有価証券報告書-第23期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/25 15:00
【資料】
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【項目】
105項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における世界経済は、米中貿易摩擦の長期化、エネルギー価格の高止まり、地政学的リスクの高まりなどを背景に、不透明な状況が続きました。一方、電子部品や半導体の供給制約は緩和され、EV・IoTの普及や生成AIの進展などを追い風に、エレクトロニクス業界では新たな成長機会が生まれています。
当社は、こうした外部環境の変化に対応すべく、2024年10月に新たな中期経営計画を策定し、主力であるネット通販「P板.com」を中核としたワンストップソリューション(プリント基板の設計・製造・実装・電子部品調達)の強化を図るとともに、以下の重点施策に取り組みました。
・シェア拡大に向けた取り組み
BtoB-EC市場の拡大を背景に、当社の強みであるEC運営ノウハウとDX推進力を活かし、国内小規模・中堅基板メーカー市場への参入を進めました。その結果、2024年12月末時点で累計取引企業数が3万社を突破しております。
・電子部品調達の自動化
2024年12月より、国内最大級の半導体・電子部品通販サイト「CoreStaff ONLINE」を運営するコアスタッフ株式会社とのAPI連携により、「P板.com」上で部品見積から発注までをワンストップで完結可能な仕組みを構築し、電子部品調達の利便性を一層高めています。
・モノづくりコンサルティング「S-GOK(スゴック)」
2024年6月より開始した本サービスでは、当社の広範なサプライチェーンネットワークを活かし、構想段階から量産フェーズまでの支援を提供。特にスタートアップ企業に対して、迅速かつ実行力のあるサービスを通じて他社との差別化を図っています。
・生成AI技術を活用した「AIハードウェア設計ツール」
2025年3月にリリースした本ツールは、プロンプト入力により必要部品の自動選定・リスト化が可能な機能を提供。ハードウェア設計の敷居を下げ、初心者やソフトウェアエンジニアの参入を促進しました。
・「gene」×「EnerCera®」によるセンサーデモ機開発サービス
日本ガイシ株式会社が開発・製造する世界最薄クラスのリチウムイオン二次電池「EnerCera®」(エナセラ)と当社のセンサーデモ機開発サービス「gene」とのコラボレーションによるセンサーデモ機の開発を開始いたしました。当社はこの開発により、ウェアラブルデバイスやIoT機器市場のさらなる拡大に向けて、短期間かつ低コストのプロトタイピングを実現します。
・北米向け基板ECサイト「PCB Flash」の新規開設
Mitsui Plastics Inc. (本社 : 米国ニューヨーク州ホワイトプレーンズ、三井物産株式会社(100%出資)、以下MPI)との戦略的パートナーシップを通じ、北米のプリント基板市場に進出しました。日本基準での品質管理や効率的なネット通販の仕組みを活かすことで、高品質・低コストのサービスを提供し、新たな顧客基盤の開拓を目指します。
・名古屋証券取引所メイン市場への重複上場
2025年3月14日から名古屋証券取引所メイン市場に重複上場し、投資家層の拡大と流動性向上を図りました。これにより、投資家層の拡大と株式の流動性向上を図り、より多様なステークホルダーとの対話を促進します。
これらの施策により、販売管理費は成長投資の影響で増加したものの、高付加価値型ビジネスモデルへの集中や業務効率化により、収益性の改善を継続しております。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,180,578千円(前年同期比8.2%増)、販売費及び一般管理費は631,729千円(前年同期比15.6%増)、営業利益は157,193千円(前年同期比18.3%増)、経常利益は159,295千円(前年同期比20.2%増)、当期純利益は112,531千円(前年同期比20.6%増)となりました。
当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ61,051千円増加し、1,137,609千円となりました。キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は144,560千円(前事業年度は148,812千円の増加)となりました。これは、税引前当期純利益155,464千円の計上、減価償却費22,090千円の計上、投資事業組合運用損2,842千円の計上、株式報酬費用4,770千円の計上、有形固定資産除売却損3,831千円の計上、仕入債務の増加5,188千円、売上債権の増加39,047千円、破産更生債権等の減少1,257千円、未払金の増加13,973千円、未払消費税等の増加6,965千円、利息の受取額604千円、法人税等の支払額26,277千円等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は46,174千円(前事業年度は92,503千円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出2,370千円、無形固定資産の取得による支出16,572千円、投資有価証券の取得による支出17,500千円、保険積立金の積立による支出9,731千円等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は37,333千円(前事業年度は31,570千円の減少)となりました。これは、新株予約権の行使による株式の発行による収入100千円、配当金の支払による支出37,434千円によります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、生産活動を行っていないため、生産実績は記載しておりません。
b.商品仕入実績
当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであり、当事業年度における仕入実績は次のとおりであります。
当事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
1,396,681105.4

(注)金額は仕入価格によっております。
c.受注状況
当社は受注から販売までの期間が短く、販売実績と近似するため記載を省略いたします。
d.販売実績
当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は次のとおりであります。
当事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
2,180,578108.2

(注)主要な相手先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略いたします。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
なお、当社はプリント基板のEコマース事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっての会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりです。なお、この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 財政状態の分析
a.資産の部
当事業年度末における総資産は1,733,420千円となり、前事業年度末と比較して123,666千円の増加となりました。主な要因は、現金及び預金61,051千円、売掛金40,018千円、商品5,026千円、投資有価証券14,474千円、保険積立金9,731千円、繰延税金資産3,711千円が増加した一方、電子記録債権970千円、建物附属設備643千円、機械及び装置2,205千円、ソフトウェア5,009千円、破産更生債権1,257千円が減少したこと等によります。
b.負債の部
当事業年度末における負債合計は355,321千円となり、前事業年度末と比較して44,948千円の増加となりました。主な要因は、買掛金5,188千円、未払金13,973千円、未払消費税等6,965千円、未払法人税等21,373千円が増加した一方、預り金2,332千円、退職給付引当金1,520千円が減少したこと等によります。
c.純資産の部
当事業年度末における純資産合計は1,378,098千円となり、前事業年度末と比較して78,717千円増加となりました。主な要因は、利益剰余金が当期純利益を計上したことにより112,531千円増加、配当金の支払により利益剰余金が37,415千円、自己株式の処分により自己株式が6,972千円減少したこと等によります。
資金の運用は安全性の高い商品による運用方針としており、現状は現金及び預金が総資産の中心です。当期末時点の自己資本比率79.5%、また流動比率434.2%と、安全性の高い財務体質を目指しております。
③ 経営成績の分析
a.売上高
当事業年度の売上高は、2,180,578千円と前事業年度と比べ164,799千円(8.2%)の増収となりました。主力事業であるプリント基板Eコマース事業が前年比で増加した等によるものです。
詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b.売上原価
当事業年度の売上原価は、1,391,655千円と前事業年度と比べ55,135千円(4.1%)の増加となりました。主な要因としては、売上高が前事業年度と比べ増加したこと等によります。
c.販売費及び一般管理費
当事業年度の販売費及び一般管理費は、631,729千円と前事業年度と比べ85,366千円(15.6%)の増加となりました。主な要因としては、人員の増員により給料手当が26,931千円、複数の展示会への参加により広告宣伝費が5,621千円増加したこと等によります。
d.営業外収益、営業外費用
当事業年度の営業外収益は、5,321千円と前事業年度と比べ2,044千円(62.4%)の増加となりました。主な要因としては、協賛金収入が421千円増加したこと、補助金収入が992千円発生したこと等によるものです。
当事業年度の営業外費用は、3,218千円と前事業年度と比べ458千円(12.5%)の減少となりました。主な要因としては、投資運用組合損が1,023千円増加した一方、為替差損が1,653千円減少したこと等によるものです。
e.特別損失、法人税等
当事業年度の特別損失は、3,831千円となりました。要因としては、固定資産除却損3,831千円によるものです。
当事業年度における法人税等は、42,932千円と前事業年度と比べ6,335千円(17.3%)の増加となりました。主な要因としては、法人税が11,266千円増加した一方、法人税等調整額が4,931千円減少したこと等によります。
これらの結果により、当事業年度の営業利益は157,193千円、経常利益は159,295千円、当期純利益は112,531千円となりました。
④ キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、提携仕入先への仕入原価のほか、人件費をはじめとする販売費及び一般管理費であります。なお、これらの資金需要に対しては、内部資金によりまかなっており、有利子負債による資金調達は行っておりません。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
今後も、IoTやエッジ・コンピューティング、自動運転といった市場が本格化していき、様々な業界の新規参入が見込まれております。当社が展開しているEコマースの形態は、新規参入の企業にとって利用しやすい形態であり、市場の成長と共に当社の事業も拡大していくものと見込んでおります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社が今後の事業を拡大し、継続的な成長を行うために、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております課題に対処していくことが必要であると認識しております。今後の市場拡大のニーズを取り込むためには、コアサービスの「P板.com」、サービス領域を拡大した「開発・量産支援サービス」の成長が不可欠であり、さらに、それらの受発注を少数精鋭で効率的に行うことにより、事業の成長を図っていく方針であります。

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