有価証券報告書-第95期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 17:02
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(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題の長期化、中国経済の減速等の影響が懸念される中で、全体としては緩やかに回復していたものの、2020年に入り世界的なCOVID-19の感染拡大により、経済活動が抑制される状況となり景気は急速に悪化しました。
わが国経済も、輸出や生産の弱さが続いたものの、雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、COVID-19の影響により、企業収益や個人消費の悪化が顕在化しております。
当社グループを取り巻く環境としては、非鉄金属相場は、亜鉛・鉛・銅・インジウム価格は下落したものの、貴金属価格は高騰しました。また、為替相場は円高基調で推移しました。
キャリア付極薄銅箔や排ガス浄化触媒の需要は堅調であったものの、世界的な自動車市場の減速により、自動車部品の需要は減少しました。
なお、COVID-19の影響により、当社グループの海外拠点も一部で操業停止を伴う大きな制限を受けるに至りました。
このような状況の下、当社グループは2024年のありたい姿である「機能材料、金属、自動車部品の3事業を核に、成長商品・事業を継続的に創出し、価値を拡大し続けている会社」を実現する成長基盤の変革を目指し、2019年を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「19中計」を策定し、昨年4月よりスタートいたしました。各事業セグメントにおいて「13、16中計の収穫」「19中計での成長戦略の実行」「変革を促す将来への布石」を実現するための重点施策に取り組みました。
具体的には、キャリア付極薄銅箔や四輪車向け排ガス浄化触媒の拡販、非鉄金属リサイクル事業の強化、チリのカセロネス銅鉱山の更なる操業改善に向けた支援、自動車部品事業のコスト競争力の強化等の諸施策を実施してまいりました。また、神岡水力発電の固定価格買取制度(以下、「神岡FIT」)の運用を開始いたしました。
この結果、売上高は、機能材料部門は増加したものの、その他の部門の減少により前連結会計年度に比べて245億円(4.9%)減少の4,731億円となりました。営業利益は、金属部門において、神岡FITの運用開始による好転要因があったものの、各部門において主要製品の販売量が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて51億円(28.5%)減少の130億円となりました。
経常利益は、持分法による投資損失14億円等を計上したこと等から、前連結会計年度に比べて84億円(47.5%)減少の93億円となりました。
特別損益においては、固定資産除却損21億円等を特別損失に計上しました。加えて、税金費用および非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて31億円(66.6%)減少の15億円となりました。
当連結会計年度のセグメント別の概況
①機能材料セグメント
[電池材料]
水素吸蔵合金は、ハイブリッド車の市場が好調に推移したことにより販売量は増加しましたが、リチウムイオン電池用のマンガン酸リチウムは、海外向けの需要が低調であったことから販売量は減少しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
[排ガス浄化触媒]
二輪車向け排ガス浄化触媒は、環境規制の強化を受け、一部車種での搭載個数が増加したこと等から販売量は増加しました。四輪車向け排ガス浄化触媒は、新規受注車種の量産を開始したことから販売量は増加しました。加えて、主要原料であるパラジウム・ロジウム価格が下半期に入り高騰したことから販売価格は上昇しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
[機能粉]
電子材料用金属粉は、主要顧客の生産調整の影響に加え、自動車向けの需要が低調であったことから販売量は減少しました。高純度酸化タンタルは、スマートフォン向けの需要が低調であったことにより販売量は減少しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
[銅箔]
キャリア付極薄銅箔は、半導体パッケージ基板向けの需要が堅調であったことから販売量は増加しました。プリント配線板用電解銅箔は、5G関連需要の立ち上がりにより通信インフラ向けの需要が堅調であったことから販売量は増加しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
なお、COVID-19の影響により、本年3月18日から海外子会社であるMitsui Copper Foil(Malaysia)Sdn.Bhd.の操業を停止しておりましたが、在庫販売による受注対応に加えて、日本ならびに台湾の生産拠点による緊急支援を実施したことから、当連結会計年度の業績に与える影響は軽微でありました。
[スパッタリングターゲット]
主力のディスプレー用スパッタリングターゲットは、国内の需要は前連結会計年度並みであったものの、海外主要顧客の生産調整により販売量が減少しました。また、主要原料であるインジウムの価格は下落基調で推移したこと等から販売価格は下落しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて23億円(1.4%)増加の1,678億円となりましたが、一方で、主要製品の一部の販売量が減少したことに加え、為替差損益が悪化したこと等により、経常利益は前連結会計年度に比べて32億円(19.3%)減少の133億円となりました。
②金属セグメント
[亜鉛]
国内の高耐食性メッキ鋼板向け需要は堅調に推移したものの、亜鉛メッキ鋼板向け需要は景気後退の影響により低調であったこと等から販売量は減少しました。加えて、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は下落基調で推移し、国内の亜鉛価格が下落したことから、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
[金・銀]
金・銀ともに国際相場が上昇したこと等から、売上高は前連結会計年度に比べて増加しました。
[鉛]
国内の鉛蓄電池向け需要は、自動車補修向けが低調であったものの、産業用向け需要の回復に加え、輸入品の減少による影響等により販売量は増加しました。一方、鉛のLME(ロンドン金属取引所)価格は総じて下落基調で推移し、国内の鉛価格が下落したことから、売上高は前連結会計年度に比べて減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて55億円(3.3%)減少の1,611億円となり、経常損益は、非鉄金属相場が下落したものの、原料の調達条件が改善したことや神岡FITの運用開始に加え、持分法による投資損益が改善したこと等から、前連結会計年度に比べて45億円改善の14億円の損失となりました。
③自動車部品セグメント
[自動車用ドアロック]
自動車の国内市場は、昨年の10月以降、消費税増税や災害の影響等により低調となりました。中国や米国市場は、米中貿易摩擦の長期化に加え、2020年に入りCOVID-19の影響により急速に悪化しました。これに伴い、主要製品であるサイドドアラッチの販売量は減少しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて134億円(12.9%)減少の905億円となり、経常利益は、コスト削減に取り組んだものの、販売量が減少したこと等から前連結会計年度に比べて42億円(90.0%)減少の4億円となりました。
④関連セグメント
[各種産業プラントエンジニアリング]
国内外プラント工事の受注環境が低調であったことに加え、前連結会計年度に計上した水力発電設備の工事進行基準による完成計上がなくなったこと等から、売上高は減少しました。
各種製品も総じて販売量は減少したこと等から、当部門の売上高は、前連結会計年度に比べて169億円(13.4%)減少の1,099億円となり、経常利益は、前連結会計年度に比べて34億円(70.4%)減少の14億円となりました。
主要な品目等の生産実績及び受注状況の当連結会計年度の推移は、次のとおりであります。
セグメント品目単位第1第2第3第4累計
四半期四半期四半期四半期
機能材料銅箔生産量千t678628
金属亜鉛生産量千t55555651219
生産量千t1518161768
自動車部品自動車部品生産金額億円210204213182811

* 亜鉛:共同製錬については当社シェア分
(2) 財政状態の状況
資産合計は、前連結会計年度末に比べ138億円増加の5,371億円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ202億円増加の3,638億円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ64億円減少の1,732億円となりました。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.8ポイント低下の30.7%となりました。
なお、財政状態の詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析 ①財政状態の状況」に記載しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ45億円収入減少の361億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ100億円支出減少の348億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ83億円収入増加の112億円の収入となりました。
以上の結果、為替換算差額等を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ111億円増加の326億円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績及び受注状況
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、セグメントごとの生産実績及び受注状況を正確に把握することは困難なため、主要な品目等についてのみ「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」において、各セグメントに関連付けて記載しております。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
機能材料167,8261.4
金属161,123△3.3
自動車部品90,581△12.9
関連109,916△13.4
調整額△56,338
合計473,109△4.9

(注) 1.セグメント間の取引については、各セグメントに含めて表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。その作成にあたっての重要な会計方針・見積りは、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。
なお、COVID-19の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べて245億円(4.9%)減少の4,731億円となりました。なお、各セグメントおよび主要製品別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 営業利益
機能材料セグメントは、主要製品の一部の販売量が減少したことに加え、インジウム価格の下落に伴うたな卸資産の在庫影響により悪化したこと等から、前連結会計年度に比べて5億円(3.5%)減少の150億円となりました。
金属セグメントは、非鉄金属相場が下落したことに加え、たな卸資産の在庫影響により悪化したものの、原料の調達条件が改善したことや神岡FITの運用開始による好転要因があったこと等から、前連結会計年度に比べて35億円改善の0億円の利益となりました。
自動車部品セグメントは、世界的な自動車市場の減速により自動車部品の需要が減少し、主要製品であるサイドドアラッチの販売量が減少したこと等から、前連結会計年度に比べて39億円(98.1%)減少の0億円となりました。
関連セグメントは、各種産業プラントエンジニアリングにおける完成工事高が減少したことに加え、各種製品も総じて販売量が減少したこと等から、前連結会計年度に比べて28億円(73.7%)減少の10億円となりました。
この結果、セグメントの調整額を加味した営業利益は、前連結会計年度に比べて51億円(28.5%)減少の130億円となりました。
③ 経常利益
営業利益が51億円減少したことに加え、為替差損益が31億円悪化したこと等から、営業外損益が32億円悪化した結果、経常利益は、前連結会計年度に比べて84億円(47.5%)減少の93億円となりました。
なお、各セグメント別の分析については、「(経営成績等の状況の概要)(1) 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3) 財政状態及びキャッシュ・フローの分析
① 財政状態の状況
資産合計は、受取手形及び売掛金72億円等の減少があったものの、現金及び預金111億円、たな卸資産97億円等の増加により、前連結会計年度末に比べ138億円増加の5,371億円となりました。
負債合計は、長・短借入金、社債およびコマーシャル・ペーパー残高161億円、支払手形及び買掛金23億円等の増加により、前連結会計年度末に比べ202億円増加の3,638億円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益15億円、繰延ヘッジ損益18億円の増加に加え、剰余金の配当39億円、為替換算調整勘定42億円、その他有価証券評価差額金9億円の減少等があり、前連結会計年度末に比べ64億円減少の1,732億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益57億円、減価償却費289億円、仕入債務の増加102億円、法人税等の還付額52億円の増加要因に対し、たな卸資産の増加124億円、法人税等の支払額67億円等の減少要因を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ45億円収入減少の361億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出294億円、投資有価証券の取得による支出33億円等により、前連結会計年度に比べ100億円支出減少の348億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短借入金、社債およびコマーシャル・ペーパーの増加170億円および配当金の支払39億円等から、前連結会計年度に比べ83億円収入増加の112億円の収入となりました。
以上の結果、為替換算差額等を含めた現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ111億円増加の326億円となりました。
③ 財政状態及びキャッシュ・フロー指標のトレンド
回次第91期第92期第93期第94期第95期
決算年月2016年3月2017年3月2018年3月2019年3月2020年3月
自己資本比率(%)35.033.532.432.530.7
時価ベースの自己資本比率(%)21.241.753.231.019.2
キャッシュ・フロー対有利子負債
比率(年)
3.88.64.05.36.5
インタレスト・カバレッジ・レシオ27.915.937.825.120.5

(注) 自己資本比率 :(純資産-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/支払利息
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている長・短期借入金、社債およびコマーシャル・ペーパーを対象としております。
支払利息は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社は、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、業績に応じた適正な利益配分を行うことを基本方針としております。
内部留保資金につきましては、市場ニーズに応える研究開発・生産体制を強化し、グローバル戦略の展開を図るために有効な投資を実行してまいります。
当連結会計年度における主な設備投資については、機能材料部門において、主要製品である四輪車向け排ガス浄化触媒の生産体制増強、銅箔の生産性向上に向けたスマート工場化を目的とした投資を行いました。また、その他の部門においては、主に設備の維持・更新を目的とした投資を行っております。この結果、当連結会計年度における有形固定資産の取得による支出は294億円となりました。これらの投資のための所要資金は、主に自己資金を充当しております。
手元流動性確保の手段としましては、短期社債(電子コマーシャルペーパー)発行枠500億円を設定しているほか、250億円を限度とした長期コミットメント・ライン契約を取引金融機関とシンジケーション形式により締結しております。
また、COVID-19の影響を踏まえ、手元流動性を高めることを目的とし、2020年3月末現預金残高は、前連結会計年度末に比べ111億円増加の326億円へ増額しており、急激な環境変化へ対応出来るよう備えております。
なお、キャッシュ・マネージメント・システム等によりグループ全体の資金効率の向上に努めております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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