有価証券報告書-第57期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は、個人消費や雇用環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移致しました。しかしながら、後半は、消費税の増税や自然災害が相次いだことなどにより、個人消費が落ち込みました。さらに、国内外で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症の影響による世界経済の減速懸念が強まるなど、景気の不透明感は一層強まる状況となりました。
このような経済環境の中、当社グループは引き続き中期的な事業展開に向けた新たな課題に対応するため、「お客様のニーズにお応えした商品戦略、事業戦略の構築」を主眼に置いた経営戦略を実践し、市況に左右されない強靭な企業体質を構築するべく、事業活動を推進してまいりました。当期もきのこ事業を中心として、健康食材である「きのこ」の研究開発、生産、販売を通してより多くの皆様へ、おいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。
また、3月にはいりまして、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、当社グループにおいては米国子会社において、外食需要の減少に伴うきのこ生産工場の稼働抑制等の状況が発生いたしましたが、米国子会社以外のグループ会社におきましては、事業活動及び経営成績への影響は限定的でありました。特に、国内のホクト本体におきましては、内食志向となったことに加えて免疫力向上への関心の高まりが生鮮きのこの需要喚起に繋がりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ30億4百万円減少し、1,006億2百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15億18百万円減少し、500億56百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億85百万円減少し、505億45百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高712億20百万円(前期比1.5%増)、営業利益39億23百万円(同6.5%増)、経常利益41億87百万円(同9.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億31百万円(同52.0%減)となりました。
なお、当連結会計年度の生産量は、ブナピーを含めブナシメジ45,338t(同2.0%増)、エリンギ18,031t(同5.2%減)、マイタケ13,979t(同2.6%増)となりました。
当連結会計年度の各セグメントの概況は次のとおりであります。
「国内きのこ事業」
生産部門におきましては、衛生管理を徹底し、品質の向上と安定栽培に努め、安全・安心なきのこを提供してまいりました。2018年9月より新たに収穫・出荷を始めましたシイタケ生産におきましては、引き続き品質の向上と安定栽培に努めてまいりました。昨年10月に台風19号の影響で、赤沼きのこセンター(エリンギ生産拠点)が浸水し、10月中旬以降の生産が不可能となりましたが、現在、復旧作業を進めており、本年6月中旬には収穫・出荷出来る予定です。また、本年1月に、食の安全、環境保全、労働安全を実現させるため、GLOBAL G.A.P.の認証を取得いたしました。
研究部門におきましては、品質管理体制の強化、付加価値の高い新製品の開発及びきのこの薬理効果や機能性の追求に取り組んでまいりました。研究所においても、台風19号の影響で被害を受け、一部研究活動の停止を余儀なくされましたが、1月下旬に研究活動の再開をいたしました。
営業部門におきましては、健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」を提唱し、鮮度に拘った営業活動を行ってまいりました。販売面では、当期の前半は野菜相場が堅調に推移したため、きのこの価格も前期を上回る状況で推移しましたが、後半は一部台風の影響があったものの暖かい日が続き、野菜は全般的に順調に出荷され、野菜相場が軟調に推移したため、きのこの価格も前期を下回る状況で推移しました。3月に入ると新型コロナウイルス感染症の影響で内食志向になったことにより、きのこの販売は伸びました。
以上の結果、国内きのこ事業の売上高は481億92百万円(同2.8%増)となりました。
「海外きのこ事業」
米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、引き続き非アジア系顧客マーケットの開拓に注力し、販売の拡大を行った結果、売上高は計画を上回りました。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、生産部門では年度を通じて安定栽培が出来たこと及び販売の核となるスーパーとの取り組みが好調に推移したことや、ブランド力及び安定・安心栽培が市場に浸透してきたことから、売上高は計画を上回りました。マレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましては、生産部門は工場建設から4年が経過し安定した栽培が継続する状況になりました。販売面では、中国産や韓国産とのシェア争いが厳しい中、販売力のある量販店でのキャンペーンやプロモーションの展開を強化することで、ブランディング効果が高まり、新規開拓営業の拡大につながりました。また、マレーシア国内に限らず、広く東南アジアのマーケットでの販売を展開した結果、徐々にではありますがきのこ市場を拡大することが出来ました。当社海外事業本部において、今後のさらなる販路拡大を目指し、アジア各国及び欧州でのマーケティング活動を引き続き行ってまいりました。
以上の結果、海外きのこ事業の売上高は53億1百万円(同4.1%増)となりました。
「加工品事業」
加工品事業におきましては、水煮・冷凍・乾燥などの業務用きのこの加工品の販売・開発及び市場開拓を行うとともに、サプリメントの企画・販売に取り組んでまいりました。また、市販用商品として自社きのこを活用した新商品の開発や販路拡大に努めてまいりました。通販事業では、健康食品・レトルト食品を中心に販売強化を図ってまいりました。
以上の結果、加工品事業の売上高は78億73百万円(同1.2%減)となりました。
「化成品事業」
化成品事業のうち、包装資材部門におきましては、包装資材を通じて安全・安心な食を消費者にお届けする使命のもと提案営業に尽力してまいりました。また、農業資材部門におきましては、原料等の安定供給とともに、農業栽培におけるコンサルティング業務を強化してまいりました。新規戦略部門におきましては、昨年10月の台風19号により豊野工場が製造休止の状態となり、早期復旧に全力を挙げて取り組んでまいりました。工場被災による影響と景況悪化により売上は低調に推移しました。なお、豊野工場は現在復旧作業を進めておりますが、5月中旬に一部稼働を始めました。
以上の結果、化成品事業の売上高は98億53百万円(同3.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ30億71百万円増加し、当連結会計年度末には114億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は107億78百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益29億4百万円及び減価償却費70億75百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は28億96百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出27億26百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は48億37百万円となりました。これは主に、短期借入金の純減64億80百万円によるものであります。
③生産・受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記につきましては、金額換算が煩雑であるため数量で表示しております。
2.セグメント間取引については、生産実績に含めておりません。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記金額に消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、会計上の見積りについては、過去の実績、現在の状況、将来の見込み等を総合的に勘案して算出された合理的な金額によっております。
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び2.財務諸表等「注記事項(重要な会計方針)」にそれぞれ記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する仮定の情報は、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(追加情報)」及び2.財務諸表等「注記事項(追加情報)」にそれぞれ記載しております。
このような会計方針に基づいて作成された連結財務諸表及び財務諸表は、当社グループの経営実態を正しく反映したものであると考えております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は252億12百万円となり、前連結会計年度末より27億41百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金31億23百万円の増加によるものであります。固定資産は753億89百万円となり、前連結会計年度末より57億46百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産50億93百万円の減少によるものであります。
この結果、総資産は1,006億2百万円となり、前連結会計年度末より30億4百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は225億85百万円となり、前連結会計年度末より26億80百万円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金31億91百万円の増加及び短期借入金64億85百万円の減少によるものであります。固定負債は274億71百万円となり、前連結会計年度末より11億61百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金11億85百万円の増加によるものであります。
この結果、負債合計は500億56百万円となり、前連結会計年度末より15億18百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は505億45百万円となり、前連結会計年度末より14億85百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益15億31百万円を計上し配当金19億円を支払ったこと等による利益剰余金3億99百万円の減少及び自己株式の取得8億76百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は50.2%(前連結会計年度末は50.2%)となりました。
2)経営成績
(売上高)
主力の国内きのこ事業は、2019年10月に発生した台風19号により、赤沼きのこセンター(エリンギ生産拠点)が浸水し、10月中旬以降の生産が出来なくなったことにより、エリンギの生産量が減少したため、その他のきのこセンターで増産対応しましたが、きのこ全体の生産量は減少いたしました。年度前半におきましては、野菜相場が堅調に推移したことなどにより、きのこの価格も堅調に推移いたしましたが、年度後半にかけましては野菜相場が軟調に推移したことや暖冬の影響で鍋需要が盛り上がらなかったことなどから、きのこの価格は軟調に推移いたしました。しかしながら、3月に入り新型コロナウイルス感染症の影響で内食志向になったことなどにより、きのこの販売が伸びた結果、国内きのこ事業の売上高は481億92百万円(前期比2.8%増)となりました。
海外きのこ事業の売上高は、特に台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」が好調だったことなどにより、53億1百万円(同4.1%増)となりました。
加工品事業の売上高は、子会社の株式会社アーデンにおいて、前年より売上を落としたことなどにより、78億73百万円(同1.2%減)となりました。
化成品事業の売上高は、包装資材部門を中心に新規開拓の強化や既存取引先へのきめ細かな営業活動を展開してまいりましたが、2019年10月に発生した台風19号により豊野工場が製造休止の状態となったことなどにより、98億53百万円(同3.6%減)となりました。
上記の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ10億36百万円増加し、712億20百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、材料費や燃料費などは前期に比べ減少したものの、電力費や荷造包装費が増加したことにより、製造原価が若干上昇し、前連結会計年度に比べ8億26百万円増加し、199億65百万円(同4.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、コスト削減に努めましたが、人件費、運送費、販売手数料が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ5億85百万円増加し、160億41百万円(同3.8%増)となりました。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ2億40百万円増加し、39億23百万円(同6.5%増)となりました。
(経常利益)
経常利益は、円高により為替差損が発生したことなどにより、前連結会計年度に比べ4億23百万円減少し、41億87百万円(同9.2%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、台風19号による災害損失が発生し、前連結会計年度に比べ16億57百万円減少し、15億31百万円(同52.0%減)となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は48円59銭となりました。また、自己資本比率は50.2%となり、前連結会計年度と同様でした。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金や設備投資に必要な資金は、自己資金のほか主として銀行借入や社債発行により調達しております。なお、当連結会計年度末現在、新たに確定した重要な設備投資はありませんが、成長に向けた投資は引き続き行ってまいります。その際の資金調達方法は自己資金及び銀行借入を予定しております。
5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、第2「事業の状況」の2.事業等のリスクに記載のとおりであります。
6)経営者の問題認識と今後の方針
国内きのこ事業におきましては、消費者の食の安全、安心に対する意識の高まりはもとより、健康への寄与に対する注目も高まってきております。生産国、産地、使用原材料等についてだけでなく、成分や効能につきましても関心を寄せるところとなりました。このような状況において、当社も予期せぬ食品衛生上の問題等が発生し、経営成績に影響を受ける可能性があります。当社といたしましては、このような事態にならぬよう万全の管理体制のもと、研究、生産、販売を行なう所存であります。
また、新型コロナウイルス感染症に対し、生産部門におきましては、お客様、お取引先様、社員の安全第一を考え、またさらなる感染拡大を防ぐために、WHOならびに厚生労働省、各都道府県の指針に従った対応をしてまいります。
当社は現在、ブナシメジ、エリンギ、マイタケ、ブナピー、霜降りひらたけ及びシイタケを生産、販売しておりますが、今後の新商品開発及び市場投入のピッチを速めることや、健康志向に合わせてこれらの持つ生理活性機能についての研究を強化することも欠かせないと考えております。なお、シイタケにつきましては、「一番採り生どんこ」として、2018年9月に初収穫・出荷を開始致しました。また、多様化する消費者の商品選択志向や企業間競争の激化に対応するために、消費者のニーズを的確に捉えた臨機応変な販売戦略を展開していく所存であります。
一方、海外での展開につきましては、米国・台湾・マレーシアに子会社を設置し、きのこの生産、販売を行っております。生産面におきましては、販売状況を勘案しながら徐々に稼働率を上げ、また販売面におきましては、ブランド価値を高め販売力をより一層強化し、海外市場の拡大を進めていくことが不可欠であると考えております。台湾及びマレーシアの子会社におきましては、東南アジア及び中国を中心とした市場の開拓を進め、また米国につきましては、非アジア系顧客の新規開拓に注力し、さらなる販売の拡大に努めてまいります。
加工品事業につきましては、自社きのこを活用した新商品の開発、冷凍・乾燥アイテムの開発に注力し、健康食品、レトルト食品の販売を中心として、通販事業も合わせ、営業力の強化を図りながら業務の拡大に努めてまいります。
化成品事業につきましては、自社製品製造の生産効率向上、新規取引先の獲得に力を入れるなど、自社製品への取り組みをより一層強化し、売上、収益の向上に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は、個人消費や雇用環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移致しました。しかしながら、後半は、消費税の増税や自然災害が相次いだことなどにより、個人消費が落ち込みました。さらに、国内外で感染が拡大している新型コロナウイルス感染症の影響による世界経済の減速懸念が強まるなど、景気の不透明感は一層強まる状況となりました。
このような経済環境の中、当社グループは引き続き中期的な事業展開に向けた新たな課題に対応するため、「お客様のニーズにお応えした商品戦略、事業戦略の構築」を主眼に置いた経営戦略を実践し、市況に左右されない強靭な企業体質を構築するべく、事業活動を推進してまいりました。当期もきのこ事業を中心として、健康食材である「きのこ」の研究開発、生産、販売を通してより多くの皆様へ、おいしさと健康をお届けできるよう事業活動を行ってまいりました。
また、3月にはいりまして、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、当社グループにおいては米国子会社において、外食需要の減少に伴うきのこ生産工場の稼働抑制等の状況が発生いたしましたが、米国子会社以外のグループ会社におきましては、事業活動及び経営成績への影響は限定的でありました。特に、国内のホクト本体におきましては、内食志向となったことに加えて免疫力向上への関心の高まりが生鮮きのこの需要喚起に繋がりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ30億4百万円減少し、1,006億2百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ15億18百万円減少し、500億56百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億85百万円減少し、505億45百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高712億20百万円(前期比1.5%増)、営業利益39億23百万円(同6.5%増)、経常利益41億87百万円(同9.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億31百万円(同52.0%減)となりました。
なお、当連結会計年度の生産量は、ブナピーを含めブナシメジ45,338t(同2.0%増)、エリンギ18,031t(同5.2%減)、マイタケ13,979t(同2.6%増)となりました。
当連結会計年度の各セグメントの概況は次のとおりであります。
「国内きのこ事業」
生産部門におきましては、衛生管理を徹底し、品質の向上と安定栽培に努め、安全・安心なきのこを提供してまいりました。2018年9月より新たに収穫・出荷を始めましたシイタケ生産におきましては、引き続き品質の向上と安定栽培に努めてまいりました。昨年10月に台風19号の影響で、赤沼きのこセンター(エリンギ生産拠点)が浸水し、10月中旬以降の生産が不可能となりましたが、現在、復旧作業を進めており、本年6月中旬には収穫・出荷出来る予定です。また、本年1月に、食の安全、環境保全、労働安全を実現させるため、GLOBAL G.A.P.の認証を取得いたしました。
研究部門におきましては、品質管理体制の強化、付加価値の高い新製品の開発及びきのこの薬理効果や機能性の追求に取り組んでまいりました。研究所においても、台風19号の影響で被害を受け、一部研究活動の停止を余儀なくされましたが、1月下旬に研究活動の再開をいたしました。
営業部門におきましては、健康・美容・スポーツを3本柱とした「きのこで菌活」を提唱し、鮮度に拘った営業活動を行ってまいりました。販売面では、当期の前半は野菜相場が堅調に推移したため、きのこの価格も前期を上回る状況で推移しましたが、後半は一部台風の影響があったものの暖かい日が続き、野菜は全般的に順調に出荷され、野菜相場が軟調に推移したため、きのこの価格も前期を下回る状況で推移しました。3月に入ると新型コロナウイルス感染症の影響で内食志向になったことにより、きのこの販売は伸びました。
以上の結果、国内きのこ事業の売上高は481億92百万円(同2.8%増)となりました。
「海外きのこ事業」
米国の現地法人「HOKTO KINOKO COMPANY」におきましては、引き続き非アジア系顧客マーケットの開拓に注力し、販売の拡大を行った結果、売上高は計画を上回りました。台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」におきましては、生産部門では年度を通じて安定栽培が出来たこと及び販売の核となるスーパーとの取り組みが好調に推移したことや、ブランド力及び安定・安心栽培が市場に浸透してきたことから、売上高は計画を上回りました。マレーシアの現地法人「HOKTO MALAYSIA SDN. BHD.」におきましては、生産部門は工場建設から4年が経過し安定した栽培が継続する状況になりました。販売面では、中国産や韓国産とのシェア争いが厳しい中、販売力のある量販店でのキャンペーンやプロモーションの展開を強化することで、ブランディング効果が高まり、新規開拓営業の拡大につながりました。また、マレーシア国内に限らず、広く東南アジアのマーケットでの販売を展開した結果、徐々にではありますがきのこ市場を拡大することが出来ました。当社海外事業本部において、今後のさらなる販路拡大を目指し、アジア各国及び欧州でのマーケティング活動を引き続き行ってまいりました。
以上の結果、海外きのこ事業の売上高は53億1百万円(同4.1%増)となりました。
「加工品事業」
加工品事業におきましては、水煮・冷凍・乾燥などの業務用きのこの加工品の販売・開発及び市場開拓を行うとともに、サプリメントの企画・販売に取り組んでまいりました。また、市販用商品として自社きのこを活用した新商品の開発や販路拡大に努めてまいりました。通販事業では、健康食品・レトルト食品を中心に販売強化を図ってまいりました。
以上の結果、加工品事業の売上高は78億73百万円(同1.2%減)となりました。
「化成品事業」
化成品事業のうち、包装資材部門におきましては、包装資材を通じて安全・安心な食を消費者にお届けする使命のもと提案営業に尽力してまいりました。また、農業資材部門におきましては、原料等の安定供給とともに、農業栽培におけるコンサルティング業務を強化してまいりました。新規戦略部門におきましては、昨年10月の台風19号により豊野工場が製造休止の状態となり、早期復旧に全力を挙げて取り組んでまいりました。工場被災による影響と景況悪化により売上は低調に推移しました。なお、豊野工場は現在復旧作業を進めておりますが、5月中旬に一部稼働を始めました。
以上の結果、化成品事業の売上高は98億53百万円(同3.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ30億71百万円増加し、当連結会計年度末には114億円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は107億78百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益29億4百万円及び減価償却費70億75百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は28億96百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出27億26百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は48億37百万円となりました。これは主に、短期借入金の純減64億80百万円によるものであります。
③生産・受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内きのこ事業 | ||
| ブナシメジ (t) | 40,549 | 101.7 |
| エリンギ (t) | 17,181 | 94.8 |
| マイタケ (t) | 13,337 | 102.4 |
| その他 (t) | 4,319 | 126.7 |
| 計 | 75,387 | 101.3 |
| 海外きのこ事業 | ||
| ブナシメジ (t) | 4,789 | 105.0 |
| エリンギ (t) | 849 | 96.1 |
| マイタケ (t) | 642 | 106.8 |
| 計 | 6,281 | 103.9 |
| 化成品事業 | ||
| P.Pビン (千本) | 93 | 2.7 |
| コンテナ (千個) | 573 | 97.0 |
| キャップ (千個) | 312 | 91.9 |
| 飲料用ボトル (千本) | 14,310 | 49.9 |
| 飲食用容器 (千個) | 6,896 | 52.6 |
| フィルム (千枚) | 20,827 | 83.2 |
| 加工品事業 | ||
| レトルト食品 (t) | 16,614 | 97.8 |
(注)1.上記につきましては、金額換算が煩雑であるため数量で表示しております。
2.セグメント間取引については、生産実績に含めておりません。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 化成品事業 (百万円) | 8,391 | 98.7 |
| 加工品事業 (百万円) | 97 | 129.5 |
| 計(百万円) | 8,489 | 98.9 |
(注)上記金額には消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 国内きのこ事業 (百万円) | 48,192 | 102.8 |
| 海外きのこ事業 (百万円) | 5,301 | 104.1 |
| 加工品事業 (百万円) | 7,873 | 98.8 |
| 化成品事業 (百万円) | 9,853 | 96.4 |
| 計(百万円) | 71,220 | 101.5 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記金額に消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、会計上の見積りについては、過去の実績、現在の状況、将来の見込み等を総合的に勘案して算出された合理的な金額によっております。
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び2.財務諸表等「注記事項(重要な会計方針)」にそれぞれ記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する仮定の情報は、第5「経理の状況」の1.連結財務諸表等「注記事項(追加情報)」及び2.財務諸表等「注記事項(追加情報)」にそれぞれ記載しております。
このような会計方針に基づいて作成された連結財務諸表及び財務諸表は、当社グループの経営実態を正しく反映したものであると考えております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は252億12百万円となり、前連結会計年度末より27億41百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金31億23百万円の増加によるものであります。固定資産は753億89百万円となり、前連結会計年度末より57億46百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産50億93百万円の減少によるものであります。
この結果、総資産は1,006億2百万円となり、前連結会計年度末より30億4百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は225億85百万円となり、前連結会計年度末より26億80百万円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金31億91百万円の増加及び短期借入金64億85百万円の減少によるものであります。固定負債は274億71百万円となり、前連結会計年度末より11億61百万円増加いたしました。これは主に、長期借入金11億85百万円の増加によるものであります。
この結果、負債合計は500億56百万円となり、前連結会計年度末より15億18百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は505億45百万円となり、前連結会計年度末より14億85百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益15億31百万円を計上し配当金19億円を支払ったこと等による利益剰余金3億99百万円の減少及び自己株式の取得8億76百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は50.2%(前連結会計年度末は50.2%)となりました。
2)経営成績
(売上高)
主力の国内きのこ事業は、2019年10月に発生した台風19号により、赤沼きのこセンター(エリンギ生産拠点)が浸水し、10月中旬以降の生産が出来なくなったことにより、エリンギの生産量が減少したため、その他のきのこセンターで増産対応しましたが、きのこ全体の生産量は減少いたしました。年度前半におきましては、野菜相場が堅調に推移したことなどにより、きのこの価格も堅調に推移いたしましたが、年度後半にかけましては野菜相場が軟調に推移したことや暖冬の影響で鍋需要が盛り上がらなかったことなどから、きのこの価格は軟調に推移いたしました。しかしながら、3月に入り新型コロナウイルス感染症の影響で内食志向になったことなどにより、きのこの販売が伸びた結果、国内きのこ事業の売上高は481億92百万円(前期比2.8%増)となりました。
海外きのこ事業の売上高は、特に台湾の現地法人「台灣北斗生技股份有限公司」が好調だったことなどにより、53億1百万円(同4.1%増)となりました。
加工品事業の売上高は、子会社の株式会社アーデンにおいて、前年より売上を落としたことなどにより、78億73百万円(同1.2%減)となりました。
化成品事業の売上高は、包装資材部門を中心に新規開拓の強化や既存取引先へのきめ細かな営業活動を展開してまいりましたが、2019年10月に発生した台風19号により豊野工場が製造休止の状態となったことなどにより、98億53百万円(同3.6%減)となりました。
上記の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ10億36百万円増加し、712億20百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、材料費や燃料費などは前期に比べ減少したものの、電力費や荷造包装費が増加したことにより、製造原価が若干上昇し、前連結会計年度に比べ8億26百万円増加し、199億65百万円(同4.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、コスト削減に努めましたが、人件費、運送費、販売手数料が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ5億85百万円増加し、160億41百万円(同3.8%増)となりました。
(営業利益)
上記の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ2億40百万円増加し、39億23百万円(同6.5%増)となりました。
(経常利益)
経常利益は、円高により為替差損が発生したことなどにより、前連結会計年度に比べ4億23百万円減少し、41億87百万円(同9.2%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、台風19号による災害損失が発生し、前連結会計年度に比べ16億57百万円減少し、15億31百万円(同52.0%減)となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は48円59銭となりました。また、自己資本比率は50.2%となり、前連結会計年度と同様でした。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2016年3月 | 2017年3月 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | |
| 自己資本比率(%) | 59.7 | 54.6 | 52.4 | 50.2 | 50.2 |
| 時価ベースの自己資本比率 (%) | 85.5 | 68.0 | 65.1 | 58.7 | 58.6 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 2.3 | 3.7 | 3.3 | 2.9 | 2.4 |
| インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 73.1 | 76.1 | 101.5 | 93.6 | 123.7 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金や設備投資に必要な資金は、自己資金のほか主として銀行借入や社債発行により調達しております。なお、当連結会計年度末現在、新たに確定した重要な設備投資はありませんが、成長に向けた投資は引き続き行ってまいります。その際の資金調達方法は自己資金及び銀行借入を予定しております。
5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、第2「事業の状況」の2.事業等のリスクに記載のとおりであります。
6)経営者の問題認識と今後の方針
国内きのこ事業におきましては、消費者の食の安全、安心に対する意識の高まりはもとより、健康への寄与に対する注目も高まってきております。生産国、産地、使用原材料等についてだけでなく、成分や効能につきましても関心を寄せるところとなりました。このような状況において、当社も予期せぬ食品衛生上の問題等が発生し、経営成績に影響を受ける可能性があります。当社といたしましては、このような事態にならぬよう万全の管理体制のもと、研究、生産、販売を行なう所存であります。
また、新型コロナウイルス感染症に対し、生産部門におきましては、お客様、お取引先様、社員の安全第一を考え、またさらなる感染拡大を防ぐために、WHOならびに厚生労働省、各都道府県の指針に従った対応をしてまいります。
当社は現在、ブナシメジ、エリンギ、マイタケ、ブナピー、霜降りひらたけ及びシイタケを生産、販売しておりますが、今後の新商品開発及び市場投入のピッチを速めることや、健康志向に合わせてこれらの持つ生理活性機能についての研究を強化することも欠かせないと考えております。なお、シイタケにつきましては、「一番採り生どんこ」として、2018年9月に初収穫・出荷を開始致しました。また、多様化する消費者の商品選択志向や企業間競争の激化に対応するために、消費者のニーズを的確に捉えた臨機応変な販売戦略を展開していく所存であります。
一方、海外での展開につきましては、米国・台湾・マレーシアに子会社を設置し、きのこの生産、販売を行っております。生産面におきましては、販売状況を勘案しながら徐々に稼働率を上げ、また販売面におきましては、ブランド価値を高め販売力をより一層強化し、海外市場の拡大を進めていくことが不可欠であると考えております。台湾及びマレーシアの子会社におきましては、東南アジア及び中国を中心とした市場の開拓を進め、また米国につきましては、非アジア系顧客の新規開拓に注力し、さらなる販売の拡大に努めてまいります。
加工品事業につきましては、自社きのこを活用した新商品の開発、冷凍・乾燥アイテムの開発に注力し、健康食品、レトルト食品の販売を中心として、通販事業も合わせ、営業力の強化を図りながら業務の拡大に努めてまいります。
化成品事業につきましては、自社製品製造の生産効率向上、新規取引先の獲得に力を入れるなど、自社製品への取り組みをより一層強化し、売上、収益の向上に取り組んでまいります。