有価証券報告書-第19期(2025/04/01-2026/02/28)

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2026/05/28 15:11
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140項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が進むなか、インバウンド需要が寄与したこともあり内需主導で景気が緩やかに回復しているものの、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格上昇、中東地域での地政学的不安定さの長期化、中国経済の先行き懸念などが重なり、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクとなっております。
このような社会経済情勢において、当社の主たる事業である住まい関連市場への事業環境は海外からの投資の流入などがあったものの、若干下向き傾向となっております。当社の収益に直結する新設住宅着工戸数は、国土交通省の建築着工統計調査報告(2025年4月30日発表)の2024年度の新設住宅着工戸数では新設住宅の着工戸数は79万2195戸(前年度比3.3%減)、床面積は6087万平方メートル(同5.1%減)で、戸数は2年連続の減少、床面積では3年連続の減少となっております。利用関係別の着工戸数で見ても、持家は21万8175戸(同2.8%減)で3年連続の減少、貸家は34万2092戸(同0.5%減)、分譲住宅は22万5315戸(同8.5%減)とそれぞれ2年連続の減少と、大都市圏を中心とした賃貸需要の高まりや分譲マンションの価格高騰はあるとはいえ、業界自体が上向いているとは言い難い状況であります。資材価格や人件費の上昇に伴う建設コストの増加を背景に住宅販売価格が上昇するなか、住宅ローン金利も上昇傾向にあり、当社グループの主に属する住宅業界におきましては、住宅取得マインドの低下が懸念される状況が続いております。
このような状況の下、当社グループは中期経営計画に沿った事業展開を前期より開始し、新たに設定した3つのセグメントによって当第4四半期連結累計期間の売上高は、658,989千円(前期比△26.6%)となりました。各セグメントとも予定していたプロジェクトの推進や取り組みに至らず、前期との比較において減収となっております。
損益面においては、営業損失は559,032千円(前期営業損失112,288千円)となりましたが、当社で賃借物件の一部を転貸したことによる20,716千円(うち第4四半期連結会期間に3,766千円発生)及び子会社のMED株式会社での所有物件の賃貸により第3四半期連結累計期間までに5,400千円の賃貸料収入があったことにより受取賃貸料26,116千円、主に子会社のMED株式会社の第三者への貸付金に対する第3四半期連結累計期間までの受取利息3,452千円等による受取利息4,038千円を営業外収益に計上し、一方で、金融機関からの借入金にかかる支払利息として、当社で6,419千円(うち第4四半期連結会期間に2,946千円発生)、子会社のトルネードジャパン株式会社で18,561千円(うち第4四半期連結会期間に3,496千円発生)等の支払利息25,972千円を営業外費用に計上したことから、経常損失は550,658千円(前期経常損失92,982千円)となりました。そして、主に当社で訴訟損失引当金戻入額61,590千円を計上する等により64,216千円の特別利益を計上し、一方で当社にて連結子会社4社の売却による関係会社株式売却損126,950千円、グループ会社の所有不動産等の減損損失計45,983千円及び調査委員会の費用18,576千円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は600,493千円(前期親会社株主に帰属する当期純損失79,904千円)となりました。
当社グループは上記のとおり、前連結会計期間より3つのセグメントによる事業展開を開始しておりますので、ここにセグメント別の情報を記載いたします。各報告セグメントに配分しない会社費用を調整額として表記することで各事業単位の事業収支の明確化を果たせております。
報告セグメント調整額
(注)1
連結損益計算書計上額(注)2
住まい関連事業暮らし関連事業投資関連事業
売上高435,288220,5113,189658,989-658,989
事業損益150,3298,756439159,525△718,557△559,032

(注)1 セグメント利益の「調整額」は、各報告セグメントに配分していない全社費用等△718,557千円が計上されております。
2 セグメント利益の合計額は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
(住まい関連事業)
売上高は当社による工事請負契約及び建築設計・監理業務委託契約分売上、契約ロイヤリティ売上、マーケティング売上に子会社の売上高を合わせて435,288千円となり、セグメント損益は150,329千円の利益となりました。
これは工事請負契約件数が原材料高騰により工事の見積もり調整が難航していることからプロデュース事業本部の受注額が大幅減となり、又ネットワーク事業本部の契約ロイヤリティ売上も退会スタジオによるスタジオ運営会社数の減少、FC先のマーケティング投下費用の減少などにより受注総額が大幅に減少したことが主な原因となります。少子高齢化が進む中で、新築住宅を中間層よりやや上の層に訴求する従来型のASJ建築家ネットワークモデル には成長モデルを探る限界があり、かつ昨年度より取り組み始めました新規加盟契約の獲得を目的としたビジネスサポート事業の一環である「共同購買システム」等も新規加盟を期待させる効果的かつ魅力的なメニューとはならず、当期中での加盟契約数増加を得ることはできませんでした。
一方、「住まい関連事業」におけるビジネスサポート事業として昨年度事業提携したColors JAPAN社に関しましては、定期的な事業説明会により、若干の加盟契約締結を得たものの、もとより収益構造が弱く、住まい関連事業の事業計画数値をカバーする事業とはなっておりません。
又、海外での「住まい」関連事業の展開として、2024年7月に当社子会社化としましたSupaspace Pte Ltd.のシンガポール市場での公団住宅のリフォーム事業もショールーム及びホームページの開設を行い本格的な営業活動を開始しましたが、買収後から現在に至るまで受注が獲得できませんでした。
(暮らし関連事業)
売上高は前連結会計年度に買収し子会社化したMED株式会社(2024年12月買収:100%子会社)、チャミ・コーポレーション株式会社(2025年1月買収:51%子会社)、トルネードジャパン株式会社(2025年3月買収:51%子会社)による売上を中心に220,511千円となり、またセグメント利益は8,756千円でありました。
売上内容としては当連結会計期間においては、当社として前期より準備してきておりました家具・アートのセレクト店舗として計画した「エースリーセレクト」が開業となったものの、開業が予定よりも大幅に遅れ売上に貢献できなかったことから、子会社の売上を中心とした内容となりました。
暮らし関連事業の中核を為す、当社グループ会社の株式会社チャミ・コーポレーションは当期中において特定建設業の許可申請を行ない、事業地域、請負規模の拡充を予定し、またグループ会社のMED株式会社も単体の事業収支のみならず、業界のDX化を含む当社のデジタル関連業務の内製化に貢献が期待されましたが、いずれも期待した効果を実現することはできませんでした。
(投資関連事業)
売上高はJR別府駅前プロジェクトの売上3,189千円を計上、セグメント利益は439千円となりました。
売上の内容としてはJR別府駅前プロジェクトについて店舗設備の貸与収入を計上しております。
株式会社トルネードジャパンを介してリフォーム住宅の販売といった短期的な資金運用可能な投資案件や宅地建物取引業免許を活用した住まい関連事業と協業する不動産関連案件プロジェクトへの参画による収益確保も計画しておりましたが、当連結会計期間においては実現できませんでした。
ALINプロジェクト(亜臨界水技術(※))に関しましては当連結会計期間での実績は確保できませんでしたが、「環境問題」「エネルギー問題」「食の問題」につきグリーンイノベーションを旗印に建築家と地球レベルで議論する事業に育ってきており、事業パートナー先では待望の亜臨界水専用工場が2026年5月に完成予定です。現在数多くの相談を受けており、単なる有機系廃棄物の循環社会となる未来型のインフラの提供に留まらず、新素材の抽出の可能性を各専門領域より期待を込めて説明を受けており2026年度では収益の柱となるべく今後とも開発、営業、事業設計の確立強化を計ってまいります。
※亜臨界水処理技術とは高温・高圧領域で高速加水分解反応により有機廃棄物を効率的に分解することで肥料等に資源利用する技術を示します
その他、当社の投資方針としては、当社の特徴である3,000人近い建築家のプラットホームである当社事業との親和性の高い企業への出資やM&Aは国内外を対象に検討してまいりますが、取締役会の方針のみならず第三者の意見聴取・コンサルタントの活用・法務部との連携強化など適切な手順を踏み判断し、株主還元につなげていく考えです。
b.財政状態
(資産)
当連結会計期間におきましては、グループ会社4社を売却しております。そのため、資産合計をはじめとして各数値において大幅な減少がございました。資産合計は411,395千円となり、前連結会計年度末と比べて1,720,001千円減少いたしました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ、352,610千円減少し、277,972千円となりました。これはグループ会社の切り離しにより、主として現金及び預金121,822千円、短期貸付金123,708千円、売掛金81,969千円がそれぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ、1,367,391千円減少し、133,422千円となりました。これは主として子会社のトルネードジャパンにおいて保有していた投資不動産が連結除外となったことに伴い1,297,981千円減少したことによるものです。当社は基本的に事業運営に際して、在庫や不動産等の営業用資産を必要としない為、単体での総資産は小さくなっております。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は634,576千円となり、前連結会計年度末と比べて1,261,571千円減少いたしました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ、87,978千円減少し、487,677千円となりました。これは主として1年内返済予定の長期借入金80,578千円、契約負債75,741千円、訴訟損失引当金61,590千円が減少した一方、短期借入金201,655千円増加したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ、1,173,592千円減少し、146,899千円となりました。これは主として長期借入金1,049,628千円の減少等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は△223,181千円となり、前連結会計年度末と比べて458,430千円減少いたしました。これは主として資本金及び資本剰余金がそれぞれ141,217千円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失600,493千円を計上するとともに、子会社の連結除外により非支配株主持分が138,576千円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、121,822千円減少し、89,552千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は656,165千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失682,076千円、訴訟損失引当金の減少61,590千円、棚卸資産の増加70,102千円の支出要因の一方、減損損失45,983千円、関係会社株式売却損126,950千円、仕入債務37,013千円の増加の収入要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は515,867千円となりました。有形固定資産の売却による収入442,321千円、短期貸付金94,084千円の減少による収入に対し、投資有価証券の取得による支出13,000千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は109,751千円となりました。これは主に株式発行による収入281,328千円と短期借入金の増加による収入201,655千円に対し、借入金の返済395,020千円による支出によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
b. 受注実績
ASJ建築家ネットワーク事業の性格上、受注の記載になじまないため、受注状況に関する記載はしておりません。
c. 販売実績
当社グループは、前連結会計年度より、従来のASJ建築家ネットワーク事業の単一セグメントから、「住まい関連事業」と「暮らし関連事業」、「投資関連事業」の3つの報告セグメントに変更しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
住まい関連事業435,28877.0
暮らし関連事業220,511779.4
投資関連事業3,1891.0
合計658,98973.4


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析
当社グループの売上は、資材高騰の影響により見積調整に時間がかかったことや建設計画の延期及び中止並びに規模縮小などが原因で、建築設計・監理業務委託契約及び工事請負契約の成約数は前期と比較して大幅減となり、主要施策であるスタジオの加盟契約件数につきましても減少となっております。子会社によるリフォーム施工や物販等の売上が加算されたものの、売上高は658,989千円となりました。また、営業損益においては、想定していた売上高が下振れし、収益性も低下したことから、営業損失は559,032千円となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金と設備投資資金であります。
運転資金は、主に人件費、販売促進費、建物賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。また、設備投資資金は事業運営に係る基幹システム開発及び社内業務効率化のためのシステム開発等を目的としたソフトウエア開発費用であります。
当社グループは、運転資金と設備投資資金については、自己資金により充当いたしました。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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