有価証券報告書-第14期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、各国における財政政策が景気の下支えとなり持ち直しの動きがみられたものの、米国の通商
政策を背景とした貿易摩擦をはじめとする世界的な政策不確実性に加え、期の後半には中東情勢の緊迫化による地
政学リスクの高まりや市場変動が先行きの不透明感を強めました。わが国においては、雇用・所得環境の改善に支
えられた個人消費に持ち直しの動きがみられる等、緩やかな回復基調が続きましたが、米国の通商政策が自動車産
業を中心に影響を及ぼし、企業収益の改善には一服感がみられる状況となりました。
アルミニウム業界においては、自動車関連の需要が2年連続の減少、金属製品関連の需要が2年ぶりの減少とな
ったこと等から、アルミニウムの国内総需要は前期を下回りました。また、原料となるアルミニウム地金などの価
格上昇が続きました。
当期の業績は、以下のとおりです。
軽圧事業グループの板部門や押出部門における半導体製造装置向けの需要回復の遅れが継続しましたが、メタル
事業グループの自動車向け二次合金部門において国内では低調であったものの米国で好調であったこと、輸送機器
事業グループのトラック架装が前期より回復したことに加え、化成品事業グループの化成品部門や箔事業グループ
のパウダー・ペースト部門も好調であったこと等から、売上高は前期を上回りました。採算面においても、アルミ
ニウム地金市況等を反映したコスト上昇の影響があったものの、加工製品、関連事業セグメントが大きく改善した
ことや、販売価格の改定効果もあり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期を上回りま
した。
連結経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、報告セグメントに属する事業グループおよび主要な会社・事業部門は、以下のとおりです。
(アルミナ・化成品、地金)
化成品事業グループにおきましては、化成品部門は、主力の水酸化アルミニウムおよびアルミナでは放熱難燃フィラー向けの好調継続などで前期を上回る販売となり、化学品では無機塩化物の販売低迷が続いたものの、原料コスト上昇に対する販売価格改定による増収もあって、売上高は前期を上回りました。採算面でも販売増と販売価格の改定効果などにより、営業利益は前期を大幅に上回りました。
炭素製品部門は、主力の鉄鋼業界向けカーボンブロックの販売が増加したことに加え、高収益案件への販売構成の改善効果などにより、売上高・営業利益ともに前期を大幅に上回りました。
メタル事業グループにおきましては、主力の自動車向け二次合金部門は、国内は自動車生産の低調により前期並の販売となり、中国市場も低調が続いたものの、米国は販売環境好調が継続、タイは厳しい市場環境ながらも販売量が増加しました。加えて、同部門で2024年に操業開始したインド子会社の本格稼働が寄与し、当事業グループの売上高は前期を大幅に上回りました。採算面では、二次合金部門が増益となった一方、アルミニウム地金市況変動による減益影響などにより、営業利益は前期を下回りました。
以上の結果、アルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前期比10.9%増の1,835億83百万円となりましたが、営業利益は前期比13.9%減の99億39百万円となりました。
(板、押出製品)
軽圧事業グループにおきましては、板部門は、半導体製造装置向けの需要は停滞したものの、リチウムイオン電池ケース向け板材の好調やアルミニウム地金市況を反映した販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。一方、採算面では、加工賃の改定効果があったものの、半導体製造装置向け販売の減少により、営業利益は前期を下回りました。
押出部門は、半導体製造装置向けの需要は停滞したものの、トラック架装向けの販売が堅調に推移したことに加え、アルミニウム地金市況を反映した販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。採算面では、加工賃の改定効果があったものの、半導体製造装置向け販売の減少に加えアルミニウム地金市況を反映したコスト上昇の影響もあり、営業利益は前期を下回りました。
電子材料部門は、電子部品業界全体の需要は停滞したものの、車載向けアルミ電解コンデンサ用電極箔の販売増に加え、高電圧化製品の需要が拡大し平均販売単価が上昇したことから、売上高は前期を大幅に上回りました。一方、採算面では資材価格や労務費などのコスト上昇の影響が大きく、営業損益は前期から悪化しました。
以上の結果、板、押出製品セグメントの売上高は前期比7.4%増の1,112億19百万円、営業利益は上記主要部門以外における改善により、前期比1.9%増の56億59百万円となりました。
(加工製品、関連事業)
輸送機器事業グループのトラック架装は、販売台数は前期並みとなったものの、販売価格改定効果の発現によ
り、売上高は前期を上回りました。採算面でも販売価格改定効果とアフターサービスの増加により、営業利益は前期を大きく上回りました。
自動車部品事業グループにおきましては、国内で自動車生産量の一部回復に加え、新規案件の上市や新商品が増
加し、海外では日系自動車メーカーの低迷が継続したものの、売上高は前期を上回りました。採算面では国内の増販、品種構成の改善、生産性改善、販売価格の適正化により前期と比べ大きく改善しました。
エンジニアリング事業グループのパネルシステム部門は、冷凍・冷蔵分野では食品工場や低温流通倉庫の物流拠
点増設、老朽化による更新に加え、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの改装に伴う需要が堅調に推移
し、建設費高騰や人手不足による工期遅れの影響があったものの売上高は前期を上回りました。また、クリーンルーム分野は半導体関連の需要は継続しているものの、前期の大規模物件の受注に対する反動減により、売上高は前期を下回りました。以上の結果、部門全体の売上高は前期を上回りましたが、採算面では大規模物件の減少の影響および労務費などコスト上昇の影響などにより、営業利益は前期を下回りました。
景観エンジニアリング部門は、道路・橋梁分野を中心に需要は継続しているものの、建設資材価格上昇や人手不
足の影響を受け、発注計画の見直しや工期延長が発生したことから、売上高は前期を下回りました。採算面でも販売減少に加え、労務費等のコスト上昇の影響により、営業利益は前期を大きく下回りました。
以上の結果、加工製品、関連事業セグメントの売上高は前期比3.1%増の1,776億60百万円、営業利益は前期比87.9%増の59億62百万円となりました。
(箔、粉末製品)
箔事業グループの箔部門は、医薬包材向け加工箔の販売が前期を下回り、リチウムイオン電池外装用箔は車載用が第3四半期に入り調整局面となったものの、販売価格がアルミニウム地金市況の反映や加工賃の改定で上昇したことにより、部門全体の売上高は前期を上回りました。
パウダー・ペースト部門は、パウダー製品は、放熱用途の電子材アルミパウダーや窒化アルミの販売が好調に推移しました。ペースト製品は、主力の自動車塗料向けが国内では自動車生産の低調で減少した一方、海外では中国に加え北米や東南アジア向けの販売が増加しました。これにより、部門全体の売上高は前期を上回りました。
日用品部門は、コンシューマー向けはフィルター商品の販売は伸長しているものの、アルミホイルなどの食品向けが販売価格改定後の減販影響により前期を下回る販売となりました。またパッケージ用品向けは、アルミ容器や紙コップの販売が堅調に推移し、原価高騰に対する販売価格改定効果が見られた一方で、冷凍食品の値上げ影響により紙容器の販売が減少しました。その結果、部門全体の売上高は前期を下回りました。
以上の結果、箔、粉末製品セグメントの売上高は前期比3.8%増の1,130億11百万円、営業利益は前期比40.1%増の76億50百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における連結ベースの現金及び現金同等物については、前期末に比べ15億71百万円(4.5%)減少の331億19百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは256億23百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費などの非資金損益項目が、運転資金の増加などによる支出を上回ったことによるものです。なお、営業活動によるキャッシュ・フロー収入は前連結会計年度と比べ135億64百万円増加しておりますが、これは主に税金等調整前当期純利益の増加などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは180億82百万円の支出となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出によるものです。なお、投資活動によるキャッシュ・フロー支出は前連結会計年度と比べ10億25百万円減少しておりますが、これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは97億68百万円の支出となりました。これは主として借入金の返済によるものです。なお、財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度の62億43百万円の収入に対し、当連結会計年度は97億68百万円の支出となっておりますが、これは主に借入金の返済による支出が増加したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産実績及び受注実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。
(b)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、主要な販売先として記載すべきものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 2023中期経営計画レビュー
当社グループにおいては、2023年度を初年度とする中期経営計画(以下「23中計」)の最終年度として、23中計の基本方針である「新生チーム日軽金への取組み」および「社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスの提供」に基づく施策を実行し、経営改革を推進してまいりました。
23中計における重要商品・サービスであるEV関連、半導体関連の需要の伸び悩みや、アルミニウム地金等の原材料価格の上昇など外部環境は大きく変化したものの、生産品目やサプライチェーンの再構築をはじめとした対応により着実に実績を積み重ねた結果、3期連続の増収増益となりました。
また、グループ内連携の強化による新商品・新ビジネス創出と資本効率の向上を企図して2024年に実施した事業グループ体制に基づき、当社グループの成長戦略の基盤づくりに取り組みました。たとえば、2025年上半期にインド共和国の再生アルミニウム事業会社への資本参加を決定・実行し、経済成長が著しいインド市場の取り込みとグローバルな循環型サプライチェーンの確立に経営資源を投入しました。同時にグループ内での会社再編も推進し、当社グループの最適な資源配分を可能とする体制整備を進めました。
さらに、2023年に策定した品質等に関する不適切行為の再発防止の取組みについては、当初の目標通り2026年3月に一連の取組みを完了しており、同取組みのもとで進めた経営改革の推進と内部統制機能の強化により、不適切行為の再発防止とともに、当社グループ経営を目指す将来像に向けて変革していくための基盤を構築しました。
② 当連結会計年度の財政状態の分析
当社グループは、より健全で強固な経営体質にすることを狙いとした中期経営計画の諸施策と並行し、財務体質改善のための有利子負債削減や自己資本の充実に注力しております。
当連結会計年度末の総資産は、アルミニウム地金価格の上昇等による棚卸資産の増加などにより、前連結会計年度末と比べて120億8百万円増の5,563億15百万円となりました。
負債は、借入金の返済などにより、前連結会計年度末に比べて54億45百万円減の2,883億81百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末と比べて174億53百万円増の2,679億34百万円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の42.8%から44.7%となりました。
③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)概要
当連結会計年度の売上高は5,854億73百万円(前連結会計年度比 6.4%増、352億93百万円増)、営業利益は256億26百万円(同 17.9%増、38億82百万円増)、経常利益は236億46百万円(同 19.5%増、38億61百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は155億90百万円(同 26.0%増、32億15百万円増)となりました。
(b)営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ、38億82百万円増の256億26百万円となりました。営業利益のセグメント毎の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(c)営業外収益・費用
営業外収益は、為替差益が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ、38百万円増加し、39億79百万円となりました。
営業外費用は、持分法による投資損失が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ、59百万円増加し、59億59百万円となりました。
(d)特別利益・損失
特別利益は、投資有価証券売却益として31億52百万円、固定資産売却益6億48百万円計上いたしました。
特別損失は、減損損失を11億6百万円計上いたしました。減損損失の内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載のとおりであります。
(e)税金費用等
当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、課税所得が増加したこと等により、前連結会計年度と比べ、22億57百万円増加し、86億41百万円となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、主として子会社である日軽エムシーアルミ㈱の非支配株主に帰属する利益であり、当連結会計年度は21億9百万円となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に関する分析
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ15億71百万円(4.5%)減少の331億19百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ、135億64百万円増加し、256億23百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の191億7百万円の支出に対し、当連結会計年度は180億82百万円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の62億43百万円の収入に対し、97億68百万円の支出となりました。これは主に借入金の返済による支出が増加したことによるものです。
(b)資金需要・調達及び流動性について
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、充分な流動性の維持に留意しております。当社グループの資金需要としては、製品製造のための原料及び操業材料の購入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業活動に係る運転資金需要、製造設備の購入及び事業買収等の投資活動に係る長期資金需要があります。
当社グループは、資金調達に当たって資金の安定性強化と資金コストの低減に傾注しつつ、社債の発行や、主力銀行をはじめとする幅広い金融機関からの借り入れによる調達を行なっております。
また、流動性に関して、当社グループは金融情勢の変化等を勘案しながら、現金同等物の残高が適正になるように努めております。
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度120億59百万円、当連結会計年度256億23百万円の収入であり、前連結会計年度に比べると約135億円増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益が増加したことによる影響です。2026年度以降も、営業キャッシュ・フローを安定的に創出できると考えておりますが、将来の当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び長期資金を調達するためには、必ずしも充分ではない可能性があることも認識しております。将来の成長を維持・加速するために必要な資金は、基本的に新商品・新規事業の創出による売上、収益の拡大を通じて営業キャッシュ・フローの増大により確保していく方針であります。
⑥ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループでは、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えております。また、会計上の見積りのうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあると識別したものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(a)貸倒引当金
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積り、貸倒引当金として計上しております。将来、顧客等の財務状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したとの疑義が生じたと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
(b)資産の評価
当社グループは、棚卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しておりますが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに市場価値が滅失していると判断された場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上しております。実際の市場価格が、当社グループの見積りよりも悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価しております。将来において市場価格のある株式の時価が著しく下落したとき、回復する見込みがあると認められない場合には、評価損を計上する可能性があります。一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性があります。
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
(c)繰延税金資産
当社グループは、合理的で実現可能なタックスプランニングに基づき将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を充分に検討し繰延税金資産を計上しております。
将来、実際の課税所得が減少した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が減少した場合には、当該会計期間において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。一方、実際の課税所得が増加した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が増加した場合には、繰延税金資産を認識することにより、当該会計期間の当期純利益を増加させる可能性があります。
(d)退職給付費用及び債務
当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するに当たり、数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、期待運用収益率等)は、統計数値等により合理的な見積りに基づいて採用しております。これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来期間にわたって償却されるため、将来において計上される退職給付費用及び債務に影響を及ぼします。当社グループは採用している基礎率は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異が将来の当社グループの退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、各国における財政政策が景気の下支えとなり持ち直しの動きがみられたものの、米国の通商
政策を背景とした貿易摩擦をはじめとする世界的な政策不確実性に加え、期の後半には中東情勢の緊迫化による地
政学リスクの高まりや市場変動が先行きの不透明感を強めました。わが国においては、雇用・所得環境の改善に支
えられた個人消費に持ち直しの動きがみられる等、緩やかな回復基調が続きましたが、米国の通商政策が自動車産
業を中心に影響を及ぼし、企業収益の改善には一服感がみられる状況となりました。
アルミニウム業界においては、自動車関連の需要が2年連続の減少、金属製品関連の需要が2年ぶりの減少とな
ったこと等から、アルミニウムの国内総需要は前期を下回りました。また、原料となるアルミニウム地金などの価
格上昇が続きました。
当期の業績は、以下のとおりです。
軽圧事業グループの板部門や押出部門における半導体製造装置向けの需要回復の遅れが継続しましたが、メタル
事業グループの自動車向け二次合金部門において国内では低調であったものの米国で好調であったこと、輸送機器
事業グループのトラック架装が前期より回復したことに加え、化成品事業グループの化成品部門や箔事業グループ
のパウダー・ペースト部門も好調であったこと等から、売上高は前期を上回りました。採算面においても、アルミ
ニウム地金市況等を反映したコスト上昇の影響があったものの、加工製品、関連事業セグメントが大きく改善した
ことや、販売価格の改定効果もあり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期を上回りま
した。
連結経営成績
| (単位:百万円) | ||||
| 当連結会計年度 2026年3月期 | 前連結会計年度 2025年3月期 | 比較増減 | (△印減少) | |
| 売上高 | 585,473 | 550,180 | 35,293 | (6.4%) |
| 営業利益 | 25,626 | 21,744 | 3,882 | (17.9%) |
| 経常利益 | 23,646 | 19,785 | 3,861 | (19.5%) |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 15,590 | 12,375 | 3,215 | (26.0%) |
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、報告セグメントに属する事業グループおよび主要な会社・事業部門は、以下のとおりです。
| セグメント | 事業グループ | 主要会社・事業部門 |
| アルミナ・化成品、地金 | 化成品 | 日本軽金属・化成品 日本電極 |
| メタル | 日軽エムシーアルミ | |
| 板、押出製品 | 軽圧 | 日本軽金属・板 日軽金アクト 日本軽金属・電極箔 |
| 加工製品、関連事業 | 輸送機器 | 日本フルハーフ |
| 自動車部品 | 日軽金ALMO | |
| エンジニアリング | 日軽パネルシステム 日軽エンジニアリング | |
| インフラ | 日本軽金属・蒲原製造所 日本軽金属・苫小牧製造所 日軽物流 | |
| 箔、粉末製品 | 箔 | 東洋アルミニウム |
(アルミナ・化成品、地金)化成品事業グループにおきましては、化成品部門は、主力の水酸化アルミニウムおよびアルミナでは放熱難燃フィラー向けの好調継続などで前期を上回る販売となり、化学品では無機塩化物の販売低迷が続いたものの、原料コスト上昇に対する販売価格改定による増収もあって、売上高は前期を上回りました。採算面でも販売増と販売価格の改定効果などにより、営業利益は前期を大幅に上回りました。
炭素製品部門は、主力の鉄鋼業界向けカーボンブロックの販売が増加したことに加え、高収益案件への販売構成の改善効果などにより、売上高・営業利益ともに前期を大幅に上回りました。
メタル事業グループにおきましては、主力の自動車向け二次合金部門は、国内は自動車生産の低調により前期並の販売となり、中国市場も低調が続いたものの、米国は販売環境好調が継続、タイは厳しい市場環境ながらも販売量が増加しました。加えて、同部門で2024年に操業開始したインド子会社の本格稼働が寄与し、当事業グループの売上高は前期を大幅に上回りました。採算面では、二次合金部門が増益となった一方、アルミニウム地金市況変動による減益影響などにより、営業利益は前期を下回りました。
以上の結果、アルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前期比10.9%増の1,835億83百万円となりましたが、営業利益は前期比13.9%減の99億39百万円となりました。
(板、押出製品)軽圧事業グループにおきましては、板部門は、半導体製造装置向けの需要は停滞したものの、リチウムイオン電池ケース向け板材の好調やアルミニウム地金市況を反映した販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。一方、採算面では、加工賃の改定効果があったものの、半導体製造装置向け販売の減少により、営業利益は前期を下回りました。
押出部門は、半導体製造装置向けの需要は停滞したものの、トラック架装向けの販売が堅調に推移したことに加え、アルミニウム地金市況を反映した販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。採算面では、加工賃の改定効果があったものの、半導体製造装置向け販売の減少に加えアルミニウム地金市況を反映したコスト上昇の影響もあり、営業利益は前期を下回りました。
電子材料部門は、電子部品業界全体の需要は停滞したものの、車載向けアルミ電解コンデンサ用電極箔の販売増に加え、高電圧化製品の需要が拡大し平均販売単価が上昇したことから、売上高は前期を大幅に上回りました。一方、採算面では資材価格や労務費などのコスト上昇の影響が大きく、営業損益は前期から悪化しました。
以上の結果、板、押出製品セグメントの売上高は前期比7.4%増の1,112億19百万円、営業利益は上記主要部門以外における改善により、前期比1.9%増の56億59百万円となりました。
(加工製品、関連事業)輸送機器事業グループのトラック架装は、販売台数は前期並みとなったものの、販売価格改定効果の発現によ
り、売上高は前期を上回りました。採算面でも販売価格改定効果とアフターサービスの増加により、営業利益は前期を大きく上回りました。
自動車部品事業グループにおきましては、国内で自動車生産量の一部回復に加え、新規案件の上市や新商品が増
加し、海外では日系自動車メーカーの低迷が継続したものの、売上高は前期を上回りました。採算面では国内の増販、品種構成の改善、生産性改善、販売価格の適正化により前期と比べ大きく改善しました。
エンジニアリング事業グループのパネルシステム部門は、冷凍・冷蔵分野では食品工場や低温流通倉庫の物流拠
点増設、老朽化による更新に加え、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの改装に伴う需要が堅調に推移
し、建設費高騰や人手不足による工期遅れの影響があったものの売上高は前期を上回りました。また、クリーンルーム分野は半導体関連の需要は継続しているものの、前期の大規模物件の受注に対する反動減により、売上高は前期を下回りました。以上の結果、部門全体の売上高は前期を上回りましたが、採算面では大規模物件の減少の影響および労務費などコスト上昇の影響などにより、営業利益は前期を下回りました。
景観エンジニアリング部門は、道路・橋梁分野を中心に需要は継続しているものの、建設資材価格上昇や人手不
足の影響を受け、発注計画の見直しや工期延長が発生したことから、売上高は前期を下回りました。採算面でも販売減少に加え、労務費等のコスト上昇の影響により、営業利益は前期を大きく下回りました。
以上の結果、加工製品、関連事業セグメントの売上高は前期比3.1%増の1,776億60百万円、営業利益は前期比87.9%増の59億62百万円となりました。
(箔、粉末製品)箔事業グループの箔部門は、医薬包材向け加工箔の販売が前期を下回り、リチウムイオン電池外装用箔は車載用が第3四半期に入り調整局面となったものの、販売価格がアルミニウム地金市況の反映や加工賃の改定で上昇したことにより、部門全体の売上高は前期を上回りました。
パウダー・ペースト部門は、パウダー製品は、放熱用途の電子材アルミパウダーや窒化アルミの販売が好調に推移しました。ペースト製品は、主力の自動車塗料向けが国内では自動車生産の低調で減少した一方、海外では中国に加え北米や東南アジア向けの販売が増加しました。これにより、部門全体の売上高は前期を上回りました。
日用品部門は、コンシューマー向けはフィルター商品の販売は伸長しているものの、アルミホイルなどの食品向けが販売価格改定後の減販影響により前期を下回る販売となりました。またパッケージ用品向けは、アルミ容器や紙コップの販売が堅調に推移し、原価高騰に対する販売価格改定効果が見られた一方で、冷凍食品の値上げ影響により紙容器の販売が減少しました。その結果、部門全体の売上高は前期を下回りました。
以上の結果、箔、粉末製品セグメントの売上高は前期比3.8%増の1,130億11百万円、営業利益は前期比40.1%増の76億50百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における連結ベースの現金及び現金同等物については、前期末に比べ15億71百万円(4.5%)減少の331億19百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは256億23百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費などの非資金損益項目が、運転資金の増加などによる支出を上回ったことによるものです。なお、営業活動によるキャッシュ・フロー収入は前連結会計年度と比べ135億64百万円増加しておりますが、これは主に税金等調整前当期純利益の増加などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは180億82百万円の支出となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出によるものです。なお、投資活動によるキャッシュ・フロー支出は前連結会計年度と比べ10億25百万円減少しておりますが、これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは97億68百万円の支出となりました。これは主として借入金の返済によるものです。なお、財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度の62億43百万円の収入に対し、当連結会計年度は97億68百万円の支出となっておりますが、これは主に借入金の返済による支出が増加したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績及び受注実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産実績及び受注実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。
(b)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) | |
| アルミナ・化成品 | 51,537 | 10.9 | |
| 地金 | 132,046 | 11.0 | |
| アルミナ・化成品、地金 | 183,583 | 10.9 | |
| 板製品 | 76,912 | 8.9 | |
| 押出製品 | 34,307 | 4.1 | |
| 板、押出製品 | 111,219 | 7.4 | |
| 輸送関連製品 | 76,294 | 5.8 | |
| 自動車部品事業 | 33,944 | 5.8 | |
| エンジニアリング | 44,878 | △0.5 | |
| その他 | 22,544 | △1.9 | |
| 加工製品、関連事業 | 177,660 | 3.1 | |
| 箔、粉末製品 | 113,011 | 3.8 | |
| 合計 | 585,473 | 6.4 | |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、主要な販売先として記載すべきものはありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 2023中期経営計画レビュー
当社グループにおいては、2023年度を初年度とする中期経営計画(以下「23中計」)の最終年度として、23中計の基本方針である「新生チーム日軽金への取組み」および「社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスの提供」に基づく施策を実行し、経営改革を推進してまいりました。
23中計における重要商品・サービスであるEV関連、半導体関連の需要の伸び悩みや、アルミニウム地金等の原材料価格の上昇など外部環境は大きく変化したものの、生産品目やサプライチェーンの再構築をはじめとした対応により着実に実績を積み重ねた結果、3期連続の増収増益となりました。
また、グループ内連携の強化による新商品・新ビジネス創出と資本効率の向上を企図して2024年に実施した事業グループ体制に基づき、当社グループの成長戦略の基盤づくりに取り組みました。たとえば、2025年上半期にインド共和国の再生アルミニウム事業会社への資本参加を決定・実行し、経済成長が著しいインド市場の取り込みとグローバルな循環型サプライチェーンの確立に経営資源を投入しました。同時にグループ内での会社再編も推進し、当社グループの最適な資源配分を可能とする体制整備を進めました。
さらに、2023年に策定した品質等に関する不適切行為の再発防止の取組みについては、当初の目標通り2026年3月に一連の取組みを完了しており、同取組みのもとで進めた経営改革の推進と内部統制機能の強化により、不適切行為の再発防止とともに、当社グループ経営を目指す将来像に向けて変革していくための基盤を構築しました。
② 当連結会計年度の財政状態の分析
当社グループは、より健全で強固な経営体質にすることを狙いとした中期経営計画の諸施策と並行し、財務体質改善のための有利子負債削減や自己資本の充実に注力しております。
当連結会計年度末の総資産は、アルミニウム地金価格の上昇等による棚卸資産の増加などにより、前連結会計年度末と比べて120億8百万円増の5,563億15百万円となりました。
負債は、借入金の返済などにより、前連結会計年度末に比べて54億45百万円減の2,883億81百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末と比べて174億53百万円増の2,679億34百万円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末の42.8%から44.7%となりました。
③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)概要
当連結会計年度の売上高は5,854億73百万円(前連結会計年度比 6.4%増、352億93百万円増)、営業利益は256億26百万円(同 17.9%増、38億82百万円増)、経常利益は236億46百万円(同 19.5%増、38億61百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は155億90百万円(同 26.0%増、32億15百万円増)となりました。
(b)営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ、38億82百万円増の256億26百万円となりました。営業利益のセグメント毎の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(c)営業外収益・費用
営業外収益は、為替差益が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ、38百万円増加し、39億79百万円となりました。
営業外費用は、持分法による投資損失が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ、59百万円増加し、59億59百万円となりました。
(d)特別利益・損失
特別利益は、投資有価証券売却益として31億52百万円、固定資産売却益6億48百万円計上いたしました。
特別損失は、減損損失を11億6百万円計上いたしました。減損損失の内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載のとおりであります。
(e)税金費用等
当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、課税所得が増加したこと等により、前連結会計年度と比べ、22億57百万円増加し、86億41百万円となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、主として子会社である日軽エムシーアルミ㈱の非支配株主に帰属する利益であり、当連結会計年度は21億9百万円となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に関する分析
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ15億71百万円(4.5%)減少の331億19百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ、135億64百万円増加し、256億23百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の191億7百万円の支出に対し、当連結会計年度は180億82百万円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の62億43百万円の収入に対し、97億68百万円の支出となりました。これは主に借入金の返済による支出が増加したことによるものです。
(b)資金需要・調達及び流動性について
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、充分な流動性の維持に留意しております。当社グループの資金需要としては、製品製造のための原料及び操業材料の購入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業活動に係る運転資金需要、製造設備の購入及び事業買収等の投資活動に係る長期資金需要があります。
当社グループは、資金調達に当たって資金の安定性強化と資金コストの低減に傾注しつつ、社債の発行や、主力銀行をはじめとする幅広い金融機関からの借り入れによる調達を行なっております。
また、流動性に関して、当社グループは金融情勢の変化等を勘案しながら、現金同等物の残高が適正になるように努めております。
当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度120億59百万円、当連結会計年度256億23百万円の収入であり、前連結会計年度に比べると約135億円増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益が増加したことによる影響です。2026年度以降も、営業キャッシュ・フローを安定的に創出できると考えておりますが、将来の当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び長期資金を調達するためには、必ずしも充分ではない可能性があることも認識しております。将来の成長を維持・加速するために必要な資金は、基本的に新商品・新規事業の創出による売上、収益の拡大を通じて営業キャッシュ・フローの増大により確保していく方針であります。
⑥ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループでは、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えております。また、会計上の見積りのうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあると識別したものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(a)貸倒引当金
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積り、貸倒引当金として計上しております。将来、顧客等の財務状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したとの疑義が生じたと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
(b)資産の評価
当社グループは、棚卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しておりますが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに市場価値が滅失していると判断された場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上しております。実際の市場価格が、当社グループの見積りよりも悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価しております。将来において市場価格のある株式の時価が著しく下落したとき、回復する見込みがあると認められない場合には、評価損を計上する可能性があります。一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性があります。
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
(c)繰延税金資産
当社グループは、合理的で実現可能なタックスプランニングに基づき将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を充分に検討し繰延税金資産を計上しております。
将来、実際の課税所得が減少した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が減少した場合には、当該会計期間において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。一方、実際の課税所得が増加した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が増加した場合には、繰延税金資産を認識することにより、当該会計期間の当期純利益を増加させる可能性があります。
(d)退職給付費用及び債務
当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するに当たり、数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、期待運用収益率等)は、統計数値等により合理的な見積りに基づいて採用しております。これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来期間にわたって償却されるため、将来において計上される退職給付費用及び債務に影響を及ぼします。当社グループは採用している基礎率は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異が将来の当社グループの退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。