有価証券報告書-第20期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 10:45
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が急速に悪化した後、政府による各種経済対策の効果もあり、一部には持ち直しの動きが見られましたが、感染の再拡大に伴い再び緊急事態宣言が発出されるなど、先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループの顧客が属する医薬品業界では、世界人口の増加と新興国の所得水準の向上を背景として市場は成長しておりますが、特許切れによる後発薬の台頭、新薬開発の長期化等により製薬企業の収益性は厳しさを増しております。一方で、潤沢な資金を持つ大手製薬企業は、新たな収益源を求めて有望なパイプラインには積極的に投資する等、M&Aによる業界再編が進んでおります。このような状況を背景に、製薬企業では新薬開発を迅速かつ効率的に実施するために、臨床試験等の開発業務を外部のCRO(開発業務受託機関)へ委託するケースが増えております。新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、自社施設を利用できない製薬企業では外部委託がさらに増加しておりますが、一方で開発プロジェクトが延期や中止になる事態も発生しております。
このような状況のもと、当社グループでは感染予防策を講じながら営業及び生産活動を行っており、世界の大手製薬企業が研究開発拠点を置く米国を中心に、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたヒト肝細胞キメラマウス(当社製品名:PXBマウス)を用いた受託試験サービスを提供しております。
当社グループの主要顧客である製薬企業では、新型コロナウイルス感染症の影響により研究開発活動が停滞し、特に感染が広がった米国や欧州の一部地域では長期化しました。経済活動の再開とともに徐々にラボ業務も動き出し、薬効薬理分野における抗B型肝炎ウイルス薬の開発進展やWebを活用した潜在顧客へのアプローチにより、受注は下期にかけて回復しました。しかしながら、試験開始の遅れや需要集中による一時的なマウス不足により、多数の案件が翌期に持ち越しとなったため、売上高は薬効薬理分野、安全性分野ともに前年同期を下回りました。また、損益面につきましては、旅費交通費をはじめとした営業経費が減少したことや経費削減に努めたことにより、販売費及び一般管理費は前年同期を下回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高1,013,543千円(前年同期比22.7%減)、営業損失276,889千円(前年同期は営業損失146,637千円)、経常損失223,875千円(前年同期は経常損失125,346千円)、親会社株主に帰属する当期純損失238,002千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失415,715千円)となりました。
なお、当社グループは「PXBマウス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ447,616千円減少し、1,327,813千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は101,909千円(前連結会計年度は12,617千円の支出)となりました。これは主に前受金の増加102,502千円があった一方で、税金等調整前当期純損失223,875千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は184,775千円(前連結会計年度は15,754千円の支出)となりました。これは主に海外子会社でのPXBマウス設備の増設により有形固定資産の取得による支出181,020千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は160,194千円(前連結会計年度は1,146,053千円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入84,566千円があった一方で、短期借入金の減少200,000千円、リース債務の返済による支出21,300千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
生産高(千円)前年同期比(%)
PXBマウス事業429,63791.0

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
PXBマウス事業1,170,26690.9548,081147.8

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.外貨建て取引の受注高につきましては、受注時の為替レートにより、また、受注残高につきましては、当事業年度末の為替レートによりそれぞれ換算しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
PXBマウス事業1,013,54377.3

(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
F.Hoffmann-La Roche AG234,88017.9264,81626.1
Gilead Sciences,Inc.229,91117.562,1886.1
Alnylam Pharmaceuticals Inc.170,92013.072,8907.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により顧客である製薬企業及び研究機関等の開発スケジュールに影響を及ぼし、とりわけ欧米の製薬企業においては、感染症が拡大している一部地域で研究開発への影響が長期化いたしました。しかしながら、第2四半期以降、一部の地域を除いて顧客の研究開発活動も再開され、特に薬効薬理分野では抗B型肝炎ウイルス薬の開発で大型案件を成約するなど、各顧客の開発活動の再開に併せて、第3四半期に受注が集中いたしました。これの需要に対して、PXBマウスの供給能力を一時的に超過したことから、受注環境は改善したものの、売上につきましては、試験スケジュールの調整、出荷時期の調整を行ったため売上に影響いたしました。この結果、売上高は1,013,543千円となりました。一方、利益については、新型コロナウイルス感染症拡大により、出張旅費や学会中止による広告宣伝費等が抑制されたものの、北米におけるPXBマウスの供給拠点として生産体制の構築を進めているカナダ子会社KMT Hepatech,Inc.が、計画から遅延しており収益化に至っていないことから営業損失276,889千円、経常損失223,875千円、親会社株主に帰属する当期純損失238,002千円となりました。
財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,799,414千円となり、前連結会計年度末に比べ457,894千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が447,616千円減少したことによるものです。また固定資産は716,910千円となり、前連結会計年度末に比べ189,894千円増加いたしました。これは主に海外子会社でのPXBマウス生産設備拡張により、建物及び構築物が82,831千円、工具、器具及び備品が66,146千円、それぞれ増加したことによるものです。この結果、資産合計は2,516,324千円となり、前連結会計年度末に比べ268,000千円減少となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は398,784千円となり、前連結会計年度に比べ136,133千円減少いたしました。これは主に前受金が102,502千円増加した一方で、短期借入金が返済により200,000千円、その他が31,483千円、それぞれ減少したことによるものです。また固定負債は1,023,549千円となり、前連結会計年度末に比べ64,013千円減少いたしました。これは主にリース債務が35,950千円増加した一方で、転換社債型新株予約権付社債が転換により100,000千円減少したことによるものです。この結果、負債合計は1,422,334千円となり、前連結会計年度末に比べ200,146千円減少となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,093,990千円となり、前連結会計年度に比べ67,854千円減少いたしました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の転換、新株予約権の行使等により資本金が98,862千円、資本剰余金が98,862千円、それぞれ増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が238,002千円減少したことによるものです。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループの事業は、PXBマウスを用いた受託試験サービスとPXB-cellsの販売を中心に展開しておりますが、とりわけ、PXBマウス及びPXB-cellsは薬効薬理分野における抗肝炎ウイルス薬の薬効評価ツールとして、国内外で、C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスの基礎研究、医薬品開発に貢献してまいりました。肝炎分野の受託試験サービスは、当連結会計年度でも売上構成の4割を占めておりますが、今後、優れた抗肝炎ウイルス薬が上市された場合、市場が収束すると予想されることから、当社グループでは、ほぼ全ての医薬候補物質が対象となり、より大きな市場である安全性等分野でのPXBマウス、PXB-cellsの普及に努めております。
したがいまして、当社グループでは、分野別の売上高を重要な経営指標として位置づけております。
当連結会計年度の分野別売上高は下記のとおりであります。
分野別当連結会計年度
(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
売上高(千円)前年同期比(%)
薬効薬理分野431,12282.6
安全性等分野582,42173.8


②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの分析・検討)
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ447,616千円減少の1,327,813千円となりました。これは主に、営業活動により101,909千円、投資活動により184,775千円及び財務活動により160,194千円の資金をそれぞれ使用したことによるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの主な資金需要は、PXBマウス、PXB-cellsの生産ならびに受託試験にかかる製造費、PXBマウスの用途開発や有用性検証を目的とするコンソーシアム活動や南カリフォルニア大学との共同研究を含めた研究開発費、専門学会でのブース展示を含めた国内外での営業宣伝活動費、これらグループの活動を支える間接部門に係る運転資金の他、生産、受託試験及び研究開発のための設備・機器への投資とこれらの設備・機器の運転・維持、ならびに実験機器等消耗品の購買資金であります。これらのうち、運転資金につきましては内部資金を活用し、設備投資資金につきましては、投資規模により資金調達コストを勘案の上、内部資金の活用の他、金融機関からの借入金、リースによる調達によっております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、主に前述の資金調達等により前連結会計年度末に比べ447,616千円減少し、1,327,813千円となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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