有価証券報告書-第10期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 14:15
【資料】
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【項目】
121項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く世界経済は、新型コロナウイルス感染症の収束がなお見通せないものの、各国政府や中央銀行による緊急的な各種政策対応、もしくはワクチン生産への期待感などを追い風に株価が昨年3月を底として世界的に上昇に転じるなど総じて明るい兆しが強まりました。
一方、日本では2020年末に感染者数の記録的な増加と医療提供体制逼迫に伴い政府が2021年1月から東京都などに2回目の緊急事態宣言を発出しましたが、同宣言は3月下旬まで期限が延長されるなど国内経済・消費に強い下押し圧力がかかりました。
こうした中で、当社グループが主要な事業拠点を置く中国深セン市は、新型コロナウイルスの感染の早期収束をテコに域内総生産の成長率が前年比3.1%のプラスを記録し中国全土の成長率を上回るなど、経済活動は底堅く推移しています。当社グループの大きな収益基盤は中国の不動産賃貸管理事業であるため、業績は新型コロナの感染でも特段大きな影響を受けておりません。不動産賃貸管理事業は稼働率の高い安定した収益基盤の強化に取り組んでおり、営業収益及び営業利益が前期に比べ増加し、更に為替差損の減少により経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益も増加しております。
この結果、当連結会計年度における営業収益は1,619百万円(前期比8.8%増)、営業利益1,043百万円(前期比7.2%増)、経常利益1,284百万円(前期比10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益756百万円(前期比28.4%増)を計上いたしました。
不動産開発事業について
WIC深センプロジェクトは当社グループが土地使用権を所有する深セン市福田区の土地・建物を再開発し、新たに世界中のグローバル企業が本格的な研究開発やマーケティング拠点、もしくは中国本社機能を置くことができる総延べ床面積70万㎡の大規模施設「ワールド・イノベーシヨン・センター」(仮称:WIC)を建設する構想であります。
深センは広東省、香港、マカオを包含したグレーター・ベイエリア(粤港澳大湾区)の中心で、中国中央政府はこの地域を世界有数のハイテク産業集積地帯として重点的に強化する発展計画を進めております。当社グループは開発実施主体として開発許可を取得するためのプロセスを本格化させるべく、現地当局と緊密な協議を重ねており、現在2021年内にも現地当局と開発の主要な諸条件を固めたうえでできるだけ早期に着工し、2023年には第一期完工、2025年中にはグランドオープンすることを目指しております。一方で、精力的な企業誘致活動によって日本からは現時点ですでに上場企業を中心に70社に上る優良企業がWIC進出の意向を表明し、今後、開発手続きが進むに従って参画する企業はさらに増えるものと思われます。なお、昨年末からは国内と並行してアメリカ、欧州など海外トップクラスのグローバル企業に対する誘致活動もスタートし、大手企業への働きかけを本格化させております。
人材につきましては積極的な採用を進めておりますが、深センプロジェクトの進展や業容拡大を見据え、引き続き当社グループの将来を担う有能な人材を厳選して獲得に取り組んでまいる所存であります。
当社グループは、「不動産開発及び賃貸管理事業」のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ587百万円増加し、2,800百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、947百万円増加(前期は1,013百万円の増加)いたしました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,284百万円による増加と法人税等の支払額443百万円による減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、375百万円減少(前期は179百万円の減少)いたしました。これは、定期預金の解約や満期の払戻し、貸付金の回収等による収入があった一方で、新規の定期預金の預入や貸付け、長期前払費用の支出等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、自己株式の取得によるものであります。
③ 仕入、成約及び販売の実績
当社グループは、不動産開発及び賃貸管理を主な事業としているため、仕入実績、成約状況について記載すべき事項はありません。
売上の状況
当連結会計年度における売上実績は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、「不動産開発及び賃貸管理事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
区分金額(百万円)前期比(%)
不動産賃貸管理収入1,6198.8
合計1,6198.8

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日(2021年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表作成にあたって、見積りが必要となる事項については合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。
(貸倒引当金)
貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については回収可能性を個別に検討した必要額を計上しております。債務者の支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
個別の回収可能性の検討においては、債務者の財務面を中心に、定量的・定性的の両面における分析を行い決定しております。その際、新型コロナウイルス感染症拡大リスクによる債務者の業績・財務体質への影響度合いも重要な検討要素として考慮しております。
② 財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ884百万円増加し、24,780百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金の増加によるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ46百万円減少し、1,515百万円となりました。この主な要因は、未払金等の減少によるものであります。純資産は、前連結会計年度末に比べ930百万円増加し、23,265百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金の増加によるものであります。
③ 経営成績の分析
イ.営業収益
営業収益は、前連結会計年度の1,489百万円と比較して130百万円(前期比8.8%)増加し、1,619百万円となりました。この主な要因は、新規テナントの入居による賃料収入の増加や駐車場収入の増加に加え、一部テナントの中途解約に伴う違約金収入が発生したことによるものであります。
ロ.営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度の973百万円と比較して69百万円(前期比7.2%)増加し、1,043百万円となりました。この主な要因は、営業収益が増加した一方で、長期前払費用償却の計上により販売費及び一般管理費が増加したことによるものであります。
ハ.経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の1,163百万円と比較して121百万円(前期比10.4%)増加し、1,284百万円となりました。なお、営業外収益の主な収入は受取利息185百万円であります。
ニ.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の589百万円と比較して167百万円(前期比28.4%)増加し、756百万円となりました。この主な要因は、法人税等の減少によるものであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
イ.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
ロ.財政政策
当社グループの今後の資金需要のうち主なものは、子会社皇冠電子における不動産再開発に必要な投資資金 (約70億元)であります。現在、再開発の許認可機関である深セン市政府と協議を行っておりましたが、深セン市政府の主導により、皇冠電子を中心にして、皇冠電子の所在地である車公廟エリア全体を再開発する方向性が打ち出され、当社グループは政府提案に同意する申請書を本年5月21日に提出いたしました。このため、不動産再開発の進度が格段に早まるものと想定しております。
今後、皇冠電子の資本の増額(総事業費の30%相当額)に加え、再開発の進捗度合いを図りながら投資資金の調達を進める所存であります。その際には、2018年7月に実施した第三者割当増資に加え、必要に応じて金融機関等からの資金調達を行う予定であります。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、当社が設定しております経営指標においては、EPSが目標値25円に対して当連結会計年度末18円91銭、ROEが目標値5%超に対して当連結会計年度末3.5%となりました。今後、当社グループの業績において核となる不動産再開発に向けては、継続して経営資源を重点的に投入する一方で、大型案件であることを踏まえて、プロジェクトを4期に分けて実施するなどリスクを分散化させながら、営業収益の安定化と成長性を図ってまいります。

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