有価証券報告書-第153期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)においては、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速など、海外情勢の先行き不透明感を背景とする海外需要の低迷に加え、相次ぐ大規模自然災害や消費税率引上げの影響が懸念されましたが、人手不足や働き方改革対応のための省力化・情報化投資、老朽化設備の維持更新投資のほか、公共投資も堅調で、我が国経済は、総じて緩やかな回復が続きました。一方で、景気の先行きについては、新型コロナウイルス感染症の全世界的な感染拡大の影響が世界経済に与える影響など、不透明感が高まる状況となりました。
このような経済環境の下、当社グループの当期の連結業績は、売上高は、1,652億15百万円(対前期比89億1百万円減)、営業利益は、86億93百万円(対前期比2億22百万円減)となりました。機械事業では、ロックドリル部門は、減収減益となりましたが、産業機械、ユニック部門の増収増益により、全体では増収増益となりました。素材事業では、化成品部門は、増収増益となりましたが、金属、電子部門の減収減益により、全体では減収減益となりました。また、不動産事業は、減収減益となりました。経常利益は、81億35百万円(対前期比1億円減)、特別利益に古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)の売却益5億83百万円ほかを計上し、また、特別損失に投資有価証券評価損10億29百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、44億31百万円(対前期比2億22百万円減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[産業機械]
マテリアル機械では、中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備の売上を計上し、増収となりました。また、大型プロジェクト案件では、東京外環自動車道工事向けベルトコンベヤ、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、中間貯蔵施設(福島県双葉郡大熊町)向けベルトコンベヤ、境川金森調整池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤ等について出来高に対応した売上を計上し、増収となりました。産業機械部門の売上高は、232億37百万円(対前期比52億65百万円増)、営業利益は、32億8百万円(対前期比11億19百万円増)となりました。
[ロックドリル]
国内では、都市再開発や建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルなどの出荷は好調を維持しました。トンネルドリルジャンボについては、リニア中央新幹線工事や北海道整備新幹線工事、中部横断自動車道工事向けの出荷がありましたが、熊本地震復旧・復興工事向けなどの出荷があった前期と比べ減少し、減収となりました。海外では、油圧クローラドリルの出荷が、特に北米において、排ガス3次規制機の出荷が好調であった前期と比べ減少し、また、その他の地域は、市況悪化により総じて振るわず、減収となりました。ロックドリル部門の売上高は、276億63百万円(対前期比27億9百万円減)、営業利益は、1億42百万円(対前期比15億47百万円減)となりました。
[ユニック]
国内では、主力製品であるユニッククレーンは、昨年3月の移動式クレーン構造規格の一部改正前に駆け込み需要があった受注機の出荷増、昨年9月の小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要のほか、大手レンタル向けの出荷も好調で、増収となりました。海外では、ユニッククレーンは、主として東南アジア諸国での景気減速傾向が強まっており、出荷は減少し、減収となりました。ユニック部門の売上高は、317億91百万円(対前期比25億53百万円増)、営業利益は、39億92百万円(対前期比12億3百万円増)となりました。
産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、826億91百万円(対前期比51億10百万円増)、営業利益は、73億43百万円(対前期比7億75百万円増)となりました。
[金 属]
電気銅の海外相場は、米中貿易摩擦の長期化懸念や中東情勢の緊迫化などから、昨年内は5,500米ドル/トンから6,000米ドル/トンの間で推移しました。米中貿易交渉合意への期待感から1月には6,300米ドル/トンまで回復したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による世界経済成長の減速見通しから急落し、期末には4,797米ドル/トンで取引を終えました。電気銅の国内建値は、4月に76万円/トンで始まり、期末には58万円/トンとなりました。伸銅需要は、電子機器向けが回復傾向にありましたが、第4四半期には軟化、一方、電線需要は、建設工事向けなどの需要が堅調に推移しました。電気銅の販売数量は、83,864トン(対前期比1,282トン減)で、海外相場の下落もあり減収となりました。電気金は、生産数量の減少に伴い減収となりました。金属部門の売上高は、671億49百万円(対前期比129億18百万円減)、営業利益は、3億1百万円(対前期比2億80百万円減)となりました。
[電 子]
高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体用などの需要が、2019年初から国内、海外向けともにユーザーの在庫調整により低迷しており、減収となりました。また、結晶製品は、個別半導体用などで需要が軟化しており、減収となりました。電子部門の売上高は、55億6百万円(対前期比10億21百万円減)、営業損失は、35百万円(前期は4億7百万円の利益)となりました。
[化成品]
硫酸は、販売数量は減少しましたが、2018年下期以降実施した価格改定による販売単価の上昇や低鉄硫酸など高付加価値品の販売数量増加により、増収となりました。また、亜酸化銅、めっき用酸化銅は、販売数量が増加し、増収となりました。化成品部門の売上高は、67億10百万円(対前期比5億83百万円増)、営業利益は、5億10百万円(対前期比1億3百万円増)となりました。
金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、793億66百万円(対前期比133億55百万円減)、営業利益は、7億76百万円(対前期比6億19百万円減)となりました。
[不動産]
主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)における大口テナント減床の影響や、古河大阪ビルのテナントの退出により、減収となりました。なお、古河大阪ビルは、昨年12月末をもって閉館しました。不動産事業の売上高は、23億86百万円(対前期比6億13百万円減)、営業利益は、7億35百万円(対前期比4億27百万円減)となりました。
[その他]
運輸業等を行っています。売上高は、7億71百万円(対前期比42百万円減)、営業損失は、94百万円(対前期比52百万円の損失減)となりました。
当期末の総資産は、対前期末比56億70百万円減の2,096億97百万円となりました。これは、主として上場株式の株価下落による投資有価証券の減少によるものです。有利子負債(借入金)は、対前期末比21億84百万円減の704億12百万円となり、負債合計は、対前期末比31億90百万円減の1,317億30百万円となりました。純資産は、対前期末比24億80百万円減の779億66百万円となり、自己資本比率は、対前期末比0.3ポイント減少し、36.0%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益の計上などにより84億円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得による支出により50億73百万円の純支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済による支出や配当金の支払額のほか、資本効率の向上を図り、機動的な資本政策を遂行するため実行した自己株式の取得による支出等により48億43百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、対前期末比15億70百万円減の126億46百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、84億円の純収入で、対前期比33億84百万円の収入減となりました。主として、仕入債務の減少ほかの営業活動に係る資産・負債の増減により収入が減少したこと、また、法人税等の純支払額が増加したことによるものです。
(参考)
※減価償却や減損損失等の非資金損益項目のほか、営業外損益、特別損益項目の調整を含みます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、50億73百万円の純支出で、対前期比16億87百万円の支出増となりました。主として、「中期経営計画2019」で計画した「モノづくり力の強化」を支える設備投資計画として、高崎吉井工場の生産能力増強や佐倉工場の三極生産体制(日本、中国、タイ)におけるマザー工場機能強化を目的とした設備投資など、当期の有形固定資産および無形固定資産の取得による支出61億70百万円(対前期比13億43百万円の支出増)によるものです。また、有形固定資産の売却による収入は、古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)の売却など10億58百万円(対前期比1億87百万円の収入減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、48億43百万円の純支出で、対前期比6億37百万円の支出増となりました。主として、有利子負債(借入れによる収入および返済による支出の純増減)削減による支出21億74百万円(対前期比14億95百万円の支出増)のほか、自己株式の取得による支出4億20百万円(対前期比7億87百万円の支出減)によるものです。
③生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績)
当連結会計年度の売上高は、対前期比89億1百万円(△5.1%)減少し、1,652億15百万円となりました。減収の要因は、主に以下のとおりです。
産業機械部門では、マテリアル機械で、セクションプラント案件として中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備が増収となり、また、大型プロジェクト案件で、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、中間貯蔵施設(福島県双葉郡大熊町)向けベルトコンベヤ、また、新たに受注した境川金森調整池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤについて出来高に対応した売上高を計上したことなどにより、52億65百万円(29.3%)の増収となりました。
ロックドリル部門の売上高は、27億9百万円(△8.9%)の減収となりました。国内売上高は、都市再開発や建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルなどの出荷は好調を維持しましたが、トンネルドリルジャンボについては、リニア中央新幹線工事や北海道整備新幹線工事向けの出荷があったものの、前期と比べ減収となったことなどにより7億55百万円の減収となりました。また、海外売上高は、油圧クローラドリルの出荷が、主として、特に北米において、排ガス3次規制機の出荷が好調であった前期と比べ減少したことにより、19億53百万円の減収となりました。
ユニック部門の売上高については、25億53百万円(8.7%)の増収となりました。国内売上高は、主力製品であるユニッククレーンについては、昨年3月の移動式クレーン構造規格の一部改正前に駆け込み需要があった受注機の出荷増などにより好調で、27億8百万円の増収となりました。また、海外売上高は、主として、東南アジア諸国での景気減速傾向の強まりによる出荷減少で、1億54百万円の減収となりました。
金属部門の売上高は、129億18百万円(△16.1%)の減収となりました。電気銅の販売数量は、83,864トン(対前期比1,282トン減)で、海外相場の下落により66億20百万円の減収となりました。また、電気金は、生産数量の減少により63億20百万円の減収となりました。
当連結会計年度の売上原価は、対前期比87億34百万円(△5.9%)減少し、1,389億40百万円となりました。売上原価率は0.7ポイント減少し、84.1%となりました。また、販売費及び一般管理費は、55百万円(0.3%)増加し、175億82百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は、対前期比2億22百万円(△2.5%)減少し、86億93百万円となりました。営業利益率は0.2ポイント増加し、5.3%となりました。減益の要因は、主に以下のとおりです。
産業機械およびユニック部門は、増収による増益を主因として、産業機械部門は、32億8百万円(対前期比11億19百万円増)、ユニック部門は、39億92百万円(対前期比12億3百万円増)となりました。
一方、ロックドリル部門は、減収による減益を主因として1億42百万円(対前期比15億47百万円減)、電子部門は、半導体市況の悪化による高純度金属ヒ素や結晶製品の減収により35百万円の営業損失(前期は4億7百万円の利益)となりました。金属部門は、電気金は海外相場の価格上昇により増益となりましたが、電気銅は鉱石買鉱条件の悪化や製錬費の増加等、製錬採算の悪化により3億1百万円(対前期比2億80百万円減)となりました。不動産事業は、室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)における大口テナント減床の影響や、古河大阪ビルのテナント退出による減収により7億35百万円(対前期比4億27百万円減)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、古河大阪ビルのテナント退去交渉が終了したことに伴うテナント退去補償関連費用引当金戻入額2億64百万円を計上したことなどにより、対前期比2億79百万円増加し、15億95百万円となりました。営業外費用は、前期にシンジケートローン組成に伴う費用を計上した金融諸費は、1億4百万円(対前期比1億75百万円減)、持分法投資損失は50百万円(対前期比99百万円減)の計上となりましたが、為替差損を5億53百万円(対前期比4億98百万円増)計上したことなどにより、対前期比1億57百万円増加し、21億53百万円となりました。
当連結会計年度の特別利益は、古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)売却に伴う固定資産売却益5億83百万円のほか、資産の効率性改善のため遊休資産や投資有価証券の売却を行い、固定資産売却益6億54百万円(対前期比4億31百万円増)、投資有価証券売却益20百万円(対前期比1億94百万円減)ほかを計上したことから、対前期比2億19百万円増加し、7億1百万円となりました。特別損失は、上場株式の株価下落による投資有価証券評価損10億29百万円(前期は計上なし)を計上しましたが、前期は古河大阪ビルについて、競争力のある賃貸テナントビルとして継続していくことが困難であると判断し計上した減損損失15億61百万円のほか16億9百万円(当期は2億40百万円)の減損損失計上があり、対前期比1億58百万円減少し、15億55百万円となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、対前期比4億89百万円増加し、26億39百万円となりました。法人税等の負担率は、投資有価証券評価損計上に伴う評価性引当額の増加などにより5.6ポイント増加し、36.3%となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は、11百万円増加し、2億9百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前期比2億22百万円(△4.8%)減少し、44億31百万円となりました。
(当社グループの当連結会計年度末の財政状態)
当連結会計年度末の流動資産は、対前期末比17億15百万円(△2.0%)減少し、857億25百万円となりました。減少の要因は、主に現金及び預金が16億81百万円(△11.7%)減少したことによります。現金及び預金の減少については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照願います。
当連結会計年度末の固定資産は、対前期末比39億55百万円(△3.1%)減少し、1,239億71百万円となりました。減少の要因は、主に有形固定資産および無形固定資産が16億53百万円(1.9%)増加した一方で、投資有価証券が57億30百万円(△17.3%)減少したことによります。有形固定資産および無形固定資産の増加については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおり、当連結会計年度は、主に、59億38百万円の設備投資を実施したことによります。また、当連結会計年度の減価償却費は、35億89百万円の計上となりました。投資有価証券の減少については、上場株式の株価下落により時価評価額が減少したことによります。なお、上場株式の保有状況は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」をご参照願います。
以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、対前期末比56億70百万円(△2.6%)減少し、2,096億97百万円となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、対前期末比78億21百万円(△13.0%)減少し、525億55百万円となりました。減少の要因は、主に短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含みます。)が56億22百万円(△32.7%)減少したほか、仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)および未払金を合計した負債が23億4百万円(△6.6%)減少したことによります。
当連結会計年度末の固定負債は、対前期末比46億30百万円(6.2%)増加し、791億75百万円となりました。増加の要因は、主に長期借入金が34億38百万円(6.2%)増加したことによります。なお、長期借入金の年度別要支払額については、以下(当社グループの資本の財源および資金の流動性)b)契約債務に記載のとおりです。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、対前期末比31億90百万円(△2.4%)減少し、1,317億30百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、対前期末比24億80百万円(△3.1%)減少し、779億66百万円となりました。減少の要因は、主に利益剰余金が26億15百万円(6.2%)増加した一方で、上場株式の株価下落による時価評価額の減少で、その他有価証券評価差額金が39億75百万円(△42.6%)減少したことによります。なお、利益剰余金の増加については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により44億31百万円増加し、剰余金の配当を実施したことにより19億77百万円減少したことなどによります。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向の影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニッククレーンは、トラックの国内需要動向の影響を受けます。
銅をはじめとする金属製品は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子部門は、半導体市場の動向の影響を受けます。なお、事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照願います。
(当社グループの資本の財源および資金の流動性)
a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b)契約債務
2020年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2020年3月31日現在の債務保証額は、2,847百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、2020年3月31日現在の契約総額は、38,102百万円(借入実行額7,662百万円)です。また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰りの対応として、手元現預金を通常より厚くしておくことが必要と判断し、上記の当座貸越契約および貸出コミットメント契約とは別に、2020年5月29日に取引金融機関から長期運転資金100億円を調達いたしました。
c)連結キャッシュ・フロー配分と資本政策
当社グループは、2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、推進してきました。連結営業キャッシュ・フローの配分については、堅固な財務基盤の確立を目指しつつ、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」を行うとともに、株主還元に配慮した連結営業キャッシュ・フローの適正配分に努めていくこととしております。更に、5月8日開催の取締役会において策定、公表した「中期経営方針2022」において、「2025年ビジョン」の最終年度である2025年度の財務水準を以下のとおり、日系格付機関による発行体格付で現行比ワンノッチアップとなるBBB+以上の取得が可能となる財務水準をイメージし、今後とも継続して財務の健全性向上に努め、最適資本構成の追求をしていくこととしました。

2017年度から2019年度の3年間の連結営業キャッシュ・フローの実績累計額は、255億37百万円で、3年間の累計額(イメージ)を250億円程度としていた「中期経営計画2019」の達成率は102%で、イメージどおりの資金獲得となりました。また、獲得した資金の配分についての実績累計額および「中期経営計画2019」の達成率は以下のとおりです。
なお、「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズを担う「中期経営計画2022」については、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により公表を延期したため、2020年度から2022年度の3年間を対象とした連結キャッシュ・フローの配分については、新中期経営計画の策定が可能となった段階で速やかに公表します。


有利子負債の削減については、2016年度末の有利子負債残高735億7百万円から3年間で30億94百万円削減([連結キャッシュ・フロー配分の概要]の有利子負債の増△減には為替換算差額による増△減額を含んでおりません。)し、704億12百万円となりました。「中期経営計画2019」でイメージした有利子負債の削減30億円に対する達成率は103%となりました。当社グループは、今後も財務レバレッジに過度に依存することなく、効率性、収益性の改善に最優先で取り組み、「中期経営方針2022」で掲げた2025年度の財務水準(イメージ)を達成すべく、財務の健全性向上に努めていきます。
設備投資への資金配分については、コア事業と位置づける機械事業を中心に、「中期経営計画2019」では3年間の設備投資額を160億円程度としました。2017年度から2019年度の実績累計額は164億3百万円、達成率は103%となりました。なお、設備投資等の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」を、また重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照願います。今後も「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」に取り組むべく、機械事業を中心に「モノづくり力の強化」を支える設備投資を実施していきます。
資本政策については、株主還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部留保の確保を念頭に、今後の事業展開、その他諸般の事情を総合的に勘案して、成果の配分を実施することを基本方針としており、原則として、連結による損益を基礎とし、特別な損益状態である場合を除き、1株当たり50円の年間配当金および連結配当性向30%以上をめどに、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。「中期経営計画2019」では3年間の配当総額(イメージ)を60億円としました。2017年度から2019年度の各年度の年間配当金は、1株当たり50円、連結配当性向は40%以上で、実績累計額は60億17百万円、達成率は100%となりました。
なお、2018年11月に続き、2020年2月にも自己株式の取得を実施し、2017年度から2019年度に取得した株式の総数は1,186,300株、取得価額の総額は16億31百万円となりました。自己株式の取得・消却については、株価の動向や資本効率、キャッシュ・フロー等を勘案しつつ、適宜検討していきます。
(当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において連結営業利益150億円の常態化、二桁台のROEを掲げ、「2025年ビジョン」を具現化していくための第1フェーズとして、2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、最終年度である2019年度に、マイルストーンとして連結営業利益85億円程度、ROE6%~7%程度とする経営指標を設定いたしました。
「中期経営計画2019」の対象期間である2017年度から2019年度の連結業績の推移、最終年度である2019年度実績の2019年度(イメージ)の達成率および「中期経営計画2019」スタート前年の2016年度(比較基準年)に対する比率は、以下のとおりです。

当連結会計年度の売上高は、1,652億15百万円で、「中期経営計画2019」の最終年度である2019年度(イメージ)に対する達成率は99%となりました。
セグメント別では、コア事業と位置づける機械事業の達成率は98%、素材事業は100%、不動産事業は95%となりました。また、2016年度(比較基準年)に対する比率は、機械事業は124%、素材事業は101%、不動産事業は78%となりました。

当連結会計年度の営業利益は、86億93百万円で、経営指標として掲げた営業利益85億円に対する達成率は102%となり、2018年度実績の89億15百万円に続き、2期連続して目標を達成しました。
セグメント別では、ロックドリル部門は2019年度の海外売上高の減収により対前期比で大幅な減益となり、達成率は9%となりましたが、「中期経営計画2019」の最終年度である2019年度(イメージ)の営業利益を大幅に超える利益計上となった産業機械部門の達成率は257%となり、また、ユニック部門は国内の安定的な収益を確保し、達成率は117%となりました。以上の結果、機械事業の達成率は117%となりました。
金属部門は製錬採算の悪化などにより、達成率は43%となりました。電子部門は半導体市況の悪化による減収により対前期比で減益、営業損失の計上となりました。また、化成品部門は「中期経営計画2019」の3年間を通じ安定的な利益計上となり、達成率は128%となりました。以上の結果、素材事業の達成率は55%となりました。
不動産事業は2019年度の賃貸収入の減少により対前期比で減益となり、達成率は74%となりました。

「中期経営計画2019」では機械事業をコア事業と位置づけ、「新たな成長の礎を構築」する期間とし、2019年度(イメージ)の営業利益を62億円、構成比を72%としました(機械事業の2016年度実績(比較基準年)の営業利益は35億円、構成比は53%。)。2019年度実績の営業利益は73億円、構成比は83%で2019年度(イメージ)比1.2倍、2016年度(比較基準年)比2.1倍となりました。

ROE向上に向けた取り組みの強化・浸透については、ROEの構成要素のうち、収益性と効率性の改善に最優先で取り組むこととしております。更に2018年度から資本コストを的確に把握するとともに、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資等を含む経営資源の配分等に際し、資本コストを考慮した事業ポートフォリオマネジメントの運用を開始しました。
ROEの構成要素について2016年度(比較基準年)との比較で、2019年度は上場株式の株価下落による投資有価証券評価損10億29百万円を特別損失に計上したことによる当期純利益率の悪化を主因として、収益性は低下しました。また、効率性は改善、レバレッジは低下し、ROEは5.8%となりました。2018年度についても古河大阪ビルの減損損失15億61百万円を計上したことによる当期純利益率の悪化を主因として、収益性は低下し、ROEは5.7%にとどまり、「中期経営計画2019」で掲げた経営指標の目標のうちROE(6%~7%程度)については、第1フェーズ(2017年度から2019年度)3年間を通じ目標未達となりました。
(セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析検討の内容)
ROE向上の取り組みの強化・浸透を図るべく、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・管理指標とし、ROAの構成要素として収益性(売上高営業利益率)、効率性(総資産回転率)の改善に取り組んできました。2016年度(比較基準年)および2019年度の状況は以下のとおりです。なお、セグメントごとの第1フェーズ(2017年度から2019年度)の取り組みおよび今後の課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 中期的な経営戦略」をご参照願います。

産業機械部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は116%、営業利益は257%となりました。ROAは2016年度の0.5%から12.9ポイント改善し13.4%となりました。特に収益性(営業利益率)の改善は、単なる機器メーカーからの脱却を目指し、顧客の戦略的パートナーとなるべく2018年4月1日付で、それぞれ別の本部下にあった営業部門と設計部門を事業本部ごとに統合する組織再編を実施、エンジニアリング力の強化を図ってきた成果として、独自のベルトコンベヤによる搬送技術の提案が、複数の大型プロジェクト案件に採用され、コントラクタ事業の拡大を図ることができたこと、また、マテリアル機械においても、セクションプラント工事案件への技術提案により破砕機やスクリーン、造粒機や一部プラント設備等を受注し、売上高は2016年度比で165%、営業利益は3,071%と伸ばすことができたことによると認識しています。
ロックドリル部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は83%、営業利益は9%となりました。ROAは2016年度の2.9%から2.5ポイント悪化し0.4%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、2017年度および2018年度は、国内においてはトンネルドリルジャンボや都市再開発・建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルの出荷が好調であったことに加え、海外においては欧米を中心に油圧クローラドリルの出荷が好調であったことなどにより、収益性(営業利益率)は、2016年度の3.3%から2017年度5.9%、2018年度5.6%と改善していましたが、2019年度は0.5%となりました。これは、売上高は2016年度比で103%であった一方、油圧クローラドリルの先進国での排ガス規制対応に伴うコストアップおよび2017年度から開始した高崎吉井工場の設備投資による減価償却費等の負担増加などにより営業利益は2016年度比16%にとどまったことによります。また、ロックドリル部門については、固定資産投資のほか在庫投資も増加しておりますので、効率性(総資産回転率)の改善に努めていきます。なお、ロックドリル部門の業績などを勘案し、高崎吉井工場の第2期以降の設備投資について、延期・見直しをすることといたしました。
ユニック部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は104%、営業利益は117%となりました。ROAは2016年度の11.2%から1.8ポイント改善し13.0%となりました。2016年度から開始した佐倉工場の設備投資に伴う総資産の増加、また、鋼材価格の上昇に加え、製造しながらの設備投資の実施による生産コストの上昇で2017年度および2018年度の効率性(総資産回転率)、収益性(営業利益率)の両指標とも2016年度から悪化し、ROAも2017年度8.9%、2018年度9.7%となっていました。一方、2019年度の売上高は、2016年度比で123%となり、営業利益は2016年度比155%になったことにより、収益性(営業利益率)は2016年度の9.9%から2.6ポイント改善し12.5%となりました。これは、国内においてはユニッククレーンの高機能化・高付加価値化による競争力強化を更に図るため、操作性・安全性を各段に高めたフルモデルチェンジ機(G-FORCEシリーズ)の安全強化モデルの販売や、海外においては販売店網の再整備・販売力の強化に加え、海外輸出機の生産拠点の拡張、整備を行ってきたこと、また、佐倉工場の設備投資による投資効果についても生産効率の向上など、収益性の向上に寄与し始めたことによると認識しています。
金属部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は100%、営業利益は43%となりました。ROAは2016年度の6.2%から5.1ポイント悪化し1.1%となりました。当部門では、原料銅鉱石、地金製品ともに国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢など国際市況の動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けるため、収益の変動は大きくなります。このため、為替予約取引や、先物取引を利用したヘッジ等によりこれらの影響の軽減を図るとともに、収益体質の向上のため、採算重視の最適生産・販売体制の確立に努めておりますが、鉱石買鉱条件の悪化や製錬費の増加等、製錬採算は厳しいものとなってきており、収益性(営業利益率)は2016年度の2.6%から0.5%へ悪化しています(2017年度は1.1%、2018年度は0.7%。)。金属部門については、委託製錬事業の採算性と将来性の見極めを行っていきます。
電子部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は86%、営業利益は損失の計上となりました。ROAは2016年度の0.2%から0.7ポイント悪化し△0.5%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、2017年度および2018年度は、成熟製品と位置づける高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体が好調で、また、結晶製品も個別半導体用の結晶が好調であったため、収益性(営業利益率)は2017年度5.2%、2018年度6.2%で、ROAも2017年度は4.5%、2018年度は6.2%と順調に改善していましたが、2019年度は半導体市況の悪化による成熟製品の減収減益を主因として営業損失の計上となりました。これら成熟製品から窒化アルミ、回折光学素子(DOE)およびハイブリッドコイルなど戦略製品への移行に全力で取り組んでいきます。
化成品部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は112%、営業利益は128%となりました。ROAは2016年度の0.7%から2.4ポイント改善し3.1%となりました。収益性(営業利益率)は、売上高は2016年度比127%、営業利益は2016年度比445%と伸ばすことができたことにより、2016年度の2.1%から5.5ポイント改善し7.6%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、硫酸、亜酸化銅、めっき用酸化銅など既存製品や低鉄硫酸などの高付加価値製品による収益拡大が寄与したと認識しています。
不動産事業は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は95%、営業利益は74%となりました。ROAは2016年度の4.0%から1.3ポイント悪化し2.7%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、2017年度から古河大阪ビルのテナント退去交渉を開始し、2019年12月末をもって同ビルを閉館しましたが、この間、テナントの退出により賃貸収入が減少したこと、また、主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、順調な稼働を続けていましたが、2018年度第4四半期から大口テナントの減床の影響による賃貸収入の減少で、収益性(営業利益率)は2016年度の39.4%から30.7%へ悪化しています(2017年度は39.9%、2018年度38.5%。)。一方で、経営資源の有効活用を図ることを目的として、遊休資産や2019年4月に売却した古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)など収益貢献が見込まれなくなった資産の売却を進め、効率性(総資産回転率)の維持に努めており、また、室町古河三井ビルディングの安定収益の確保を図るとともに、古河大阪ビルの将来構想の決定をし、収益性の改善を図っていきます。
(新型コロナウイルス感染症がセグメントごとの経営成績等に与える可能性および主要なリスク)
当社グループは、産業機械、ロックドリル、ユニック、金属、電子、化成品、不動産、その他の各セグメントで構成され、各セグメントの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響やその影響が及ぶ期間については濃淡があります。
当社グループの経営環境に及ぼす影響については不確実性が高いこと、また、合理的に算定することが困難であることから、2021年3月期の業績予想については未定としておりますが、現段階における当社グループの各セグメントへの主な影響は以下のとおりです。
[産業機械]
産業機械部門の製品の多くは、受注生産を基本とし、主に国内市場を対象としています。受注済みの案件では、政府の緊急事態宣言の発出を受けて、工事の中断や延期等がありますが、その影響は軽微で、新規の受注活動についても6月以降、徐々に再開しております。今後、設備投資意欲の減退も懸念されるところですが、現段階では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については限定的なものと想定しています。
[ロックドリル]
国内においては、政府の緊急事態宣言発出後の工事の中断や延期などにより、機械の稼働率は低下しており、新たな機械購入を一時的に見送るなど、新規需要に影響が出始めております。海外においては、一部の国や地域を除いて、依然として外出は制限されるなど、経済活動は再開されていない状況が続いており、需要は低迷し製品納入の延期要請を受けるなど、出荷や新規の受注活動に影響が出ております。
[ユニック]
国内においては、トラックメーカーの操業一時停止による受注済み製品の納入の延期などの影響や、政府の緊急事態宣言発出を受けた工事の中断や延期など、先行き不透明感からクレーンの需要に影響が出ています。海外においては、国や地域により濃淡はありますが、依然として外出は制限されるなど、経済活動は再開されていない状況が続いており、顧客の購入意欲の減退もあって、新規の受注活動に影響が出ています。
[金 属]
国内における電気銅の需要は、政府の緊急事態宣言発出を受けた工事の中断や、自動車メーカーの生産調整などによる影響を受けていますが、一方で、他国に先駆け経済活動を再開した中国向けの需要は増加しています。また、原料調達については、鉱石買鉱条件は年間契約であり、ほぼ予定どおりの原料調達ができており、現段階では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については限定的なものと想定しています。
[電 子]
電子部門の製品の多くは、スマートフォンや各種電気機器、自動車、航空機などの原材料や部品であり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がこれらの生産活動に影響を及ぼし、主力製品である高純度金属ヒ素や結晶製品、コイルなどの需要への影響が出ています。
[化成品]
化成品部門の製品の多くは、下水処理や排水処理用の薬剤などライフラインに関連するものであり、一部、亜酸化銅やめっき用酸化銅などの原料調達面での影響はあるものの、現段階では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については限定的なものと想定しています。
[不動産]
主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の商業施設は、4月4日以降、臨時休館となり、5月25日の政府および東京都の緊急事態宣言解除を受け、商業施設の営業は順次再開していますが、来館者も平常時の状況に戻るまでは時間を要し、賃料収入の減少などの影響を想定しています。
②重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
a)退職給付債務および年金資産の算定
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けており、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産に基づき退職給付に係る負債を計上しております。退職給付債務および年金資産は、割引率や期待運用収益率等の数理計算上の仮定に基づいて算出されております。
当社グループの割引率の決定には、主としてイールドカーブ等価アプローチを採用しています。具体的には、予想支払年度に該当する国債イールドカーブ上の利回りを各年度の退職給付見込額(過去期間分)にそれぞれ割り当て、割引現在価値を計算した結果を合計することにより算定した退職給付債務と、単一の割引率により割引現在価値計算をした退職給付債務が等しい結果となる単一の割引率を加重平均割引率として決定しています。当連結会計年度末における割引率は主として0.2%です。
当社グループは、年金資産の過去の運用実績と将来収益に対する予測を評価することにより長期期待運用収益率を設定しております。当連結会計年度末における長期期待運用収益率は主として2.0%です。
したがって、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (13) 退職給付債務について」に記載したとおり、退職給付債務等の計算の基礎として採用した割引率や期待運用収益率等の前提条件と実際の結果との間に差異が生じた場合、または前提条件が変更された場合には、退職給付債務および退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。割引率および長期期待運用収益率が低下した場合の連結財務諸表への影響は以下のとおりです。
また、当社は2020年4月1日付で退職金制度を改定しており、改定内容および2021年3月期の連結財務諸表に与える予定の影響額を「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)においては、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速など、海外情勢の先行き不透明感を背景とする海外需要の低迷に加え、相次ぐ大規模自然災害や消費税率引上げの影響が懸念されましたが、人手不足や働き方改革対応のための省力化・情報化投資、老朽化設備の維持更新投資のほか、公共投資も堅調で、我が国経済は、総じて緩やかな回復が続きました。一方で、景気の先行きについては、新型コロナウイルス感染症の全世界的な感染拡大の影響が世界経済に与える影響など、不透明感が高まる状況となりました。
このような経済環境の下、当社グループの当期の連結業績は、売上高は、1,652億15百万円(対前期比89億1百万円減)、営業利益は、86億93百万円(対前期比2億22百万円減)となりました。機械事業では、ロックドリル部門は、減収減益となりましたが、産業機械、ユニック部門の増収増益により、全体では増収増益となりました。素材事業では、化成品部門は、増収増益となりましたが、金属、電子部門の減収減益により、全体では減収減益となりました。また、不動産事業は、減収減益となりました。経常利益は、81億35百万円(対前期比1億円減)、特別利益に古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)の売却益5億83百万円ほかを計上し、また、特別損失に投資有価証券評価損10億29百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、44億31百万円(対前期比2億22百万円減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[産業機械]
マテリアル機械では、中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備の売上を計上し、増収となりました。また、大型プロジェクト案件では、東京外環自動車道工事向けベルトコンベヤ、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、中間貯蔵施設(福島県双葉郡大熊町)向けベルトコンベヤ、境川金森調整池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤ等について出来高に対応した売上を計上し、増収となりました。産業機械部門の売上高は、232億37百万円(対前期比52億65百万円増)、営業利益は、32億8百万円(対前期比11億19百万円増)となりました。
[ロックドリル]
国内では、都市再開発や建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルなどの出荷は好調を維持しました。トンネルドリルジャンボについては、リニア中央新幹線工事や北海道整備新幹線工事、中部横断自動車道工事向けの出荷がありましたが、熊本地震復旧・復興工事向けなどの出荷があった前期と比べ減少し、減収となりました。海外では、油圧クローラドリルの出荷が、特に北米において、排ガス3次規制機の出荷が好調であった前期と比べ減少し、また、その他の地域は、市況悪化により総じて振るわず、減収となりました。ロックドリル部門の売上高は、276億63百万円(対前期比27億9百万円減)、営業利益は、1億42百万円(対前期比15億47百万円減)となりました。
[ユニック]
国内では、主力製品であるユニッククレーンは、昨年3月の移動式クレーン構造規格の一部改正前に駆け込み需要があった受注機の出荷増、昨年9月の小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要のほか、大手レンタル向けの出荷も好調で、増収となりました。海外では、ユニッククレーンは、主として東南アジア諸国での景気減速傾向が強まっており、出荷は減少し、減収となりました。ユニック部門の売上高は、317億91百万円(対前期比25億53百万円増)、営業利益は、39億92百万円(対前期比12億3百万円増)となりました。
産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、826億91百万円(対前期比51億10百万円増)、営業利益は、73億43百万円(対前期比7億75百万円増)となりました。
[金 属]
電気銅の海外相場は、米中貿易摩擦の長期化懸念や中東情勢の緊迫化などから、昨年内は5,500米ドル/トンから6,000米ドル/トンの間で推移しました。米中貿易交渉合意への期待感から1月には6,300米ドル/トンまで回復したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による世界経済成長の減速見通しから急落し、期末には4,797米ドル/トンで取引を終えました。電気銅の国内建値は、4月に76万円/トンで始まり、期末には58万円/トンとなりました。伸銅需要は、電子機器向けが回復傾向にありましたが、第4四半期には軟化、一方、電線需要は、建設工事向けなどの需要が堅調に推移しました。電気銅の販売数量は、83,864トン(対前期比1,282トン減)で、海外相場の下落もあり減収となりました。電気金は、生産数量の減少に伴い減収となりました。金属部門の売上高は、671億49百万円(対前期比129億18百万円減)、営業利益は、3億1百万円(対前期比2億80百万円減)となりました。
[電 子]
高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体用などの需要が、2019年初から国内、海外向けともにユーザーの在庫調整により低迷しており、減収となりました。また、結晶製品は、個別半導体用などで需要が軟化しており、減収となりました。電子部門の売上高は、55億6百万円(対前期比10億21百万円減)、営業損失は、35百万円(前期は4億7百万円の利益)となりました。
[化成品]
硫酸は、販売数量は減少しましたが、2018年下期以降実施した価格改定による販売単価の上昇や低鉄硫酸など高付加価値品の販売数量増加により、増収となりました。また、亜酸化銅、めっき用酸化銅は、販売数量が増加し、増収となりました。化成品部門の売上高は、67億10百万円(対前期比5億83百万円増)、営業利益は、5億10百万円(対前期比1億3百万円増)となりました。
金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、793億66百万円(対前期比133億55百万円減)、営業利益は、7億76百万円(対前期比6億19百万円減)となりました。
[不動産]
主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)における大口テナント減床の影響や、古河大阪ビルのテナントの退出により、減収となりました。なお、古河大阪ビルは、昨年12月末をもって閉館しました。不動産事業の売上高は、23億86百万円(対前期比6億13百万円減)、営業利益は、7億35百万円(対前期比4億27百万円減)となりました。
[その他]
運輸業等を行っています。売上高は、7億71百万円(対前期比42百万円減)、営業損失は、94百万円(対前期比52百万円の損失減)となりました。
当期末の総資産は、対前期末比56億70百万円減の2,096億97百万円となりました。これは、主として上場株式の株価下落による投資有価証券の減少によるものです。有利子負債(借入金)は、対前期末比21億84百万円減の704億12百万円となり、負債合計は、対前期末比31億90百万円減の1,317億30百万円となりました。純資産は、対前期末比24億80百万円減の779億66百万円となり、自己資本比率は、対前期末比0.3ポイント減少し、36.0%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益の計上などにより84億円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主として有形固定資産の取得による支出により50億73百万円の純支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済による支出や配当金の支払額のほか、資本効率の向上を図り、機動的な資本政策を遂行するため実行した自己株式の取得による支出等により48億43百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、対前期末比15億70百万円減の126億46百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、84億円の純収入で、対前期比33億84百万円の収入減となりました。主として、仕入債務の減少ほかの営業活動に係る資産・負債の増減により収入が減少したこと、また、法人税等の純支払額が増加したことによるものです。
(参考)
| 2018年度 (百万円) | 2019年度 (百万円) | 増△減 (百万円) | |
| 税金等調整前当期純利益 | 7,003 | 7,280 | 277 |
| 非資金損益項目等の調整※ | 4,418 | 3,826 | △591 |
| 非資金損益項目等の調整後収入 | 11,421 | 11,107 | △314 |
| 営業活動に係る資産・負債の増減 | 1,171 | △1,329 | △2,500 |
| 純支払利息及び配当金の受取額 | 377 | 523 | 146 |
| 法人税等の純支払額 | △1,185 | △1,900 | △715 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 11,785 | 8,400 | △3,384 |
※減価償却や減損損失等の非資金損益項目のほか、営業外損益、特別損益項目の調整を含みます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、50億73百万円の純支出で、対前期比16億87百万円の支出増となりました。主として、「中期経営計画2019」で計画した「モノづくり力の強化」を支える設備投資計画として、高崎吉井工場の生産能力増強や佐倉工場の三極生産体制(日本、中国、タイ)におけるマザー工場機能強化を目的とした設備投資など、当期の有形固定資産および無形固定資産の取得による支出61億70百万円(対前期比13億43百万円の支出増)によるものです。また、有形固定資産の売却による収入は、古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)の売却など10億58百万円(対前期比1億87百万円の収入減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、48億43百万円の純支出で、対前期比6億37百万円の支出増となりました。主として、有利子負債(借入れによる収入および返済による支出の純増減)削減による支出21億74百万円(対前期比14億95百万円の支出増)のほか、自己株式の取得による支出4億20百万円(対前期比7億87百万円の支出減)によるものです。
③生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 産業機械 | 22,179 | 25.2 |
| ロックドリル | 26,400 | △6.4 |
| ユニック | 31,304 | 2.8 |
| 金属 | 62,274 | △19.2 |
| 電子 | 5,462 | △13.5 |
| 化成品 | 5,232 | 10.8 |
| その他 | 315 | △31.2 |
| 合計 | 153,170 | △7.1 |
(注)1.生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前期比 (%) |
| 産業機械 | 21,074 | 42.5 | 8,793 | △37.1 |
| ロックドリル | 0 | △96.2 | - | - |
| ユニック | 5,617 | 79.7 | 1,074 | 12.0 |
| 合計 | 26,692 | 48.9 | 9,867 | △34.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 産業機械 | 23,237 | 29.3 |
| ロックドリル | 27,663 | △8.9 |
| ユニック | 31,791 | 8.7 |
| 金属 | 67,149 | △16.1 |
| 電子 | 5,506 | △15.6 |
| 化成品 | 6,710 | 9.5 |
| 不動産 | 2,386 | △20.4 |
| その他 | 771 | △5.3 |
| 合計 | 165,215 | △5.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 古河電気工業(株) | 28,310 | 16.3 | 24,409 | 14.8 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績)
当連結会計年度の売上高は、対前期比89億1百万円(△5.1%)減少し、1,652億15百万円となりました。減収の要因は、主に以下のとおりです。
産業機械部門では、マテリアル機械で、セクションプラント案件として中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備が増収となり、また、大型プロジェクト案件で、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、中間貯蔵施設(福島県双葉郡大熊町)向けベルトコンベヤ、また、新たに受注した境川金森調整池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤについて出来高に対応した売上高を計上したことなどにより、52億65百万円(29.3%)の増収となりました。
ロックドリル部門の売上高は、27億9百万円(△8.9%)の減収となりました。国内売上高は、都市再開発や建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルなどの出荷は好調を維持しましたが、トンネルドリルジャンボについては、リニア中央新幹線工事や北海道整備新幹線工事向けの出荷があったものの、前期と比べ減収となったことなどにより7億55百万円の減収となりました。また、海外売上高は、油圧クローラドリルの出荷が、主として、特に北米において、排ガス3次規制機の出荷が好調であった前期と比べ減少したことにより、19億53百万円の減収となりました。
ユニック部門の売上高については、25億53百万円(8.7%)の増収となりました。国内売上高は、主力製品であるユニッククレーンについては、昨年3月の移動式クレーン構造規格の一部改正前に駆け込み需要があった受注機の出荷増などにより好調で、27億8百万円の増収となりました。また、海外売上高は、主として、東南アジア諸国での景気減速傾向の強まりによる出荷減少で、1億54百万円の減収となりました。
金属部門の売上高は、129億18百万円(△16.1%)の減収となりました。電気銅の販売数量は、83,864トン(対前期比1,282トン減)で、海外相場の下落により66億20百万円の減収となりました。また、電気金は、生産数量の減少により63億20百万円の減収となりました。
当連結会計年度の売上原価は、対前期比87億34百万円(△5.9%)減少し、1,389億40百万円となりました。売上原価率は0.7ポイント減少し、84.1%となりました。また、販売費及び一般管理費は、55百万円(0.3%)増加し、175億82百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は、対前期比2億22百万円(△2.5%)減少し、86億93百万円となりました。営業利益率は0.2ポイント増加し、5.3%となりました。減益の要因は、主に以下のとおりです。
産業機械およびユニック部門は、増収による増益を主因として、産業機械部門は、32億8百万円(対前期比11億19百万円増)、ユニック部門は、39億92百万円(対前期比12億3百万円増)となりました。
一方、ロックドリル部門は、減収による減益を主因として1億42百万円(対前期比15億47百万円減)、電子部門は、半導体市況の悪化による高純度金属ヒ素や結晶製品の減収により35百万円の営業損失(前期は4億7百万円の利益)となりました。金属部門は、電気金は海外相場の価格上昇により増益となりましたが、電気銅は鉱石買鉱条件の悪化や製錬費の増加等、製錬採算の悪化により3億1百万円(対前期比2億80百万円減)となりました。不動産事業は、室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)における大口テナント減床の影響や、古河大阪ビルのテナント退出による減収により7億35百万円(対前期比4億27百万円減)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、古河大阪ビルのテナント退去交渉が終了したことに伴うテナント退去補償関連費用引当金戻入額2億64百万円を計上したことなどにより、対前期比2億79百万円増加し、15億95百万円となりました。営業外費用は、前期にシンジケートローン組成に伴う費用を計上した金融諸費は、1億4百万円(対前期比1億75百万円減)、持分法投資損失は50百万円(対前期比99百万円減)の計上となりましたが、為替差損を5億53百万円(対前期比4億98百万円増)計上したことなどにより、対前期比1億57百万円増加し、21億53百万円となりました。
当連結会計年度の特別利益は、古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)売却に伴う固定資産売却益5億83百万円のほか、資産の効率性改善のため遊休資産や投資有価証券の売却を行い、固定資産売却益6億54百万円(対前期比4億31百万円増)、投資有価証券売却益20百万円(対前期比1億94百万円減)ほかを計上したことから、対前期比2億19百万円増加し、7億1百万円となりました。特別損失は、上場株式の株価下落による投資有価証券評価損10億29百万円(前期は計上なし)を計上しましたが、前期は古河大阪ビルについて、競争力のある賃貸テナントビルとして継続していくことが困難であると判断し計上した減損損失15億61百万円のほか16億9百万円(当期は2億40百万円)の減損損失計上があり、対前期比1億58百万円減少し、15億55百万円となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、対前期比4億89百万円増加し、26億39百万円となりました。法人税等の負担率は、投資有価証券評価損計上に伴う評価性引当額の増加などにより5.6ポイント増加し、36.3%となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は、11百万円増加し、2億9百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前期比2億22百万円(△4.8%)減少し、44億31百万円となりました。
(当社グループの当連結会計年度末の財政状態)
当連結会計年度末の流動資産は、対前期末比17億15百万円(△2.0%)減少し、857億25百万円となりました。減少の要因は、主に現金及び預金が16億81百万円(△11.7%)減少したことによります。現金及び預金の減少については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照願います。
当連結会計年度末の固定資産は、対前期末比39億55百万円(△3.1%)減少し、1,239億71百万円となりました。減少の要因は、主に有形固定資産および無形固定資産が16億53百万円(1.9%)増加した一方で、投資有価証券が57億30百万円(△17.3%)減少したことによります。有形固定資産および無形固定資産の増加については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおり、当連結会計年度は、主に、59億38百万円の設備投資を実施したことによります。また、当連結会計年度の減価償却費は、35億89百万円の計上となりました。投資有価証券の減少については、上場株式の株価下落により時価評価額が減少したことによります。なお、上場株式の保有状況は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」をご参照願います。
以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、対前期末比56億70百万円(△2.6%)減少し、2,096億97百万円となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、対前期末比78億21百万円(△13.0%)減少し、525億55百万円となりました。減少の要因は、主に短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含みます。)が56億22百万円(△32.7%)減少したほか、仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)および未払金を合計した負債が23億4百万円(△6.6%)減少したことによります。
当連結会計年度末の固定負債は、対前期末比46億30百万円(6.2%)増加し、791億75百万円となりました。増加の要因は、主に長期借入金が34億38百万円(6.2%)増加したことによります。なお、長期借入金の年度別要支払額については、以下(当社グループの資本の財源および資金の流動性)b)契約債務に記載のとおりです。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、対前期末比31億90百万円(△2.4%)減少し、1,317億30百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、対前期末比24億80百万円(△3.1%)減少し、779億66百万円となりました。減少の要因は、主に利益剰余金が26億15百万円(6.2%)増加した一方で、上場株式の株価下落による時価評価額の減少で、その他有価証券評価差額金が39億75百万円(△42.6%)減少したことによります。なお、利益剰余金の増加については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により44億31百万円増加し、剰余金の配当を実施したことにより19億77百万円減少したことなどによります。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向の影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニッククレーンは、トラックの国内需要動向の影響を受けます。
銅をはじめとする金属製品は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子部門は、半導体市場の動向の影響を受けます。なお、事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照願います。
(当社グループの資本の財源および資金の流動性)
a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b)契約債務
2020年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||||
| 合計 | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
| 短期借入金 | 8,570 | 8,570 | - | - | - | - | - |
| 長期借入金 | 61,842 | 3,011 | 2,087 | 5,158 | 8,970 | 5,987 | 36,626 |
| リース債務 | 664 | 221 | 189 | 132 | 62 | 26 | 32 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2020年3月31日現在の債務保証額は、2,847百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、2020年3月31日現在の契約総額は、38,102百万円(借入実行額7,662百万円)です。また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰りの対応として、手元現預金を通常より厚くしておくことが必要と判断し、上記の当座貸越契約および貸出コミットメント契約とは別に、2020年5月29日に取引金融機関から長期運転資金100億円を調達いたしました。
c)連結キャッシュ・フロー配分と資本政策
当社グループは、2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、推進してきました。連結営業キャッシュ・フローの配分については、堅固な財務基盤の確立を目指しつつ、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」を行うとともに、株主還元に配慮した連結営業キャッシュ・フローの適正配分に努めていくこととしております。更に、5月8日開催の取締役会において策定、公表した「中期経営方針2022」において、「2025年ビジョン」の最終年度である2025年度の財務水準を以下のとおり、日系格付機関による発行体格付で現行比ワンノッチアップとなるBBB+以上の取得が可能となる財務水準をイメージし、今後とも継続して財務の健全性向上に努め、最適資本構成の追求をしていくこととしました。

2017年度から2019年度の3年間の連結営業キャッシュ・フローの実績累計額は、255億37百万円で、3年間の累計額(イメージ)を250億円程度としていた「中期経営計画2019」の達成率は102%で、イメージどおりの資金獲得となりました。また、獲得した資金の配分についての実績累計額および「中期経営計画2019」の達成率は以下のとおりです。
なお、「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズを担う「中期経営計画2022」については、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により公表を延期したため、2020年度から2022年度の3年間を対象とした連結キャッシュ・フローの配分については、新中期経営計画の策定が可能となった段階で速やかに公表します。


有利子負債の削減については、2016年度末の有利子負債残高735億7百万円から3年間で30億94百万円削減([連結キャッシュ・フロー配分の概要]の有利子負債の増△減には為替換算差額による増△減額を含んでおりません。)し、704億12百万円となりました。「中期経営計画2019」でイメージした有利子負債の削減30億円に対する達成率は103%となりました。当社グループは、今後も財務レバレッジに過度に依存することなく、効率性、収益性の改善に最優先で取り組み、「中期経営方針2022」で掲げた2025年度の財務水準(イメージ)を達成すべく、財務の健全性向上に努めていきます。
設備投資への資金配分については、コア事業と位置づける機械事業を中心に、「中期経営計画2019」では3年間の設備投資額を160億円程度としました。2017年度から2019年度の実績累計額は164億3百万円、達成率は103%となりました。なお、設備投資等の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」を、また重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照願います。今後も「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」に取り組むべく、機械事業を中心に「モノづくり力の強化」を支える設備投資を実施していきます。
資本政策については、株主還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部留保の確保を念頭に、今後の事業展開、その他諸般の事情を総合的に勘案して、成果の配分を実施することを基本方針としており、原則として、連結による損益を基礎とし、特別な損益状態である場合を除き、1株当たり50円の年間配当金および連結配当性向30%以上をめどに、安定的・継続的な利益還元に努めていくこととしております。「中期経営計画2019」では3年間の配当総額(イメージ)を60億円としました。2017年度から2019年度の各年度の年間配当金は、1株当たり50円、連結配当性向は40%以上で、実績累計額は60億17百万円、達成率は100%となりました。
なお、2018年11月に続き、2020年2月にも自己株式の取得を実施し、2017年度から2019年度に取得した株式の総数は1,186,300株、取得価額の総額は16億31百万円となりました。自己株式の取得・消却については、株価の動向や資本効率、キャッシュ・フロー等を勘案しつつ、適宜検討していきます。
(当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において連結営業利益150億円の常態化、二桁台のROEを掲げ、「2025年ビジョン」を具現化していくための第1フェーズとして、2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、最終年度である2019年度に、マイルストーンとして連結営業利益85億円程度、ROE6%~7%程度とする経営指標を設定いたしました。
「中期経営計画2019」の対象期間である2017年度から2019年度の連結業績の推移、最終年度である2019年度実績の2019年度(イメージ)の達成率および「中期経営計画2019」スタート前年の2016年度(比較基準年)に対する比率は、以下のとおりです。

当連結会計年度の売上高は、1,652億15百万円で、「中期経営計画2019」の最終年度である2019年度(イメージ)に対する達成率は99%となりました。
セグメント別では、コア事業と位置づける機械事業の達成率は98%、素材事業は100%、不動産事業は95%となりました。また、2016年度(比較基準年)に対する比率は、機械事業は124%、素材事業は101%、不動産事業は78%となりました。

当連結会計年度の営業利益は、86億93百万円で、経営指標として掲げた営業利益85億円に対する達成率は102%となり、2018年度実績の89億15百万円に続き、2期連続して目標を達成しました。
セグメント別では、ロックドリル部門は2019年度の海外売上高の減収により対前期比で大幅な減益となり、達成率は9%となりましたが、「中期経営計画2019」の最終年度である2019年度(イメージ)の営業利益を大幅に超える利益計上となった産業機械部門の達成率は257%となり、また、ユニック部門は国内の安定的な収益を確保し、達成率は117%となりました。以上の結果、機械事業の達成率は117%となりました。
金属部門は製錬採算の悪化などにより、達成率は43%となりました。電子部門は半導体市況の悪化による減収により対前期比で減益、営業損失の計上となりました。また、化成品部門は「中期経営計画2019」の3年間を通じ安定的な利益計上となり、達成率は128%となりました。以上の結果、素材事業の達成率は55%となりました。
不動産事業は2019年度の賃貸収入の減少により対前期比で減益となり、達成率は74%となりました。

「中期経営計画2019」では機械事業をコア事業と位置づけ、「新たな成長の礎を構築」する期間とし、2019年度(イメージ)の営業利益を62億円、構成比を72%としました(機械事業の2016年度実績(比較基準年)の営業利益は35億円、構成比は53%。)。2019年度実績の営業利益は73億円、構成比は83%で2019年度(イメージ)比1.2倍、2016年度(比較基準年)比2.1倍となりました。

ROE向上に向けた取り組みの強化・浸透については、ROEの構成要素のうち、収益性と効率性の改善に最優先で取り組むこととしております。更に2018年度から資本コストを的確に把握するとともに、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資等を含む経営資源の配分等に際し、資本コストを考慮した事業ポートフォリオマネジメントの運用を開始しました。
ROEの構成要素について2016年度(比較基準年)との比較で、2019年度は上場株式の株価下落による投資有価証券評価損10億29百万円を特別損失に計上したことによる当期純利益率の悪化を主因として、収益性は低下しました。また、効率性は改善、レバレッジは低下し、ROEは5.8%となりました。2018年度についても古河大阪ビルの減損損失15億61百万円を計上したことによる当期純利益率の悪化を主因として、収益性は低下し、ROEは5.7%にとどまり、「中期経営計画2019」で掲げた経営指標の目標のうちROE(6%~7%程度)については、第1フェーズ(2017年度から2019年度)3年間を通じ目標未達となりました。
(セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析検討の内容)
ROE向上の取り組みの強化・浸透を図るべく、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・管理指標とし、ROAの構成要素として収益性(売上高営業利益率)、効率性(総資産回転率)の改善に取り組んできました。2016年度(比較基準年)および2019年度の状況は以下のとおりです。なお、セグメントごとの第1フェーズ(2017年度から2019年度)の取り組みおよび今後の課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 中期的な経営戦略」をご参照願います。

産業機械部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は116%、営業利益は257%となりました。ROAは2016年度の0.5%から12.9ポイント改善し13.4%となりました。特に収益性(営業利益率)の改善は、単なる機器メーカーからの脱却を目指し、顧客の戦略的パートナーとなるべく2018年4月1日付で、それぞれ別の本部下にあった営業部門と設計部門を事業本部ごとに統合する組織再編を実施、エンジニアリング力の強化を図ってきた成果として、独自のベルトコンベヤによる搬送技術の提案が、複数の大型プロジェクト案件に採用され、コントラクタ事業の拡大を図ることができたこと、また、マテリアル機械においても、セクションプラント工事案件への技術提案により破砕機やスクリーン、造粒機や一部プラント設備等を受注し、売上高は2016年度比で165%、営業利益は3,071%と伸ばすことができたことによると認識しています。
ロックドリル部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は83%、営業利益は9%となりました。ROAは2016年度の2.9%から2.5ポイント悪化し0.4%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、2017年度および2018年度は、国内においてはトンネルドリルジャンボや都市再開発・建設投資などの継続した需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルの出荷が好調であったことに加え、海外においては欧米を中心に油圧クローラドリルの出荷が好調であったことなどにより、収益性(営業利益率)は、2016年度の3.3%から2017年度5.9%、2018年度5.6%と改善していましたが、2019年度は0.5%となりました。これは、売上高は2016年度比で103%であった一方、油圧クローラドリルの先進国での排ガス規制対応に伴うコストアップおよび2017年度から開始した高崎吉井工場の設備投資による減価償却費等の負担増加などにより営業利益は2016年度比16%にとどまったことによります。また、ロックドリル部門については、固定資産投資のほか在庫投資も増加しておりますので、効率性(総資産回転率)の改善に努めていきます。なお、ロックドリル部門の業績などを勘案し、高崎吉井工場の第2期以降の設備投資について、延期・見直しをすることといたしました。
ユニック部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は104%、営業利益は117%となりました。ROAは2016年度の11.2%から1.8ポイント改善し13.0%となりました。2016年度から開始した佐倉工場の設備投資に伴う総資産の増加、また、鋼材価格の上昇に加え、製造しながらの設備投資の実施による生産コストの上昇で2017年度および2018年度の効率性(総資産回転率)、収益性(営業利益率)の両指標とも2016年度から悪化し、ROAも2017年度8.9%、2018年度9.7%となっていました。一方、2019年度の売上高は、2016年度比で123%となり、営業利益は2016年度比155%になったことにより、収益性(営業利益率)は2016年度の9.9%から2.6ポイント改善し12.5%となりました。これは、国内においてはユニッククレーンの高機能化・高付加価値化による競争力強化を更に図るため、操作性・安全性を各段に高めたフルモデルチェンジ機(G-FORCEシリーズ)の安全強化モデルの販売や、海外においては販売店網の再整備・販売力の強化に加え、海外輸出機の生産拠点の拡張、整備を行ってきたこと、また、佐倉工場の設備投資による投資効果についても生産効率の向上など、収益性の向上に寄与し始めたことによると認識しています。
金属部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は100%、営業利益は43%となりました。ROAは2016年度の6.2%から5.1ポイント悪化し1.1%となりました。当部門では、原料銅鉱石、地金製品ともに国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢など国際市況の動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けるため、収益の変動は大きくなります。このため、為替予約取引や、先物取引を利用したヘッジ等によりこれらの影響の軽減を図るとともに、収益体質の向上のため、採算重視の最適生産・販売体制の確立に努めておりますが、鉱石買鉱条件の悪化や製錬費の増加等、製錬採算は厳しいものとなってきており、収益性(営業利益率)は2016年度の2.6%から0.5%へ悪化しています(2017年度は1.1%、2018年度は0.7%。)。金属部門については、委託製錬事業の採算性と将来性の見極めを行っていきます。
電子部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は86%、営業利益は損失の計上となりました。ROAは2016年度の0.2%から0.7ポイント悪化し△0.5%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、2017年度および2018年度は、成熟製品と位置づける高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体が好調で、また、結晶製品も個別半導体用の結晶が好調であったため、収益性(営業利益率)は2017年度5.2%、2018年度6.2%で、ROAも2017年度は4.5%、2018年度は6.2%と順調に改善していましたが、2019年度は半導体市況の悪化による成熟製品の減収減益を主因として営業損失の計上となりました。これら成熟製品から窒化アルミ、回折光学素子(DOE)およびハイブリッドコイルなど戦略製品への移行に全力で取り組んでいきます。
化成品部門は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は112%、営業利益は128%となりました。ROAは2016年度の0.7%から2.4ポイント改善し3.1%となりました。収益性(営業利益率)は、売上高は2016年度比127%、営業利益は2016年度比445%と伸ばすことができたことにより、2016年度の2.1%から5.5ポイント改善し7.6%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、硫酸、亜酸化銅、めっき用酸化銅など既存製品や低鉄硫酸などの高付加価値製品による収益拡大が寄与したと認識しています。
不動産事業は、「中期経営計画2019」(2019年度イメージ)に対する売上高の達成率は95%、営業利益は74%となりました。ROAは2016年度の4.0%から1.3ポイント悪化し2.7%となりました。第1フェーズ(2017年度から2019年度)において、2017年度から古河大阪ビルのテナント退去交渉を開始し、2019年12月末をもって同ビルを閉館しましたが、この間、テナントの退出により賃貸収入が減少したこと、また、主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、順調な稼働を続けていましたが、2018年度第4四半期から大口テナントの減床の影響による賃貸収入の減少で、収益性(営業利益率)は2016年度の39.4%から30.7%へ悪化しています(2017年度は39.9%、2018年度38.5%。)。一方で、経営資源の有効活用を図ることを目的として、遊休資産や2019年4月に売却した古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)など収益貢献が見込まれなくなった資産の売却を進め、効率性(総資産回転率)の維持に努めており、また、室町古河三井ビルディングの安定収益の確保を図るとともに、古河大阪ビルの将来構想の決定をし、収益性の改善を図っていきます。
(新型コロナウイルス感染症がセグメントごとの経営成績等に与える可能性および主要なリスク)
当社グループは、産業機械、ロックドリル、ユニック、金属、電子、化成品、不動産、その他の各セグメントで構成され、各セグメントの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響やその影響が及ぶ期間については濃淡があります。
当社グループの経営環境に及ぼす影響については不確実性が高いこと、また、合理的に算定することが困難であることから、2021年3月期の業績予想については未定としておりますが、現段階における当社グループの各セグメントへの主な影響は以下のとおりです。
[産業機械]
産業機械部門の製品の多くは、受注生産を基本とし、主に国内市場を対象としています。受注済みの案件では、政府の緊急事態宣言の発出を受けて、工事の中断や延期等がありますが、その影響は軽微で、新規の受注活動についても6月以降、徐々に再開しております。今後、設備投資意欲の減退も懸念されるところですが、現段階では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については限定的なものと想定しています。
[ロックドリル]
国内においては、政府の緊急事態宣言発出後の工事の中断や延期などにより、機械の稼働率は低下しており、新たな機械購入を一時的に見送るなど、新規需要に影響が出始めております。海外においては、一部の国や地域を除いて、依然として外出は制限されるなど、経済活動は再開されていない状況が続いており、需要は低迷し製品納入の延期要請を受けるなど、出荷や新規の受注活動に影響が出ております。
[ユニック]
国内においては、トラックメーカーの操業一時停止による受注済み製品の納入の延期などの影響や、政府の緊急事態宣言発出を受けた工事の中断や延期など、先行き不透明感からクレーンの需要に影響が出ています。海外においては、国や地域により濃淡はありますが、依然として外出は制限されるなど、経済活動は再開されていない状況が続いており、顧客の購入意欲の減退もあって、新規の受注活動に影響が出ています。
[金 属]
国内における電気銅の需要は、政府の緊急事態宣言発出を受けた工事の中断や、自動車メーカーの生産調整などによる影響を受けていますが、一方で、他国に先駆け経済活動を再開した中国向けの需要は増加しています。また、原料調達については、鉱石買鉱条件は年間契約であり、ほぼ予定どおりの原料調達ができており、現段階では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については限定的なものと想定しています。
[電 子]
電子部門の製品の多くは、スマートフォンや各種電気機器、自動車、航空機などの原材料や部品であり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がこれらの生産活動に影響を及ぼし、主力製品である高純度金属ヒ素や結晶製品、コイルなどの需要への影響が出ています。
[化成品]
化成品部門の製品の多くは、下水処理や排水処理用の薬剤などライフラインに関連するものであり、一部、亜酸化銅やめっき用酸化銅などの原料調達面での影響はあるものの、現段階では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響については限定的なものと想定しています。
[不動産]
主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)の商業施設は、4月4日以降、臨時休館となり、5月25日の政府および東京都の緊急事態宣言解除を受け、商業施設の営業は順次再開していますが、来館者も平常時の状況に戻るまでは時間を要し、賃料収入の減少などの影響を想定しています。
②重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
a)退職給付債務および年金資産の算定
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けており、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産に基づき退職給付に係る負債を計上しております。退職給付債務および年金資産は、割引率や期待運用収益率等の数理計算上の仮定に基づいて算出されております。
当社グループの割引率の決定には、主としてイールドカーブ等価アプローチを採用しています。具体的には、予想支払年度に該当する国債イールドカーブ上の利回りを各年度の退職給付見込額(過去期間分)にそれぞれ割り当て、割引現在価値を計算した結果を合計することにより算定した退職給付債務と、単一の割引率により割引現在価値計算をした退職給付債務が等しい結果となる単一の割引率を加重平均割引率として決定しています。当連結会計年度末における割引率は主として0.2%です。
当社グループは、年金資産の過去の運用実績と将来収益に対する予測を評価することにより長期期待運用収益率を設定しております。当連結会計年度末における長期期待運用収益率は主として2.0%です。
したがって、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (13) 退職給付債務について」に記載したとおり、退職給付債務等の計算の基礎として採用した割引率や期待運用収益率等の前提条件と実際の結果との間に差異が生じた場合、または前提条件が変更された場合には、退職給付債務および退職給付費用の金額に影響を与える可能性があります。割引率および長期期待運用収益率が低下した場合の連結財務諸表への影響は以下のとおりです。
| 退職給付債務への影響額 | 退職給付費用への影響額 | |
| 割引率:0.1%低下 | 163百万円の増加 | 11百万円の増加 |
| 長期期待運用収益率:1.0%低下 | - | 40百万円の増加 |
また、当社は2020年4月1日付で退職金制度を改定しており、改定内容および2021年3月期の連結財務諸表に与える予定の影響額を「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載しております。