有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当事業年度における我が国経済は、米国の通商政策による影響が見られるものの、賃上げ率が2年連続で5%を上回るなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、世界的な地政学リスクの増大や国際情勢の緊迫化を背景にエネルギー価格の高騰が続いており、継続的な物価上昇による景気の下押しが懸念される状況となっております。
国内のIT投資に目を向けますと、労働市場における人手不足への対応や企業の生産性向上に向けた取り組みの一環として、生成AIの活用が幅広い業務へ浸透しており、ソフトウエア投資は全企業規模の全産業において2025年度で前年度比7.8%増(計画)、2026年度も2.7%増(計画)と、引き続き積極的に拡大しております(日本銀行「全国企業短期経済観測調査」2026年3月調査)。情報セキュリティの面では、外部からのランサムウェア攻撃がサプライチェーンに重大な影響を及ぼす事例が複数発生する一方、内部不正による情報漏えい等も引き続き顕在化しております。このような環境下において、デジタル化を推進する企業には、複数のサイバー脅威を想定した、より実効性の高い情報セキュリティ対策が求められております。
このような状況のもと、当社は、前期(2025年3月期)を開始するにあたり2031年3月期(FY2030)を新たな事業フェーズと捉え、そこへ至る2027年3月期までの3ヶ年を第1次中期経営計画(投資フェーズ)、次の2030年3月期までの3ヶ年を第2次中期経営計画(成長フェーズ)として、次世代が活躍するFY2030に向けた成長戦略をまとめました。
当期は、当該第1次中期経営計画の2期目として、「ライセンス売上の計画達成」「新機能開発/製品・サービス品質強化」「人材強化」を重点施策に定めて、新たな活動に取り組んでまいりました。
そのなかでも「ライセンス売上の計画達成」を当期の最重要事項と位置付け取り組んでまいりましたが、ライセンス売上目標700百万円に対して504百万円の大幅な未達となりました。既存顧客の新規商談や新規顧客による純新規商談の売上は前期とほぼ同水準で推移したものの、予定していた特権ID管理製品「ESS AdminONE」商談および証跡管理製品「ESS REC 6」との複合商談において、顧客の選定基準がクラウド提供へとシフトする傾向が強まり、大型案件での失注が発生いたしました。このような状況を踏まえ、「新機能開発」においては、期初計画には含まれていなかった特権ID管理製品「ESS AdminONE」のクラウド版開発に急遽着手し、本年4月より「ESS AdminONE Cloud」として提供を開始いたしました。これにより製品競争力の一層の強化を図ってまいります。また、代理店のシステム更改(SI商談)が失注したことに伴うライセンス売上の減少に対しては、案件把握や商談対応力強化を目的とした人員補強や各種施策の実施を進めております。なお、本年2月にはセキュリティとシステム運用効率化をテーマとした当社初となるオフライン大型イベント「SmartIT Forum 2026」をJPタワーホール&カンファレンス(東京都千代田区)にて単独開催いたしました。主要代理店の製品・ソリューションの同時展示も行われ、約250名ものお客様に来場いただくなど、盛況のうちに終了いたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、2,584,637千円(前年同期比3.3%増)となりました。フロー売上であるライセンス売上は減少したものの、ライセンス売上に派生するコンサルティングサービス売上が、前期受注案件や新規での移行案件等により前期比20.5%と大きく増加しました。また、ストック売上である保守サポートサービス売上は目標である保守更新率96%を達成し堅調に推移しました。また、クラウドサービス売上も新規受注案件などの増加により39.7%増と、大きく伸長しております。
一方、売上原価並びに販売費及び一般管理費においては、市場販売目的のソフトウエアの一部償却期限到来に伴い、減価償却費が減少する反面、売上高の伸長に伴う業績連動賞与の増加や、協力会社からの要請に基づく単価引き上げ及び(期中平均)要員増加の影響による外注費の増加、広告宣伝費の増加等により、売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額は2,281,636千円(前年同期比3.5%増)となりました。
この結果、営業利益は303,000千円(前年同期比1.7%増)、経常利益は315,580千円(同4.1%増)、当期純利益は212,814千円(同3.4%減)となりました。
(財政状態)
(資産)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ316,003千円増加し、4,975,557千円(前事業年度末比6.8%増)となりました。主な要因は、保守売上の伸長に伴う保守サポートサービス売上に係る契約負債の増加を主因とした現金及び預金の増加346,303千円によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ262,179千円増加し、1,408,722千円(前事業年度末比22.9%増)となりました。主として保守サポートサービス売上の伸長に伴う契約負債の増加170,265千円、未払法人税等の増加31,501千円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ53,823千円増加し、3,566,835千円(前事業年度末比1.5%増)となりました。主として当期純利益212,814千円、剰余金の配当167,869千円によるものであります。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、パッケージソフトウエア事業を主たる事業としており、生産の概念を有しないため生産実績の記載を省略しております。
b.受注実績
当社は、受注確定から売上日までの期間は1ヶ月程度であります。よって、期末日現在の受注残高は、年間売上高に比して僅かであるため、その記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.当社の報告セグメントは「パッケージソフトウエア事業」の単一セグメントであります。
2.その他の主なものはレンタル売上、販売奨励金等であります。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。財務諸表の作成に当たっては決算日における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積りおよび予測を必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
② 経営成績の分析
当社は、第1次中期経営計画のもとで2026年3月期より
(ア) ライセンス売上の計画達成
(イ) 新機能開発/製品・サービス品質強化
(ウ) 人材強化
の3点を重点施策として取り組みました。当該施策の分析と結果は以下の通りです。
今後の取組みとしましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期経営計画」に記載の通り、2031年3月期に向けて中長期にわたる経営計画を立案し、2027年3月期は以下の通り重点施策を定め、新たな活動に取り組んでおります。
2027年3月期 重点施策
以下は、前年度実績対比及び2025年5月13日に公表の業績予想対比の分析を記載しています。
(売上高の状況)
前事業年度の実績対比につきましては、ライセンス売上が大型案件の導入時期延期やクラウドサービスの選択などの影響により74百万円(12.8%)減少するも、コンサルティングサービス売上が57百万円(20.5%)増加、保守サポートサービス売上が45百万円(3.2%)の増加、クラウドサービス売上が68百万円(39.7%)の増加と、各セグメントが伸長し、83百万円(3.3%)の増加となりました。
業績予想対比におきましては、既存保守サポートサービス売上及びクラウド売上がほぼ計画どおりの売上となるも、ライセンス売上が上記理由を要因に計画比195百万円の減少、ライセンスに付随するコンサルティングサービス売上も計画比9百万円減少となり、215百万円(7.7%)の減少となりました。
(営業利益の状況)
前事業年度の実績対比につきましては、減価償却負担(ソフトウエア償却費からソフトウエアに計上される機能拡張費用を控除)が、前年同期比56百万円減少するも、労務費・人件費、外注費の増加により売上原価及び販管費が78百万円増加し、営業利益は5百万円(1.7%)の増加となりました。
業績予想対比におきましては、売上計画が未達となるも、業績連動賞与等が計画比減少し、営業利益は3百万円(1.0%)の増加となりました。
(経常利益の状況)
前事業年度の実績対比につきましては、受取利息の増加により12百万円(4.1%)の増加となりました。また、業績予想対比につきましても、前期比同様に受取利息の増加により12百万円(4.0%)の増加となりました。
(当期純利益の状況)
前事業年度の実績対比につきましては、法人税等の税金費用が19百万円増加し、当期純利益は7百万円(3.4%)の減少となりました。
業績予想対比におきましては、税金費用の増加がありましたが、経常利益の増加により当期純利益は2百万円(1.0%)の増加となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社を取り巻く事業環境は、主として企業のIT投資の動向によって影響を受け、とりわけ、金融業界への依存度が比較的高いため、規制当局の監査や指針による影響は無視できないものがあります。また、クラウド化の進展に伴ってデータセンター事業者の顧客情報保護のためのセキュリティ投資などが当社の経営成績に影響を及ぼす一因となります。その他当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は、投資活動および財務活動に必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローにて賄っており、銀行など外部からの資金調達は行っておりません。その結果、自己資本比率は71%となっております。
事業展開に伴う資金については、機動的な対応を可能とする十分な現金及び現金同等物として保有しております。当該資金を用いてIT人材の確保に投資を行うとともに日々変化し続ける情報技術の進歩に対するIT投資及び研究開発投資、ならびにM&Aなどに充当し、事業基盤の安定と企業価値の向上に努めてまいります。
株主還元に関しましては、株主配当においては配当性向33.3%以上かつ純資産配当率(DOE)5%程度を目安とし、自己資金で対応する予定です。
なお、配当政策につきましては「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。また、自己株式の取得については、キャッシュ・フローの状況を総合的に勘案し、機動的な資本政策の遂行を目的に、適切な時期に実施いたします。
・当事業年度における各キャッシュ・フローの分析・検討内容
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は運用の効率化推進の観点から、普通預金か ら定期預金への振替を実施したことによる、投資活動によるキャッシュ・フローの資金減937,574千円等により、 2,153,013千円(前事業年度末比353,696千円減)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は 次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、751,747千円(前事業年度は345,945千円の資金増)となりました。主な収入要因は、税引前当期純利益315,580千円、減価償却費250,454千円、売掛金及び契約資産の減少
58,380千円、保守サポートサービス売上に係る前受金(契約負債)の増加170,265千円によるものであります。主な
支出要因は、法人税等の支払71,950千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果支出した資金は、937,574千円(前事業年度は261,878千円の資金減)となりました。主な支出要因は、定期預金の預入および払戻の支出合計700,000千円、製品の拡張・改良の推進に伴う市
場販売目的ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出214,153千円、有形固定資産の取得による支出21,576
千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果支出した資金は、167,869千円(前事業年度は134,295千円の資金減)となりました。配当金の支払額によるものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当事業年度における我が国経済は、米国の通商政策による影響が見られるものの、賃上げ率が2年連続で5%を上回るなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、世界的な地政学リスクの増大や国際情勢の緊迫化を背景にエネルギー価格の高騰が続いており、継続的な物価上昇による景気の下押しが懸念される状況となっております。
国内のIT投資に目を向けますと、労働市場における人手不足への対応や企業の生産性向上に向けた取り組みの一環として、生成AIの活用が幅広い業務へ浸透しており、ソフトウエア投資は全企業規模の全産業において2025年度で前年度比7.8%増(計画)、2026年度も2.7%増(計画)と、引き続き積極的に拡大しております(日本銀行「全国企業短期経済観測調査」2026年3月調査)。情報セキュリティの面では、外部からのランサムウェア攻撃がサプライチェーンに重大な影響を及ぼす事例が複数発生する一方、内部不正による情報漏えい等も引き続き顕在化しております。このような環境下において、デジタル化を推進する企業には、複数のサイバー脅威を想定した、より実効性の高い情報セキュリティ対策が求められております。
このような状況のもと、当社は、前期(2025年3月期)を開始するにあたり2031年3月期(FY2030)を新たな事業フェーズと捉え、そこへ至る2027年3月期までの3ヶ年を第1次中期経営計画(投資フェーズ)、次の2030年3月期までの3ヶ年を第2次中期経営計画(成長フェーズ)として、次世代が活躍するFY2030に向けた成長戦略をまとめました。
当期は、当該第1次中期経営計画の2期目として、「ライセンス売上の計画達成」「新機能開発/製品・サービス品質強化」「人材強化」を重点施策に定めて、新たな活動に取り組んでまいりました。
そのなかでも「ライセンス売上の計画達成」を当期の最重要事項と位置付け取り組んでまいりましたが、ライセンス売上目標700百万円に対して504百万円の大幅な未達となりました。既存顧客の新規商談や新規顧客による純新規商談の売上は前期とほぼ同水準で推移したものの、予定していた特権ID管理製品「ESS AdminONE」商談および証跡管理製品「ESS REC 6」との複合商談において、顧客の選定基準がクラウド提供へとシフトする傾向が強まり、大型案件での失注が発生いたしました。このような状況を踏まえ、「新機能開発」においては、期初計画には含まれていなかった特権ID管理製品「ESS AdminONE」のクラウド版開発に急遽着手し、本年4月より「ESS AdminONE Cloud」として提供を開始いたしました。これにより製品競争力の一層の強化を図ってまいります。また、代理店のシステム更改(SI商談)が失注したことに伴うライセンス売上の減少に対しては、案件把握や商談対応力強化を目的とした人員補強や各種施策の実施を進めております。なお、本年2月にはセキュリティとシステム運用効率化をテーマとした当社初となるオフライン大型イベント「SmartIT Forum 2026」をJPタワーホール&カンファレンス(東京都千代田区)にて単独開催いたしました。主要代理店の製品・ソリューションの同時展示も行われ、約250名ものお客様に来場いただくなど、盛況のうちに終了いたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、2,584,637千円(前年同期比3.3%増)となりました。フロー売上であるライセンス売上は減少したものの、ライセンス売上に派生するコンサルティングサービス売上が、前期受注案件や新規での移行案件等により前期比20.5%と大きく増加しました。また、ストック売上である保守サポートサービス売上は目標である保守更新率96%を達成し堅調に推移しました。また、クラウドサービス売上も新規受注案件などの増加により39.7%増と、大きく伸長しております。
一方、売上原価並びに販売費及び一般管理費においては、市場販売目的のソフトウエアの一部償却期限到来に伴い、減価償却費が減少する反面、売上高の伸長に伴う業績連動賞与の増加や、協力会社からの要請に基づく単価引き上げ及び(期中平均)要員増加の影響による外注費の増加、広告宣伝費の増加等により、売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額は2,281,636千円(前年同期比3.5%増)となりました。
この結果、営業利益は303,000千円(前年同期比1.7%増)、経常利益は315,580千円(同4.1%増)、当期純利益は212,814千円(同3.4%減)となりました。
(財政状態)
(資産)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ316,003千円増加し、4,975,557千円(前事業年度末比6.8%増)となりました。主な要因は、保守売上の伸長に伴う保守サポートサービス売上に係る契約負債の増加を主因とした現金及び預金の増加346,303千円によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ262,179千円増加し、1,408,722千円(前事業年度末比22.9%増)となりました。主として保守サポートサービス売上の伸長に伴う契約負債の増加170,265千円、未払法人税等の増加31,501千円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ53,823千円増加し、3,566,835千円(前事業年度末比1.5%増)となりました。主として当期純利益212,814千円、剰余金の配当167,869千円によるものであります。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、パッケージソフトウエア事業を主たる事業としており、生産の概念を有しないため生産実績の記載を省略しております。
b.受注実績
当社は、受注確定から売上日までの期間は1ヶ月程度であります。よって、期末日現在の受注残高は、年間売上高に比して僅かであるため、その記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
| 製品・サービスの名称 | 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |||
| うちESS REC | 286,124 | 269,332 | △5.9 | % | ||
| うちESS AdminONE | 221,173 | 229,736 | 3.9 | % | ||
| うちその他ライセンス | 71,286 | 5,449 | △92.4 | % | ||
| ライセンス | 578,584 | 504,518 | △12.8 | % | ||
| 保守サポートサービス | 1,434,437 | 1,480,069 | 3.2 | % | ||
| クラウドサービス | 171,487 | 239,554 | 39.7 | % | ||
| コンサルティングサービス | 282,392 | 340,161 | 20.5 | % | ||
| SIO常駐サービス | 17,235 | 17,842 | 3.5 | % | ||
| その他 | 17,444 | 2,490 | △85.7 | % | ||
| パッケージソフトウエア 事業合計 | 2,501,582 | 2,584,637 | 3.3 | % | ||
(注) 1.当社の報告セグメントは「パッケージソフトウエア事業」の単一セグメントであります。
2.その他の主なものはレンタル売上、販売奨励金等であります。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社NTTデータ | 555,538 | 22.2 | 509,830 | 19.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。財務諸表の作成に当たっては決算日における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積りおよび予測を必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
② 経営成績の分析
当社は、第1次中期経営計画のもとで2026年3月期より
(ア) ライセンス売上の計画達成
(イ) 新機能開発/製品・サービス品質強化
(ウ) 人材強化
の3点を重点施策として取り組みました。当該施策の分析と結果は以下の通りです。
| 重点施策 | 活動結果と分析 |
| (ア) ライセンス売上の計画達成 | |
| 当事業年度の取組み | 当社製品(ソフトウエア)のライセンス販売にあっては、既存顧客の別システムへの展開(新規)やライセンスを追加販売するケース(追加)と、取引がない新しい顧客へ訴求するケース(純新規)があります。ライセンスの販売が、製品のインストールや設定作業などのコンサルティングサービス、問い合わせ対応などの保守サポートサービスなどの収益の起点となるため、営業活動は案件の発掘が最も重要な活動となります。 A) 新規・純新規案件数の増加および受注率向上 ・顧客深耕型営業に注力 ・営業SEの増員による案件対応強化 ・代理店の顧客担当部門へのアプローチ強化 B) 案件発掘のためのマーケティング強化 ・自社カンファレンスの開催規模拡大により集客倍増 ・主要イベントへの出展規模拡大による認知度向上 ・インバウンドリードのナーチャリングによる案件化推進 |
| 当事業年度の成果 | ライセンス売上は以下の成果となりました。 A) 新規・純新規案件数の増加および受注率向上 ・特権ID管理製品を求める商談においては、顧客がクラウド提供を基 本の選定基準とする傾向が強くなり、大型案件の失注が発生しまし た。 ・代理店自身が受注を見込むシステム更改などSI商談を失注したた め、組み込む予定の当社製品も失注となりました。 B) 案件発掘のためのマーケティング強化 ・2026年2月に当社初となる大型オフラインイベント『SmartIT Forum 2026』を開催し、潜在顧客を含む約250名の参加がありました。 ・プロモーションによるリード獲得が前年比25%増となったもののイ ンバウンドリードは同7%減となったことに加え、上半期が不振だっ たため商談化数が前年割れ(23%減)となりました。 |
| 重点施策 | 活動結果と分析 |
| (イ) 新機能開発/製品・サービス品質強化 | |
| 当事業年度の取組み | 当社は、常に顧客視点の新たな価値創造によって製品・サービスを創出、提供しております。 A) 新機能開発 ・AdminONE、REC 6の新機能開発・リリース ・クラウドサービス(AdminONE)開発 ・新製品(AIを活用したRECデータ分析による統制強化)の研究 B) 製品・サービス品質の強化 ・品質点検による開発プロセスの改善 ・開発フェーズでのテスト自動化による品質・生産性向上 ・コンサルティングサービスの実施プロセス改善 |
| 当事業年度の成果 | 新機能開発ならびに製品・サービス品質の強化は、以下の成果となりました。 A) 新機能開発 ・REC 6の最新バージョンV6.2を2026年5月に販売開始、AdminONEの最 新バージョンV1.5もまもなくリリース予定(2026年6月時点)とな りました。 ・クラウドサービスAdminONE Cloudの申し込み受付を2026年4月より 開始しました。 ・AIによる点検/監査自動化製品の開発を推進しております。 B) 製品・サービス品質の強化 ・開発工程において生成AIの活用による効率化の推進とともに品質課 題の改善に取り組んでおります。 ・新任チームリーダー、プロジェクトリーダーの育成によるスキル強 化を行っております。 ・協業体制の本格化や作業効率化ツールの作成などに取り組み、340 百万円の構築プロジェクトを遂行いたしました。 |
| 重点施策 | 活動結果と分析 |
| (ウ) 人材強化 | |
| 当事業年度の取組み | 当社は、ソフトウエアの開発、販売および保守サポートを行うことで、経営理念に掲げる付加価値を創出しており、事業価値の源泉は人的資本に大きく依存しております。社員一人ひとりの専門性や経験に加え、新たな価値を生み出す創造力や発想力こそが、事業活動の成否を左右する重要な要素であるため、当社は「人材」をマテリアリティ(重点項目)と位置付けております。 A) パフォーマンス向上への体制強化 ・営業活動活性化のための支援体制強化 ・ローテーションによる業務知識習得/スキルアップ及びリスキリング ・業務時間を最大限有効活用(コスト効率化)するマネジメント強化 B) 人材育成 ・組織、業務をリードする次世代リーダーの育成 ・育成体系の充実・拡充による早期戦力化 ・協働意識とエンゲージメントを高める一体感の醸成 |
| 当事業年度の成果 | 新卒社員は前事業年度に入社した2名から当事業年度は6名に増加し、各部門においてVISION2030に向けた体制の強化が図られております。 A) パフォーマンス向上への体制強化 ・営業担当者の顧客深耕を支援するため、研究開発部門などからエン ジニアのローテーションを行うことでセールスエンジニアやポス トセールスなどに充て、顧客との高度な技術的なコミュニケーショ ン負担を軽減する体制作りを行いました。 ・社員の残業時間削減による働き方の改善とともに、協力会社社員が 契約時間でフルに能力を発揮するため、現場マネジメントの業務指 示スキル強化を行っております。 B) 人材育成 ・次世代リーダーを嘱望される社員に対して集合研修から実践に至る 教育プログラムを組み、実行しております。 ・複雑化、高度化する技術を効果的、効率的に製品開発工程で活かす ため、選抜型でPL、PMの育成に取り組んでおります。 ・全社で一体感を醸成するため全社員参加の社員旅行を開催しており ます。また、リーダー以上の社員を対象に、マネジメント層として の結束を高めるため合宿型の研修を計画しております。 |
今後の取組みとしましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期経営計画」に記載の通り、2031年3月期に向けて中長期にわたる経営計画を立案し、2027年3月期は以下の通り重点施策を定め、新たな活動に取り組んでおります。
2027年3月期 重点施策
| 重点施策 | 新たな取組み |
| (ア) 事業計画(KPI)達成 | 2026年3月期の売上高計画未達は、ライセンス売上が計画値を約27%下回ったことが最大の原因と考えられます。この結果を受けて、2027年3月期はライセンス売上をはじめとする事業計画(KPI)の達成を最重要事項と位置付けております。 A) 既存顧客・代理店への深耕 ・既存顧客の各階層へ訪問を拡大し深耕を強化 ・営業増員により代理店の顧客担当部門へのアプローチ強化 ・マーケティング活動強化により純新規商談発掘 B) 保守・クラウドサービスの更新率向上 ・顧客満足度調査による利用状況の把握 ・顧客担当SEによる利活用推進 ・クラウドサービス機能の拡充による継続的利用促進 |
| (イ) 新製品・サービスリリー ス/品質向上 | 当社は製品・サービスを通じて顧客へ新たな価値を創造し、提供するとともに、高品質な製品・サービスの提供に努めております。 A) 新製品/新Cloud(製品版と同一機能)/新サービスリリース ・ESS AdminONE Cloud/ESS REC 6 Cloudリリース(製品版と同一機 能) ・ESS REC 6、ESS AdminONE機能拡張版リリース ・新製品/新Cloud(AIによる点検/監査自動化)開発 ・特権ID管理コンサルティングの新サービスリリース B) 品質向上 ・開発スペシャリストを品質タスクフォースへ投入・品質強化 ・AI活用・プロセス改善による社員スキル強化と外注費削減 |
| (ウ) 人材強化(パフォーマン ス20%UP) | 当社事業価値の源泉は人的資本に大きく依存しており、「人材」をマテリアリティ(重点項目)と位置付けております。 A) パフォーマンス向上 ・パフォーマンス向上に向けた人事評価制度へ見直し ・パフォーマンス向上実現に報いる報酬制度へ改定 ・ベンチャースピリットの醸成 挑戦する意欲/プライドと当事者意識/成し遂げる努力 B) 人材育成 ・組織、業務をリードする次世代リーダーの育成 ・PM、PLをはじめ早期戦力化に向けた育成メニューの拡充 ・外部人材削減に伴うスキルの社内移転により人材基盤強化 |
以下は、前年度実績対比及び2025年5月13日に公表の業績予想対比の分析を記載しています。
(売上高の状況)
| 当事業年度の実績値 | 比較年度 | 増減金額 | 増減率 |
| 2,584百万円 | 前事業年度実績対比 | 83百万円 | 3.3%の増加 |
| 業績予想対比 | △215百万円 | 7.7%の減少 |
前事業年度の実績対比につきましては、ライセンス売上が大型案件の導入時期延期やクラウドサービスの選択などの影響により74百万円(12.8%)減少するも、コンサルティングサービス売上が57百万円(20.5%)増加、保守サポートサービス売上が45百万円(3.2%)の増加、クラウドサービス売上が68百万円(39.7%)の増加と、各セグメントが伸長し、83百万円(3.3%)の増加となりました。
業績予想対比におきましては、既存保守サポートサービス売上及びクラウド売上がほぼ計画どおりの売上となるも、ライセンス売上が上記理由を要因に計画比195百万円の減少、ライセンスに付随するコンサルティングサービス売上も計画比9百万円減少となり、215百万円(7.7%)の減少となりました。
(営業利益の状況)
| 当事業年度の実績値 | 比較年度 | 増減金額 | 増減率 |
| 303百万円 | 前事業年度実績対比 | 5百万円 | 1.7%の増加 |
| 業績予想対比 | 3百万円 | 1.0%の増加 |
前事業年度の実績対比につきましては、減価償却負担(ソフトウエア償却費からソフトウエアに計上される機能拡張費用を控除)が、前年同期比56百万円減少するも、労務費・人件費、外注費の増加により売上原価及び販管費が78百万円増加し、営業利益は5百万円(1.7%)の増加となりました。
業績予想対比におきましては、売上計画が未達となるも、業績連動賞与等が計画比減少し、営業利益は3百万円(1.0%)の増加となりました。
(経常利益の状況)
| 当事業年度の実績値 | 比較年度 | 増減金額 | 増減率 |
| 315百万円 | 前事業年度実績対比 | 12百万円 | 4.1%の増加 |
| 業績予想対比 | 12百万円 | 4.0%の増加 |
前事業年度の実績対比につきましては、受取利息の増加により12百万円(4.1%)の増加となりました。また、業績予想対比につきましても、前期比同様に受取利息の増加により12百万円(4.0%)の増加となりました。
(当期純利益の状況)
| 当事業年度の実績値 | 比較年度 | 増減金額 | 増減率 |
| 212百万円 | 前事業年度実績対比 | △7百万円 | 3.4%の減少 |
| 業績予想対比 | 2百万円 | 1.0%の増加 |
前事業年度の実績対比につきましては、法人税等の税金費用が19百万円増加し、当期純利益は7百万円(3.4%)の減少となりました。
業績予想対比におきましては、税金費用の増加がありましたが、経常利益の増加により当期純利益は2百万円(1.0%)の増加となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社を取り巻く事業環境は、主として企業のIT投資の動向によって影響を受け、とりわけ、金融業界への依存度が比較的高いため、規制当局の監査や指針による影響は無視できないものがあります。また、クラウド化の進展に伴ってデータセンター事業者の顧客情報保護のためのセキュリティ投資などが当社の経営成績に影響を及ぼす一因となります。その他当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は、投資活動および財務活動に必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローにて賄っており、銀行など外部からの資金調達は行っておりません。その結果、自己資本比率は71%となっております。
事業展開に伴う資金については、機動的な対応を可能とする十分な現金及び現金同等物として保有しております。当該資金を用いてIT人材の確保に投資を行うとともに日々変化し続ける情報技術の進歩に対するIT投資及び研究開発投資、ならびにM&Aなどに充当し、事業基盤の安定と企業価値の向上に努めてまいります。
株主還元に関しましては、株主配当においては配当性向33.3%以上かつ純資産配当率(DOE)5%程度を目安とし、自己資金で対応する予定です。
なお、配当政策につきましては「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。また、自己株式の取得については、キャッシュ・フローの状況を総合的に勘案し、機動的な資本政策の遂行を目的に、適切な時期に実施いたします。
・当事業年度における各キャッシュ・フローの分析・検討内容
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は運用の効率化推進の観点から、普通預金か ら定期預金への振替を実施したことによる、投資活動によるキャッシュ・フローの資金減937,574千円等により、 2,153,013千円(前事業年度末比353,696千円減)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は 次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、751,747千円(前事業年度は345,945千円の資金増)となりました。主な収入要因は、税引前当期純利益315,580千円、減価償却費250,454千円、売掛金及び契約資産の減少
58,380千円、保守サポートサービス売上に係る前受金(契約負債)の増加170,265千円によるものであります。主な
支出要因は、法人税等の支払71,950千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果支出した資金は、937,574千円(前事業年度は261,878千円の資金減)となりました。主な支出要因は、定期預金の預入および払戻の支出合計700,000千円、製品の拡張・改良の推進に伴う市
場販売目的ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出214,153千円、有形固定資産の取得による支出21,576
千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果支出した資金は、167,869千円(前事業年度は134,295千円の資金減)となりました。配当金の支払額によるものであります。