有価証券報告書-第15期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/23 16:00
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【項目】
156項目
経営成績等の状況の概要
(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、雇用情勢・所得環境の改善が継続し、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米中の貿易摩擦や金融資本市場の変動の影響等、依然として先行き不透明な状況下で推移いたしました。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、「第4次産業革命」が進展する中、クラウドやビッグデータ、IoT(※1)、IoE(※2)、人工知能(AI)等の新たな付加価値創造への期待に加え、第5世代移動通信システム(5G)の実用化に向けたICT(※3)利活用の高度化・多様化の他、文部科学省が推進する教育のIT化に伴う環境整備や、サイバー攻撃等の脅威に対する情報セキュリティ対策強化への優先的な投資傾向がみられ、IT投資需要は総じて堅調に推移いたしました。一方で、IT技術者不足は常態化しており、人材確保が継続的な課題となっております。
このような状況下において、当社グループは、あらゆるモノがインターネットを介して繋がる本格的なIoT社会の到来を見据え、多様化するニーズに対して高品質なサービス提供に引き続き邁進すると共に、当社グループの成長戦略の柱であるIoT/IoEソリューション事業において、グループ間シナジーによる多角化を図り、また、IoT社会の実現と共に危惧される情報セキュリティ対策の一つとして、前連結会計年度より取扱いを開始した革新的サイバーセキュリティソフト「AppGuard®」の販売促進及び新規販売パートナー獲得に努め、社会的課題の解決と「安心・安全・豊かな社会」を目指した事業展開を推進してまいりました。加えて、常態化しているIT技術者不足に対応するため、将来的なオフショア開発を視野に入れた海外企業への出資契約を締結した他、2019年5月には株式会社インフィニテックを子会社化する等、事業規模拡大に向けた各種施策に取り組んでまいりました。なお、新たに連結子会社となった株式会社インフィニテックの業績は第4四半期連結会計期間の7月より計上しております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は16,540百万円(前連結会計年度比14.1%増)、営業利益は822百万円(前連結会計年度比12.8%増)、経常利益は843百万円(前連結会計年度比9.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社における保有有価証券のうち簿価に比べて実質価額が著しく下落したものについて投資有価証券評価損を特別損失として計上したこと等により、459百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
(ITソリューション事業)
ITソリューション事業につきましては、売上高は12,724百万円(前連結会計年度比11.8%増)となり、セグメント利益は778百万円(前連結会計年度比16.6%増)となりました。
以下では、ITソリューション事業における概況と売上高を主要区分別に示します。
① エンベデッドソリューション
エンベデッドソリューションの展開につきましては、市場における優位性を確立するため高度な技術を要するエンベデッド技術者育成に努めると共に、車載情報系案件からより参入障壁の高い車載制御系、ADAS(※4)、AUTOSAR(※5)系開発案件の受注拡大に注力してまいりました。当社グループの開発実績と自動車業界における先進技術を用いて、先進運転支援システム系開発案件等、スマートカー関連案件の引き合いが継続した他、PBX開発・センサー関連開発案件が好調に推移いたしました。加えて、グループ事業会社間のシナジー効果によりエンベデッド技術者確保・各種案件獲得に至る等、総じて好調に推移いたしました。
以上の結果、エンベデッドソリューションの売上高は5,589百万円(前連結会計年度比16.0%増)となりました。
② ビジネスソリューション
ビジネスソリューションの展開につきましては、既存取引先との深耕拡大及び新規顧客の開拓に努めると共に、多岐にわたる顧客需要に応えるべく、高度な技術を要するビジネスパートナーとの更なるアライアンス強化に努めてまいりました。なお、新たに連結子会社となった株式会社インフィニテックの業績を第4四半期連結会計期間より計上しており、同社が展開する文教系ソリューションが収益に大きく寄与いたしました。企業向けソフトウェア開発においては、産業・流通向け案件が増加した他、エネルギー関連案件等の継続的な受注により、堅調に推移いたしました。メインフレーム分野においては、Dell EMCのハイエンドストレージ案件を含めた大型プロジェクトが売上に大きく貢献いたしました。
以上の結果、ビジネスソリューションの売上高は7,134百万円(前連結会計年度比8.7%増)となりました。
(IoT/IoEソリューション事業)
IoT/IoEソリューション事業につきましては、売上高は1,999百万円(前連結会計年度比45.2%増)となり、セグメント利益は34百万円(前連結会計年度比45.8%減)となりました。
株式会社りーふねっとが展開する通信事業分野が好調に推移し、売上に大きく寄与いたしました。一方、前連結会計年度より取扱いを開始した「AppGuardⓇ」の知名度向上及び当社グループを通じた販売代理店拡充による販路拡大と販売強化のため、これらに係る販管費が増大いたしました。
(半導体トータルソリューション事業)
半導体トータルソリューション事業につきましては、売上高1,828百万円(前連結会計年度比2.8%増)となり、セグメント利益は4百万円(前連結会計年度比95.0%減)となりました。
当事業の展開につきましては、新規事業分野であるターンキービジネス拡販による大型案件の受注や新規顧客の開拓が奏功し、売上に貢献いたしました。しかしながら、一部の顧客における在庫調整の影響を受けたことにより、セグメント利益は前連結会計年度に比べて大幅減となりました。また、AIやIoT需要の高まりを背景とした半導体市場の中長期的な拡大を見込み、新技術の開発及び自社製品の実用化に向けた積極的な研究開発投資を実行いたしました。
(注)上記に用いられている用語の説明は以下のとおりであります。
(※1)IoT:(Internet of Things)
コンピュータ等の情報・通信機器だけでなく、様々な「モノ」に通信機能を持たせ、インターネットに接続、相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測等を行うこと。
(※2)IoE:(Internet of Everything)
IoTよりも広い概念であり、ヒト・モノ・プロセス・データ等がインターネットにつながり、相互に通信が可能となる技術や状態、仕組みのこと。
(※3)ICT:(Information and Communication Technology)
情報通信技術。情報処理だけではなく、インターネットのような通信技術のこと。
(※4)ADAS:(Advanced Driver-Assistance System)
周囲の情報を把握し、運転操作の制御やドライバーへの注意を促し、快適な運転のサポートをしてくれたり、事故を未然に防いだりするための先進運転支援システムの総称のこと。
(※5)AUTOSAR:(AUTomotive Open System ARchitecture)
車載ソフトウェアプラットフォームの仕様の名称及び自動車業界のグローバル開発パートナーシップのこと。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,216百万円増加し、3,186百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は334百万円(前連結会計年度は525百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益805百万円、減価償却費109百万円、のれん償却額105百万円、投資有価証券評価損63百万円、賞与引当金の増加88百万円があった一方で、売上債権の増加592百万円、未払金の減少226百万円、法人税等の支払額337百万円の支出があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は442百万円(前連結会計年度は779百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出315百万円、無形固定資産の取得による支出153百万円の支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は1,324百万円(前連結会計年度は235百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入の借入れによる収入2,400百万円、配当金の支払額353百万円の支出があったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2) 受注実績
当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
販売高前年同期比
ITソリューション事業12,713,201千円12.1%
IoT/IoEソリューション事業1,999,50845.2
半導体トータルソリューション事業1,828,2122.8
報告セグメント計16,540,92214.1
その他-△100.0
合計16,540,92214.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度における総資産は、11,315百万円(前連結会計年度は9,249百万円)となり、2,066百万円増加しました。
流動資産は7,751百万円(前連結会計年度は5,848百万円)となり、1,903百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金の増加1,174百万円、売上債権の増加638百万円によるものであります。
固定資産は3,563百万円(前連結会計年度は3,398百万円)となり、164百万円増加しました。
有形固定資産は300百万円(前連結会計年度は317百万円)となり、16百万円の減少、無形固定資産は1,437百万円(前連結会計年度は1,436百万円)となり、0百万円の増加、投資その他の資産は1,824百万円(前連結会計年度は1,645百万円)となり、179百万円増加しました。有形固定資産の減少の主な要因は、その他の減少15百万円であります。無形固定資産の増加の主な要因は、のれんの減少105百万円の一方で、その他の増加106百万円によるものであります。投資その他の資産の増加の主な要因は、投資有価証券の増加146百万円であります。
(負債)
当連結会計年度における負債は、6,281百万円(前連結会計年度は4,086百万円)となり、2,195百万円増加しました。
流動負債は3,562百万円(前連結会計年度は2,917百万円)となり、644百万円増加しました。その主な要因は、仕入債務の増加121百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加478百万円、賞与引当金の増加93百万円、その他の増加71百万円の一方で、未払金の減少218百万円によるものであります。
固定負債は2,719百万円(前連結会計年度は1,168百万円)となり、1,550百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金の増加1,688百万円、その他の増加369百万円の一方で、社債の減少237百万円、役員退職慰労引当金の減少315百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、5,033百万円(前連結会計年度は5,162百万円)となり、129百万円減少しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益459百万円の増加があった一方で、配当による利益剰余金の減少354百万円、自己株式の取得等235百万円があったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は43.0%(前連結会計年度末は54.8%)となりました。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、16,540百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。主な要因は、M&Aによる事業会社1社の連結子会社化による事業規模拡大に加え、既存事業が好調に推移したことによるものであります。
(売上原価)
売上原価は、12,191百万円(前連結会計年度比15.6%増)となりました。主な要因は、ビジネスパートナー企業とのリレーション強化に伴う外注費の増加であります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、3,527百万円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。主な要因は、事業規模拡大による給与手当116百万円の増加によるものであります。
この結果、営業利益は822百万円(前連結会計年度比12.8%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は41百万円(前連結会計年度比29.3%減)、営業外費用は20百万円(前連結会計年度比23.5%増)となりました。
営業外収益の主な内訳は助成金収入19百万円であります。また、営業外費用の主な内訳は、支払利息13百万円であります。
この結果、経常利益は843百万円(前連結会計年度比9.4%増)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)
特別利益は51百万円(前連結会計年度比56.7%減)、特別損失は89百万円(前連結会計年度43.6%減)となりました。
特別利益の主な内訳は負ののれん発生益24百万円、特別損失の主な内訳は投資有価証券評価損63百万円であります。
この結果、税金等調整前当期純利益は805百万円(前連結会計年度比10.0%増)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、308百万円(前連結会計年度比17.3%増)となりました。
また、非支配株主に帰属する当期純利益は37百万円(前連結会計年度は当期純損失△0百万円)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は459百万円(前連結会計年度比2.1%減)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と投資資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、受託開発における人件費やビジネスパートナー等の外注費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要のうち主なものは、IoT関連等を含む各種の事業開発投資、最先端技術の獲得、顧客基盤の強化及び事業成長の加速を目的としたM&A費用であります。
これら資金需要につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応する考えでおりますが、必要に応じて、多様な資金調達(金融機関からの借入、各種社債の発行等)にて対応する所存です。
なお、当社グループの2019年9月末時点における、銀行借入、社債発行等を通じた有利子負債が2,830百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は3,186百万円と有利子負債を上回る水準となっており、強固な財務基盤を実現しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネージメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、十分な流動性を確保するとともに、資金効率の最適化を図っております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2016年9月期2017年9月期2018年9月期2019年9月期
自己資本比率(%)72.152.654.843.0
時価ベースの自己資本比率(%)199.5188.1135.274.6
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
0.00.91.78.5
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)206.3177.840.824.2

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。事業環境、事業内容、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部監査体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、「我々は、お客様の満足を通じて全社員の幸せを追求し、そして社会の発展に貢献します」を経営理念として掲げております。この経営理念のもと、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した課題に適切に対処していくことが必要であると認識しております。

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