有価証券報告書-第23期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 10:03
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行し、社会経済活動の正常化が進むなかで緩やかに回復しているものの、エネルギー価格の高騰や円安による物価上昇は継続しており、欧米におけるインフレの高止まり等による景気の下振れリスクも懸念され、先行きは依然として楽観視できない状況にあります。
当社グループの顧客が属する医薬品業界では、世界人口の増加と新興国の所得水準の向上を背景として市場は成長しておりますが、特許切れによる後発薬の台頭、新薬開発の長期化等により製薬企業の収益性は厳しさを増しております。一方で、潤沢な資金を持つ大手製薬企業は、新たな収益源を求めて有望なパイプラインには積極的に投資する等、M&Aによる業界再編が進んでおります。このような状況を背景に、製薬企業では新薬開発を迅速かつ効率的に実施するために、臨床試験等の開発業務を外部のCRO(開発業務受託機関)へ委託するケースが増えており、当社がターゲットとしている前臨床試験におきましても製薬企業の外部委託は拡大傾向にあります。
このような状況のもと、当社グループでは世界の大手製薬企業が研究開発拠点を置く米国を中心に、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたヒト肝細胞キメラマウス(当社製品名:PXBマウス)を用いた受託試験サービスの提供及びPXBマウス関連製品の販売を行っております。
PXBマウスの需要は肝炎領域からバイオ医薬領域に移行しており、核酸医薬品や遺伝子治療等の開発で利用が増加しております。受注高は概ね順調に推移し前年同期比40.6%増となりましたが、大型のマウス販売案件を獲得した安全性等分野は伸長した一方で、抗B型肝炎薬の開発予算見直しが相次いだ薬効薬理分野は厳しい市場環境となりました。売上高についてはマウス販売が堅調であった安全性等分野は前年同期を上回り健闘したものの、受注の低迷が顕著となった薬効薬理分野は前年同期から大きく落ち込み、減収となりました。損益面につきましては、受託試験案件が減少したことで売上原価の外注費等は減少しましたが、人件費を含めた営業経費等が増加したことから販売費及び一般管理費は増加しており、黒字は確保したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期を大きく下回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高1,715,321千円(前年同期比19.2%減)、営業利益11,063千円(前年同期比97.8%減)、経常利益43,526千円(前年同期比91.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益26,378千円(前年同期比94.7%減)となりました。
なお、当社グループは「PXBマウス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ170,431千円減少し、1,384,891千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は79,307千円(前連結会計年度は277,491千円の獲得)となりました。これは主に売上債権及び契約資産の減少69,271千円、税金等調整前当期純利益59,785千円があった一方で、預り金の減少86,660千円、棚卸資産の増加83,460千円、法人税等の支払額49,157千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、獲得した資金は115,358千円(前連結会計年度は156,340千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出31,623千円があった一方で、投資有価証券の償還による収入153,400千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は244,879千円(前連結会計年度は86,630千円の獲得)となりました。これは長期借入れによる収入400,000千円、短期借入金の増加100,000千円あった一方で、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出725,000千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
生産高(千円)前年同期比(%)
PXBマウス事業529,04490.3

b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
PXBマウス事業1,860,048140.6714,227157.1

(注)外貨建て取引の受注高につきましては、受注時の為替レートにより、また、受注残高につきましては、当事業年度末の為替レートによりそれぞれ換算しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
PXBマウス事業1,715,32180.8

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
Alnylam Pharmaceuticals, Inc.238,41511.2664,95238.8
Gilead Sciences,Inc.351,36816.544,6182.6
F.Hoffmann-La Roche AG392,55418.515,4660.9

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、円安が継続するなかで、海外でのマウス販売が伸びており、大型案件の獲得が寄与したことで受注高、受注残高ともに前連結会計年度から増加いたしました。一方で売上高は前連結会計年度から引き続き抗B型肝炎ウイルス薬の薬効評価試験の受注が低調に推移したことが響き、前年同期比19.2%減となる1,715,321千円で着地しました。利益面については、利益率の高い受託試験サービスが減少したことに加えて、原材料費、人件費、営業費用等が増加していることから、営業利益率は低下し、営業利益は前年同期比97.8%減となる11,063千円となりました。
なお、海外生産施設については、PXBマウス及びPXB-cellsの生産で結果が出始めているものの、将来キャッシュ・フローがマイナスになることから減損損失を計上しておりますが、引き続き安定生産による収益への寄与を目指してまいります。
財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,132,208千円となり、前連結会計年度末に比べ159,908千円減少いたしました。これは主に原材料及び貯蔵品が67,305千円、仕掛品が9,266千円、製品が8,781千円増加した一方で、現金及び預金が170,431千円、売掛金及び契約資産が69,271千円、それぞれ減少したことによるものです。また固定資産は583,112千円となり、前連結会計年度末に比べ143,432千円減少いたしました。これは主に投資有価証券が116,001千円、繰延税金資産が22,223千円、それぞれ減少したことによるものです。この結果、資産合計は2,715,320千円となり、前連結会計年度末に比べ303,340千円減少となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は421,457千円となり、前連結会計年度に比べ864,679千円減少いたしました。これは主に短期借入金が100,000千円、1年内返済予定の長期借入金が79,992千円増加した一方で、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が875,000千円、その他が110,354千円、未払法人税等が59,011千円、それぞれ減少したことによるものです。また固定負債は496,254千円となり、前連結会計年度末に比べ278,200千円増加いたしました。これは主に長期借入金が300,010千円増加したことによるものです。この結果、負債合計は917,712千円となり、前連結会計年度末に比べ586,478千円減少となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,797,607千円となり、前連結会計年度に比べ283,137千円増加いたしました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の転換等により資本金が108,901千円、資本剰余金が108,901千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が26,378千円、それぞれ増加したことによるものです。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループの事業は、PXBマウスを用いた受託試験サービスとPXBマウス及びPXB-cellsの販売を中心に展開しておりますが、とりわけ、PXBマウス及びPXB-cellsは薬効薬理分野における抗肝炎ウイルス薬の薬効評価ツールとして、国内外で、C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスの基礎研究、医薬品開発に貢献してまいりました。しかしながら、ここに来て肝炎分野の受託試験サービスは大きく減少しており、今後の市場回復も期待できないことから、当社グループでは、ほぼ全ての医薬候補物質が対象となり、より大きな市場である安全性等分野でのPXBマウス、PXB-cellsの普及に努めております。
当社グループでは、重要な経営指標として分野別の売上高を採用しておりますが、今後PXBマウス、PXB-cellsの製品販売に重点を置いていくことから、当連結会計年度よりサービスライン別の売上高も記載しております。
当連結会計年度の分野別売上高及びサービスライン別売上高は下記のとおりであります。
分野別当連結会計年度
(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
売上高(千円)前年同期比(%)
薬効薬理分野159,17116.0
安全性等分野1,556,149138.0

サービスライン別当連結会計年度
(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
売上高(千円)前年同期比(%)
製品販売1,319,793168.2
受託試験サービス395,52729.5

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの分析・検討)
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ170,431千円減少の1,384,891千円となりました。内訳は投資有価証券の償還等により投資活動で115,358千円の資金を獲得した一方で、転換社債型新株予約権付社債の満期償還等により財務活動で244,879千円、営業活動で79,307千円の資金をそれぞれ使用しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの主な資金需要は、PXBマウス、PXB-cellsの生産ならびに受託試験にかかる製造費、PXBマウスの用途開発や有用性検証を目的とするコンソーシアム活動や南カリフォルニア大学との共同研究を含めた研究開発費、専門学会でのブース展示を含めた国内外での営業宣伝活動費、これらグループの活動を支える間接部門に係る運転資金の他、生産、受託試験及び研究開発のための設備・機器への投資とこれらの設備・機器の運転・維持、ならびに実験機器等消耗品の購買資金であります。これらのうち、運転資金につきましては内部資金を活用し、設備投資資金につきましては、投資規模により資金調達コストを勘案の上、内部資金の活用の他、金融機関からの借入金、リースによる調達によっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

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