有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 17:00
【資料】
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【項目】
107項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2025年4月1日~2026年3月31日)における国内エレクトロニクス業界は、半導体市況の持ち直しや研究開発投資の回復が見られた一方で、部材価格の高止まり、人件費の上昇、為替動向や通商政策の影響など、先行き不透明な状況が継続いたしました。こうした中、当社は中期経営計画ローリングに基づき、以下の3つの重点項目に沿って各種施策を推進し、事業基盤の強化と持続的成長の実現に取り組んでまいりました。
・顧客体験・収益性の向上
AIブロック図自動生成サービスの開始、「1-Click見積」のリニューアル、カスタマーサクセス体制への移行、GUGEN Hubにおける顧客部品の一元管理と実装サービスの連携機能の開始など、設計・調達・製造の各工程における利便性向上を進めてまいりました。また、基板製造完了日当日の納品を可能とする「デリバリーゼロコース」の開始、リジッド基板「ノーマルコース」の基本納期短縮、部品実装の標準納期短縮など、短納期ニーズへの対応を強化いたしました。これらの取り組みにより、顧客利便性の向上と継続利用の促進を図るとともに、高付加価値サービスの提供比率が上昇し、売上総利益率は前事業年度の36.2%から当事業年度は37.8%に改善いたしました。
・グローバル・次世代領域への展開
海外事業推進室の新設を通じて海外展開体制の整備を進めるとともに、ASEAN市場ではタイ王国向けプリント基板通販サイト「p-ban Thailand」の展開を開始いたしました。また、研究開発支援サービス「gene」を起点として、ローム株式会社とのオンデバイスAI「Solist-AI™」関連のエコシステム連携や、TOPPANホールディングス株式会社との次世代センサー評価用モジュール開発など、先端領域における大手企業との具体的な共創実績を積み上げました。加えて、Engineer Social Hub™での情報発信、AI活用や電子回路設計・EMC分野に関する講習会・技術セミナーの開催など、設計上流から製造・実装までを含めた高付加価値領域への展開を進めてまいりました。これにより、研究開発段階から量産段階までを一気通貫で支援する体制の有効性を示すとともに、次世代領域における新たな需要獲得に向けた基盤整備を進めてまいりました。
・ESG・IRを通じた企業価値向上
使用済みプリント基板の回収・再資源化を行う基板回収リサイクルサポートを開始し、環境負荷低減と社会的価値創出の両立を図りました。また、昨年度の名古屋証券取引所メイン市場への重複上場を契機として、投資家層の拡大と株式流動性の向上に継続して取り組みました。加えて、名証IRセミナー(オンライン)への登壇、名証IRエキスポ2025への出展、「IR noteマガジン」への参画に加え、TOPPANホールディングス株式会社との共創対談動画の公開や、個人投資家向け公開Q&Aセミナーのアーカイブ公開などを通じて、株主・投資家との対話機会の拡充と情報発信の強化に努めてまいりました。
これらの結果、中堅・大手顧客の比率上昇や、基板設計・実装・部品調達等の周辺サービス利用拡大により、売上構成の質的改善と収益性向上が進展いたしました。一方で、販売費及び一般管理費は682,820千円(前期比8.1%増)となりました。これは、海外展開の推進、システム開発投資、周辺サービス拡充に向けた体制強化等、将来の成長に向けた先行投資を実施したことによるものであります。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,311,924千円(前期比6.0%増)、営業利益は190,481千円(前期比21.2%増)、経常利益は187,023千円(前期比17.4%増)となり、売上構成の改善や収益性向上により、事業収益力は着実に向上いたしました。一方で、当社が保有する未上場株式の一部について、投資先の直近の事業状況および今後の見通し等を総合的に勘案した結果、実質価額の低下を反映し、投資有価証券評価損29,443千円を特別損失に計上いたしました。また、当該投資有価証券評価損に係る繰延税金資産9,280千円について、将来の税務上の損金算入時期を合理的に見積もることが困難であるため資産計上を行わなかったことから、一時的な会計上の要因として、当期純利益は106,013千円(前期比5.8%減)となりました。
当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ77,345千円増加し、1,214,954千円となりました。キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は190,479千円(前事業年度は144,560千円の増加)となりました。これは、税引前当期純利益157,164千円の計上、減価償却費25,616千円の計上、投資有価証券評価損29,443千円の計上、投資事業組合運用損6,344千円の計上、株式報酬費用5,567千円の計上、仕入債務の増加11,501千円、売上債権の減少6,406千円、棚卸資産の増加8,238千円、前払費用の増加6,290千円、未払金の増加9,334千円、契約負債の増加2,377千円、利息の受取額2,334千円、法人税等の支払額52,496千円等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は66,716千円(前事業年度は46,174千円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出8,589千円、無形固定資産の取得による支出51,206千円、保険解約による収入3,338千円、保険積立金の積立による支出10,259千円によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は46,403千円(前事業年度は37,333千円の減少)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入403千円、配当金の支払による支出46,807千円によります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産活動を行っていないため、生産実績は記載しておりません。
b.商品仕入実績
当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであり、当事業年度における仕入実績は次のとおりであります。
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
1,446,905103.6

(注)金額は仕入価格によっております。
c.受注状況
当社は受注から販売までの期間が短く、販売実績と近似するため記載を省略いたします。
d.販売実績
当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は次のとおりであります。
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
2,311,924106.0

(注)主要な相手先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略いたします。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっての会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりです。なお、この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 財政状態の分析
a.資産の部
当事業年度末における総資産は1,827,718千円となり、前事業年度末と比較して94,298千円の増加となりました。主な要因は、現金及び預金77,345千円、電子記録債権2,983千円、商品8,284千円、工具・器具及び備品6,671千円、ソフトウエア28,751千円、保険積立金7,957千円が増加した一方、売掛金9,389千円、投資有価証券34,064千円が減少したこと等によります。
b.負債の部
当事業年度末における負債合計は383,976千円となり、前事業年度末と比較して28,655千円の増加となりました。主な要因は、買掛金11,501千円、預り金2,099千円、未払金10,213千円が増加したこと等によります。
c.純資産の部
当事業年度末における純資産合計は1,443,741千円となり、前事業年度末と比較して65,642千円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金が当期純利益を計上したことにより106,013千円、有価証券評価差額金が1,305千円増加、配当金の支払により利益剰余金が46,893千円、自己株式の処分により自己株式が5,501千円減少したこと等によります。
当期末時点の自己資本比率は79.0%、流動比率は424.1%となっており、安全性の高い財務体質を維持しております。
③ 経営成績の分析
a.売上高
当事業年度の売上高は、2,311,924千円と前事業年度と比べ131,346千円(6.0%)の増収となりました。主力事業であるプリント基板Eコマース事業が前年比で増加した等によるものです。
詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b.売上原価
当事業年度の売上原価は、1,438,621千円と前事業年度と比べ46,966千円(3.4%)の増加となりました。主な要因としては、売上高が前事業年度と比べ増加したこと等によります。
c.販売費及び一般管理費
当事業年度の販売費及び一般管理費は、682,820千円と前事業年度と比べ51,091千円(8.1%)の増加となりました。主な要因としては、人員の増員により給料手当が5,911千円、専門性を強化するための顧問費用およびM&A支援のコンサルティング費用により支払報酬が10,434千円、ソフトウエア開発のサポートのためソフトウエア及びクラウド利用料が9,603千円増加し、開発プロセスを迅速化させるための外部への委託により外注費が9,325千円増加したこと等によります。
d.営業外収益、営業外費用
当事業年度の営業外収益は、4,660千円と前事業年度と比べ660千円(12.4%)の減少となりました。主な要因としては、受取利息が1,730千円増加した一方、協賛金収入が2,521千円減少したこと等によるものです。
当事業年度の営業外費用は、8,118千円と前事業年度と比べ4,899千円(152.2%)の増加となりました。主な要因としては、投資事業組合運用損が3,502千円、為替差損が1,036千円増加したこと等によるものです。
e.特別損失、法人税等
当事業年度の特別損失は、29,859千円となりました。要因としては、投資有価証券評価損29,443千円等によるものです。
当事業年度における法人税等は、51,150千円と前事業年度と比べ8,218千円(19.1%)の増加となりました。主な要因としては、法人税が6,091千円、法人税等調整額が2,126千円増加したこと等によります。
これらの結果により、当事業年度の営業利益は190,481千円、経常利益は187,023千円、当期純利益は106,013千円となりました。
④ キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、提携仕入先への仕入原価のほか、人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。なお、これらの資金需要に対しては、内部資金によりまかなっており、有利子負債による資金調達は行っておりません。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
今後も、半導体、自動車・モビリティ、FA・ロボット、生成AI関連機器等の成長分野において、研究開発・試作需要の拡大が見込まれております。当社は、プリント基板Eコマース「P板.com」を中核サービスとして、部品実装、電子部品調達、GUGEN Hub、AI・開発支援サービス等の周辺領域を拡充し、顧客の開発・試作・製品化プロセス全体を支援することで、事業の拡大を図ってまいります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後の事業を拡大し、継続的な成長を行うために、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。今後の市場拡大のニーズを取り込むためには、中核サービスである「P板.com」の深化に加え、GUGEN Hub、部品実装、電子部品調達、AI・開発支援サービス等の周辺領域の成長が不可欠であり、さらに、それらの受発注及び運営を少数精鋭で効率的に行うことにより、事業の成長と収益性の向上を図っていく方針であります。

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