四半期報告書-第16期第1四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/09 10:07
【資料】
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【項目】
18項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間(2020年7月1日~2020年9月30日)における世界経済は、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の拡大が世界規模の影響を及ぼし、先行き不透明な状況で推移いたしました。国内経済においても、新型コロナウイルス感染症の出口の見えない状態が続いていることから、景気の先行きに対する警戒感が継続しています。
このような経済環境は、当社グループが注力している技術者派遣・請負事業にも影響を与えており、IT技術者に対する需要は堅調であるものの、メカ系技術者、特に自動車等の輸送用機器産業における需要減少が顕著に見られ、今後の経営環境に対する不透明感は継続しています。
当社グループでは、前連結会計年度下期以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が懸念されたことから、事業継続を最も重視した経営を迅速に実施しており、当第1四半期連結累計期間においては、主に以下の取組みを実施いたしました。
(技術者の配属先確保)
主に、機械、電気・電子等の技術領域、輸送用機器業界における需要減退等に起因する解約や契約満了に伴う契約終了が大きく懸念されたことから、既存顧客への継続交渉や、解約となった技術者の他の顧客へのシフトを進め、技術者の配属先確保を最優先事項として営業活動に取組みました。その結果、当第1四半期連結累計期間の平均稼働率は期初想定を上回る結果となりました。引き続き雇用の維持を最優先事項として捉え、技術者の配属先確保を進めてまいります。
(技術者の確保)
新型コロナウイルス感染症が国内で拡大した前連結会計年度第4四半期以降に実施した、新規採用の大幅な抑制を継続いたしました。しかしながら、稼働率の改善を受けて、高付加価値技術者を主体に、徐々に中途採用の再開を進めております。併せて退職抑制に向けた取組みも継続し、成長の源泉である技術者の確保に努めています。
(IT分野へのシフト)
新型コロナウイルス感染症の影響如何にかかわらず、IT分野においては他分野に比べて需要が堅調であるとともに、今後も需要の拡大が予想されており、当社グループにおいても、前連結会計年度末時点でIT技術者は全体の半数を占めております。新規採用に加え、ハード系技術領域からのスキル転換を進め、デジタル技術(データサイエンス、クラウド、IOT、セキュリティ、5G等)を有する技術者を拡充し、今後も拡大するIT分野への資源投下を進めてまいります。
(新型コロナウイルス感染症対策)
コロナ禍が継続する状況において、従業員の健康・安全確保を最優先とする事業運営を徹底いたしました。具体的には、在宅勤務や時差出勤の推進、Webビデオシステムによる商談や会議体制の構築、マスクや消毒液の全国拠点への配布、押印での承認から他の承認フローへの見直し、一時帰休への対応等を継続いたしました。今後も新型コロナウイルス感染症の再拡大が起こった場合に備え、継続して事業運営のできる体制強化を進めてまいります。
これら事業上の取組みの結果、当第1四半期連結会計期間末の国内技術者数は20,631人(前第1四半期連結会計期間末比981人増加)となりました。当第1四半期連結累計期間の平均稼働率は92.7%(前第1四半期連結累計期間比2.8pt減少)に止まりましたが、期初想定を上回る稼働率を維持いたしました。また、以前より技術者一人当たり売上単価の向上を進めてまいりましたが、多くの新卒技術者の入社、政府主導の働き方改革や新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワークの浸透に起因する残業時間の減少等が影響し、当第1四半期連結累計期間の月次平均売上単価(㈱テクノプロ及び㈱テクノプロ・コンストラクションの平均)は月額620千円(同6千円減少)となりました。なお、直近1年間に入社した技術者を除く既存社員で見ると、前第1四半期連結累計期間比で月額17千円上昇しております。
採用面においては、新規採用の大幅な抑制を継続したことから、当第1四半期連結累計期間の国内技術者採用数は59人(前第1四半期連結累計期間比864人減少)となり、国内技術者数は前連結会計年度末に比べて633人減少しております。
費用面においては、休業要請等による稼働日数・稼働時間の減少や非稼働技術者の増加により、売上総利益率は22.7%(前第1四半期連結累計期間比1.9pt減少)となりました。また、コストコントロールを継続して行った結果、売上収益に対する販売管理費の比率は12.9%(同2.2pt減少)となりました。
加えて、国内において雇用維持に努めた結果、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例を受けて、当第1四半期連結累計期間にその他の収益として計上した雇用調整助成金は495百万円となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上収益は391億95百万円(前第1四半期連結累計期間比0.8%増加)、営業利益は43億57百万円(同12.2%増加)、税引前四半期利益は43億11百万円(同11.2%増加)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は29億71百万円(同11.8%増加)となりました。
当第1四半期連結累計期間における主要事業分野の業績は、次のとおりです。
(R&Dアウトソーシング事業)
R&Dアウトソーシング事業の中でも好調を維持しているIT分野を拡大するため、ハード系技術者に対するIT教育を実施し、スキル転換により配属を進める取組みを実施いたしました。また、高付加価値技術を有するパートナーとの協業や社内外での研修を積極的に進め、配属先の確保に努めました。これらの取組みにより、稼働率は少し低下したものの、当第1四半期連結会計期間末の在籍技術者数及び稼働技術者数は、それぞれ17,984人及び16,818人となり、前第1四半期連結会計期間末に比べて、それぞれ939人及び472人増加しました。その結果、同事業の売上収益は312億56百万円(前第1四半期連結累計期間比1.4%増加)となりました。
(施工管理アウトソーシング事業)
施工管理アウトソーシング事業のメインである施工管理サービスに加え、ドローンを使用した3次元計測、空撮、点検等の実施や、一級建築士事務所の新設等、設計分野・施工管理分野で培われた技術力を基に、様々なサービスを展開しております。同事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は軽微で高稼働率を維持し、当第1四半期連結会計期間末の在籍技術者数及び稼働技術者数は、それぞれ2,647人及び2,556人となり、前第1四半期連結会計期間末に比べて、それぞれ42人及び93人増加しました。その結果、同事業の売上収益は49億75百万円(前第1四半期連結累計期間比3.1%増加)となりました。
(国内その他事業)
国内その他事業は、人材紹介事業及び技術系教育研修事業で構成されています。これらの事業はともに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、前第1四半期連結累計期間に比べ業績が悪化いたしました。特に、人材紹介事業は、顧客企業の採用抑制によって大きく業績が悪化しております。一方、ピーシーアシスト㈱が手掛けるWinスクールは、前連結会計年度より着手したオンラインスクール講座を順次開講しており、通常の来校による受講に加え、オンライン受講を進める等、落ち込みをカバーする施策を進めております。その結果、同事業の売上収益は8億63百万円(前第1四半期連結累計期間比14.4%減少)となりました。
(海外事業)
海外事業では、国内よりも新型コロナウイルス感染症拡大の影響が色濃く出ており、また、国によっても差異がありました。中国ではいち早く低迷状況から脱し、経済活動が活発化しており、従前の日系顧客に加えて中国系顧客へも営業活動を進めております。一方、イギリス、シンガポール、インドでは、ロックダウンの影響から事業活動が停滞しておりましたが、テレワーク環境の整備を進め、通常時と遜色ない事業活動ができる体制を構築しております。その結果、同事業の売上収益は24億14百万円(前第1四半期連結累計期間比6.6%減少)となりました。
(2)財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は1,069億60百万円(前連結会計年度末比10億6百万円減少)となりました。主な内訳は、のれん361億41百万円、現金及び現金同等物231億23百万円、売掛金及びその他の債権198億円等であります。
各項目の状況は、次のとおりです。
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産の残高は510億円(前連結会計年度末比3億6百万円減少)となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物231億23百万円(同3億25百万円増加)、売掛金及びその他の債権198億円(同4億14百万円減少)等であります。
(非流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における非流動資産の残高は559億59百万円(前連結会計年度末比7億円減少)となりました。主な内訳は、のれん361億41百万円(同25百万円増加)、使用権資産61億78百万円(同4億70百万円減少)、繰延税金資産43億90百万円(同1億7百万円増加)等であります。
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債の残高は370億13百万円(前連結会計年度末比61億51百万円減少)となりました。主な内訳は、買掛金及びその他の債務144億10百万円(同10億40百万円増加)、従業員給付に係る負債65億32百万円(同1億34百万円増加)、リース負債54億35百万円(同4億53百万円減少)、借入金31億2百万円(同13億51百万円減少)等であります。
(非流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における非流動負債の残高は210億80百万円(前連結会計年度末比57億87百万円増加)となりました。主な内訳は、借入金96億86百万円(同64億81百万円増加)、リース負債53億37百万円(同5億27百万円減少)、その他の長期金融負債52億26百万円(同11百万円増加)等であります。
(親会社の所有者に帰属する持分)
当第1四半期連結会計期間末における親会社の所有者に帰属する持分の残高は475億67百万円(前連結会計年度末比6億62百万円減少)となりました。主な内訳は、利益剰余金355億20百万円(同6億19百万円減少)、資本剰余金73億84百万円(同35百万円増加)等であります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億25百万円増加し、231億23百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は6億1百万円の収入(前第1四半期連結累計期間は4億16百万円の収入)となりました。これは主に、税引前四半期利益(43億11百万円)、買掛金及びその他の債務の増加(10億40百万円)、前払費用の減少(9億円)、減価償却費及び償却費(6億73百万円)等による資金の増加に対し、法人所得税支払額(26億23百万円)、預り金の減少(24億99百万円)、未払消費税等の減少(12億59百万円)等により資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は1億67百万円の支出(前第1四半期連結累計期間は3億56百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(1億42百万円)等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は1億14百万円の支出(前第1四半期連結累計期間は54億60百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入(100億円)による資金の増加に対し、長期借入金の返済による支出(38億18百万円)、配当金支払額(35億82百万円)、リース負債の返済による支出(17億13百万円)等により資金が減少したことによるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(6)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
特記すべき事項はありません。