有価証券報告書-第20期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 15:42
【資料】
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【項目】
125項目
(業績等の概要)
当連結会計年度における世界経済は、米国の政策動向に加え、金融資本市場の変動や中東情勢の緊迫化により依然として先行き不透明な状況が続いており、これらの影響を引き続き注視していく必要があります。
日本経済は、雇用情勢の改善や賃上げ、企業の設備投資意欲が継続するなど景気に前向きな動きはありましたが、物価上昇による個人消費の陰り等が影響し、緩やかな回復にとどまりました。また、為替変動や原油価格の高騰などの動向に注視する必要があります。
このような状況の下、当社グループは、2026年3月期を最終年度とした中期経営計画(WILL-being 2026)の基本方針である国内Working事業の再成長に向け、建設技術者領域の拡大、正社員派遣、外国人雇用支援の拡大等に取り組みました。
国内においては、建設技術者領域の安定した売上成長と黒字化が大きく業績に寄与した他、正社員派遣及び外国人雇用支援を積極的に展開しているセールスアウトソーシング領域やファクトリーアウトソーシング領域等が堅調に推移しました。また国内における採用力強化を目的に、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、当社の最大商圏である関東エリアを含む18都府県でテレビCMを実施したことに加え、ウェブCM、SNS等を利用したプロモーション戦略を継続的に展開しました。
海外においては、ポストコロナ以降の環境変化とインフレの影響を受け、市況は依然として楽観視できないものの、利益体質の強化に向けたコストコントロールを実施し、生産性改善により収益回復を実現しました。なお、為替レートが前年同期比で円安に推移したことにより、売上収益で約582百万円、セグメント利益で約30百万円のプラス影響となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益146,856百万円(前連結会計年度比5.1%増)、営業利益3,279百万円(同40.2%増)、税引前利益3,139百万円(同44.2%増)、当期利益2,202百万円(同92.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,314百万円(同100.3%増)、及びEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+減損損失)は5,632百万円(同15.0%増)となりました。
セグメント別の業績は、以下の通りです。
(1)国内Working事業
国内におけるセールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域、建設技術者領域等カテゴリーに特化した人材派遣、業務請負、人材紹介、外国人雇用支援を行う国内Working事業については、建設技術者領域、セールスアウトソーシング領域及びファクトリーアウトソーシング領域の堅調な推移に加え、株式会社HR CAREERの新規連結による人材紹介売上の増加等により、増収となりました。
利益面においては、建設技術者領域が利益成長フェーズに入ったことや、複数領域での正社員派遣、外国人雇用支援への注力による粗利の拡大を背景に増益となりました。また、重要業績評価指標のうち、特に「正社員派遣稼働人数」及び「外国人雇用支援人数」が順調に推移したことにより粗利が拡大したこと、建設技術者領域の継続的な単価交渉による単価上昇の結果、増益となりました。
以上の結果、国内Working事業は、外部収益88,262百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益3,579百万円(同10.1%増)となりました。
(2)海外Working事業
主にオーストラリア、シンガポールにおいて展開している海外Working事業については、依然マーケット環境は楽観視できないものの、人材派遣売上、人材紹介売上ともに現地通貨基準で前年同期を上回ったこと、プラスの為替影響(約582百万円)があったこと等により、増収となりました。
利益面においては、販管費の抑制と人材紹介売上増加による粗利の拡大に加え、前年同期に計上した減損損失(473百万円)のはく落影響等により大幅増益となりました。
以上の結果、海外Working事業は、外部収益58,501百万円(前年同期比3.6%増)、セグメント利益2,427百万円(同69.4%増)となりました。
(3)その他
その他については、前連結会計年度に外国人向けモバイル通信事業「ENPORT mobile」の事業譲渡を行ったことにより、外部収益92百万円(前年同期比41.2%減)、セグメント損失306百万円(前年同期は223百万円の損失)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1)生産実績
当社グループの主たる事業は人材サービスの提供であり、その性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しています。
(2)受注状況
生産実績と同様の理由により、記載していません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下の通りです。
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
国内Working事業88,262106.2
海外Working事業58,501103.6
報告セグメント計146,763105.2
その他9258.8
合計146,856105.1

(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎、3.重要性がある会計方針」に記載の通りです。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は29,944百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,393百万円増加しました。これは主に、営業債権及びその他の債権が2,168百万円、現金及び現金同等物が1,038百万円増加したこと等によるものです。
非流動資産は26,608百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,236百万円増加しました。これは主に、その他の金融資産が469百万円減少した一方、新規連結及び為替換算の影響によりのれんが1,690百万円、その他の無形資産が775百万円、使用権資産が505百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
以上の結果、総資産は56,552百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,629百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は28,208百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,000百万円増加しました。これは主に、借入金が647百万円減少した一方、営業債務及びその他の債務が3,144百万円、未払法人所得税が386百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
非流動負債は8,175百万円となり、前連結会計年度末に比べ820百万円増加しました。これは主に、その他の金融負債が236百万円、その他の非流動負債が369百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
以上の結果、負債合計は36,384百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,820百万円増加しました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は20,168百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,808百万円増加しました。これは主に、その他の資本性金融商品が390百万円減少した一方、在外営業活動体の換算差額が1,956百万円、利益剰余金が1,316百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は35.8%(前連結会計年度末34.8%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,957百万円の収入(前連結会計年度は1,806百万円の収入)となりました。これは主に、営業債権の増加額1,258百万円、法人所得税の支払額594百万円等があった一方、税引前利益の計上3,139百万円、減価償却費及び償却費2,352百万円、営業債務の増加額1,254百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,354百万円の支出(前連結会計年度は695百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入253百万円があった一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出815百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出567百万円、投資活動その他による支出224百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,119百万円の支出(前連結会計年度は1,233百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,460百万円、政府補助金による収入329百万円等があった一方、長期借入金の返済による支出2,945百万円、リース負債の返済による支出1,340百万円、配当金の支払額1,016百万円、短期借入金の純減額619百万円等があったことによるものです。
(4)重要な経営指標の分析
当連結会計年度における実績及び主な要因は以下の通りです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は、146,856百万円となり、前連結会計年度に比べ5.1%増加しました。
売上収益が増加した主な要因は、国内Working事業において建設技術者領域が順調に拡大したこと、株式会社HR CAREERの新規連結効果が寄与したことに加え、海外Working事業において人材派遣売上が堅調に推移したこと、為替レートが前連結会計年度比で円安に推移したことによるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、32,392百万円となり、前連結会計年度に比べ10.2%増加しました。
売上総利益が増加した主な要因は、国内Working事業においてポートフォリオの入替が奏功し、収益性の高い正社員派遣及び外国人雇用支援が拡大したことに加え、海外Working事業において人材紹介売上が増加したことによるものです。
その結果、売上総利益率は22.1%となり、前連結会計年度より1.1ポイント上昇しました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、29,510百万円となり、前連結会計年度に比べ8.2%増加しました。
販管費比率は20.1%となり、前連結会計年度より0.6ポイント上昇しました。
販売費及び一般管理費が増加した主な要因は、正社員派遣、外国人雇用支援の拡大に向けて、採用費、営業人員、コンサルタント人員等が増加したことに加え、国内における採用力強化を目的として、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションを実施したことによるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、3,279百万円となり、前連結会計年度に比べ40.2%増加しました。
営業利益が増加した主な要因は、国内Working事業における事業ポートフォリオの入替が奏功したことによる売上総利益の拡大、海外Working事業における販管費の抑制及び人材紹介売上の増加による売上総利益の拡大に加え、前連結会計年度に計上したオーストラリアの子会社における減損損失がはく落したことによるものです。
その結果、営業利益率は2.2%となり、前連結会計年度より0.5ポイント上昇しました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDAは、5,632百万円となり、前連結会計年度に比べ15.0%増加しました。
EBITDAが増加した主な要因は、営業利益が増加したことによるものです。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べ1,158百万円増加の2,314百万円となりました。
(総還元性向)
当連結会計年度の総還元性向は、43.9%となりました。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(6)経営戦略と今後の見通し
今後の見通しについては、国内及び世界経済は緩やかに成長していく一方で、中東情勢を中心とした地政学リスクを背景に、原油価格の高止まりなど経済への影響は先行き不透明な状況が続いています。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して、採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、人口・経済は緩やかに拡大基調であり、今後も安定的に推移する見通しである一方、インフレや金利上昇、中東情勢を背景とした景況感の悪化が懸念されており、引き続き注視していく必要があります。
このような状況の下、国内Working事業では、中期経営計画(WILL-being 2029)の戦略テーマとして掲げている、前中期経営計画で高成長を果たした正社員派遣/請負及び外国人雇用支援を更に拡大するとともに、新たな収益基盤の確立を目的として人材紹介へ注力し、収益性向上に向け、事業ポートフォリオの最適化を推進していきます。
海外Working事業では、世界情勢の変化や為替変動の影響を踏まえつつ、外部環境に左右されにくい生産性を重視した収益基盤の強化を図ります。オーストラリアにおいては民間及び政府の幅広い顧客基盤を活かしながら、成長余地のある民間領域の開拓を進めることで顧客ポートフォリオの最適化を図り、収益性の向上を目指します。シンガポールでは、政府主導のデジタル化・AI分野における人材需要を取り込みつつ、既存顧客との取引拡大を通じて収益性の向上を図ります。
これらにより、2027年3月期の通期連結業績予想は、売上収益157,000百万円(当連結会計年度比6.9%増)、営業利益3,400百万円(同3.7%増)、税引前利益3,191百万円(同1.6%増)、当期利益2,221百万円(同0.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,208百万円(同4.6%減)、EBITDAは6,442百万円(同14.4%増)を見込んでいます。
(ご参考)業績予想で前提としている為替レートは、1オーストラリアドル105円(当期の実績は100円)、1シンガポールドル121円(当期の実績は117円)です。
*上記業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。引き続き当社グループの事業への影響を慎重に見極め、今後修正の必要が生じた場合には速やかに開示します。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して1,038百万円増加し、7,974百万円(前連結会計年度末比15.0%増加)となりました。
当社グループの資金需要は、主として人材サービス事業における運転資金および成長投資に係る資金です。これらの資金については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び内部資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの借入により調達し、財務の健全性を考慮しながら対応しています。
また、グループ全体の資金効率向上を図る観点から、当社において資金の集中管理を行っており、連結子会社に対しては必要に応じて資金供給を行う体制としています。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、前述「(3)キャッシュ・フローの分析」に記載の通りです。

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