門別に示すと次のとおりであります。
事業部門の名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前連結会計年度比
(%)
IPコアライセンス事業----
製品事業1,762,33162.91,408,20587.8
プロフェッショナルサービス事業89,59532.9--
合計1,851,92760.21,408,20587.0

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.IPコアライセンス事業には、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
事業部門の名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売実績(千円)前連結会計年度比(%)
IPコアライセンス事業261,041150.2
製品事業1,956,425163.1
プロフェッショナルサービス事業104,64535.4
合計2,322,112139.2

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社レスターエレクトロニクス1,195,11371.71,497,73664.5
株式会社PALTEK--343,55214.7

2.前連結会計年度の株式会社PALTEKについては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状況および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりです。
・売上高 2,322百万円(前連結会計年度比39.2%増)
製品(RS1)の売上に加えて、IPの新規ライセンス、ランニングロイヤリティ収入、プロフェッショナルサービスにおけるAI関連の受託開発売上等を計上しました。詳細は、後述の事業別の経営成績(売上高)に関する認識および分析・検討結果に記載のとおりであります。
・売上総利益 860百万円(前連結会計年度比42.3%増)、売上総利益率37.1%
売上原価に製品の仕入原価、プロフェッショナルサービスに係る受託開発原価等を計上したことによるものです。
・販売費及び一般管理費 833百万円(前連結会計年度比14.0%増)
労務費、研究開発費等を計上しました。
・営業利益 27百万円(前連結会計年度営業損失126百万円)
・経常利益 28百万円(前連結会計年度経常損失122百万円)
・親会社株主に帰属する当期純利益 22百万円(前連結会計年度親会社株主に帰属する当期純損失157百万円)
法人税等を6百万円計上したことによるものです。
・1株当たり当期純利益(EPS) 7円17銭(前連結会計年度1株当たり当期純損失△49円93銭)
当社グループは単一セグメントでありますが、当連結会計年度の事業別の経営成績(売上高)は以下のとおりです。
・IPコアライセンス事業 261百万円(前連結会計年度173百万円)
当連結会計年度は、ディジタルスチルカメラ、4Kテレビ、OA機器等のディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入に加え、新規ライセンス収入やOTAを含むセーフティ分野およびロボティクス分野におけるリカーリング収益を計上したことにより、売上高は伸長しました。
・製品事業 1,956百万円(前連結会計年度1,199百万円)
当連結会計年度は、当社の画像処理半導体「RS1」の好調な量産出荷に加えて、業務用車両の周辺監視用途ZIA C3キット、量産ドローン向けカメラモジュール、Cambrianビジョンシステム等の売上等を計上しました。主に、旧規則遊技機から新規則遊技機への入れ替え需要に伴う「RS1」の大型受注により、売上高は伸長しました。
・プロフェッショナルサービス事業 104百万円(前連結会計年度295百万円)
当連結会計年度は、顧客開発案件の減少により、売上高は減少しました。
当連結会計年度末の財政状況は以下のとおりです。
・流動資産 3,683百万円(前連結会計年度2,784百万円)
主な内訳は、現金及び預金2,435百万円、売掛金及び契約資産833百万円、有価証券300百万円であります。
・固定資産 158百万円(前連結会計年度688百万円)
主な内訳は、有形固定資産65百万円、ソフトウエア24百万円であります。
・流動負債 700百万円(前連結会計年度358百万円)
主な内訳は、画像処理半導体の仕入計上に伴う買掛金553百万円、未払金34百万円、未払消費税等28百万円であります。
・固定負債 17百万円(前連結会計年度18百万円)
・純資産 3,124百万円(前連結会計年度3,095百万円)
主な内訳は、資本金1,838百万円および資本剰余金1,858百万円、親会社株主に帰属する当期純利益22百万円を計上した結果による利益剰余金△575百万円であります。
・自己資本比率 81.3%
以上の財政状況および経営成績の状況を踏まえた経営者の視点による分析・検討内容は以下のとおりです。
・当連結会計年度の経営成績は、アミューズメント市場向けのグラフィックプロセッサー「RS1」の販売が顧客からの大型受注を受けて量産出荷を継続しており、売上高は前連結会計年度比39.2%増となりました。利益面は、売上高の伸長に伴い大幅に改善し、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益を計上する結果となりました。
・今後につきましても、2021年5月14日に公表した中期経営計画に沿って、社会・環境課題解決への貢献と利益獲得・向上を両立させることで、引き続き企業価値の向上に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ433百万円増加し2,435百万円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
・営業活動によるキャッシュ・フロー 37百万円の支出(前連結会計年度は39百万円の支出)
主な増加要因は、仕入債務の増加額292百万円、減価償却費71百万円および税金等調整前当期純利益28百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額444百万円であります。
・投資活動によるキャッシュ・フロー 465百万円の収入(前連結会計年度は77百万円の支出)
主な増加要因は、投資有価証券の償還による収入500百万円であります。
・財務活動によるキャッシュ・フロー 0百万円の支出(前連結会計年度は0百万円の支出)
要因は、自己株式の取得による支出0百万円であります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、製造委託しているLSI製品の仕入費用および製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、システム投資等によるものです。当社は、運転資金ならびに投資目的の資金需要には、主として自己資金を充当することを基本方針としております。この方針に従い、当連結会計年度における運転資金、IT機器等の設備投資資金については、自己資金を充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、事業拡大に向けた技術優位性の維持向上と開発体制の強化のための人的投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、自己資金を充当する予定であります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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