有価証券報告書-第17期(令和2年10月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/12/23 16:30
【資料】
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【項目】
148項目
経営成績等の状況の概要
(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化する中で社会経済活動が制限を受けることとなり、厳しい状況が続きましたが、ワクチン接種の促進等もあり、一部持ち直しの動きがみられました。一方で、国内外の感染症の動向、サプライチェーンを通じた影響による下振れリスクへの懸念等、依然として先行き不透明な状況下で推移いたしました。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、IoT(※1)、IoE(※2)、人工知能(AI)等の先端技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に加え、新型コロナウイルス感染症対策に伴う、テレワーク導入企業の増加によるITインフラ整備・強化、非接触対応、医療ICT化促進、サイバー攻撃等の脅威に対する情報セキュリティ対策強化への優先的な投資傾向がみられ、IT投資需要は底堅く推移いたしました。一方で、IT技術者不足は常態化しており、人材確保が継続的な課題となっております。
このような状況下において、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響による経済・社会の不可逆的なビジネスモデル・産業構造の変化及び生活者変化を捉え、社会全体のデジタル化の加速による新規需要の取り込みを図ってまいりました。また、2020年10月1日付で株式会社シー・エル・シーを存続会社としてサイバーセキュリティ事業を営むSafer Connected World株式会社と合併し、巧妙化・複雑化するサイバー攻撃に対応する情報セキュリティビジネスに注力する等、社会的課題の解決と「安心・安全・豊かな社会」を目指した事業展開を推進してまいりました。2021年1月には、組込みパソコン、コントローラー及び周辺機器の開発、設計、製造等のエンベデッドソリューション事業を展開する株式会社ソードを完全子会社化する等、事業規模拡大に向けた各種施策に取り組んでまいりました。なお、新たに連結子会社となった株式会社ソードの業績は第3四半期連結会計期間の4月より計上しております。一方で、新型コロナウイルス感染症の長期化により、ITソリューション事業における文教系分野が顧客の予算計画変更の影響を受け、大幅な案件の停滞が継続したことから、事業の選択と集中のため、戦略的に事業を縮小いたしました。
当社は、2020年11月13日に公表いたしました当連結会計年度を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「PCI-VISION 2023」に基づき、持続的成長を目指して事業活動を推進しております。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は21,248百万円(前連結会計年度比26.8%増)、営業利益は1,174百万円(前連結会計年度比56.5%増)、経常利益は1,208百万円(前連結会計年度比50.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は669百万円(前連結会計年度比133.5%増)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
(ITソリューション事業)
ITソリューション事業につきましては、売上高は16,765百万円(前連結会計年度比33.7%増)となり、セグメント利益は809百万円(前連結会計年度比37.7%増)となりました。
以下では、ITソリューション事業における概況と売上高を主要区分別に示します。
① エンベデッドソリューション
第1四半期において、顧客企業の予算縮小等の影響を受けて自動車関連案件の新規受注が減少したものの、第2四半期以降は徐々に回復傾向がみられました。また、重機・建機向け分野においてドローンを活用した点検ソリューション開発案件等が売上に寄与した他、企業のテレワーク導入による通信インフラ強化需要を取り込み、通信・専用装置案件、ルーター開発等のネットワーク関連案件が増大いたしました。なお、新たに連結子会社となった株式会社ソードの業績を第3四半期連結会計期間より計上しており、同社が展開する医療向け組込みパソコン、コントローラー及び周辺機器の開発、設計、製造等が収益に大きく寄与いたしました。
以上の結果、売上高は8,903百万円(前連結会計年度比75.0%増)となりました。
② ビジネスソリューション
企業向け分野においては、一部の開発案件において第1四半期に不採算案件が発生したものの、ソフトウェア開発における金融機関向け案件及び産業・流通向け案件が堅調に推移し、社会インフラ構築案件及び公共事業者向け案件が好調に推移いたしました。また、新たに連結子会社となった株式会社ソードの業績を第3四半期連結会計期間より計上しており、同社が展開するコールセンター業務及びキッティング業務等の請負案件が収益に寄与いたしました。一方で、文教系分野においては、顧客の予算計画変更の影響を受け、売上高は減少いたしました。
以上の結果、売上高は7,862百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。
(IoT/IoEソリューション事業)
IoT/IoEソリューション事業につきましては、売上高は2,479百万円(前連結会計年度比1.0%増)となり、セグメント利益は201百万円(前連結会計年度比32.8%増)となりました。
利益率の高い事業者識別番号を活用した通信事業が好調に推移した他、自動車向けソリューションが堅調に推移いたしました。一方で、セキュリティソリューション分野においては営業活動が制限されたことにより、売上高は減少いたしました。
(半導体トータルソリューション事業)
半導体トータルソリューション事業につきましては、売上高は2,056百万円(前連結会計年度比15.5%増)となり、セグメント利益は146百万円(前連結会計年度は△18百万円のセグメント損失)となりました。
半導体市場の好調を背景に、既存顧客からのLSI設計・評価・テスト案件の強い引合いが継続し、売上に大きく寄与した他、グループ間及び協業企業との連携による新規案件の受注等、総じて好調に推移いたしました。また、新技術の開発及び自社製品の実用化に向けて継続的な研究開発投資を実行いたしました。
(注)上記に用いられている用語の説明は以下のとおりであります。
(※1)IoT:(Internet of Things)
コンピュータ等の情報・通信機器だけでなく、様々な「モノ」に通信機能を持たせ、インターネットに接続、相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測等を行うこと。
(※2)IoE:(Internet of Everything)
IoTよりも広い概念であり、ヒト・モノ・プロセス・データ等がインターネットにつながり、相互に通信が可能となる技術や状態、仕組みのこと。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,521百万円減少し、3,298百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は948百万円(前連結会計年度は1,329百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,211百万円、減価償却費155百万円、のれん償却額154百万円があった一方で、賞与引当金の減少101百万円、たな卸資産の増加276百万円、法人税等の支払額442百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は3,364百万円(前連結会計年度は523百万円の支出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3,090百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は848百万円(前連結会計年度は827百万円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入2,091百万円があった一方で、短期借入金の純減額200百万円、長期借入金の返済による支出619百万円、社債の償還による支出114百万円、配当金の支払額254百万円があったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年10月1日
至 2021年9月30日)
生産高前年同期比
ITソリューション事業2,520,232千円-%
合計2,520,232-

(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年10月1日
至 2021年9月30日)
販売高前年同期比
ITソリューション事業16,758,817千円33.8%
IoT/IoEソリューション事業2,428,558△1.0
半導体トータルソリューション事業2,049,46415.0
報告セグメント計21,236,84126.7
調整額11,700-
合計21,248,54126.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 追加情報(新型コロナウイルス感染症拡大の影響について)」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度における総資産は、17,391百万円(前連結会計年度は12,442百万円)となり、4,949百万円増加しました。これには、株式会社ソードの新規連結による資産の増加が含まれております。
流動資産は11,198百万円(前連結会計年度は8,625百万円)となり、2,572百万円増加しました。その主な要因は、売上債権の増加2,793百万円、たな卸資産の増加1,072百万円の一方で、現金及び預金の減少1,521百万円によるものであります。
固定資産は6,193百万円(前連結会計年度は3,816百万円)となり、2,376百万円増加しました。
有形固定資産は946百万円(前連結会計年度は260百万円)となり、686百万円の増加、無形固定資産は2,493百万円(前連結会計年度は1,355百万円)となり、1,138百万円の増加、投資その他の資産は2,753百万円(前連結会計年度は2,200百万円)となり、552百万円増加しました。有形固定資産の増加の主な要因は、建物の増加379百万円、建物附属設備の増加275百万円であります。無形固定資産の増加の主な要因は、のれんの増加1,319百万円であります。投資その他の資産の増加の主な要因は、退職給付に係る資産の増加226百万円、その他の増加250百万円であります。
(負債)
当連結会計年度における負債は、9,441百万円(前連結会計年度は7,014百万円)となり、2,426百万円増加しました。これには、株式会社ソードの新規連結による負債の増加が含まれております。
流動負債は6,505百万円(前連結会計年度は3,588百万円)となり、2,917百万円増加しました。その主な要因は、仕入債務の増加1,836百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加248百万円、未払金の増加197百万円、賞与引当金の増加216百万円、その他の増加657百万円の一方で、短期借入金の減少200百万円、1年内償還予定の社債の減少106百万円によるものであります。
固定負債は2,935百万円(前連結会計年度は3,426百万円)となり、490百万円減少しました。その主な要因は、資産除去債務の増加368百万円の一方で、長期借入金の減少828百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、7,950百万円(前連結会計年度は5,427百万円)となり、2,522百万円増加しました。これは主に、公募増資及びオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資等により資本金が1,045百万円、資本剰余金が980百万円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益669百万円の計上や配当金の支払255百万円等により利益剰余金が415百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は42.8%(前連結会計年度末は40.4%)となりました。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、21,248百万円(前連結会計年度比26.8%増)となりました。このうち、エンベデッドソリューション事業は、DXやリモートワークの普及拡大等を背景とした好調な事業環境に加え、2021年1月に連結子会社化した株式会社ソードの第3四半期以降における連結効果により、前連結会計年度から大幅に増加しました。また、ビジネスソリューション事業は、金融・産業・流通分野が好調に推移しました。IoT/IoEソリューション事業は、コロナ禍による営業活動の制限により、一部事業が一時的に減少したものの、通信やドローンを活用した点検案件等が売上に寄与しました。半導体トータルソリューション事業は、半導体市場の活況もあり、引き続き好調に推移しました。
(売上原価)
売上原価は、15,555百万円(前連結会計年度比26.9%増)となりました。主な要因は、株式会社ソードの連結子会社化に伴う製商品原価の増加等によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、4,519百万円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。主な要因は、株式会社ソードの連結子会社化に伴う人件費、地代家賃等の増加、及び株式取得に係るのれん償却費の増加によるものであります。
この結果、営業利益は1,174百万円(前連結会計年度比56.5%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は87百万円(前連結会計年度比14.6%増)、営業外費用は53百万円(前連結会計年度比142.9%増)となりました。
営業外収益の主な内訳は、受取利息及び配当金29百万円や助成金収入38百万円であります。また、営業外費用の主な内訳は、支払利息22百万円や株式交付費13百万円であります。
この結果、経常利益は1,208百万円(前連結会計年度比50.2%増)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)
特別利益は10百万円(前連結会計年度比10百万円増)、特別損失は7百万円(前連結会計年度比96.3%減)となりました。
特別利益の主な内訳は固定資産売却益10百万円、特別損失の主な内訳は固定資産除却損7百万円であります。
この結果、税金等調整前当期純利益は1,211百万円(前連結会計年度比106.0%増)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、498百万円(前連結会計年度比69.0%増)となりました。
また、非支配株主に帰属する当期純利益は43百万円(前連結会計年度比558.3%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は669百万円(前連結会計年度比133.5%増)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と投資資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、ビジネスパートナー獲得のための費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、IoT関連などを含む各種の事業開発投資に加えて、最先端技術の獲得、顧客基盤の強化、あるいは事業成長の加速に資するM&Aの検討を継続的に行っております。
これら資金需要につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応
する考えでおりますが、必要に応じて、後述の強固な財務基盤を背景にした多様な資金調達(金融機関からの借入、各種社債の発行等)にて対応する所存です。
なお、当社グループの2021年9月末時点における、銀行借入等を通じた有利子負債が2,795百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は3,298百万円と有利子負債を上回る水準となっており、強固な財務基盤を実現しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネージメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、十分な流動性を確保するとともに、資金効率の最適化を図っております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2018年9月期2019年9月期2020年9月期2021年9月期
自己資本比率(%)54.843.040.442.8
時価ベースの自己資本比率(%)135.274.680.563.7
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
1.78.52.83.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)40.824.294.741.9

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。事業環境、事業内容、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部監査体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、「我々は、お客様の満足を通じて全社員の幸せを追求し、そして社会の発展に貢献します」を経営理念として掲げております。この経営理念のもと、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した課題に適切に対処していくことが必要であると認識しております。

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