有価証券報告書-第21期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

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2022/06/29 11:46
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種の進展や各種政策の効果により、持ち直しの動きが見られるものの、原材料価格の高騰やウクライナ情勢に起因する地政学リスクの高まりが懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループの顧客が属する医薬品業界では、世界人口の増加と新興国の所得水準の向上を背景として市場は成長しておりますが、特許切れによる後発薬の台頭、新薬開発の長期化等により製薬企業の収益性は厳しさを増しております。一方で、潤沢な資金を持つ大手製薬企業は、新たな収益源を求めて有望なパイプラインには積極的に投資する等、M&Aによる業界再編が進んでおります。このような状況を背景に、製薬企業では新薬開発を迅速かつ効率的に実施するために、臨床試験等の開発業務を外部のCRO(開発業務受託機関)へ委託するケースが増えております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大によるテレワークの広がりによって、製薬企業の外部委託は一層増加しております。
このような状況のもと、当社グループでは感染予防策を講じながら営業及び生産活動を行っており、世界の大手製薬企業が研究開発拠点を置く米国を中心に、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたヒト肝細胞キメラマウス(当社製品名:PXBマウス)を用いた受託試験サービスを提供しております。
当社グループの主要顧客である製薬企業や研究機関における研究開発活動はコロナ禍による影響から復調しており、海外製薬企業の抗B型肝炎ウイルス薬の開発も活発な状況にあることから、売上高は国内市場、海外市場ともに堅調に推移いたしました。しかしながら、国内生産施設での生産工程の不具合によるPXBマウスの一時的な生産数減少や海外生産施設での生産の遅れに伴う供給不足は、売上高を押し下げる要因となりました。費用面につきましては、売上高の増加に加えて、使用したPXBマウスに一部状態不良が含まれていたことによる大型案件の再試験費用や設備投資した海外生産施設の償却負担増により、売上原価は増加いたしました。販売費及び一般管理費は前年同期とほぼ同水準となりましたが、営業赤字は継続する結果となりました。また、海外子会社におけるPXBマウスの生産が想定どおりに進んでいないことから、当該生産施設を対象とした減損損失を計上いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高1,324,817千円(前年同期は1,013,543千円)、営業損失167,619千円(前年同期は営業損失276,889千円)、経常損失127,965千円(前年同期は経常損失223,875千円)、親会社株主に帰属する当期純損失387,970千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失238,002千円)となりました。
なお、当社グループは「PXBマウス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,305千円減少し、1,325,507千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は16,398千円(前連結会計年度は101,909千円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失393,002千円、売上債権及び契約資産の増加48,806千円があった一方で、減損損失265,027千円、前受金の増加101,423千円、減価償却費86,238千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は6,975千円(前連結会計年度は184,775千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6,771千円があったことによるものであります
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は34,658千円(前連結会計年度は160,194千円の支出)となりました。これは主にリース債務の返済による支出30,161千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
生産高(千円)前年同期比(%)
PXBマウス事業603,085140.4

b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
PXBマウス事業1,993,321170.31,168,375213.2

(注)外貨建て取引の受注高につきましては、受注時の為替レートにより、また、受注残高につきましては、当事業年度末の為替レートによりそれぞれ換算しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
PXBマウス事業1,324,817-

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
F.Hoffmann-La Roche AG264,81626.1173,75913.1
Gilead Sciences,Inc.62,1886.1165,66212.5

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、新型コロナウイルス感染症の影響により抑制されていた研究開発活動が回復しており、海外製薬企業を中心に新薬開発は活発な状況にあります。当社のPXBマウスにおいては長年の実績がある抗B型肝炎ウイルス薬の薬効評価に加えて、核酸医薬品などバイオ医薬領域での利用も増加しており、2022年3月期の受注高及び受注残高は過去最高となりました。一方でPXBマウスの供給においては、海外生産施設では歩留率が安定しない状況にあることから計画を下回る生産数となり、国内生産施設においても不具合による一時的な生産数の落ち込みが発生したため、納品や受託試験に遅れが生じました。結果として、売上高も過去最高となる1,324,817千円となったものの、当初計画値からは下回る水準での着地となりました。利益面については、海外生産施設のコスト増が収益に貢献できていない状況に加えて、受託試験においてはマウスの状態不良による大型案件の再試験費用が発生したことから、売上総利益率は前連結会計年度から悪化する等、赤字からは脱却できず、営業損失は167,619千円となりました。また、2020年8月に設備投資が完了した海外生産施設は生産実績を踏まえた将来の回収可能性を検討した結果、有形固定資産の帳簿価額全額について減損損失の計上を余儀なくされ、親会社株主に帰属する当期純損失387,970千円となりました。
なお、減損損失は計上したものの同海外生産施設は需要が増加している北米でのPXBマウス生産拠点としての位置づけに変わりなく、引き続き安定生産に向けて取り組んでまいります。
財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,854,247千円となり、前連結会計年度末に比べ54,833千円増加いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が66,406千円増加したことによるものです。また固定資産は426,219千円となり、前連結会計年度末に比べ290,691千円減少いたしました。これは主に海外子会社の有形固定資産を対象とした減損損失の計上により、建物及び構築物が108,034千円、工具、器具及び備品が100,231千円、使用権資産が87,666千円、それぞれ減少したことによるものです。この結果、資産合計は2,280,467千円となり、前連結会計年度末に比べ235,857千円減少となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は438,768千円となり、前連結会計年度に比べ39,983千円増加いたしました。これは主にその他が25,275千円、未払法人税等が6,600千円、それぞれ増加したことによるものです。また固定負債は1,013,547千円となり、前連結会計年度末に比べ10,002千円減少いたしました。この結果、負債合計は1,452,315千円となり、前連結会計年度末に比べ29,981千円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は828,151千円となり、前連結会計年度に比べ265,838千円減少いたしました。これは主に収益認識会計基準等の適用により利益剰余金の期首残高が80,682千円、為替換算調整勘定が26,012千円、それぞれ増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失387,970千円を計上したことによるものです。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループの事業は、PXBマウスを用いた受託試験サービスとPXB-cellsの販売を中心に展開しておりますが、とりわけ、PXBマウス及びPXB-cellsは薬効薬理分野における抗肝炎ウイルス薬の薬効評価ツールとして、国内外で、C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスの基礎研究、医薬品開発に貢献してまいりました。肝炎分野の受託試験サービスは、当連結会計年度でも売上構成の4割を占めておりますが、今後、優れた抗肝炎ウイルス薬が上市された場合、市場が収束すると予想されることから、当社グループでは、ほぼ全ての医薬候補物質が対象となり、より大きな市場である安全性等分野でのPXBマウス、PXB-cellsの普及に努めております。
したがいまして、当社グループでは、分野別の売上高を重要な経営指標として位置づけております。
当連結会計年度の分野別売上高は下記のとおりであります。
分野別当連結会計年度
(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
売上高(千円)前年同期比(%)
薬効薬理分野515,578-
安全性等分野809,238-

(注)当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しておりますので、前年同期比は記載しておりません。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの分析・検討)
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ2,305千円減少の1,325,507千円となりました。これは主に、営業活動により16,398千円の資金を獲得した一方で、投資活動により6,975千円及び財務活動により34,658千円の資金をそれぞれ使用したことによるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの主な資金需要は、PXBマウス、PXB-cellsの生産ならびに受託試験にかかる製造費、PXBマウスの用途開発や有用性検証を目的とするコンソーシアム活動や南カリフォルニア大学との共同研究を含めた研究開発費、専門学会でのブース展示を含めた国内外での営業宣伝活動費、これらグループの活動を支える間接部門に係る運転資金の他、生産、受託試験及び研究開発のための設備・機器への投資とこれらの設備・機器の運転・維持、ならびに実験機器等消耗品の購買資金であります。これらのうち、運転資金につきましては内部資金を活用し、設備投資資金につきましては、投資規模により資金調達コストを勘案の上、内部資金の活用の他、金融機関からの借入金、リースによる調達によっております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、主に前述の資金調達等により前連結会計年度末に比べ2,305千円減少し、1,325,507千円となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

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