有価証券報告書-第24期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/27 15:00
【資料】
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【項目】
136項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
ア.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ29,280百万円増加し、157,159百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ16,956百万円増加し、90,338百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,323百万円増加し、66,820百万円となりました。
イ.経営成績
区分前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
増減率(%)
金額(百万円)金額(百万円)
売上高141,885230,50262.5
営業利益15,72012,498△20.5
経常利益14,85213,761△7.4
親会社株主に帰属する当期純利益6,2859,65353.6

当連結会計年度における連結経営成績におきましては、売上高は230,502百万円(前年同期比+62.5%)、一方、売上原価は207,653百万円(同+77.0%)となり、売上総利益は22,848百万円(同△7.0%)となりました。販売費及び一般管理費は10,349百万円(同+17.0%)となり、営業利益は12,498百万円(同△20.5%)、経常利益は13,761百万円(同△7.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,653百万円(同+53.6%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,901百万円減少し、26,799百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
区分前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー18,70413,312△5,391
投資活動によるキャッシュ・フロー△9,667△22,975△13,307
財務活動によるキャッシュ・フロー6,4114,659△1,752
現金及び現金同等物期末残高31,70026,799△4,901

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、13,312百万円(前年同期比28.8%減)となりました。主な要因は、売上債権の増加(資金の減少)14,903百万円及び法人税等の支払額6,221百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益13,847百万円、減価償却費4,857百万円、仕入債務の増加(資金の増加)6,726百万円、未収入金の減少(資金の増加)1,599百万円、預り金の増加3,356百万円、その他資産の減少(資金の増加)1,728百万円及びその他債務の増加(資金の増加)1,381百万円等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、22,975百万円(前年同期比137.7%増)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出13,610百万円、敷金及び保証金の差入による支出4,299百万円及び貸付けによる支出2,567百万円等が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、4,659百万円(前年同期比27.3%減)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出11,044百万円及び配当金の支払額1,064百万円等があったものの、長期借入れによる収入13,386百万円及び短期借入金の純増減額3,440百万円等が生じたことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは電力事業の単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
区分前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
増減率(%)
発電実績(Mwh)発電実績(Mwh)
電源開発(連結子会社による発電)935,1021,200,60828.4
合計935,1021,200,60828.4

b.受注実績
当社グループは電力事業を主たる事業として行っており、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
区分前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
増減率(%)
金額(百万円)金額(百万円)
電力小売63,51993,89047.8
電力卸売75,056133,30877.6
その他3,3093,302△0.2
合計141,885230,50262.5

(注)主要な販売先
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
一般社団法人
日本卸電力取引所
40,82428.881,27435.3
エネトレード株式会社18,75113.221,2069.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態の分析
区分前連結会計年度
(2021年3月31日)
当連結会計年度
(2022年3月31日)
増減額
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)
流動資産55,04943.069,45044.214,401
固定資産72,83057.087,70855.814,878
資産合計127,879100.0157,159100.029,280
流動負債29,96423.442,95527.312,990
固定負債43,41734.047,38230.13,965
負債合計73,38257.490,33857.516,956
株主資本41,01532.149,84431.78,829
その他の包括利益累計額3,0622.45,8713.72,808
非支配株主持分10,4188.111,1047.1686
純資産合計54,49642.666,82042.512,323
負債純資産合計127,879100.0157,159100.029,280

(資産)
当連結会計年度末における流動資産は69,450百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,401百万円増加いたしました。これは主に売掛金が増加したことによるものであります。固定資産は87,708百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,878百万円増加いたしました。これは主に開発を進めている坂出バイオマス発電事業の本格建設開始に伴う建設仮勘定の譲渡による減少があったものの、同発電会社に対する出資、及び沖縄うるまニューエナジー株式会社の発電所の稼働に伴う機械装置及び運搬具の増加等があったことによるものであります。
この結果、総資産は157,159百万円となり、前連結会計年度末に比べ29,280百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は42,955百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,990百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が減少したものの、買掛金及びその他に含まれる預り金が増加したことによるものであります。固定負債は47,382百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,965百万円増加いたしました。これは主に沖縄うるまニューエナジー株式会社の長期借入金が増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は90,338百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,956百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は66,820百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,323百万円増加いたしました。これは主に配当金の支払による利益剰余金の減少があったものの、繰延ヘッジ損益、非支配株主持分及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加があったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は35.5%となりました。
イ.経営成績の分析
区分上期
(自 2021年4月1日
至 2021年9月30日)
下期
(自 2021年10月1日
至 2022年3月31日)
通期
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
売上高(百万円)82,690147,811230,502
営業利益(百万円)5,3607,13812,498
営業利益率(%)6.54.85.4
経常利益(百万円)6,7147,04613,761
経常利益率(%)8.14.86.0

区分計画
2022年3月期
実績
2022年3月期
計画達成率
(%)
金額(百万円)金額(百万円)
売上高158,500230,502145.4
営業利益11,40012,498109.6
経常利益11,50013,761119.7
親会社株主に帰属する当期純利益6,5009,653148.5

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウィルスの感染症の感染拡大の影響が徐々に緩和されつつあり、持ち直しの動きがみられますが、他方で、資源や原材料の価格上昇や供給制約、さらにはロシアによるウクライナ侵攻、急激な円安進行等があり、先行きは引き続き不透明な状況にあります。エネルギー分野においては、2021年10月に第6次エネルギー基本計画が閣議決定され、2030年度の電源構成における再生可能エネルギーの導入目標が22~24%から36~38%程度へと大幅に引き上げられました。アジア各国も再生可能エネルギーの導入拡大を政策目標に掲げており、また国内外における需要家の再生可能エネルギーに対する関心、ニーズも一層高まっております。
このような状況の中、当社グループでは、~持続可能な社会実現のために~「再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」という2030年ビジョンの下、経済合理性を追求しながら、再生可能エネルギーを基軸にして国内及び海外で事業に取り組んでおります。
電力小売事業につきましては、当社グループの販売子会社であるエバーグリーン・マーケティング株式会社、エバーグリーン・リテイリング株式会社及びティーダッシュ合同会社を中心に販売を行っており、販売パートナーやアライアンス先における営業強化、各種キャンペーン等により全体の販売電力量は計画を達成いたしました。一方で、LNG、石炭等の価格高騰により電力調達コストは上昇しており、高圧、低圧とも販売価格の見直しを鋭意進めております。高圧分野では大型案件の獲得、CO2フリープランの増加等により、販売電力量は約4,614百万kWh(前年比+97.3%)となりました。低圧分野では、既存の販売パートナーやアライアンス先における営業強化に加え、新規アライアンス先の獲得等により販売電力量は約1,212百万kWh(前年比+18.2%)、電力供給施設件数は約289千件(前年比+56千件)となりました。また2022年2月には、中国地方を中心に小売電気事業を展開している株式会社イーセルの全株式を取得し、子会社といたしました。
発電事業につきましては、土佐、佐伯、豊前及び大船渡の各バイオマス発電所が年間を通じて計画通り稼働いたしました。また中城バイオマス発電所が、2021年7月に営業運転を開始し、順調に稼働しております。さらに、海外案件であるカンボジアにおける水力発電プロジェクトについては、営業運転開始時期を2025年に見直したものの、ダム建設予定地の住民移転が完了する等、事業は着実に進捗しており、またベトナムにおけるバイオマス発電事業、バイオマス燃料事業については、実現可能性の検討を開始しております。
燃料事業につきましては、バイオマス燃料価格及び海上運送費の高騰並びに円安の影響により調達コストが上昇しておりますが、長期契約とスポット契約の適切な組合せ、ストックパイルの活用、サプライヤーの拡充等により安定した燃料調達を実現しております。
トレーディング事業につきましては、資源価格高騰による電力調達コストの上昇はありましたが、自社電源及び相対契約電源を中心としつつ、卸電力取引市場での売買や電力デリバティブ取引等を組み合わせ、需要と供給のバランス化を図っております。
販売費及び一般管理費につきましては、従前より効率化を図っておりますが、販売電力量の増加、業容拡大等により計画より増加しました。
以上の結果、当連結会計年度における連結経営成績につきましては、売上高は230,502百万円(前年比+62.5%)、一方、売上原価は207,653百万円(同+77.0%)となり、売上総利益は22,848百万円(同△7.0%)となりました。販売費及び一般管理費は10,349百万円(同+17.0%)となり、営業利益は12,498百万円(同△20.5%)、経常利益は13,761百万円(同△7.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,653百万円(同+53.6%)となりました。
ウ.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
エ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は設備投資等であり、自己資金及び長期借入金により調達しております。
また、短期的な資金需要に対しては、短期借入金による調達に加えて当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保しております。
オ.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。