有価証券報告書-第93期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 15:21
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(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、欧米での保護主義の拡大や地政学的リスクの増大が懸念される中で、先進国における雇用環境の改善や設備投資の増加等により、総じて堅調に推移しました。米国では良好な雇用情勢を背景に個人消費が堅調に推移し、景気は緩やかな拡大を続けました。中国では景気回復の鈍化が懸念されましたが、堅調な内需に加え輸出が増加したことから、景気は底堅く推移しました。一方、わが国経済においても、企業収益の回復を背景に、設備投資の増加や雇用環境の改善が進み、個人消費に持ち直しの動きが見られる等、緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループを取り巻く環境としては、非鉄金属相場は、亜鉛・鉛・銅価格が上昇したものの、インジウム価格は上半期において低調に推移し、下半期に入り上昇しました。また、為替相場は概ね安定しておりましたが、2018年に入り急速に円高が進行しました。キャリア付極薄銅箔の用途は拡大し、ディスプレイ用スパッタリングターゲット、排ガス浄化触媒の需要は堅調に推移しました。
このような状況の下、当社グループは10年後のありたい姿である「機能材料、金属、自動車部品の3事業を核に、成長商品・事業を継続的に創出し、価値を拡大し続けている会社」を実現するため「16中計」の2年目となる当連結会計年度は、中計の帰趨を見極める重要な年と位置付けて取り組みました。具体的には、キャリア付極薄銅箔の用途拡大に合わせた生産能力の増強、四輪車向け排ガス浄化触媒の事業収益貢献、リサイクル事業の強化、チリのカセロネス銅鉱山の安定的な操業体制の確立、自動車部品の海外拠点強化等の諸施策を実施してまいりました。また、平成31年(2019年)度からの利益貢献を予定している水力発電事業への投資を実行しております。
この結果、売上高は、前連結会計年度に比べて828億円(19.0%)増加の5,192億円となりました。営業利益は、金属部門における亜鉛製錬設備の大規模定期修繕工事等の減益要因があったものの、非鉄金属相場が上昇したことや機能材料部門において主要製品の販売量が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて110億円(28.8%)増加の495億円となりました。経常利益は、カセロネス銅鉱山の減損損失346億円を含む持分法による投資損失380億円等を計上したこと等から、前連結会計年度に比べて198億円(63.8%)減少し112億円となりました。特別損益においては、固定資産除却損14億円、過年度関税10億円等を特別損失に計上しました。加えて、税金費用および非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損益は前連結会計年度に比べて193億円悪化し7億円の損失となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 機能材料
[電池材料]
ハイブリッド車、電気自動車等の環境対応車の市場は好調に推移しましたが、リチウムイオン電池に使用される主要原料の転換等から、総じて販売量は減少しました。これにより、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
[排ガス浄化触媒]
主力の二輪車向け排ガス浄化触媒は、アジア諸国における環境規制強化等により、需要が堅調であったことから販売量は増加しました。四輪車向け排ガス浄化触媒は、米国において搭載されている車種の需要が堅調であったことから販売量は増加しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
[機能粉]
スマートフォン向けの需要は総じて堅調でしたが、高純度酸化タンタルは、主要顧客の生産調整等により販売量が減少しました。一方、電子材料用金属粉は、スマートフォン向けに加え、電装化の進む自動車やIoT向けなどの需要が増加したことから販売量は増加しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
[銅箔]
キャリア付極薄銅箔は、スマートフォンのマザーボード向けに用途拡大されたこと等により販売量は増加しました。プリント配線板用電解銅箔は、キャリア付極薄銅箔への生産シフトを実施したことから販売量は減少しましたが、銅箔全体の売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
[スパッタリングターゲット]
主力のディスプレイ用スパッタリングターゲットは、中国および台湾における液晶パネルの大型化の進展により、需要が堅調であったことから販売量は増加しましたが、販売価格は低下しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて214億円(14.7%)増加の1,672億円となり、経常利益は、主要製品の販売量が増加したことから、前連結会計年度に比べて146億円(92.2%)増加の306億円となりました。
② 金属
[亜鉛]
国内の亜鉛メッキ鋼板向け需要は低調に推移したものの、高耐食性メッキ鋼板向けの需要は堅調であったこと等から販売量は増加しました。加えて、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は上昇したことから国内の亜鉛価格も上昇し、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
[金・銀]
金・銀は、国際相場は堅調に推移し、販売量が増加したこと等から売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
[鉛]
国内の鉛蓄電池向け需要は、自動車補修向け取替用の需要が堅調であったこと等から販売量は増加しました。加えて、鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は上昇したことから国内の鉛価格も上昇し、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて468億円(33.6%)増加の1,865億円となり、経常利益は、非鉄金属相場が上昇したものの、亜鉛製錬設備の大規模定期修繕工事等の減益要因があったこと等から、前連結会計年度に比べて29億円(34.8%)減少の55億円となりました。
③ 自動車部品
[自動車用ドアロック]
自動車の国内市場は回復の兆しが見られるものの、中国市場は伸びが鈍化し、米国市場は低調に推移しました。主要製品であるサイドドアラッチの販売量は、主要顧客の生産調整等により国内向けは減少し、中国ではスポーツ用多目的車の需要が堅調に推移したことから増加しましたが、販売価格は低下しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて111億円(9.9%)減少の1,020億円となり、経常利益は、鋼材価格上昇によるコストアップ等により、前連結会計年度に比べて6億円(10.9%)減少の55億円となりました。
④ 関連
[各種産業プラントエンジニアリング]
海外プラント工事の受注環境は低調でありましたが、売上高は、水力発電設備の工事進行基準による完成計上や大型の金属加工プラント工事等があったことから増加しました。
加えて、ダイカスト製品等の販売量の増加や非鉄金属相場の上昇等により、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて192億円(17.0%)増加の1,327億円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べて11億円(20.2%)増加の68億円となりました。
主要な品目等の生産実績及び受注状況の当連結会計年度の推移は、次のとおりであります。
セグメント品目単位第1第2第3第4累計
四半期四半期四半期四半期
機能材料銅箔生産量千t887731
金属亜鉛生産量千t47585456216
生産量千t1618161870
自動車部品自動車部品生産金額億円214212216237879

* 亜鉛:共同製錬については当社シェア分
(2) 財政状態の状況
資産合計は、前連結会計年度末に比べ34億円増加の5,224億円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ92億円増加の3,437億円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ57億円減少の1,786億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント低下の32.2%となりました。
なお、財政状態の詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びャッシュ・フローの分析 ①財政状態の状況」に記載しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ282億円収入増加の524億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ20億円支出増加の403億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ161億円収入減少の41億円の支出となりました。
以上の結果、為替換算差額を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ84億円増加の223億円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びャッシュ・フローの分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績及び受注状況
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、セグメントごとの生産実績及び受注状況を正確に把握することは困難なため、主要な品目等についてのみ「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」において、各セグメントに関連付けて記載しております。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
機能材料167,21614.7
金属186,51833.6
自動車部品102,039△9.9
関連132,74717.0
調整額△69,307
合計519,21519.0

(注) 1.セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっての重要な会計方針・見積りは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の分析
① 売上高
機能材料セグメントは、キャリア付極薄銅箔等の主要製品の販売量が増加したこと等により214億円増収の1,672億円となりました。金属セグメントは、非鉄金属相場が上昇したこと等から468億円増収の1,865億円となりました。自動車部品セグメントは、主要製品の販売量は増加したものの、在外子会社の売上高の本邦通貨への換算レート差や販売価格が低下したこと等から111億円減収の1,020億円となりました。関連セグメントは、各種産業プラントエンジニアリングにおける完成工事高が増加したこと等から192億円増収の1,327億円となりました。この結果、セグメント間の内部売上高又は振替高等を調整した売上高は、前連結会計年度に比べて828億円(19.0%)増加の5,192億円となりました。
なお、各セグメント及び主要製品別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 営業利益
機能材料セグメントは、主要製品の販売量が増加したことやインジウム価格の上昇に伴うたな卸資産の在庫影響(以下「在庫要因」)が好転したこと等から、前連結会計年度に比べて142億円増益の307億円となりました。
金属セグメントは、亜鉛・鉛価格は上昇したものの在庫要因は減少し、亜鉛製錬設備の大規模定期修繕工事等の減益要因があったことに加え、原料鉱石の買鉱条件の悪化やエネルギーコストの上昇等により、前連結会計年度に比べて52億円減益の107億円となりました。
自動車部品セグメントは、在外子会社の収益及び費用の本邦通貨への換算レート差や鋼材価格上昇によるコストアップ等により、前連結会計年度に比べて13億円減益の52億円となりました。
関連セグメントは、ダイカスト製品等の販売量の増加等により、前連結会計年度に比べて6億円増益の52億円となりました。
この結果、セグメントの調整額を加味した営業利益は、前連結会計年度に比べて110億円(28.8%)増加の495億円となりました。
③ 経常利益
営業利益の増加110億円に加え、カセロネス銅鉱山の減損損失346億円を含む持分法による投資損失380億円等を計上したことから、営業外損益が308億円悪化した結果、経常利益は、前連結会計年度に比べて198億円(63.8%)減少し112億円となりました。
なお、各セグメント別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3) 財政状態及びャッシュ・フローの分析
① 財政状態の状況
資産合計は、投資有価証券が400億円減少したものの、有形固定資産139億円、たな卸資産135億円、現金及び預金70億円の増加等により、前連結会計年度末に比べ34億円増加の5,224億円となりました。なお、投資有価証券の減少は、主に持分法による投資損失380億円を計上したことによるものであります。
負債合計は、設備投資にかかる債務や仕入債務他41億円、長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー残高9億円、デリバティブ債務22億円の増加等により、前連結会計年度末に比べ92億円増加の3,437億円となりました。なお、当連結会計年度末における長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー残高は2,084億円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純損失7億円による減少、配当による減少39億円に加え、繰延ヘッジ損益9億円の減少等があり、前連結会計年度末に比べ57億円減少の1,786億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益77億円、減価償却費266億円、持分法による投資損失380億円の増加要因に対し、たな卸資産の増加129億円、法人税等の支払額97億円等の減少要因を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ282億円収入増加の524億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出395億円等により、前連結会計年度に比べ20億円支出増加の403億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの増加13億円および配当金の支払39億円等から、前連結会計年度に比べ161億円収入減少の41億円の支出となりました。
以上の結果、為替換算差額等を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ84億円増加の223億円となりました。
③ 財政状態及びキャッシュ・フロー指標のトレンド
回次第89期第90期第91期第92期第93期
決算年月平成26年3月平成27年3月平成28年3月平成29年3月平成30年3月
自己資本比率(%)31.936.635.033.532.2
時価ベースの自己資本比率(%)27.029.121.241.752.8
キャッシュ・フロー対有利子負債
比率(年)
5.75.63.88.64.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ16.318.527.915.937.8

(注) 自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/支払利息
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている長・短期借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーを対象としております。
支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、業績に応じた適正な利益配分を行うことを基本方針としております。
内部留保資金につきましては、市場ニーズに応える研究開発・生産体制を強化し、グローバル戦略の展開を図るために有効な投資を実行してまいります。
当連結会計年度における設備投資については、機能材料部門において、主要製品であるキャリア付極薄銅箔の用途拡大による需要増加に対応するための製造設備の増強を目的とした投資を行いました。また、金属部門においては、平成31年(2019年)度からの利益貢献を予定している水力発電事業への投資を行いました。この結果、当連結会計年度における有形固定資産の取得による支出は395億円となりました。これらの投資のための所要資金は、主に自己資金を充当しております。
なお、短期流動性確保の手段として、短期社債(電子CP)発行枠400億円を確保しているほか、250億円を限度とした長期コミットメント・ライン契約を取引金融機関とシンジケーション形式により締結しております。
また、キャッシュ・マネージメント・システム等によりグループ全体の資金効率の向上に努めております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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