有価証券報告書-第62期(令和2年2月1日-令和3年1月31日)

【提出】
2021/04/30 10:34
【資料】
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【項目】
130項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に基調としては緩やかな経済の回復が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大とそれに対応する企業活動の自粛や二度にわたる緊急事態宣言の発令により、景況感が急速に悪化しました。政府による特別定額給付金やGoToキャンペーン等の各種政策により個人消費に持ち直しの兆しがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、先行きは極めて不透明な状況が続いております。
インテリア・家具業界におきましては、大手による寡占化がすすむ一方で、巣籠もり需要の増加により、EC専売業者のシェア拡大が顕著となりました。また、巣籠もり需要による生活雑貨及び食品等の市場拡大が認められましたが、配送コストの上昇、海外メーカーによる相次ぐ値上げの要請、小売業界の人材不足による人件費の増加等により引き続き厳しい競争環境が続いております。一方、2019年の生活雑貨、家具、インテリアのBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、1兆7,428億円(前年比8.4%増)に拡大、EC化率についても増加傾向にあり(出典:令和元年度電子商取引に関する市場調査 2020年7月経済産業省)、今後についても商取引の電子化が進展することが見込まれております。
こうした環境の中で当社は、好調の定番家具シリーズのアイテム拡張のほか、ゆったりとしたヴィンテージテイストのソファGREIGシリーズを発売しました。また、手触りの良いマイクロファイバーを使用したラグマットのSOLIBEシリーズ、再生ポリエステルを使用し環境を意識したカーテン等を開発しご好評を頂きました。その他、台湾アーティストとのコラボレーション企画として、雑貨や寝具を展開し、大きな反響を頂くと共に他社との差別化を図りました。
販売戦略におきましては、実店舗(オフライン)2店舗の増床移転のみに抑え、EC店舗(オンライン)の強化に注力いたしました。また、EC店舗と実店舗を連携させるオムニチャネル強化のためアプリの追加開発を実施し、お客様によりお買い物をしやすい環境を整えました。
売上におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による実店舗の臨時休業等がありましたが、EC店舗が好調に推移いたしました。
粗利益におきましては、適正在庫の維持により過剰在庫が減り、セール開催時期においてはプロパー商材の売上が堅調だったため、粗利率が改善しました。
経費におきましては、配送費の値上げによる配送コストの増加はありましたが、臨時休業による地代家賃等の減少、WEB会議による交通費の削減等により全体的なコストを抑制することができました。また、営業外収益として、雇用調整助成金等の助成金収入を計上いたしました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高10,924,099千円(前年同期比2.2%減)、営業利益825,971千円(前年同期比1.2%増)、経常利益884,700千円(前年同期比6.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益618,293千円(前年同期比21.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(unico事業)
新型コロナウイルス感染症拡大による巣籠もり需要が増加している環境の中で当社は、実店舗(オフライン)においては、WEB接客の強化を図りました。EC店舗(オンライン)においては、システム改修により実店舗との送客関係の更なる強化を図りました。これにより、実店舗の臨時休業時には、EC店舗の売上が大きく増加し、実店舗の再開時には、EC店舗にて商品を吟味していたお客様による目的買いにより、実店舗の売上が大きく増加しました。
店舗展開としましては、アウトレットの幕張店を大型化し横浜ベイサイドに移転しました。また、路面店であったunico松山店を更なる集客が見込める複合商業施設へ移転しました。
以上の結果、当連結会計年度のセグメント売上高は10,843,747千円(前年同期比1.6%減)、セグメント利益861,858千円(前年同期比4.6%増)となりました。
(food事業)
food事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により臨時休業や営業時間の短縮を行いました。また、お客様のニーズに合わせたお弁当販売やテイクアウト、デリバリーによりお客様の獲得に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度のセグメント売上高は80,352千円(前年同期比49.7%減)、セグメント損失35,886千円(前年同期は7,688千円のセグメント損失)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
① 生産実績
該当事項はありません。
② 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年2月1日
至 2021年1月31日)
前年同期比(%)
仕入高(千円)
unico事業3,613,87974.4
food事業22,28649.2
合計3,636,16674.2

(注) 1.記載金額には消費税等は含まれておりません。
2.unico事業における主な変動要因は、適正在庫維持のため仕入れを調整したことによるものです。
3.food事業における主な変動要因は、新型コロナウイルス感染症の影響により販売実績が減少したことによるものです。
③ 受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年2月1日
至 2021年1月31日)
前年同期比(%)
売上高(千円)
unico事業10,843,74798.4
food事業80,35250.3
合計10,924,09997.8

(注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比較して75,099千円減少し、4,340,936千円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比較して84,145千円増加して、3,038,220千円となりました。主な要因は、商品及び製品の減少575,212千円等がありましたが、現金及び預金の増加590,261千円等があったことによるものであります。
また、固定資産の残高は、前連結会計年度末に比較して159,244千円減少して、1,302,715千円となりました。主な要因は、敷金及び保証金の減少51,082千円、繰延税金資産の減少33,384千円等があったことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比較して634,976千円減少し、2,071,906千円となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比較して422,727千円減少して、1,989,051千円となりました。主な要因は、短期借入金の減少300,000千円、1年内返済予定の長期借入金の減少219,751千円がありましたが、未払消費税等の増加160,412千円、前受金の増加159,548千円等があったことによるものであります。
また、固定負債の残高は、前連結会計年度末に比較して212,248千円減少して、82,854千円となりました。主な要因は、長期借入金の減少198,773千円等があったことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比較して559,876千円増加し、2,269,029千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加561,398千円等があったことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、営業活動による収入が投資活動及び財務活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末に比べ590,261千円増加し、1,085,849千円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、1,434,886千円の収入(前年同期比432.5%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益884,700千円、たな卸資産の減少による収入599,572千円、仕入債務の減少による支出134,623千円等の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、62,363千円の支出(前年同期比5.3%増)となりました。これは主に、ECサイト及び販売・会計システム追加開発費用等に係る無形固定資産の取得による支出42,349千円等の計上によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、782,270千円の支出(前年同期比103.2%増)となりました。これは主に、短期借入れによる収入1,226,000千円、短期借入金の返済による支出1,526,000千円、長期借入金の返済による支出418,524千円等の計上によるものであります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要、(2) 財政状態の状況及び(3) キャッシュ・フローの状況」に記載されているとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度の運転資金及び資本的支出は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行借入により賄いました。当社グループの重要な資本的支出は、主にunico事業に係る設備投資であります。資金の調達源につきましては、主に自己資金により賄えるものと判断しておりますが、必要に応じ金融機関からの借入金等により対応してまいります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値を持続的に高めていくことが経営上の重要課題であると認識し、3年間の中期経営計画を策定しております。中期経営計画の策定にあたっては、今後の店舗展開、商品ラインナップ及び経済情勢等の外部環境を加味し、毎期更新を行っております。
当連結会計年度における、達成状況は以下のとおりになります。
2021年1月期
(目標)
2021年1月期
(実績)
売上高10,956百万円10,924百万円
営業利益801百万円825百万円
営業利益率7.3%7.6%

なお、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)中長期的な会社の経営戦略」に記載の重要課題及び基本戦略については、目標達成には欠かせないものと考えており、今後も引き続き実行してまいります。