有価証券報告書-第20期(2023/10/01-2024/09/30)
経営成績等の状況の概要
(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により、一部に足踏みがみられるものの緩やかな回復基調となりました。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、地政学リスクの長期化や物価上昇、金融資本市場の変動等の影響もあり、依然として先行き不透明な状況下で推移いたしました。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、社会全体で進展しているデジタル化や、進展が著しい生成AI等の先端技術を活用したDX推進を背景にIT投資需要は堅調に推移いたしました。しかしながら、IT人材不足は常態化しており、特に先端IT人材の確保とリスキリングによる技術力向上が課題となっております。
このような状況下において、当社グループは、2023年11月15日に公表いたしました当連結会計年度を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「PCI-VISION 2026」に基づき、既存事業の深化とともに持続的成長及び収益の「質」向上を目指し、「①パーパス経営の実践」「②高収益体質へのシフト」「③人的資本経営の高度化」「④サステナブル経営の深化」これら4項目を基本コンセプトとした事業活動を推進してまいりました。
しかしながら、前連結会計年度において株式会社りーふねっとの全株式を売却し、同社が連結から除外されたこと及び組込PC/コントローラ分野において前連結会計年度は一過性の大量納品案件による売上計上があったこと等により売上高は前連結会計年度には至りませんでした。また、外注費の上昇に加え、業務環境改善のための設備投資、研究開発投資、人的投資等の事業成長に資する販管費が増加いたしました。
なお、当連結会計年度の9月に株式会社レスターによる株式公開買い付けが成立し、同社が新たに当社の親会社及び主要株主である筆頭株主に該当することとなりました。これに伴い、当社が保有する株式会社レスターの普通株式及び同社子会社である株式会社バイテックベジタブルファクトリーの全株式を譲渡したことにより、特別利益を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は25,084百万円(前連結会計年度比12.0%減)、営業利益は1,054百万円(前連結会計年度比38.3%減)、経常利益は978百万円(前連結会計年度比44.9%減)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は817百万円(前連結会計年度比18.9%減)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、セグメントを従来の「ITソリューション事業」「IoT/IoEソリューション事業」「半導体トータルソリューション事業」から、「エンジニアリング事業」「プロダクト/デバイス事業」「ICTソリューション事業」の3つのセグメントに変更しております。
以下の売上高及びセグメント利益の前連結会計年度比は、前連結会計年度期首にセグメント変更があったものとみなして算定しております。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業につきましては、売上高は13,583百万円(前連結会計年度比2.1%増)となり、セグメント利益は1,045百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。
エンベデッド分野において、特に自動車関連におけるAUTOSAR(※1)関連やBEV(※2)関連開発の引き合いが強く、積極的な技術者シフト等、モビリティ案件拡大に注力したことにより好調に推移いたしました。また、エンタープライズ分野においては、企業の継続的なデジタル化・DXの推進加速を背景に、産業・流通向けソフトウェア開発案件が好調に推移した一方、一部案件において進捗の遅れが発生したことに加えて人件費及び外注費の上昇が利益を圧迫し、セグメント利益は前連結会計年度比では微増となりました。
(プロダクト/デバイス事業)
プロダクト/デバイス事業につきましては、売上高は8,571百万円(前連結会計年度比14.4%減)となり、セグメント利益は365百万円(前連結会計年度比15.3%減)となりました。
組込PC/コントローラ分野につきましては、計画上見込んでいた通り、顧客企業の一時的な在庫調整や前期の一過性の大量納品案件における売上計上の反動、低採算案件の縮小により売上高は前期に比べて減少いたしました。また、円安の影響により部材仕入コストが増加したものの、その抑止策や販売価格の適正化に注力したことが奏功し、利益率は若干ながら改善基調となりました。
半導体設計・テスト分野につきましては、車載やインフラ、IoT等に係る半導体潜在需要は引き続き底堅くあるものの、既存顧客の開発計画見直しの影響を受けて顧客シフトに注力いたしましたが、一時的な非稼働人員の発生により利益率が低下いたしました。
(ICTソリューション事業)
ICTソリューション事業につきましては、売上高は3,030百万円(前連結会計年度比42.6%減)となり、セグメント利益は404百万円(前連結会計年度比61.5%減)となりました。
IoT分野では主に建機向け受託開発案件及び車載LSI向け検査用基板開発案件が堅調に推移いたしました。ソリューション分野では、自社開発生鮮流通向けソリューションの販売及びプラットフォーム関連の構築案件が売上に寄与いたしました。メインフレーム系ソリューションについては、クロスセルによるマイグレーションサービスの強化を図るとともに、主力商材の販売が計画を上回り堅調であったものの、高利益率のスポット大型案件を受注した前連結会計年度には至らず減収・減益となりました。また、前連結会計年度において株式会社りーふねっとの全株式を売却したことから当セグメントにおける業績の剥落により、売上高及びセグメント利益ともに減少いたしました。
(注)上記に用いられている用語の説明は以下のとおりであります。
(※1)AUTOSAR:(AUTomotive Open System ARchitecture) 自動車業界のソフトウェア開発の効率化を図るために、車載ソフトウェア開発の共通化を目指したプラットフォームのこと。
(※2)BEV:(Battery Electric Vehicle) バッテリー式電気自動車。外部から充電した電気を動力源としてモーター走行する自動車のこと。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ80百万円減少し、3,954百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は179百万円(前連結会計年度は2,039百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,345百万円、売上債権及び契約資産の減少794百万円があった一方で、関係会社株式売却益346百万円、仕入債務の減少796百万円、契約負債の減少231百万円、法人税等の支払額473百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は1,165百万円(前連結会計年度は259百万円の収入)となりました。これは主に、関係会社株式の売却による収入974百万円、投資有価証券の売却による収入170百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は1,428百万円(前連結会計年度は884百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出803百万円、配当金の支払額339百万円、自己株式の取得による支出199百万円があったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
(注) 1.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
2.金額は、製造原価によっております。
(2) 受注実績
当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度における総資産は、15,503百万円(前連結会計年度は17,627百万円)となり、2,124百万円減少しました。
流動資産は11,667百万円(前連結会計年度は12,505百万円)となり、838百万円減少しました。その主な要因は、売掛金の減少339百万円、電子記録債権の減少286百万円、棚卸資産の減少168百万円によるものであります。
固定資産は3,834百万円(前連結会計年度は5,120百万円)となり、1,285百万円減少しました。有形固定資産は853百万円(前連結会計年度は854百万円)となり、1百万円の減少、無形固定資産は1,689百万円(前連結会計年度は1,847百万円)となり、157百万円の減少、投資その他の資産は1,291百万円(前連結会計年度は2,418百万円)となり、1,126百万円減少しました。有形固定資産の減少の主な要因は、建物附属設備の減少14百万円であります。無形固定資産の減少の主な要因は、のれんの減少181百万円であります。投資その他の資産の減少の主な要因は、投資有価証券の減少990百万円であります。
(負債)
当連結会計年度における負債は、6,251百万円(前連結会計年度は8,528百万円)となり、2,276百万円減少しました。流動負債は5,095百万円(前連結会計年度は6,998百万円)となり、1,902百万円減少しました。その主な要因は、買掛金の減少376百万円、電子記録債務の減少420百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少444百万円によるものであります。
固定負債は1,156百万円(前連結会計年度は1,530百万円)となり、374百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金の減少359百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、9,251百万円(前連結会計年度は9,098百万円)となり、152百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益817百万円の計上による増加の一方で、配当金の支払339百万円や自己株式の取得199百万円、その他有価証券評価差額金131百万円等の減少があったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は56.6%(前連結会計年度末は48.7%)となりました。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、25,084百万円(前連結会計年度比12.0%減)となりました。エンジニアリング事業は、自動車関連市場の堅調な需要を背景に組込み系(エンベデッド)のモビリティ案件が増加したほか、一般事業法人向けも産業流通分野の売上が好調に推移したことなどから増収となりました。プロダクト/デバイス事業は、前期において株式会社ソードで大型物件のスポット売上があったものの、当期はそれがなくなったことに加え、大口顧客の在庫調整が一部継続したことから減収となりました。ICTソリューション事業は、前期第4四半期において連結子会社であった株式会社りーふねっとの株式を譲渡したことに伴う売上の減少により大幅な減収となりましたが、ノーコード開発やクラウドデータベースの活用案件の売上が堅調に推移しました。
(売上原価)
売上原価は、19,348百万円(前連結会計年度比10.2%減)となりました。上述の減収影響や外注費の増加があった中で、着実に利益を計上することを重視し、低採算案件の見極め等により収益体質の強化を推し進めましたが、売上高の減少分を吸収するには至りませんでした。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、4,681百万円(前連結会計年度比10.4%減)となりました。上記株式会社りーふねっとの離脱による減少の一方で、前期の期中に連結子会社化したパーソナル情報システム株式会社及び株式会社エヌエスアールを含む人件費の増加に加え、設備関連費、採用教育費、研究開発費等の戦略的な支出が拡大しております。
この結果、営業利益は1,054百万円(前連結会計年度比38.3%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は78百万円(前連結会計年度比3.3%減)、営業外費用は154百万円(前連結会計年度比855.3%増)となりました。
営業外収益の主な内訳は、受取利息及び配当金24百万円や為替差益23百万円、助成金収入12百万円であります。また、営業外費用の主な内訳は、支払手数料136百万円でありますが、当該費用は当社の親会社となった株式会社レスターによる当社株式に対する公開買付けにかかるアドバイザリー費用を計上したことによる一過性の増加となります。
この結果、経常利益は978百万円(前連結会計年度比44.9%減)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)
特別利益は418百万円(前連結会計年度比115百万円増)、特別損失は52百万円(前連結会計年度比93百万円減)となりました。
特別利益の内訳は政策保有目的株式の譲渡による投資有価証券売却益72百万円、当社の親会社となった株式会社レスターの株式の譲渡による関係会社株式売却益346百万円であります。また、特別損失の内訳は固定資産除却損13百万円、投資有価証券評価損38百万円であります。
この結果、税金等調整前当期純利益は1,345百万円(前連結会計年度比30.4%減)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、507百万円(前連結会計年度比39.3%減)となりました。
また、非支配株主に帰属する当期純利益は20百万円(前連結会計年度比76.9%減)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は817百万円(前連結会計年度比18.9%減)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と投資資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、ビジネスパートナー獲得のための費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、IoT関連などを含む各種の事業開発投資に加えて、最先端技術の獲得、顧客基盤の強化、あるいは事業成長の加速に資するM&Aの検討を継続的に行っております。
これら資金需要につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応する考えでおりますが、必要に応じて、後述の強固な財務基盤を背景にした多様な資金調達(金融機関からの借入、各種社債の発行等)にて対応する所存です。
なお、当社グループの2024年9月末時点における、銀行借入等を通じた有利子負債が760百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は3,954百万円と有利子負債を上回る水準となっており、強固な財務基盤を実現しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネージメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、十分な流動性を確保するとともに、資金効率の最適化を図っております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。事業環境、事業内容、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部監査体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、「我々は、お客様の満足を通じて全社員の幸せを追求し、そして社会の発展に貢献します」を企業理念として掲げております。この企業理念のもと、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した課題に適切に対処していくことが必要であると認識しております。
(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により、一部に足踏みがみられるものの緩やかな回復基調となりました。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、地政学リスクの長期化や物価上昇、金融資本市場の変動等の影響もあり、依然として先行き不透明な状況下で推移いたしました。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、社会全体で進展しているデジタル化や、進展が著しい生成AI等の先端技術を活用したDX推進を背景にIT投資需要は堅調に推移いたしました。しかしながら、IT人材不足は常態化しており、特に先端IT人材の確保とリスキリングによる技術力向上が課題となっております。
このような状況下において、当社グループは、2023年11月15日に公表いたしました当連結会計年度を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「PCI-VISION 2026」に基づき、既存事業の深化とともに持続的成長及び収益の「質」向上を目指し、「①パーパス経営の実践」「②高収益体質へのシフト」「③人的資本経営の高度化」「④サステナブル経営の深化」これら4項目を基本コンセプトとした事業活動を推進してまいりました。
しかしながら、前連結会計年度において株式会社りーふねっとの全株式を売却し、同社が連結から除外されたこと及び組込PC/コントローラ分野において前連結会計年度は一過性の大量納品案件による売上計上があったこと等により売上高は前連結会計年度には至りませんでした。また、外注費の上昇に加え、業務環境改善のための設備投資、研究開発投資、人的投資等の事業成長に資する販管費が増加いたしました。
なお、当連結会計年度の9月に株式会社レスターによる株式公開買い付けが成立し、同社が新たに当社の親会社及び主要株主である筆頭株主に該当することとなりました。これに伴い、当社が保有する株式会社レスターの普通株式及び同社子会社である株式会社バイテックベジタブルファクトリーの全株式を譲渡したことにより、特別利益を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は25,084百万円(前連結会計年度比12.0%減)、営業利益は1,054百万円(前連結会計年度比38.3%減)、経常利益は978百万円(前連結会計年度比44.9%減)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は817百万円(前連結会計年度比18.9%減)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、セグメントを従来の「ITソリューション事業」「IoT/IoEソリューション事業」「半導体トータルソリューション事業」から、「エンジニアリング事業」「プロダクト/デバイス事業」「ICTソリューション事業」の3つのセグメントに変更しております。
以下の売上高及びセグメント利益の前連結会計年度比は、前連結会計年度期首にセグメント変更があったものとみなして算定しております。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業につきましては、売上高は13,583百万円(前連結会計年度比2.1%増)となり、セグメント利益は1,045百万円(前連結会計年度比0.4%増)となりました。
エンベデッド分野において、特に自動車関連におけるAUTOSAR(※1)関連やBEV(※2)関連開発の引き合いが強く、積極的な技術者シフト等、モビリティ案件拡大に注力したことにより好調に推移いたしました。また、エンタープライズ分野においては、企業の継続的なデジタル化・DXの推進加速を背景に、産業・流通向けソフトウェア開発案件が好調に推移した一方、一部案件において進捗の遅れが発生したことに加えて人件費及び外注費の上昇が利益を圧迫し、セグメント利益は前連結会計年度比では微増となりました。
(プロダクト/デバイス事業)
プロダクト/デバイス事業につきましては、売上高は8,571百万円(前連結会計年度比14.4%減)となり、セグメント利益は365百万円(前連結会計年度比15.3%減)となりました。
組込PC/コントローラ分野につきましては、計画上見込んでいた通り、顧客企業の一時的な在庫調整や前期の一過性の大量納品案件における売上計上の反動、低採算案件の縮小により売上高は前期に比べて減少いたしました。また、円安の影響により部材仕入コストが増加したものの、その抑止策や販売価格の適正化に注力したことが奏功し、利益率は若干ながら改善基調となりました。
半導体設計・テスト分野につきましては、車載やインフラ、IoT等に係る半導体潜在需要は引き続き底堅くあるものの、既存顧客の開発計画見直しの影響を受けて顧客シフトに注力いたしましたが、一時的な非稼働人員の発生により利益率が低下いたしました。
(ICTソリューション事業)
ICTソリューション事業につきましては、売上高は3,030百万円(前連結会計年度比42.6%減)となり、セグメント利益は404百万円(前連結会計年度比61.5%減)となりました。
IoT分野では主に建機向け受託開発案件及び車載LSI向け検査用基板開発案件が堅調に推移いたしました。ソリューション分野では、自社開発生鮮流通向けソリューションの販売及びプラットフォーム関連の構築案件が売上に寄与いたしました。メインフレーム系ソリューションについては、クロスセルによるマイグレーションサービスの強化を図るとともに、主力商材の販売が計画を上回り堅調であったものの、高利益率のスポット大型案件を受注した前連結会計年度には至らず減収・減益となりました。また、前連結会計年度において株式会社りーふねっとの全株式を売却したことから当セグメントにおける業績の剥落により、売上高及びセグメント利益ともに減少いたしました。
(注)上記に用いられている用語の説明は以下のとおりであります。
(※1)AUTOSAR:(AUTomotive Open System ARchitecture) 自動車業界のソフトウェア開発の効率化を図るために、車載ソフトウェア開発の共通化を目指したプラットフォームのこと。
(※2)BEV:(Battery Electric Vehicle) バッテリー式電気自動車。外部から充電した電気を動力源としてモーター走行する自動車のこと。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ80百万円減少し、3,954百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は179百万円(前連結会計年度は2,039百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,345百万円、売上債権及び契約資産の減少794百万円があった一方で、関係会社株式売却益346百万円、仕入債務の減少796百万円、契約負債の減少231百万円、法人税等の支払額473百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は1,165百万円(前連結会計年度は259百万円の収入)となりました。これは主に、関係会社株式の売却による収入974百万円、投資有価証券の売却による収入170百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は1,428百万円(前連結会計年度は884百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出803百万円、配当金の支払額339百万円、自己株式の取得による支出199百万円があったことによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | |||
| 生産高 | 前年同期比 | |||
| エンジニアリング事業 | 73,112 | 千円 | △73.4 | % |
| プロダクト/デバイス事業 | 3,615,152 | △27.6 | ||
| 合計 | 3,688,265 | △30.0 | ||
(注) 1.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
2.金額は、製造原価によっております。
(2) 受注実績
当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | |||
| 販売高 | 前年同期比 | |||
| エンジニアリング事業 | 13,560,244 | 千円 | 2.2 | % |
| プロダクト/デバイス事業 | 8,540,742 | △14.6 | ||
| ICTソリューション事業 | 2,982,104 | △43.0 | ||
| 報告セグメント計 | 25,083,090 | △12.0 | ||
| 調整額 | 1,852 | 1,153.6 | ||
| 合計 | 25,084,943 | △12.0 | ||
(注) 1.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| キヤノンメディカルシステムズ㈱ | 3,196,780 | 11.2 | 2,941,341 | 11.7 |
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断して行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度における総資産は、15,503百万円(前連結会計年度は17,627百万円)となり、2,124百万円減少しました。
流動資産は11,667百万円(前連結会計年度は12,505百万円)となり、838百万円減少しました。その主な要因は、売掛金の減少339百万円、電子記録債権の減少286百万円、棚卸資産の減少168百万円によるものであります。
固定資産は3,834百万円(前連結会計年度は5,120百万円)となり、1,285百万円減少しました。有形固定資産は853百万円(前連結会計年度は854百万円)となり、1百万円の減少、無形固定資産は1,689百万円(前連結会計年度は1,847百万円)となり、157百万円の減少、投資その他の資産は1,291百万円(前連結会計年度は2,418百万円)となり、1,126百万円減少しました。有形固定資産の減少の主な要因は、建物附属設備の減少14百万円であります。無形固定資産の減少の主な要因は、のれんの減少181百万円であります。投資その他の資産の減少の主な要因は、投資有価証券の減少990百万円であります。
(負債)
当連結会計年度における負債は、6,251百万円(前連結会計年度は8,528百万円)となり、2,276百万円減少しました。流動負債は5,095百万円(前連結会計年度は6,998百万円)となり、1,902百万円減少しました。その主な要因は、買掛金の減少376百万円、電子記録債務の減少420百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少444百万円によるものであります。
固定負債は1,156百万円(前連結会計年度は1,530百万円)となり、374百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金の減少359百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、9,251百万円(前連結会計年度は9,098百万円)となり、152百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益817百万円の計上による増加の一方で、配当金の支払339百万円や自己株式の取得199百万円、その他有価証券評価差額金131百万円等の減少があったことによるものであります。
この結果、自己資本比率は56.6%(前連結会計年度末は48.7%)となりました。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、25,084百万円(前連結会計年度比12.0%減)となりました。エンジニアリング事業は、自動車関連市場の堅調な需要を背景に組込み系(エンベデッド)のモビリティ案件が増加したほか、一般事業法人向けも産業流通分野の売上が好調に推移したことなどから増収となりました。プロダクト/デバイス事業は、前期において株式会社ソードで大型物件のスポット売上があったものの、当期はそれがなくなったことに加え、大口顧客の在庫調整が一部継続したことから減収となりました。ICTソリューション事業は、前期第4四半期において連結子会社であった株式会社りーふねっとの株式を譲渡したことに伴う売上の減少により大幅な減収となりましたが、ノーコード開発やクラウドデータベースの活用案件の売上が堅調に推移しました。
(売上原価)
売上原価は、19,348百万円(前連結会計年度比10.2%減)となりました。上述の減収影響や外注費の増加があった中で、着実に利益を計上することを重視し、低採算案件の見極め等により収益体質の強化を推し進めましたが、売上高の減少分を吸収するには至りませんでした。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、4,681百万円(前連結会計年度比10.4%減)となりました。上記株式会社りーふねっとの離脱による減少の一方で、前期の期中に連結子会社化したパーソナル情報システム株式会社及び株式会社エヌエスアールを含む人件費の増加に加え、設備関連費、採用教育費、研究開発費等の戦略的な支出が拡大しております。
この結果、営業利益は1,054百万円(前連結会計年度比38.3%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は78百万円(前連結会計年度比3.3%減)、営業外費用は154百万円(前連結会計年度比855.3%増)となりました。
営業外収益の主な内訳は、受取利息及び配当金24百万円や為替差益23百万円、助成金収入12百万円であります。また、営業外費用の主な内訳は、支払手数料136百万円でありますが、当該費用は当社の親会社となった株式会社レスターによる当社株式に対する公開買付けにかかるアドバイザリー費用を計上したことによる一過性の増加となります。
この結果、経常利益は978百万円(前連結会計年度比44.9%減)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)
特別利益は418百万円(前連結会計年度比115百万円増)、特別損失は52百万円(前連結会計年度比93百万円減)となりました。
特別利益の内訳は政策保有目的株式の譲渡による投資有価証券売却益72百万円、当社の親会社となった株式会社レスターの株式の譲渡による関係会社株式売却益346百万円であります。また、特別損失の内訳は固定資産除却損13百万円、投資有価証券評価損38百万円であります。
この結果、税金等調整前当期純利益は1,345百万円(前連結会計年度比30.4%減)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、507百万円(前連結会計年度比39.3%減)となりました。
また、非支配株主に帰属する当期純利益は20百万円(前連結会計年度比76.9%減)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は817百万円(前連結会計年度比18.9%減)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と投資資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、ビジネスパートナー獲得のための費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、IoT関連などを含む各種の事業開発投資に加えて、最先端技術の獲得、顧客基盤の強化、あるいは事業成長の加速に資するM&Aの検討を継続的に行っております。
これら資金需要につきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金にて対応する考えでおりますが、必要に応じて、後述の強固な財務基盤を背景にした多様な資金調達(金融機関からの借入、各種社債の発行等)にて対応する所存です。
なお、当社グループの2024年9月末時点における、銀行借入等を通じた有利子負債が760百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は3,954百万円と有利子負債を上回る水準となっており、強固な財務基盤を実現しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネージメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、十分な流動性を確保するとともに、資金効率の最適化を図っております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2021年9月期 | 2022年9月期 | 2023年9月期 | 2024年9月期 | |
| 自己資本比率(%) | 42.8 | 45.9 | 48.7 | 56.6 |
| 時価ベースの自己資本比率 (%) | 63.7 | 55.0 | 60.2 | 66.6 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 3.0 | 2.6 | 0.8 | 4.2 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) | 41.9 | 82.9 | 271.3 | 33.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。事業環境、事業内容、事業運営体制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部監査体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、「我々は、お客様の満足を通じて全社員の幸せを追求し、そして社会の発展に貢献します」を企業理念として掲げております。この企業理念のもと、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した課題に適切に対処していくことが必要であると認識しております。