訂正有価証券報告書-第76期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ感染症の影響により、需要の落ち込み、サプライチェーンの分断による供給能力の低下、インバウンド需要の低迷、サービス消費の減少、設備投資の減少など、経済全般に亘り厳しい状況となっております。景気は、足許では持ち直しの兆しが見えているものの、コロナ感染症の収束時期が見えないこともあり、依然として予断を許さないものとなっております。
このような状況の中、建築関連事業においては、関東地区及び関西地区の物流施設工事を中心に、またプラント関連事業においては、電力、石油その他のプラントにおける工事で堅調な需要が続いているものの、コロナ感染症再拡大の当社事業に対する影響は予断を許さないものと考えております。また、連結子会社のジェイ アイ シー ベトナム有限会社において、当連結会計期間において固定資産につき減損処理を行い、特別損失を計上しております。
その結果、当社グループにおける当連結会計年度の売上高は14,301,239千円(前年同期比0.7%増)、営業利益2,270,517千円(前年同期比9.4%増)、経常利益は2,220,172千円(前年同期比9.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,023,316千円(前年同期比30.1%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<建築関連>工事につきましては、全国的な大型物流倉庫需要及び首都圏を中心とした再開発需要が堅調を維持していること等により順調に推移しました。
販売につきましては、主力製品である耐火被覆用けい酸カルシウム板、内装仕上げ材、型材等において、コロナ感染症の影響等による低迷が続いたことにより減収となりました。
以上の結果、工事及び販売を合わせた建築関連全体の売上高は5,168,713千円(前年同期比7.0%減)、営業利益は1,431,151千円(前年同期比9.1%増)となりました。
<プラント関連>工事につきましては、電力プラント向け及びその他建設工事について好調な受注環境が継続したこと等により堅調に推移しました。
販売につきましては、国内一般顧客向けの販売が振るわなかったこと等により減収となりました。
以上の結果、工事及び販売を合わせたプラント関連全体の売上高は9,132,525千円(前年同期比5.7%増)、営業利益は1,744,801千円(前年同期比8.3%増)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて459,169千円増加し、16,235,739千円となりました。
(流動資産)
流動資産については前連結会計年度末に比べて709,653千円増加し、9,914,756千円となりました。これは主に、現金及び預金が349,939千円、完成工事未収入金が702,484千円、有価証券が101,587千円増加した一方で、受取手形及び売掛金が317,826千円、電子記録債権が52,302千円、仕掛品が25,428千円、原材料及び貯蔵品が25,717千円、その他の流動資産が30,760千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産については前連結会計年度末に比べて250,484千円減少し、6,320,982千円となりました。これは主に、建物及び構築物が53,947千円、その他の有形固定資産が55,730千円増加した一方で、機械装置及び運搬具が61,958千円、建設仮勘定が189,049千円、投資有価証券が31,491千円、繰延税金資産が32,580千円、その他の投資その他の資産が62,645千円減少したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債については前連結会計年度末に比べて218,007千円減少し、3,738,243千円となりました。これは主に、未成工事受入金が206,278千円、設備関係支払手形が154,481千円増加した一方で、支払手形及び買掛金が104,289千円、1年内返済予定の長期借入金が310,069千円、未払法人税等が41,200千円、移転損失引当金が44,941千円、その他の流動負債が86,684千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債については前連結会計年度末に比べて83,858千円減少し、1,216,340千円となりました。これは主に、健康被害補償引当金が30,000千円増加した一方で、長期借入金が109,408千円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産については前連結会計年度末に比べて761,036千円増加し、11,281,154千円となりました。これは主に、利益剰余金が719,174千円、その他有価証券評価差額金が44,802千円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末と比較して331,933千円増加し、1,582,636千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、1,461,474千円(前年同期は963,762千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,734,774千円、減価償却費332,745千円、減損損失485,398千円、たな卸資産の減少額44,636千円、未成工事受入金の増加額206,278千円により増加した一方で、売上債権の増加額332,680千円、仕入債務の減少額101,438千円、預り金の減少額-千円、その他の営業活動によるキャッシュ・フローの減少額163,282千円、法人税等の支払額745,425千円により減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、403,293千円(前年同期は614,212千円の支出)となりました。これは主に投資不動産の賃貸による収入が20,720千円増加した一方で、定期預金の預入による支出30,388千円、有形固定資産の取得による支出334,960千円、無形固定資産の取得による支出59,433千円により減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、721,797千円(前年同期は42,080千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金による収入350,000千円により増加した一方で、長期借入金の返済による支出767,655千円、配当金の支払額304,142千円により減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、工事原価、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に占める割合が10%以上である販売先は、該当ありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表に影響を及ぼします。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
a. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収可能額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益が変動する可能性があります。
b. 健康被害補償引当金
アスベスト(石綿)健康被害を受けた元従業員等に対する支払に備えるため、将来発生すると見込まれる補償額を計上しております。
対象者が増加した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
c. 完成工事高及び完成工事原価の計上
成果の確実性が認められる工事については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しています。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
d. 投資の減損
当社グループは、長期的かつ戦略的な取引関係維持を目的に特定の取引先の株式を所有しております。これら株式には上場株式と非上場株式が存在します。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、減損処理を行っております。上場株式については、時価が取得原価の50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。非上場株式及び関係会社株式については、実質価額が取得原価の50%以上下落した場合に、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。将来、株式市場の悪化または投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
e. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、収益性が著しく低下した場合は、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
売上高については、プラント事業の工事が増収、建築事業の工事及び両事業の販売が減収となり、全体としては当社グループの売上高は前年同期に対し0.7%増の14,301,239千円となりました。
売上原価については、前年同期と比較して63,533千円減少し、10,029,156千円となりました。これは主に工事の利益率改善によるものであります。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、前年同期と比較して168,890千円増加し、4,272,082千円となりました。
販売費及び一般管理費については、コロナ感染症の影響で移動が制限され、旅費交通費が減少したことなどにより、前年同期と比較して26,713千円減少し、2,001,565千円となりました。これにより営業利益については、前年同期と比較して195,604千円増加し、2,270,517千円となりました。
営業外収益については、前期発生した受取補償金等がなかったことなどにより、前年同期と比較して15,160千円減少し、41,085千円となりました。営業外費用については、前期発生の株式上場に伴う株式交付費等の発生がなかったことなどにより、前年同期と比較して14,953千円減少し、91,429千円となりました。
これにより経常利益については2,220,172千円となり、前年同期と比較して195,397千円の増益となりました。
特別損益については、減損損失485,398千円を計上しました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,023,316千円となり、前年同期と比較して441,124千円の減益となりました。
また、セグメントごとの経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、工事売上の増加により、完成工事未収入金が増加したことなどにより前連結会計年度末と比較して459,169千円増加の16,235,739千円となりました。
当連結会計年度末における負債は、未成工事受入金が206,278千円増加したものの、長期借入金の返済が進捗し、419,477千円減少したことなどにより、前連結会計年度末と比較して301,866千円減少の4,954,584千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が719,174千円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して761,036千円増加の11,281,154千円となりました。
c. キャッシュ・フローの分析並びに、資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1.キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2.資金需要について
運転資金のうち主なものは、当社グループの製品製造のための原材料購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払いによるものです。
設備投資資金のうち主なものは、不燃内装材の生産設備増設等のための支払いであります。
3.財務政策について
運転資金として必要な資金は、営業活動により得られるキャッシュ・フローにより賄い、設備投資については、自己資金及び資本市場から得られた資金により実施しております。なお、設備資金及び長期運転資金として金融機関から調達した長期借入金につきましては、約定通りの返済を行い、金融機関との関係維持の為に一定の借入を実施する予定です。
また、金融上のリスクに対応するために取引金融機関との間で当座貸越契約を締結することで、手元流動性を確保しております。当座貸越契約とその借入実行残高(短期借入金)の状況は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係)4」に記載のとおりであります。
d.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の進捗について
当社グループは、2021年3月期を初年度とする中期経営計画(2020~2022年度)を策定し、以下に挙げる方針のもと、持続的な成長と収益性の向上に取り組んでまいりました。
①実質完全無借金経営を継続する。
②更なる生産性向上推進による高収益体質への転換と、内部統制水準の向上を通じて株式上場を継続する。
③海外事業の安定的拡大を推進する。
④海外生産拠点の拡充を含めた海外事業の拡大と現状事業領域及び周辺事業領域における新商品開発、M&Aによる事業拡大を目指す。
経営上の目標の達成状況につきましては、「売上高」、「営業利益」、「配当性向」の指標で判断しており、目標として、売上高及び営業利益前期比100%以上、配当性向30%以上を目指しております。
以上の結果、2021年3月期における売上高の前期比は100.7%、営業利益の前期比は109.4%、配当性向は29.7%となりました。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ感染症の影響により、需要の落ち込み、サプライチェーンの分断による供給能力の低下、インバウンド需要の低迷、サービス消費の減少、設備投資の減少など、経済全般に亘り厳しい状況となっております。景気は、足許では持ち直しの兆しが見えているものの、コロナ感染症の収束時期が見えないこともあり、依然として予断を許さないものとなっております。
このような状況の中、建築関連事業においては、関東地区及び関西地区の物流施設工事を中心に、またプラント関連事業においては、電力、石油その他のプラントにおける工事で堅調な需要が続いているものの、コロナ感染症再拡大の当社事業に対する影響は予断を許さないものと考えております。また、連結子会社のジェイ アイ シー ベトナム有限会社において、当連結会計期間において固定資産につき減損処理を行い、特別損失を計上しております。
その結果、当社グループにおける当連結会計年度の売上高は14,301,239千円(前年同期比0.7%増)、営業利益2,270,517千円(前年同期比9.4%増)、経常利益は2,220,172千円(前年同期比9.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,023,316千円(前年同期比30.1%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<建築関連>工事につきましては、全国的な大型物流倉庫需要及び首都圏を中心とした再開発需要が堅調を維持していること等により順調に推移しました。
販売につきましては、主力製品である耐火被覆用けい酸カルシウム板、内装仕上げ材、型材等において、コロナ感染症の影響等による低迷が続いたことにより減収となりました。
以上の結果、工事及び販売を合わせた建築関連全体の売上高は5,168,713千円(前年同期比7.0%減)、営業利益は1,431,151千円(前年同期比9.1%増)となりました。
<プラント関連>工事につきましては、電力プラント向け及びその他建設工事について好調な受注環境が継続したこと等により堅調に推移しました。
販売につきましては、国内一般顧客向けの販売が振るわなかったこと等により減収となりました。
以上の結果、工事及び販売を合わせたプラント関連全体の売上高は9,132,525千円(前年同期比5.7%増)、営業利益は1,744,801千円(前年同期比8.3%増)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて459,169千円増加し、16,235,739千円となりました。
(流動資産)
流動資産については前連結会計年度末に比べて709,653千円増加し、9,914,756千円となりました。これは主に、現金及び預金が349,939千円、完成工事未収入金が702,484千円、有価証券が101,587千円増加した一方で、受取手形及び売掛金が317,826千円、電子記録債権が52,302千円、仕掛品が25,428千円、原材料及び貯蔵品が25,717千円、その他の流動資産が30,760千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産については前連結会計年度末に比べて250,484千円減少し、6,320,982千円となりました。これは主に、建物及び構築物が53,947千円、その他の有形固定資産が55,730千円増加した一方で、機械装置及び運搬具が61,958千円、建設仮勘定が189,049千円、投資有価証券が31,491千円、繰延税金資産が32,580千円、その他の投資その他の資産が62,645千円減少したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債については前連結会計年度末に比べて218,007千円減少し、3,738,243千円となりました。これは主に、未成工事受入金が206,278千円、設備関係支払手形が154,481千円増加した一方で、支払手形及び買掛金が104,289千円、1年内返済予定の長期借入金が310,069千円、未払法人税等が41,200千円、移転損失引当金が44,941千円、その他の流動負債が86,684千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債については前連結会計年度末に比べて83,858千円減少し、1,216,340千円となりました。これは主に、健康被害補償引当金が30,000千円増加した一方で、長期借入金が109,408千円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産については前連結会計年度末に比べて761,036千円増加し、11,281,154千円となりました。これは主に、利益剰余金が719,174千円、その他有価証券評価差額金が44,802千円増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末と比較して331,933千円増加し、1,582,636千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、1,461,474千円(前年同期は963,762千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,734,774千円、減価償却費332,745千円、減損損失485,398千円、たな卸資産の減少額44,636千円、未成工事受入金の増加額206,278千円により増加した一方で、売上債権の増加額332,680千円、仕入債務の減少額101,438千円、預り金の減少額-千円、その他の営業活動によるキャッシュ・フローの減少額163,282千円、法人税等の支払額745,425千円により減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、403,293千円(前年同期は614,212千円の支出)となりました。これは主に投資不動産の賃貸による収入が20,720千円増加した一方で、定期預金の預入による支出30,388千円、有形固定資産の取得による支出334,960千円、無形固定資産の取得による支出59,433千円により減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、721,797千円(前年同期は42,080千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金による収入350,000千円により増加した一方で、長期借入金の返済による支出767,655千円、配当金の支払額304,142千円により減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
建築関連 | 3,032,712 | 86.2 |
プラント関連 | 6,787,150 | 105.1 |
合計 | 9,819,863 | 98.5 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、工事原価、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
建築関連 | 4,874,718 | 91.5 | 2,109,823 | 87.8 |
プラント関連 | 9,654,683 | 122.8 | 1,812,991 | 140.5 |
合計 | 14,529,401 | 110.2 | 3,922,815 | 106.2 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
建築関連 | 5,168,713 | 93.0 |
プラント関連 | 9,132,525 | 105.7 |
合計 | 14,301,239 | 100.7 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.総販売実績に占める割合が10%以上である販売先は、該当ありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表に影響を及ぼします。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
a. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収可能額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益が変動する可能性があります。
b. 健康被害補償引当金
アスベスト(石綿)健康被害を受けた元従業員等に対する支払に備えるため、将来発生すると見込まれる補償額を計上しております。
対象者が増加した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
c. 完成工事高及び完成工事原価の計上
成果の確実性が認められる工事については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しています。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
d. 投資の減損
当社グループは、長期的かつ戦略的な取引関係維持を目的に特定の取引先の株式を所有しております。これら株式には上場株式と非上場株式が存在します。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、減損処理を行っております。上場株式については、時価が取得原価の50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。非上場株式及び関係会社株式については、実質価額が取得原価の50%以上下落した場合に、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。将来、株式市場の悪化または投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
e. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、収益性が著しく低下した場合は、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
売上高については、プラント事業の工事が増収、建築事業の工事及び両事業の販売が減収となり、全体としては当社グループの売上高は前年同期に対し0.7%増の14,301,239千円となりました。
売上原価については、前年同期と比較して63,533千円減少し、10,029,156千円となりました。これは主に工事の利益率改善によるものであります。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は、前年同期と比較して168,890千円増加し、4,272,082千円となりました。
販売費及び一般管理費については、コロナ感染症の影響で移動が制限され、旅費交通費が減少したことなどにより、前年同期と比較して26,713千円減少し、2,001,565千円となりました。これにより営業利益については、前年同期と比較して195,604千円増加し、2,270,517千円となりました。
営業外収益については、前期発生した受取補償金等がなかったことなどにより、前年同期と比較して15,160千円減少し、41,085千円となりました。営業外費用については、前期発生の株式上場に伴う株式交付費等の発生がなかったことなどにより、前年同期と比較して14,953千円減少し、91,429千円となりました。
これにより経常利益については2,220,172千円となり、前年同期と比較して195,397千円の増益となりました。
特別損益については、減損損失485,398千円を計上しました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,023,316千円となり、前年同期と比較して441,124千円の減益となりました。
また、セグメントごとの経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b. 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、工事売上の増加により、完成工事未収入金が増加したことなどにより前連結会計年度末と比較して459,169千円増加の16,235,739千円となりました。
当連結会計年度末における負債は、未成工事受入金が206,278千円増加したものの、長期借入金の返済が進捗し、419,477千円減少したことなどにより、前連結会計年度末と比較して301,866千円減少の4,954,584千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が719,174千円増加したことなどにより、前連結会計年度末と比較して761,036千円増加の11,281,154千円となりました。
c. キャッシュ・フローの分析並びに、資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1.キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
2.資金需要について
運転資金のうち主なものは、当社グループの製品製造のための原材料購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払いによるものです。
設備投資資金のうち主なものは、不燃内装材の生産設備増設等のための支払いであります。
3.財務政策について
運転資金として必要な資金は、営業活動により得られるキャッシュ・フローにより賄い、設備投資については、自己資金及び資本市場から得られた資金により実施しております。なお、設備資金及び長期運転資金として金融機関から調達した長期借入金につきましては、約定通りの返済を行い、金融機関との関係維持の為に一定の借入を実施する予定です。
また、金融上のリスクに対応するために取引金融機関との間で当座貸越契約を締結することで、手元流動性を確保しております。当座貸越契約とその借入実行残高(短期借入金)の状況は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係)4」に記載のとおりであります。
d.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の進捗について
当社グループは、2021年3月期を初年度とする中期経営計画(2020~2022年度)を策定し、以下に挙げる方針のもと、持続的な成長と収益性の向上に取り組んでまいりました。
①実質完全無借金経営を継続する。
②更なる生産性向上推進による高収益体質への転換と、内部統制水準の向上を通じて株式上場を継続する。
③海外事業の安定的拡大を推進する。
④海外生産拠点の拡充を含めた海外事業の拡大と現状事業領域及び周辺事業領域における新商品開発、M&Aによる事業拡大を目指す。
経営上の目標の達成状況につきましては、「売上高」、「営業利益」、「配当性向」の指標で判断しており、目標として、売上高及び営業利益前期比100%以上、配当性向30%以上を目指しております。
以上の結果、2021年3月期における売上高の前期比は100.7%、営業利益の前期比は109.4%、配当性向は29.7%となりました。