有価証券届出書(新規公開時)

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2020/02/13 15:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
第74期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の拡大や雇用環境の改善などにより緩やかな回復基調にあったものの、不安定な国際情勢や米国政権の動向などの懸念材料もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
上記状況のもと、プラント事業は、販売売上が減収となったものの、建築事業において、工事売上、販売売上とも増収となったことにより、全体としては売上高11,766,953千円(前年同期比3.3%増)と増収となりました。販売原価、販売費及び一般管理費の増加及び健康被害補償金の引当増などにより、経常利益は1,510,064千円(前年同期比7.1%減)と減益となりました。また、当期は、前期の特別利益としての収用補償金890,248千円の影響がなくなったこと、特別損失として、生産事業部の事務所の移転損失を引当計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は980,084千円(前年同期比32.7%減)と減益となりました。
当連結会計年度末のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
建築関連
当セグメントにおきましては、オフィス工事、内装仕上げ材・煙突用断熱材の販売等において増収となったため、売上高は4,853,843千円と前年同期と比べ410,763千円(前年同期比9.2%増)の増収、セグメント利益は、1,123,568千円と前年同期と比べ42,454千円(前年同期比3.9%増)の増益となりました。
プラント関連
当セグメントにおきましては、ベトナム工場の製品の販売が振るわず減収となったため、売上高は6,913,110千円と前年同期と比べ30,234千円(前年同期比0.4%減)の減収、セグメント利益は、1,285,661千円と前年同期と比べ143,455千円(前年同期比10.0%減)の減益となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は、電子記録債権が232,189千円、有形固定資産が79,401千円増加したものの、完成工事未収入金が283,000千円、受取手形及び売掛金が63,269千円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して20,104千円減少の13,956,965千円となりました。
当連結会計年度末における負債は、工事未払金が166,449千円、設備関係支払手形が87,228千円増加したものの、短期及び長期借入金が967,576千円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して723,472千円減少の5,574,684千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、その他有価証券評価差額金が、35,403千円減少したものの、利益剰余金が750,891千円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して703,367千円増加の8,382,280千円となりました。
第75期第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、当面において海外経済の減速の影響が残るものの、国内需要への波及は限定的と見られ、全体として緩やかに回復しております。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、先の風水害に伴う復旧需要にも支えられ、建築関連、プラント関連の両セグメントの業績において堅調に推移しております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は10,141,969千円となり、売上原価については、燃料費及び労務費が増加したことにより7,236,016千円となりました。
販売費及び一般管理費については、特に物流関係費用が増加したことにより1,505,927千円となりました。
営業利益については、増収に伴い1,400,024千円となりました。
営業外損益としては、営業外収益において受取補償金8,975千円及び健康被害補償引当金7,800千円の戻入を行ったこと等により経常利益は1,407,292千円となりました。それらに伴い、親会社株主に帰属する四半期純利益は956,850千円となりました。
当第3四半期連結累計期間のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
建築関連
当セグメントにおきましては、オフィス、駐車場、物流施設等の工事案件及び内装仕上げ材の販売等において増収となったため、売上高は4,260,317千円、セグメント利益は1,012,952千円となりました。
プラント関連
当セグメントにおきましては、石油化学・電力プラントにおける工事が堅調に推移したため、売上高は5,881,651千円、セグメント利益は1,015,316千円となりました。
当第3四半期連結会計期間の財政状態は、次のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間における総資産は、現金及び預金が294,892千円減少したものの、電子記録債権が194,765千円、完成工事未収入金が519,026千円、未成工事支出金が169,680千円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して757,936千円増加の14,714,901千円となりました。
当連結会計年度末における負債は、1年内返済予定の長期借入金が120,970千円、未払法人税等が134,110千円、設備関係支払手形が171,684千円、長期借入金が432,289千円減少したものの、支払手形及び買掛金が143,382千円、短期借入金が750,000千円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して50,221千円増加の5,624,905千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が712,377千円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して707,714千円増の9,089,995千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
第74期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末と比較して36,594千円増加し、948,621千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、1,614,951千円(前年同期比281,113千円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,460,168千円、減価償却費302,939千円、仕入債務の増加194,265千円により増加した一方で、法人税等の支払額623,315千円、未成工事支出金の増加35,630千円により減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、394,706千円(前年同期比273,532千円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による306,303千円、投資有価証券の取得による支出116,986千円により減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、1,183,036千円(前年同期比25,592千円増)となりました。これは長期借入金の返済による支出1,023,843千円、配当金の支払額229,193千円により減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
第74期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
建築関連3,071,036100.8
プラント関連4,884,849109.2
合計7,955,885103.1

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、工事原価、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
建築関連5,161,76199.12,633,479113.2
プラント関連7,507,234108.92,066,800295.9
合計12,668,995104.74,700,280155.4

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
建築関連4,853,843109.2
プラント関連6,913,11099.6
合計11,766,953103.3

(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に占める割合が10%以上である販売先は、該当ありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
なお、見積りの評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき行っております。見積り特有の不確実性があるため、実際の数値と異なる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
第74期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
売上高については、建築事業において工事、販売とも増収となり、プラント事業においては、特に販売が減収となりましたが、全体としては当社グループの売上高は前年同期に対し3.3%増の11,766,953千円となりました。
売上原価については、前年同期と比較して405,816千円増加し、8,213,002千円となりました。これは主に売上増加に伴う燃料費等の増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、前年同期と比較して25,288千円減少し、3,553,951千円となりました。
販売費及び一般管理費については、製商品発送費等が増加したことなどにより、前年同期と比較して85,585千円増加し、1,989,820千円となりました。これにより営業利益については、前年同期と比較して110,873千円減少し、1,564,131千円となりました。
営業外収益については、災害による保険金の受取等によって増加しましたが、営業外費用については、借入金の削減を進めていること及び金利水準の低下等により支払利息が削減されたものの、健康被害補償引当金繰入額の増加、災害による損失等が発生したことにより増加したため、営業外損益は前年同期と比較して5,252千円悪化しました。
これにより経常利益については1,510,064千円となり、前年同期と比較して116,126千円の減益となりました。
特別損益については、主に生産事業部岐阜工場敷地内の管理部門の事務所を移転するにあたっての移転損失引当金繰入を特別損失として44,941千円計上しました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は980,084千円となり、前年同期と比較して477,100千円の減益となりました。
第75期第3四半期連結累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
売上高については、建築事業において工事において増益、販売においては減益となり、プラント事業においては、工事及び販売とも増益となりました。その結果、当社グループ全体としての売上高は10,141,969千円となりました。
売上原価については、7,236,016千円となりました。これは主に燃料費及び労務費等が増加したことによるものであります。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上総利益は、2,905,952千円となりました。
販売費及び一般管理費については、製商品発送費等物流費が増加したことなどにより、1,505,927千円となりました。これにより営業利益については、1,400,024千円となりました。
営業外収益については、受取配当金9,510千円の他、健康被害補償引当金戻入額7,800千円、受取補償金8,975千円等により、48,134千円となりました。営業外費用については、支払利息11,851千円の他、健康被害補償引当金繰入額13,000千円、為替差損9,168千円等により、40,866千円となりました。これにより経常利益は1,407,292千円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は956,850千円となりました。
b. 財政状態の分析
第74期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当連結会計年度末における総資産は、完成工事未収入金の回収及び販売好調による製品在庫の出荷が進んだこと等により、前連結会計年度末と比較して20,104千円減少の13,956,965千円となりました。
当連結会計年度における負債は、工事未払金が前連結会計年度末と比べ166,449千円増加したものの、短期借入金、長期借入金の返済が進捗し967,576千円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して723,472千円減少の5,574,684千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が750,891千円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して703,367千円増加の8,382,280千円となりました。
第75期第3四半期連結会計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
当第3四半期連結会計年度末における総資産は、売上増加に伴い電子記録債権が194,765千円、完成工事未収入金が519,026千円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して757,936千円増の14,714,901千円となりました。
当第3四半期連結会計年度末における負債は、工事未払金が69,098千円、未払法人税等が134,110千円、賞与引当金が94,153千円、長期借入金が432,289千円減少したものの、支払手形及び買掛金が143,382千円、短期借入金が750,000千円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して50,221千円増の5,624,905千円となりました。
当第3四半期連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が712,377千円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して707,714千円増の9,089,995千円となりました。
c. キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金需要)
運転資金のうち主なものは、当社グループの製品製造のための原材料購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払いによるものです。
設備投資資金需要については、生産設備の省力化、合理化投資等によるものであります。
(財務政策)
運転資金については、営業活動により得られるキャッシュ・フローにより賄う方針であります。設備資金については、金融機関からの借入により資金を調達しております。
e.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標との進捗について
第74期連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当社グループは、成長性と収益性の観点から中期経営計画を策定し、経営上の目標の達成状況を「売上高」、「営業利益」、「配当性向」の指標で判断しております。
具体的には、売上高及び営業利益を前期比100%以上、配当性向を30%以上を目標に安定的な収益体質の確立を目指しております。
その中で、2019年3月期における売上高の前期比は103.3%、営業利益の前期比は93.4%、配当性向は24.9%となりました。