有価証券報告書-第22期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
ア.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ29,755百万円増加し、104,780百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ21,317百万円増加し、70,517百万円となりました。当連結会計年度末の純資産は合計は、前連結会計年度末に比べ8,438百万円増加し、34,262百万円となりました。
イ.経営成績
当連結会計年度における連結経営成績におきましては、売上高は88,639百万円(前年同期比+34.7%)、一方、売上原価は72,927百万円(同+31.0%)となり、売上総利益は15,712百万円(同+54.5%)となりました。販売費及び一般管理費は6,465百万円(同+18.3%)となり、営業利益は9,246百万円(同+96.7%)、経常利益は8,764百万円(同+103.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,515百万円(同+63.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ6,009百万円増加し、16,236百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、6,511百万円(前年同期比14.7%増)となりました。主な要因は、売上債権の増加(資金の減少)1,083百万円、未収入金の増加(資金の減少)2,568百万円、法人税等の支払い1,232百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益8,764百万円、減価償却費2,301百万円、仕入債務の増加(資金の増加)471百万円等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、15,870百万円(前年同期比33.8%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出15,108百万円、無形固定資産の取得による支出365百万円等が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、15,375百万円(前年同期比4.2%減)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出1,856百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,243百万円等があったものの、長期借入れによる収入18,601百万円、非支配株主からの払込みによる収入994百万円等が生じたことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは電力事業の単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
b.受注実績
当社グループは電力事業を主たる事業として行っており、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は36,287百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,086百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が増加したことによるものであります。固定資産は68,493百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,670百万円増加いたしました。これは主に豊前ニューエナジー合同会社の発電所の稼働に伴う機械装置及び運搬具の増加によるものであります。
この結果、総資産は104,780百万円となり、前連結会計年度末に比べ29,755百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は25,864百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,576百万円増加いたしました。これは主に一年内返済予定の長期借入金の増加によるものであります。固定負債は44,653百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,740百万円増加いたしました。これは主に豊前ニューエナジー合同会社及び沖縄うるまニューエナジー株式会社の長期借入金の増加によるものであります。
この結果、負債合計は70,517百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,317百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は34,262百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,438百万円増加いたしました。これは、主に配当金の支払いが609百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益4,515百万円、為替予約・金利スワップによる繰延ヘッジ損益が3,387百万円増加したことや非支配株主に帰属する当期純利益等により非支配株主持分が1,727百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は25.0%となりました。
イ.経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の減速により外需が弱いものの、企業収益や雇用・所得環境の改善などで緩やかな経済の回復基調にありましたが、年明けからの新型コロナウィルスの感染拡大により、わが国並びに世界経済は先行きが見えない極めて不透明な状況となっております。
そのような中、2016年4月より「電力小売全面自由化」、2017年4月から開始された「ガスの小売全面自由化」よりさまざまな会社が自由に電気・ガスを販売する事が出来るようになり、エネルギー業界では業界の枠を超えて競争が激しさを増しております。
当社グループは、新たに2030年ビジョンとして「再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」を策定いたしました。信頼と協力のもとでこのビジョンを実現していくことにより、来るべき低炭素社会において評価され、必要とされる会社を目指し、厳しい競争の中にあっても、成長に向けて諸施策を推進してまいります。
電力小売事業については、電力小売全面自由化に伴う競争の進展、全国的な冷夏、暖冬等の影響により、販売電力量は計画に比較し、伸びは鈍化いたしました。低圧分野では新チャネルのパートナーとの連携やアライアンス先多様化の取り組みが進み、販売電力量は768百万kWh(前年同期比+14.6%)、電力供給施設件数は約146,000件(前年同期比+15,000件)と増加しました。高圧分野では、当社グループの販売子会社エバーグリーン・マーケティングが販売を行っており、競争激化が続く中、販売量拡大のための営業強化や直販の拡充等の施策により、販売電力量は約1,851百万kWh(前年同期比+6.7%)と計画通りに推移しました。
発電事業については、土佐バイオマス発電所は、一部計画外停止が発生しましたが、現在は順調に稼働しております。佐伯バイオマス発電所は、出力制御指令に伴い出力抑制を実施したものの、高い稼働を維持しました。豊前バイオマス発電所、大船渡バイオマス発電所は、2020年1月から営業運転を開始し、順調に稼働して収益に貢献しました。また、沖縄うるまバイオマス発電所は、2021年の営業運転に向けて順調に建設を進めております。カンボジア王国における、水力発電プロジェクトは本格工事着工に向け準備を進めております。
燃料事業については、PKS(パーム椰子殻)を始めとするバイオマス燃料の安定かつ低廉な調達を図るため、従来からの商社調達に加え自社調達の拡充を進めております。自社グループによるマレーシアのストックパイルからの出荷は一昨年から順調に行われております。今後も、バイオマス燃料のバランス良い調達ポートフォリオの構築を図りながら、より強固なサプライチェーンの確立を目指してまいります。
トレーディング事業については、原油価格下落に伴うLNG等燃料費の下落や原子力発電所再稼働等の影響により日本卸電力取引所の平均価格は前期を下回りました。従って、相対電源・自社電源に加え、市場取引をより活用し電源調達の安定化を図りました。
なお、販売費及び一般管理費についても、販売電力量の増加があったものの、経営効率化の一層の推進を図ったことから計画より減少しました。
以上の結果、当連結会計年度における連結経営成績につきましては、売上高は88,639百万円(前年同期比+34.7%)、一方、売上原価は72,927百万円(同+31.0%)となり、売上総利益は15,712百万円(同+54.5%)となりました。販売費及び一般管理費は6,465百万円(同+18.3%)となり、営業利益は9,246百万円(同+96.7%)、経常利益は8,764百万円(同+103.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,515百万円(同+63.3%)となりました。
ウ.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
エ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は設備投資等であり、自己資金及び長期借入金により調達しております。
また、短期的な資金需要に対しては、短期借入金による調達に加えて当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保しております。
オ.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産、引当金等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
ア.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ29,755百万円増加し、104,780百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ21,317百万円増加し、70,517百万円となりました。当連結会計年度末の純資産は合計は、前連結会計年度末に比べ8,438百万円増加し、34,262百万円となりました。
イ.経営成績
区分 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率(%) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
売上高 | 65,827 | 88,639 | 34.7 |
営業利益 | 4,702 | 9,246 | 96.7 |
経常利益 | 4,298 | 8,764 | 103.9 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 2,764 | 4,515 | 63.3 |
当連結会計年度における連結経営成績におきましては、売上高は88,639百万円(前年同期比+34.7%)、一方、売上原価は72,927百万円(同+31.0%)となり、売上総利益は15,712百万円(同+54.5%)となりました。販売費及び一般管理費は6,465百万円(同+18.3%)となり、営業利益は9,246百万円(同+96.7%)、経常利益は8,764百万円(同+103.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,515百万円(同+63.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ6,009百万円増加し、16,236百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
区分 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減額 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 5,678 | 6,511 | 832 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △23,960 | △15,870 | 8,090 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 16,045 | 15,375 | △669 |
現金及び現金同等物期末残高 | 10,226 | 16,236 | 6,009 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、6,511百万円(前年同期比14.7%増)となりました。主な要因は、売上債権の増加(資金の減少)1,083百万円、未収入金の増加(資金の減少)2,568百万円、法人税等の支払い1,232百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益8,764百万円、減価償却費2,301百万円、仕入債務の増加(資金の増加)471百万円等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、15,870百万円(前年同期比33.8%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出15,108百万円、無形固定資産の取得による支出365百万円等が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、15,375百万円(前年同期比4.2%減)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出1,856百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,243百万円等があったものの、長期借入れによる収入18,601百万円、非支配株主からの払込みによる収入994百万円等が生じたことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは電力事業の単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
区分 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率(%) |
発電実績(Mwh) | 発電実績(Mwh) | ||
電源開発(連結子会社による発電) | 418,715 | 569,127 | 35.9 |
合計 | 418,715 | 569,127 | 35.9 |
b.受注実績
当社グループは電力事業を主たる事業として行っており、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
区分 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減率(%) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
電力小売 | 56,257 | 57,067 | 1.4 |
電力卸売 | 9,551 | 30,406 | 218.4 |
その他 | 18 | 1,165 | 6,372.2 |
合計 | 65,827 | 88,639 | 34.7 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
一般社団法人 日本卸電力取引所 | 4,119 | 6.3 | 18,023 | 20.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態の分析
区分 | 前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | 増減額 | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | |
流動資産 | 22,200 | 29.6 | 36,287 | 34.6 | 14,086 |
固定資産 | 52,823 | 70.4 | 68,493 | 65.4 | 15,670 |
繰延資産 | 1 | 0.0 | - | - | △1 |
資産合計 | 75,024 | 100.0 | 104,780 | 100.0 | 29,755 |
流動負債 | 17,287 | 23.0 | 25,864 | 24.7 | 8,576 |
固定負債 | 31,913 | 42.5 | 44,653 | 42.6 | 12,740 |
負債合計 | 49,200 | 65.6 | 70,517 | 67.3 | 21,317 |
株主資本 | 20,332 | 27.1 | 24,158 | 23.1 | 3,826 |
その他の包括利益累計額 | △898 | △1.2 | 1,986 | 1.9 | 2,884 |
非支配株主持分 | 6,390 | 8.5 | 8,117 | 7.7 | 1,727 |
純資産合計 | 25,824 | 34.4 | 34,262 | 32.7 | 8,438 |
負債純資産合計 | 75,024 | 100.0 | 104,780 | 100.0 | 29,755 |
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は36,287百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,086百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が増加したことによるものであります。固定資産は68,493百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,670百万円増加いたしました。これは主に豊前ニューエナジー合同会社の発電所の稼働に伴う機械装置及び運搬具の増加によるものであります。
この結果、総資産は104,780百万円となり、前連結会計年度末に比べ29,755百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は25,864百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,576百万円増加いたしました。これは主に一年内返済予定の長期借入金の増加によるものであります。固定負債は44,653百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,740百万円増加いたしました。これは主に豊前ニューエナジー合同会社及び沖縄うるまニューエナジー株式会社の長期借入金の増加によるものであります。
この結果、負債合計は70,517百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,317百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は34,262百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,438百万円増加いたしました。これは、主に配当金の支払いが609百万円あったものの、親会社株主に帰属する当期純利益4,515百万円、為替予約・金利スワップによる繰延ヘッジ損益が3,387百万円増加したことや非支配株主に帰属する当期純利益等により非支配株主持分が1,727百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は25.0%となりました。
イ.経営成績の分析
区分 | 上期 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 下期 (自 2019年10月1日 至 2020年3月31日) | 通期 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
売上高 | (百万円) | 41,489 | 47,150 | 88,639 |
営業利益 | (百万円) | 5,554 | 3,692 | 9,246 |
営業利益率 | (%) | 13.4 | 7.8 | 10.4 |
経常利益 | (百万円) | 5,366 | 3,397 | 8,764 |
経常利益率 | (%) | 12.9 | 7.2 | 9.8 |
区分 | 計画 2020年3月期 | 実績 2020年3月期 | 計画達成率 (%) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
売上高 | 95,042 | 88,639 | 93.3 |
営業利益 | 7,720 | 9,246 | 119.8 |
経常利益 | 7,189 | 8,764 | 121.9 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,863 | 4,515 | 116.9 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の減速により外需が弱いものの、企業収益や雇用・所得環境の改善などで緩やかな経済の回復基調にありましたが、年明けからの新型コロナウィルスの感染拡大により、わが国並びに世界経済は先行きが見えない極めて不透明な状況となっております。
そのような中、2016年4月より「電力小売全面自由化」、2017年4月から開始された「ガスの小売全面自由化」よりさまざまな会社が自由に電気・ガスを販売する事が出来るようになり、エネルギー業界では業界の枠を超えて競争が激しさを増しております。
当社グループは、新たに2030年ビジョンとして「再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」を策定いたしました。信頼と協力のもとでこのビジョンを実現していくことにより、来るべき低炭素社会において評価され、必要とされる会社を目指し、厳しい競争の中にあっても、成長に向けて諸施策を推進してまいります。
電力小売事業については、電力小売全面自由化に伴う競争の進展、全国的な冷夏、暖冬等の影響により、販売電力量は計画に比較し、伸びは鈍化いたしました。低圧分野では新チャネルのパートナーとの連携やアライアンス先多様化の取り組みが進み、販売電力量は768百万kWh(前年同期比+14.6%)、電力供給施設件数は約146,000件(前年同期比+15,000件)と増加しました。高圧分野では、当社グループの販売子会社エバーグリーン・マーケティングが販売を行っており、競争激化が続く中、販売量拡大のための営業強化や直販の拡充等の施策により、販売電力量は約1,851百万kWh(前年同期比+6.7%)と計画通りに推移しました。
発電事業については、土佐バイオマス発電所は、一部計画外停止が発生しましたが、現在は順調に稼働しております。佐伯バイオマス発電所は、出力制御指令に伴い出力抑制を実施したものの、高い稼働を維持しました。豊前バイオマス発電所、大船渡バイオマス発電所は、2020年1月から営業運転を開始し、順調に稼働して収益に貢献しました。また、沖縄うるまバイオマス発電所は、2021年の営業運転に向けて順調に建設を進めております。カンボジア王国における、水力発電プロジェクトは本格工事着工に向け準備を進めております。
燃料事業については、PKS(パーム椰子殻)を始めとするバイオマス燃料の安定かつ低廉な調達を図るため、従来からの商社調達に加え自社調達の拡充を進めております。自社グループによるマレーシアのストックパイルからの出荷は一昨年から順調に行われております。今後も、バイオマス燃料のバランス良い調達ポートフォリオの構築を図りながら、より強固なサプライチェーンの確立を目指してまいります。
トレーディング事業については、原油価格下落に伴うLNG等燃料費の下落や原子力発電所再稼働等の影響により日本卸電力取引所の平均価格は前期を下回りました。従って、相対電源・自社電源に加え、市場取引をより活用し電源調達の安定化を図りました。
なお、販売費及び一般管理費についても、販売電力量の増加があったものの、経営効率化の一層の推進を図ったことから計画より減少しました。
以上の結果、当連結会計年度における連結経営成績につきましては、売上高は88,639百万円(前年同期比+34.7%)、一方、売上原価は72,927百万円(同+31.0%)となり、売上総利益は15,712百万円(同+54.5%)となりました。販売費及び一般管理費は6,465百万円(同+18.3%)となり、営業利益は9,246百万円(同+96.7%)、経常利益は8,764百万円(同+103.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,515百万円(同+63.3%)となりました。
ウ.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
エ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は設備投資等であり、自己資金及び長期借入金により調達しております。
また、短期的な資金需要に対しては、短期借入金による調達に加えて当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保しております。
オ.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産、引当金等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。