有価証券報告書-第10期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/24 15:26
【資料】
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【項目】
102項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社を取り巻く事業環境は、消費税増税直後においてインターネット広告市場全体が一時的な需要の落ち込みを見せたものの、その後は徐々に回復傾向にあり、前事業年度に引き続き堅調に推移しておりました。しかしながら、2019年末頃のCOVID-19発生、その後の感染拡大及び拡大防止のための緊急事態宣言の発令により我が国経済は大きな打撃を受けております。緊急事態宣言が2020年5月下旬に解除されて以降、一定の回復の兆しは見せているものの依然として先行きは不透明な状態にあります。
上記の緊急事態宣言期間中、外出の自粛が要請されたことにより、当社の顧客である飲食店の業績が大幅に悪化したこと等から、当事業年度の当社の経営成績にも影響が生じております。
このような状況下においても、当社の運営する実名型グルメプラットフォーム「Retty」では、より多くの飲食店や広告主に選ばれるサービスとなるために、飲食店舗の集客効果増進のためのインターネット予約機能の強化や、飲食店の業績回復に資するための各種のキャンペーン施策を実施してまいりました。
FRM(Fan Relationship Managementの略称)については、当事業年度において、緊急事態宣言期間中の休業を余儀なくされた一部の飲食店に対し、月額利用料の免除を行ないました。また閉店等による突発的な解約により、収益基盤となる有料会員店舗数が一時的に減少しております。しかしながら、緊急事態宣言の解除以降、有料会員申込数や解約率などの指標は、直近において緊急事態宣言発令前の水準まで回復しつつあります。広告については、当事業年度において、緊急事態宣言の発令に起因したユーザー数の急激な落ち込みにより受注額が一時的に減少しました。しかしながら、緊急事態宣言の解除以降は月間利用者数も回復基調にあります。コンテンツソリューションについては、「Retty」に蓄積された食領域のビッグデータ連携基盤「Food Data Platform」の提供を開始しておりますが、COVID-19の影響により、新たなクライアントの獲得は限定的となっております。上記の結果として、当事業年度における売上高は2,215百万円(前事業年度比2.3%減)となりました。
一方、費用面では、サーバー費用を始めとした各種コストの抑制施策を、さらに引き締めた水準で実施し、経営効率の最適化を進めました。その結果、売上原価は799百万円、販売費及び一般管理費は1,699百万円となりました。
上記の結果として、当事業年度における営業損失は283百万円(前事業年度は営業利益100百万円)、経常損失は274百万円(前事業年度は経常利益99百万円)となりました。
一方で、前事業年度末において回収可能性があるとして計上した繰延税金資産について、先述したCOVID-19の影響により、当事業年度末において回収可能性が見込まれなくなったことから、全額の取崩を実施したことにより、当事業年度における法人税等は58百万円となりました。その結果、当事業年度における当期純損失は324百万円(前事業年度は当期純利益155百万円)となりました。
なお、当社は実名型グルメプラットフォーム「Retty」運営事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,134百万円となり、前事業年度末に比べ434百万円増加いたしました。これは主に、FRMの更なる拡販のため、販売代理店に対する販売手数料の前払を拡大したことにより前払費用が246百万円増加したことによるものです。また、当事業年度末における固定資産は399百万円となり、前事業年度末に比べ43百万円増加いたしました。これは主に、上記の前払費用の増加と合わせ、販売代理店に対する販売手数料の長期前払を拡大したことにより長期前払費用が83百万円増加したことによるものです。
上記の結果として、総資産は1,533百万円となり、前事業年度末に比べ478百万円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は755百万円となり、前事業年度末に比べ392百万円増加いたしました。これは主に、FRMの更なる拡販に向けた販売代理店への前払の拡大を主な使途として金融機関から借入を実施したことにより、短期借入金が268百万円増加したことによるものです。また、当事業年度末における固定負債は348百万円となり、前事業年度末に比べ348百万円増加いたしました。これは、COVID-19の影響による運転資金需要に備え金融機関より借入を実施したことにより、長期借入金が348百万円増加したことによるものです。
上記の結果として、総負債は1,104百万円となり、前事業年度末に比べ741百万円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は429百万円となり、前事業年度末に比べ263百万円減少いたしました。これは主に、無償減資及び欠損填補により資本金が40百万円、資本準備金が461百万円それぞれ減少するとともに利益剰余金が501百万円増加したこと、新株予約権の行使を受けたことに伴う新株の発行により資本金が35百万円、資本準備金が35百万円それぞれ増加したこと、及び当期純損失324百万円を計上したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ67百万円増加し、当事業年度末には459百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は626百万円(前事業年度は46百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純損失の計上が265百万円であったこと、および前払費用の増加246百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、36百万円(前事業年度比231.3%増)となりました。これは主に、本社オフィスの改装工事の実施などの有形固定資産の取得による支出33百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、731百万円(前事業年度比854.0%増)となりました。これは主に、短期借入金の増加268百万円、および長期借入れによる収入400百万円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。
サービスの名称当事業年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
前年同期比(%)
FRM(千円)1,502,961114.6
広告コンテンツ(千円)712,59074.5
合計(千円)2,215,55197.7

(注)1.当社は実名型グルメプラットフォーム「Retty」運営事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
当事業年度
(自 2019年10月1日
至 2020年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社ぐるなび260,58611.5--
株式会社EPARKグルメ--255,40311.5

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当事業年度の株式会社ぐるなびにおける販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
5.前事業年度の株式会社EPARKグルメにおける販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「⑦経営成績の分析」、「(1)②財政状態の状況」、「(1)③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社における資金需要は、主として運転資金であります。運転資金の需要のうち主なものは、業容拡大のための営業人員の人件費、サービス品質のさらなる向上のための開発人員の人件費、及び有料店舗数増加のための販売代理店に対する販売手数料であります。この財源については、自己資金の効率的な運用に加え、金融機関からの資金調達を基本としております。なお、事業活動を円滑に実行できるよう、適正な水準の資金の流動性の維持及び確保を最優先としております。具体的には、何らかの理由により売上債権の入金が滞った場合でも取引先に対する支払に遅れが発生せず、かつ、必要に応じて金融機関からの資金調達を実行するまでの間、事業運営に支障が出ない水準の預金残高を維持しております。
④目標とする経営指標
当社の目標とする経営指標は、FRMにおける有料店舗数及び月間利用者数であります。
(FRMにおける有料店舗数)
有料店舗数は、当事業年度末時点において9,730店舗となり、前年同月比では123.7%となりました。COVID-19の影響を受けた飲食店の閉店などにより、6月末には有料店舗数が減少しましたが、有料店舗獲得数の素早い回復などにより、2020年7月以降は既に純増に転じております。
(月間利用者数)
当事業年度における実名型グルメプラットフォーム「Retty」の月間利用者数は、2020年5月にはCOVID-19に伴う緊急事態宣言により月間利用者数は3,020万人と前年同月比62.7%まで落ち込みましたが、2020年8月には4,393万人と前年同月比103.9%を回復しております。これは、外食市場全体の回復の影響のみならず、COVID-19感染拡大下における人々の「飲食店を応援したい」との機運の高まりを受け、実名お店オススメするという当サービスのコンセプトが評価されたことにも起因していると考えております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑦経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は2,215百万円(前事業年度比2.3%減)となりました。2019年末頃からのCOVID-19の影響により、FRMについては一部飲食店の閉店による解約が発生したこと、緊急事態宣言期間中の休業を余儀なくされた一部の飲食店に対し、月額利用料の免除を行なったこと等により、同サービスにかかる売上高の成長が一時的に鈍化しました。また、広告コンテンツについても緊急事態宣言の発令に起因した月間利用者数の急激な落ち込みと、クライアントの広告出稿意欲の減退により受注が減退しました。これにより月間利用者当たり売上高も減少いたしました。しかしながら、緊急事態宣言の解除後においては、感染予防策を講じた段階的な営業が飲食店で開始され、また、COVID-19を契機とした飲食店のデジタルトランスフォーメーションが進展するなど、飲食店の景況感は回復基調に転じております。当社においてもオンラインを通じた営業活動の再開や当社の営業手法の見直し、また、テイクアウトプランなど新商品投入等など様々な施策を実施しており、2020年7月には有料店舗数について獲得件数が同7月末締めでの解約件数を上回るなど、感染拡大前の水準に回復しております。広告コンテンツサービスにおいては、クライアントの広告出稿意欲の減退の影響がいまだ残ることから月間利用者当たり売上高についてはCOVID-19以前の水準には達していないものの、月間利用者数が感染拡大前の水準まで回復しており、徐々に回復傾向にあります。
(売上原価・売上総利益)
当事業年度における売上原価は799百万円(前事業年度比0.8%増)となりました。これは主に、エンジニア・デザイナーの労務費が人員増加等により373百万円となったこと、サーバー費用等の通信原価の削減及びCOVID-19の影響による月間利用者の一時的な落込みにより119百万円となったことによるものです。
上記の結果として、当事業年度における売上総利益は1,416百万円(前事業年比4.0%減)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業損失)
当事業年度における販売費及び一般管理費は1,699百万円(前事業年度比23.7%増)となりました。これは主に、Go To Eatキャンペーン実施に合わせたメディアプロモーション費用により広告宣伝費が184百万円に、業容拡大により従業員数が増加したことで給料及び手当が423百万円となったことによるものです。
上記の結果として、当事業年度における営業損失は283百万円(前事業年度は営業利益100百万円)となり、赤字となりました。
(営業外収益・営業外費用・経常損失)
当事業年度における営業外収益は13百万円となりました。これは主に、COVID-19の影響を受けて雇用調整助成金及び家賃支援給付金が支給されたことによるものです。
当事業年度における営業外費用は4百万円となりました。これは主に、COVID-19の先行き不透明な影響に備える為の手元運転資金の確保に向けて金融機関より借入を実施し、支払利息を3百万円計上したことによるものです。
上記の結果として、当事業年度における経常損失は274百万円(前事業年度は経常利益99百万円)となりました。
(当期純損失)
当事業年度における当期純損失は324百万円となりました。前事業年度は当期純利益155百万円でしたが、当事業年度において経常損失が274百万円計上されたことに加え、COVID-19の影響を受けて当事業年度末において回収可能性が見込まれなくなった繰延税金資産を取り崩したことによって法人税等調整額が58百万円生じたことにより、最終赤字となりました。

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