有価証券報告書-第22期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/28 10:53
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化が進むものの、エネルギー価格の高騰や円安による物価上昇、ウクライナ情勢の長期化など、先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループの顧客が属する医薬品業界では、世界人口の増加と新興国の所得水準の向上を背景として市場は成長しておりますが、特許切れによる後発薬の台頭、新薬開発の長期化等により製薬企業の収益性は厳しさを増しております。一方で、潤沢な資金を持つ大手製薬企業は、新たな収益源を求めて有望なパイプラインには積極的に投資する等、M&Aによる業界再編が進んでおります。このような状況を背景に、製薬企業では新薬開発を迅速かつ効率的に実施するために、臨床試験等の開発業務を外部のCRO(開発業務受託機関)へ委託するケースが増えており、リモートワークが進んでいる状況下も相まって、当社がターゲットとしている前臨床試験におきましても製薬企業の外部委託は一層増加しております。
このような状況のもと、当社グループでは世界の大手製薬企業が研究開発拠点を置く米国を中心に、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたヒト肝細胞キメラマウス(当社製品名:PXBマウス)を用いた受託試験サービスを提供しております。
当社グループの主要顧客である製薬企業や研究機関におけるPXBマウス需要は主に海外市場で勢いが増しており、薬効薬理分野、安全性等分野ともに多くの引き合いを頂いております。受注高は大型案件の一服や一部顧客で開発中止に伴うキャンセルの影響を受けましたが、売上高は海外市場で抗B型肝炎薬の受託試験やマウス販売が大きく増加したことから、過去最高を達成しました。損益面につきましては、売上原価の人件費や水道光熱費等は増加しましたが、海外生産施設でのPXBマウス生産は成果を見せ始め、前期において計上することとなった減損損失による減価償却費の減少効果もあり、粗利益は大幅に増加しました。また、販売費及び一般管理費は人材の獲得競争が激化する米国の子会社では昇給や福利厚生の充実を図り、当社でも好調な業績に報いるため正社員、パート社員に賞与支給を実施したことで人件費が増加しましたが、6期ぶりの営業黒字を確保するとともに、こちらも過去最高益となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高2,124,051千円(前年同期比60.3%増)、営業利益508,448千円(前年同期は営業損失167,619千円)、経常利益511,299千円(前年同期は経常損失127,965千円)、親会社株主に帰属する当期純利益493,329千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失387,970千円)となりました。
なお、当社グループは「PXBマウス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ229,815千円増加し、1,555,323千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は277,491千円(前連結会計年度は16,398千円の獲得)となりました。これは主に前受金の減少200,841千円があった一方で、税金等調整前当期純利益510,644千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は156,340千円(前連結会計年度は6,975千円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の取得による支出136,114千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は86,630千円(前連結会計年度は34,658千円の支出)となりました。これはリース債務の返済による支出56,300千円があった一方で、新株予約権の行使による株式の発行による収入142,931千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
生産高(千円)前年同期比(%)
PXBマウス事業586,12697.2

b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
PXBマウス事業1,323,16766.4454,64538.9

(注)外貨建て取引の受注高につきましては、受注時の為替レートにより、また、受注残高につきましては、当事業年度末の為替レートによりそれぞれ換算しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
PXBマウス事業2,124,051160.3

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
F.Hoffmann-La Roche AG173,75913.1392,55418.5
Gilead Sciences,Inc.165,66212.5351,36816.5
Alnylam Pharmaceuticals, Inc.27,2222.1238,41511.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、海外製薬企業を中心に核酸医薬品などバイオ医薬領域では引き続き好調を維持しましたが、抗B型肝炎ウイルス薬の薬効評価では開発の中止や延期などもあり受注高は前連結会計年度から減少いたしました。受注残高は前連結会計年度において一時的にPXBマウスの供給が滞った影響で積み上がっておりましたが、当連結会計年度においてはPXBマウスの生産が通常稼働に戻り、受注済み案件は順調に消化できました。結果として、売上高は前年同期比60.3%増となる2,124,051千円で着地し、過去最高であった前連結会計年度及び計画値を大きく上回ることとなりました。利益面については、原材料、人件費、輸送費などあらゆるコストが増加する状況ではありましたが、売上高の増加により黒字への転換を果たし、営業利益は508,448千円となりました。
また、前連結会計年度において減損損失の計上を余儀なくされた海外生産施設においても、PXBマウスの生産で結果が出始めており、引き続き安定生産による収益への寄与に取り組んでまいります。
財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,292,116千円となり、前連結会計年度末に比べ437,868千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が229,815千円、売掛金及び契約資産が60,457千円、原材料及び貯蔵品が57,797千円、その他が40,553千円、それぞれ増加したことによるものです。また固定資産は726,544千円となり、前連結会計年度末に比べ300,325千円増加いたしました。これは主に投資有価証券が125,492千円、米国子会社において「リース(Topic842)」の適用に伴い、使用権資産が124,631千円、それぞれ増加したことによるものです。この結果、資産合計は3,018,661千円となり、前連結会計年度末に比べ738,194千円増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,286,137千円となり、前連結会計年度に比べ847,369千円増加いたしました。これは主に前受金が200,841千円減少した一方で、転換社債型新株予約権付社債から振替等により1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が875,000千円、その他が106,374千円、未払法人税等が50,336千円、それぞれ増加したことによるものです。また固定負債は218,053千円となり、前連結会計年度末に比べ795,493千円減少いたしました。これは主に米国子会社において「リース(Topic842)」の適用等に伴い、リース債務が106,786千円増加した一方で、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債への振替等により転換社債型新株予約権付社債が900,000千円減少したことによるものです。この結果、負債合計は1,504,191千円となり、前連結会計年度末に比べ51,875千円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,514,470千円となり、前連結会計年度に比べ686,318千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が493,329千円、新株予約権の行使等により資本金が89,937千円、資本剰余金が89,937千円、それぞれ増加したことによるものです。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループの事業は、PXBマウスを用いた受託試験サービスとPXB-cellsの販売を中心に展開しておりますが、とりわけ、PXBマウス及びPXB-cellsは薬効薬理分野における抗肝炎ウイルス薬の薬効評価ツールとして、国内外で、C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスの基礎研究、医薬品開発に貢献してまいりました。肝炎分野の受託試験サービスは、当連結会計年度でも売上構成の4割を占めておりますが、今後、優れた抗肝炎ウイルス薬が上市された場合、市場が収束すると予想されることから、当社グループでは、ほぼ全ての医薬候補物質が対象となり、より大きな市場である安全性等分野でのPXBマウス、PXB-cellsの普及に努めております。
したがいまして、当社グループでは、分野別の売上高を重要な経営指標として位置づけております。
当連結会計年度の分野別売上高は下記のとおりであります。
分野別当連結会計年度
(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
売上高(千円)前年同期比(%)
薬効薬理分野996,299193.2
安全性等分野1,127,751139.4

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの分析・検討)
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ229,815千円増加の1,555,323千円となりました。内訳は投資有価証券の取得等による投資活動で156,340千円の資金を使用した一方で、営業活動で277,491千円、新株予約権の行使等による財務活動で86,630千円の資金をそれぞれ獲得しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの主な資金需要は、PXBマウス、PXB-cellsの生産ならびに受託試験にかかる製造費、PXBマウスの用途開発や有用性検証を目的とするコンソーシアム活動や南カリフォルニア大学との共同研究を含めた研究開発費、専門学会でのブース展示を含めた国内外での営業宣伝活動費、これらグループの活動を支える間接部門に係る運転資金の他、生産、受託試験及び研究開発のための設備・機器への投資とこれらの設備・機器の運転・維持、ならびに実験機器等消耗品の購買資金であります。これらのうち、運転資金につきましては内部資金を活用し、設備投資資金につきましては、投資規模により資金調達コストを勘案の上、内部資金の活用の他、金融機関からの借入金、リースによる調達によっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。また、連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

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