有価証券報告書-第61期(平成31年2月1日-令和2年1月31日)

【提出】
2020/04/30 10:33
【資料】
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【項目】
131項目
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が継続するなかで、政府による各種政策の効果もあり緩やかな経済の回復がみられました。一方で、米中の貿易摩擦やイギリスのEU離脱などによる海外経済の動向、後期には新型コロナウイルスの発生・拡大による経済への影響など、依然として不安定な状況が続いております。インテリア・家具業界におきましても、大手による寡占化がすすむ一方で、ネット販売業者や住宅関連業者の参入により、販売チャネルの多様化がすすみ、これまで以上に厳しい競争環境が続いております。
こうした環境の中で当社は、定番家具シリーズの追加アイテムの開発、その他多数の商品を開発いたしました。特に無垢材のフレームとフェザー入りクッションのやわらかな座り心地を楽しめるTRELソファはご好評をいただきました。ラグやカーテンなどのファブリック製品におきましても、質感や機能、価格面を考慮した新アイテムを販売いたしました。
販売戦略におきましては、多様化する販売チャネルに対応していくために、EC店舗(オンライン)の強化に注力いたしました。また、新たなターゲット層の開拓、ブランド認知度の向上をめざし、飲料メーカーや眼鏡小売業などの異業種とのコラボレーション企画を行い、限定アイテムを開発いたしました。
売上及び粗利益におきましては、前期から引き続き生産管理機能の精度向上を重視し、社内の人材育成と効果的な人員配置を行い、粗利益を確保しながら欠品を抑制し適正在庫の維持に注力してきました。また、夏季及び冬季共にセール開催時期にプロパー商材の売上が堅調だったため、粗利率が改善いたしました。
経費におきましては、EC広告戦略の見直しにより、広告コストの抑制もすすみ、令和元年 10 月より配送費の値上げによる配送コストの上昇はありましたが、全体的なコストを抑制することが出来ました。また、特別損失として、一部の店舗に係る減損損失を計上いたしました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高11,174,999千円(対前年同期比9.7%増)、営業利益816,380千円(対前年同期比103.0%増)、経常利益833,239千円(対前年同期比131.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益510,280千円(対前年同期比211.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(unico事業)
unico事業におきましては、継続的な生産管理機能の精度向上への取り組みにより、適正在庫の維持が可能となり、売り逃しの発生が抑制されました。販売チャネルの多様化に対応するため、アプリ開発等のEC店舗(オンライン)への開発投資を行い、その結果、EC店舗(オンライン)の売上が堅調に推移いたしました。また、定番家具シリーズの追加アイテムの開発等による新商品の売上も堅調に推移いたしました。さらに、消費増税前の駆け込み需要が消費増税後の反動を上回ったことにより、売上高及び営業利益が増加いたしました。
経費につきましては、業務効率の改善を図るべくRPA(ロボットによる業務自動化)の導入や基幹システムの追加開発等を行い、売上高の伸長に比してコストを抑制することができました。
その結果、当連結会計年度の売上高は11,015,274千円(対前年同期比10.3%増)、セグメント利益は824,069千円(対前年同期比95.4%増)となりました。
(food事業)
food事業におきましては、前期リニューアルしたBistro Khamsaは、リニューアルの効果もあり、通年で堅調な業績を上げました。しかしながら、bistro oeuf oeufは、スタッフの人員不足により十分な営業ができない時期があったため前期ほど堅調な業績を上げることは出来ませんでした。
また、前期末に閉店したLe Bistroの閉店に伴うコストの影響もあり、事業全体での黒字化には至りませんでした。
その結果、当連結会計年度の売上高は159,725千円(対前年同期比21.6%減)、セグメント損失は7,688千円(前年同期は19,682千円のセグメント損失)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成31年2月1日
至 令和2年1月31日)
前年同期比(%)
生産高(千円)
unico事業12,6008.2
food事業--
合計12,6008.2

(注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。
② 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成31年2月1日
至 令和2年1月31日)
前年同期比(%)
仕入高(千円)
unico事業4,857,587130.4
food事業45,28280.0
合計4,902,870129.7

(注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成31年2月1日
至 令和2年1月31日)
前年同期比(%)
売上高(千円)
unico事業11,015,274110.3
food事業159,72578.4
合計11,174,999109.7

(注) 記載金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態の状況
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比較して196,809千円増加し、4,416,035千円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比較して380,456千円増加して、2,954,075千円となりました。主な要因は、商品及び製品の増加524,635千円等がありましたが、現金及び預金の減少174,581千円等があったことによるものであります。
また、固定資産の残高は、前連結会計年度末に比較して183,647千円減少して、1,461,960千円となりました。主な要因は、減損損失の計上による有形固定資産の減少55,528千円、敷金及び保証金の減少33,918千円、繰延税金資産の減少29,535千円等があったことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比較して271,947千円減少し、2,706,882千円となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比較して191,152千円増加して、2,411,778千円となりました。主な要因は、短期借入金の増加300,000千円、未払法人税の増加137,139千円等がありましたが、1年内返済予定の長期借入金の減少222,255千円、未払消費税等の減少68,997千円等があったことによるものであります。
また、固定負債の残高は、前連結会計年度末に比較して463,099千円減少して、295,103千円となりました。主な要因は、長期借入金の減少420,624千円等があったことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比較して468,756千円増加し、1,709,153千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加510,280千円等がありましたが、剰余金の配当による利益剰余金の減少35,550千円等があったことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、営業活動による収入を投資活動及び財務活動による支出が上回ったため、前連結会計年度末に比べ174,581千円減少し、495,587千円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、269,466千円の収入(前年同期は794,547千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益777,711千円、減損損失55,528千円、たな卸資産の増加による支出548,113千円等の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、59,199千円の支出(前年同期は162,455千円の支出)となりました。これは主に、unicoアプリ開発費用、販売・会計システム追加開発費用等に係る無形固定資産の取得による支出78,706千円等の計上によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、385,053千円の支出(前年同期は412,141千円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入700,000千円、短期借入金の返済による支出400,000千円、長期借入金の返済による支出642,879千円等の計上によるものであります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要、(2) 財政状態の状況及び(3) キャッシュ・フローの状況」に記載されているとおりであります。
③ 資本の財源および資金の流動性についての分析
当連結会計年度の運転資金及び資本的支出は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行借入により賄いました。当社グループの重要な資本的支出は、主にunico事業に係る設備投資であります。資金の調達源につきましては、主に自己資金により賄えるものと判断しておりますが、必要に応じ金融機関からの借入金等により対応してまいります。詳細につきましては、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載されているとおりであります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値を持続的に高めていくことが経営上の重要課題であると認識し、3年間の中期経営計画を策定しております。中期経営計画の策定にあたっては、今後の店舗展開、商品ラインナップ及び経済情勢等の外部環境を加味し、毎期更新を行っております。
当連結会計年度における、達成状況は以下のとおりになります。
令和2年1月期
(目標)
令和2年1月期
(実績)
売上高10,430百万円11,174百万円
営業利益392百万円816百万円
営業利益率3.8%7.3%

なお、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略」に記載の重要課題及び基本戦略については、目標達成には欠かせないものと考えており、今後も引き続き実行してまいります。