有価証券報告書-第11期(令和1年8月1日-令和2年7月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は、当事業年度より、事業ごとの収益性及び投資判断明確化のため、セグメント構成の見直しをおこない、当社サービスブランド名に合わせ、「印刷事業」を「ラクスル」に、「運送事業」を「ハコベル」にセグメント名称を変更いたしました。
また、これまで広告サービス事業は集客支援の一部として「印刷事業」の中に含めておりましたが、「ノバセル事業」として区分いたしました(以下 参考:セグメント変更のイメージ参照)。これは、新たにテレビCM広告のプラットフォームである「ノバセル」をリリースしたことで、「ラクスル」、「ハコベル」に続く新規事業として適切に表現するとともに、各セグメントにおける売上高及び利益をより合理的に認識するためであります。
この結果、当事業年度より、報告セグメントを従来の「印刷事業」「運送事業」の2区分から、「ラクスル」「ノバセル」「ハコベル」の3区分に変更しております。今後は、「ラクスル」、「ノバセル」及び「ハコベル」の3セグメントにおいて、事業基盤の強化及び収益力の向上に取り組んでまいります。
当事業年度におけるわが国経済は、消費増税による景気後退局面に差し掛かっていた中、新型コロナウイルス感染症の拡大が全世界的に猛威を振るい、日本国内でも緊急事態宣言による外出自粛要請を受けて景気の減速傾向が一層強まる結果となりました。
このような状況の中、当社は、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの下、主に印刷・集客支援のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」、テレビCM等の広告のプラットフォーム「ノバセル」、物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を運営してまいりました。
当事業年度の売上高は21,494百万円(前事業年度比25.2%増)、営業損失は244百万円(前事業年度は営業利益143百万円)、経常損失は368百万円(前事業年度は経常利益130百万円)、当期純損失は494百万円(前事業年度は当期純利益69百万円)となりました。
参考:セグメント変更のイメージ

セグメント毎の状況は、次のとおりであります。
ラクスルセグメント
「ラクスル」の当事業年度のトピックスは以下のとおりであります。
・紙以外の印刷EC領域への本格参入
シール、ノベルティ、パッケージ等、紙以外の印刷EC領域におけるラインアップ拡大に注力し、売上に占める比率を拡大いたしました。
・サプライプラットフォームの高収益化
商材や納期に応じて提携先の印刷工場へ自動最適発注を行うアルゴリズムの開発、および提携先ネットワークの継続的な拡大により、売上総利益率を向上いたしました。
・印刷データの自動チェック機能の進化
業界で初めて、ページ数の多い冊子の印刷入稿データを自動でチェックする機能を開発、リリースいたしました。これにより、顧客の利便性向上と生産性の改善を実現いたしました。
この結果、売上高は16,330百万円(前事業年度比12.9%増)、セグメント利益は1,340百万円(前事業年度比2.1%増)となりました。
ノバセルセグメント
「ノバセル」の当事業年度のトピックスは以下のとおりであります。
・大都市圏におけるCM取り扱いを強化
ローカルエリアに加え、関東・関西・中京エリア等大都市圏の放映案件が増加し、売上高の拡大に寄与いたしました。
・「運用型テレビCM」サービスの開始
企画~制作~放映~分析までをワンストップで実施し、PDCAサイクルを回すことができる運用型テレビCMのサービスを開始いたしました。これにより、顧客満足度の上昇とリピートユーザーの増加を実現いたしました。
・SaaSサービス「ノバセルアナリティクス」のリリース
番組別、クリエイティブ別にテレビCMの効果測定が可能となるツール「ノバセルアナリティクス」を開発、リリースいたしました。リリース直後より有償での利用が広がっており、今後も売上の拡大および売上総利益率の向上に寄与する見込みであります。
この結果、売上高は2,853百万円(前事業年度比167.4%増)、セグメント利益は4百万円(前事業年度比93.3%減)となりました。
ハコベルセグメント
「ハコベル」の当事業年度のトピックスは以下のとおりであります。
・ソリューション提供による顧客のコスト削減
大口顧客に対してルートの最適化等、顧客のコストを削減するソリューションを提供することにより、発注頻度が上昇し、売上高の拡大に寄与いたしました。
・マッチングシステムの進化(スマート依頼)
過去の蓄積データを活用して、運送会社への発注内容および発注価格を最適化するアルゴリズムを開発、導入いたしました。これにより、車両手配までのリードタイム短縮と売上総利益率の向上を実現いたしました。
・運行管理システムをSaaSサービスとして有償導入開始
従来のマッチングビジネスに加え、運行管理システムをSaaSサービスとして提供するビジネスモデルの展開を開始いたしました。今後、売上総利益率の向上に寄与する見込みであります。
この結果、売上高は2,186百万円(前事業年度比41.7%増)、セグメント損失は370百万円(前事業年度はセグメント損失161百万円)となりました。
② 当期の財政状態の概況
a. 流動資産
当事業年度末における流動資産は18,023百万円となり、前事業年度末に比べ10,041百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が9,546百万円増加したことに加え、売上高の拡大に伴い売掛金が330百万円増加したことによるものであります。
b. 固定資産
当事業年度末における固定資産は1,356百万円となり、前事業年度末に比べ92百万円増加いたしました。これは主にリース資産がリース期間満了に伴い93百万円減少した一方、システムの開発投資によりソフトウエアが192百万円増加したことによるものであります。
c. 流動負債
当事業年度末における流動負債は2,405百万円となり、前事業年度末に比べ72百万円増加いたしました。これは主に借入金の返済が進み、短期借入金が140百万円減少した一方、事業規模の拡大に伴い仕入額が増加した結果、買掛金が196百万円増加したことによるものであります。
d. 固定負債
当事業年度末における固定負債は10,172百万円となり、前事業年度末に比べ10,068百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が5,000百万円増加、転換社債型新株予約権付社債が5,043百万円増加したことによるものであります。
e. 純資産
当事業年度末における純資産合計は6,801百万円となり、前事業年度末に比べ8百万円減少いたしました。これは主に資本金が193百万円、資本準備金が193百万円及び新株予約権が108百万円増加した一方、当期純損失を494百万円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は34.5%(前事業年度末は73.6%)となりました。
③ 当期のキャッシュ・フローの概況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ9,546百万円増加し、当事業年度末には15,451百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は126百万円(前事業年度は11百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純損失が388百万円となった一方、減価償却費で170百万円、株式報酬費用で84百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は283百万円(前事業年度は266百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出26百万円、無形固定資産の取得による支出224百万円、子会社株式の取得による支出31百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は9,956百万円(前事業年度は206百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入5,000百万円、新株予約権付社債の発行による収入4,990百万円があったことによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社で行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店、運送会社を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
② 受注実績
当社で行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店、運送会社を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社が財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。なお、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
a.固定資産の減損
当社は、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定については将来キャッシュ・フロー等の前提条件をもとに実施しておりますが、市況の変動などにより、これらの前提条件に変更が生じた場合、減損処理が必要となり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社は、将来の利益計画に基づいた課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上することとしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が変動した場合、繰延税金資産の計上額が変動し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当事業年度の売上高は、21,494百万円(前事業年度比25.2%増)となりました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、「ラクスル」及び「ノバセル」において、企業の販促・広告宣伝投資を削減又は延期する傾向がありましたが、2020年5月をボトムとして2020年6月以降は回復傾向が見られました。
b. 売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は、16,566百万円(前事業年度比25.3%増)となりました。この結果、売上総利益は4,928百万円(前事業年度比24.9%増)となりました。当社は、売上総利益の指標を「プラットフォームの価値を示す、付加価値の総和」として最重要の指標と位置付けております。セグメント毎に利益率が異なるため全社合計での利益率は重視しておらず、絶対額を増やすことを重視しております。
「ラクスル」においては、引き続きパートナーネットワークの拡大とともにアルゴリズムを用いた商材や繁閑に応じた最適発注が可能となりました。また「ハコベル」においても、運送会社への発注アルゴリズムを最適化するとともに、案件の選別を実施したことが売上総利益の増加に寄与しました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、5,172百万円(前事業年度比36.1%増)となりました。これは主に、「ラクスル」において登録ユーザー数増加に向けた広告宣伝投資を積極的に行ったことによるものであります。なお、新型コロナウイルス環境下での広告効率を考慮し2020年4月以降抑制しておりましたが、2020年6月より需要回復を見越した投資を再開しております。この結果、営業損失は244百万円(前事業年度は営業利益143百万円)となりました。
d. 経常利益
当事業年度において営業外収益が13百万円、営業外費用は137百万円発生しております。営業外費用の内訳で主なものは資金調達に関わる社債発行費59百万円、支払利息29百万円、五反田オフィスの解約に伴う事務所退去費用21百万円であります。この結果、経常損失は368百万円(前事業年度は経常利益130百万円)となりました。
e. 特別損益、当期純利益
当事業年度において五反田オフィスの解約に伴う内部造作資産の除却等で特別損失20百万円を計上しており、税引前当期純損失は388百万円となりました。また繰延税金資産の取崩等により法人税等調整額で99百万円を計上した結果、法人税等合計で105百万円、当期純損失は494百万円(前事業年度は当期純利益69百万円)となりました。
③ キャッシュ・フローの分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社は、継続的な成長のため、認知度の向上及びユーザー数の拡大に努めてまいりました。積極的に広告宣伝投資を実施することにより新規ユーザーを獲得するとともに、高い定着性を有する顧客基盤を構築すべく、今後もシステム開発を継続してを行う方針であります。これらの資金需要につきましては、必要な資金を自己資金、金融機関からの借入、社債の発行及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
なお、当事業年度においては、2019年9月に長期借入による5,000百万円の収入(返済期日2021年~2026年)、2019年11月に新株予約権付転換社債(償還期日2024年11月)の発行による4,990百万円の収入があったことにより当事業年度末においては15,451百万円の現預金を有しております。またのれんによる減損リスクも無く、自己資本比率も34.5%と適正水準を維持しており財務健全性は高い状態にあります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化、シェアリングによる生産体制、人材の確保・育成、法的規制、自然災害等のリスク、情報システムリスク、訴訟に係るリスク等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内経済は先行きが不透明な状態が続いており、当社においては2020年12月まで一時的な需要低下が継続する可能性があると考えておりますが、今後状況が変化した場合には、当社の経営成績に重要な影響を与える要因であると認識しております。
そのため、当社は、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することで、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行ってまいります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は、当事業年度より、事業ごとの収益性及び投資判断明確化のため、セグメント構成の見直しをおこない、当社サービスブランド名に合わせ、「印刷事業」を「ラクスル」に、「運送事業」を「ハコベル」にセグメント名称を変更いたしました。
また、これまで広告サービス事業は集客支援の一部として「印刷事業」の中に含めておりましたが、「ノバセル事業」として区分いたしました(以下 参考:セグメント変更のイメージ参照)。これは、新たにテレビCM広告のプラットフォームである「ノバセル」をリリースしたことで、「ラクスル」、「ハコベル」に続く新規事業として適切に表現するとともに、各セグメントにおける売上高及び利益をより合理的に認識するためであります。
この結果、当事業年度より、報告セグメントを従来の「印刷事業」「運送事業」の2区分から、「ラクスル」「ノバセル」「ハコベル」の3区分に変更しております。今後は、「ラクスル」、「ノバセル」及び「ハコベル」の3セグメントにおいて、事業基盤の強化及び収益力の向上に取り組んでまいります。
当事業年度におけるわが国経済は、消費増税による景気後退局面に差し掛かっていた中、新型コロナウイルス感染症の拡大が全世界的に猛威を振るい、日本国内でも緊急事態宣言による外出自粛要請を受けて景気の減速傾向が一層強まる結果となりました。
このような状況の中、当社は、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンの下、主に印刷・集客支援のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」、テレビCM等の広告のプラットフォーム「ノバセル」、物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を運営してまいりました。
当事業年度の売上高は21,494百万円(前事業年度比25.2%増)、営業損失は244百万円(前事業年度は営業利益143百万円)、経常損失は368百万円(前事業年度は経常利益130百万円)、当期純損失は494百万円(前事業年度は当期純利益69百万円)となりました。
参考:セグメント変更のイメージ

セグメント毎の状況は、次のとおりであります。
ラクスルセグメント
「ラクスル」の当事業年度のトピックスは以下のとおりであります。
・紙以外の印刷EC領域への本格参入
シール、ノベルティ、パッケージ等、紙以外の印刷EC領域におけるラインアップ拡大に注力し、売上に占める比率を拡大いたしました。
・サプライプラットフォームの高収益化
商材や納期に応じて提携先の印刷工場へ自動最適発注を行うアルゴリズムの開発、および提携先ネットワークの継続的な拡大により、売上総利益率を向上いたしました。
・印刷データの自動チェック機能の進化
業界で初めて、ページ数の多い冊子の印刷入稿データを自動でチェックする機能を開発、リリースいたしました。これにより、顧客の利便性向上と生産性の改善を実現いたしました。
この結果、売上高は16,330百万円(前事業年度比12.9%増)、セグメント利益は1,340百万円(前事業年度比2.1%増)となりました。
ノバセルセグメント
「ノバセル」の当事業年度のトピックスは以下のとおりであります。
・大都市圏におけるCM取り扱いを強化
ローカルエリアに加え、関東・関西・中京エリア等大都市圏の放映案件が増加し、売上高の拡大に寄与いたしました。
・「運用型テレビCM」サービスの開始
企画~制作~放映~分析までをワンストップで実施し、PDCAサイクルを回すことができる運用型テレビCMのサービスを開始いたしました。これにより、顧客満足度の上昇とリピートユーザーの増加を実現いたしました。
・SaaSサービス「ノバセルアナリティクス」のリリース
番組別、クリエイティブ別にテレビCMの効果測定が可能となるツール「ノバセルアナリティクス」を開発、リリースいたしました。リリース直後より有償での利用が広がっており、今後も売上の拡大および売上総利益率の向上に寄与する見込みであります。
この結果、売上高は2,853百万円(前事業年度比167.4%増)、セグメント利益は4百万円(前事業年度比93.3%減)となりました。
ハコベルセグメント
「ハコベル」の当事業年度のトピックスは以下のとおりであります。
・ソリューション提供による顧客のコスト削減
大口顧客に対してルートの最適化等、顧客のコストを削減するソリューションを提供することにより、発注頻度が上昇し、売上高の拡大に寄与いたしました。
・マッチングシステムの進化(スマート依頼)
過去の蓄積データを活用して、運送会社への発注内容および発注価格を最適化するアルゴリズムを開発、導入いたしました。これにより、車両手配までのリードタイム短縮と売上総利益率の向上を実現いたしました。
・運行管理システムをSaaSサービスとして有償導入開始
従来のマッチングビジネスに加え、運行管理システムをSaaSサービスとして提供するビジネスモデルの展開を開始いたしました。今後、売上総利益率の向上に寄与する見込みであります。
この結果、売上高は2,186百万円(前事業年度比41.7%増)、セグメント損失は370百万円(前事業年度はセグメント損失161百万円)となりました。
② 当期の財政状態の概況
a. 流動資産
当事業年度末における流動資産は18,023百万円となり、前事業年度末に比べ10,041百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が9,546百万円増加したことに加え、売上高の拡大に伴い売掛金が330百万円増加したことによるものであります。
b. 固定資産
当事業年度末における固定資産は1,356百万円となり、前事業年度末に比べ92百万円増加いたしました。これは主にリース資産がリース期間満了に伴い93百万円減少した一方、システムの開発投資によりソフトウエアが192百万円増加したことによるものであります。
c. 流動負債
当事業年度末における流動負債は2,405百万円となり、前事業年度末に比べ72百万円増加いたしました。これは主に借入金の返済が進み、短期借入金が140百万円減少した一方、事業規模の拡大に伴い仕入額が増加した結果、買掛金が196百万円増加したことによるものであります。
d. 固定負債
当事業年度末における固定負債は10,172百万円となり、前事業年度末に比べ10,068百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が5,000百万円増加、転換社債型新株予約権付社債が5,043百万円増加したことによるものであります。
e. 純資産
当事業年度末における純資産合計は6,801百万円となり、前事業年度末に比べ8百万円減少いたしました。これは主に資本金が193百万円、資本準備金が193百万円及び新株予約権が108百万円増加した一方、当期純損失を494百万円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は34.5%(前事業年度末は73.6%)となりました。
③ 当期のキャッシュ・フローの概況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ9,546百万円増加し、当事業年度末には15,451百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は126百万円(前事業年度は11百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純損失が388百万円となった一方、減価償却費で170百万円、株式報酬費用で84百万円計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は283百万円(前事業年度は266百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出26百万円、無形固定資産の取得による支出224百万円、子会社株式の取得による支出31百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は9,956百万円(前事業年度は206百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入5,000百万円、新株予約権付社債の発行による収入4,990百万円があったことによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社で行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店、運送会社を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
② 受注実績
当社で行う事業は、インターネットを利用して、顧客と提携先の印刷会社や広告代理店、運送会社を繋ぐプラットフォーム事業であり、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年8月1日 至 2020年7月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| ラクスル | 16,330,308 | 112.9 |
| ノバセル | 2,853,831 | 267.4 |
| ハコベル | 2,186,047 | 141.7 |
| 報告セグメント計 | 21,370,187 | 125.2 |
| その他 | 124,411 | 129.7 |
| 合計 | 21,494,598 | 125.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社が財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。なお、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
a.固定資産の減損
当社は、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定については将来キャッシュ・フロー等の前提条件をもとに実施しておりますが、市況の変動などにより、これらの前提条件に変更が生じた場合、減損処理が必要となり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社は、将来の利益計画に基づいた課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上することとしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が変動した場合、繰延税金資産の計上額が変動し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当事業年度の売上高は、21,494百万円(前事業年度比25.2%増)となりました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、「ラクスル」及び「ノバセル」において、企業の販促・広告宣伝投資を削減又は延期する傾向がありましたが、2020年5月をボトムとして2020年6月以降は回復傾向が見られました。
b. 売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は、16,566百万円(前事業年度比25.3%増)となりました。この結果、売上総利益は4,928百万円(前事業年度比24.9%増)となりました。当社は、売上総利益の指標を「プラットフォームの価値を示す、付加価値の総和」として最重要の指標と位置付けております。セグメント毎に利益率が異なるため全社合計での利益率は重視しておらず、絶対額を増やすことを重視しております。
「ラクスル」においては、引き続きパートナーネットワークの拡大とともにアルゴリズムを用いた商材や繁閑に応じた最適発注が可能となりました。また「ハコベル」においても、運送会社への発注アルゴリズムを最適化するとともに、案件の選別を実施したことが売上総利益の増加に寄与しました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度の販売費及び一般管理費は、5,172百万円(前事業年度比36.1%増)となりました。これは主に、「ラクスル」において登録ユーザー数増加に向けた広告宣伝投資を積極的に行ったことによるものであります。なお、新型コロナウイルス環境下での広告効率を考慮し2020年4月以降抑制しておりましたが、2020年6月より需要回復を見越した投資を再開しております。この結果、営業損失は244百万円(前事業年度は営業利益143百万円)となりました。
d. 経常利益
当事業年度において営業外収益が13百万円、営業外費用は137百万円発生しております。営業外費用の内訳で主なものは資金調達に関わる社債発行費59百万円、支払利息29百万円、五反田オフィスの解約に伴う事務所退去費用21百万円であります。この結果、経常損失は368百万円(前事業年度は経常利益130百万円)となりました。
e. 特別損益、当期純利益
当事業年度において五反田オフィスの解約に伴う内部造作資産の除却等で特別損失20百万円を計上しており、税引前当期純損失は388百万円となりました。また繰延税金資産の取崩等により法人税等調整額で99百万円を計上した結果、法人税等合計で105百万円、当期純損失は494百万円(前事業年度は当期純利益69百万円)となりました。
③ キャッシュ・フローの分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社は、継続的な成長のため、認知度の向上及びユーザー数の拡大に努めてまいりました。積極的に広告宣伝投資を実施することにより新規ユーザーを獲得するとともに、高い定着性を有する顧客基盤を構築すべく、今後もシステム開発を継続してを行う方針であります。これらの資金需要につきましては、必要な資金を自己資金、金融機関からの借入、社債の発行及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
なお、当事業年度においては、2019年9月に長期借入による5,000百万円の収入(返済期日2021年~2026年)、2019年11月に新株予約権付転換社債(償還期日2024年11月)の発行による4,990百万円の収入があったことにより当事業年度末においては15,451百万円の現預金を有しております。またのれんによる減損リスクも無く、自己資本比率も34.5%と適正水準を維持しており財務健全性は高い状態にあります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境の変化、シェアリングによる生産体制、人材の確保・育成、法的規制、自然災害等のリスク、情報システムリスク、訴訟に係るリスク等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内経済は先行きが不透明な状態が続いており、当社においては2020年12月まで一時的な需要低下が継続する可能性があると考えておりますが、今後状況が変化した場合には、当社の経営成績に重要な影響を与える要因であると認識しております。
そのため、当社は、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することで、経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行ってまいります。