有価証券報告書-第154期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が世界的に感染拡大する中で、4月には全都道府県を対象に緊急事態宣言が発出され、個人消費の減少や企業の設備投資計画の見直しなど、国内需要の下振れの影響は大きく、4月から6月期は、リーマン・ショック以来の大幅なマイナス成長となりました。緊急事態宣言解除後の7月から9月期には、4四半期ぶりにプラス成長に転じ、海外経済の改善や先送りとなっていた設備投資計画が再開されるなどして10月から12月期も緩やかな景気回復が続きましたが、年明けに一部都府県に対して緊急事態宣言が再発出されるなど、国内経済は、一進一退の状況が続いており、新型コロナウイルス感染症が収束し、感染拡大以前の経済活動の水準まで回復するには時間を要するものと見込まれています。
このような経済環境の下、当社グループの当期の連結業績は、売上高は、1,597億2百万円(対前期比55億13百万円減)、営業利益は、55億92百万円(対前期比31億円減)となりました。各報告セグメントにおける新型コロナウイルス感染症の影響については、濃淡がありましたが、主として、産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業ならびに化成品部門は、減収減益となり、金属部門および電子部門は、増収増益となりました。なお、不動産事業については、古河大阪ビルの閉館に伴い、減収となりましたが、営業利益は、前期並みとなりました。経常利益は、主として、為替差損益および持分法投資損益の好転により、67億73百万円(対前期比13億61百万円減)となりました。特別利益に投資有価証券売却益40億78百万円を計上し、また、特別損失に古河大阪ビルの解体工事の進捗に対応した費用7億30百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、74億68百万円(対前期比30億36百万円増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[産業機械]
新型コロナウイルス感染症拡大の影響としては、一部工事の中断や延期等があったものの限定的で、山城総合運動公園城陽線(城陽橋)橋りょう新設改良工事(京都府京田辺市)や、中央新幹線第一首都圏トンネル新設(北品川工区)工事向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)の受注など、当期末の受注残高は、対前期末増となりました。しかしながら、当期の売上高については、マテリアル機械では、中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備の売上の計上があった前期と比べて減収となり、また、大型プロジェクト案件では、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、東京外かく環状道路工事向けベルトコンベヤ、境川金森調節池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)等について出来高に対応した売上を計上しましたが、前年度に大部分の工事が進捗したため、減収となりました。産業機械部門の売上高は、166億82百万円(対前期比65億55百万円減)、営業利益は、21億13百万円(対前期比10億94百万円減)となりました。
[ロックドリル]
国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響があり、減収となりました。国内では、全般的な機械の稼働率の低下や経済の先行き不透明感に起因する新たな機械の購入の一時的な見送りなどにより、油圧クローラドリル、油圧ブレーカおよび油圧圧砕機の出荷の減少が大きく、減収となりました。一方、トンネルドリルジャンボについては、需要に影響はなく、2020年6月に販売を開始した全自動ドリルジャンボ『J32RX-Hi ROBOROCK®』の売上高への寄与もあり、増収となりました。海外では、中国や一部の国・地域を除いて、行動制限などにより依然として経済活動のレベルが低く、一年を通じて、全般的に機械の購入に消極的な状況が続き、特に、東南アジアにおいては油圧クローラドリルの出荷が減少し、北米においてはレンタル会社向けの油圧ブレーカの出荷が減少するなどして、減収となりました。ロックドリル部門の売上高は、241億49百万円(対前期比35億13百万円減)、営業損失は、13億24百万円(前期は1億42百万円の利益)となりました。
[ユニック]
国内では、トラックの納入延期や工事の中断・延期、レンタル会社の投資の見送りなど、特に首都圏において新型コロナウイルス感染症拡大の影響が顕著で、ユニッククレーンの受注は低調でしたが、第2四半期以降は、トラック需要が徐々に回復傾向となり、ユニッククレーンの受注も前年度並みとなっています。しかしながら、主として、前期にあった移動式クレーン構造規格の一部改正前の駆け込み需要による受注機の出荷や、小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要による出荷増加の反動による出荷減少が大きく、減収となりました。海外では、主として、東南アジアでの新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、ユニッククレーンの出荷が減少し、また、欧米におけるミニ・クローラクレーンについても、都市部の建設現場の工事中断などによる影響で出荷が減少し、減収となりました。ユニック部門の売上高は、278億4百万円(対前期比39億87百万円減)、営業利益は、31億80百万円(対前期比8億12百万円減)となりました。
≪機械事業合計≫
産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、686億35百万円(対前期比140億56百万円減)、営業利益は、39億68百万円(対前期比33億74百万円減)となりました。
[金 属]
電気銅の海外相場は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済成長の減速見通しから前期末に急落し、4月に4,772米ドル/トンで始まりましたが、中国や欧米諸国で経済活動が再開された後、景気回復の期待感などを背景に上昇傾向となり、米国大統領選挙の決着や追加経済対策の成立、また、新型コロナワクチンの供給、接種の開始等を好感し、期末には8,850米ドル/トンで取引を終えました。電気銅の国内建値は、57万円で始まり、期末には103万円となりました。電線、伸銅需要は、自動車産業の生産回復に伴い、第3四半期以降は前年同月並みとなっているものの、電気銅の国内需要は、大きく減少しました。電気銅の販売数量は、委託製錬比率の見直しにより段階的に生産量を減らしており、81,998トン(対前期比1,866トン減)となりましたが、海外相場の上昇により、増収となりました。金属部門の売上高は、760億94百万円(対前期比89億45百万円増)、営業利益は、4億99百万円(対前期比1億97百万円増)となりました。
[電 子]
主力製品である結晶製品やコイルの需要は、自動車産業などの生産活動への新型コロナウイルス感染症拡大の影響を主因として、大きく減少していましたが、第2四半期以降は回復傾向となり、一年を通じて、結晶製品は減収となったものの、コイルは前期並みの売上高となりました。高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体用などの需要が比較的安定しており、また、窒化アルミも、熱対策部品向けや半導体製造装置用部品向けなどの需要増加により、増収となりました。電子部門の売上高は、57億41百万円(対前期比2億35百万円増)、営業利益は、1億61百万円(前期は35百万円の損失)となりました。
[化成品]
酸化銅は、基準銅価の上昇を主因として販売単価が上昇したことに加え、基板用向けの需要が旺盛であったことから、増収となりました。一方、亜酸化銅は、主要用途である船底塗料の需要が全般的に低調で、主要顧客向けの販売数量が減少したことにより、減収となりました。硫酸は、高付加価値品の増販などにより、販売単価は上昇しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に加え、顧客の在庫調整による需要減を主因として、減収となりました。化成品部門の売上高は、63億67百万円(対前期比3億43百万円減)、営業利益は、3億80百万円(対前期比1億30百万円減)となりました。
≪素材事業合計≫
金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、882億3百万円(対前期比88億36百万円増)、営業利益は、10億40百万円(対前期比2億64百万円増)となりました。
[不動産]
主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、商業施設については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年3月頃から来館者が減少傾向となり、4月に発出された緊急事態宣言を受けて、臨時休館となりました。営業再開後も来館者が通常時に比べ減少しており、商業テナントに対して一部賃料の減免を実施したため減収となりましたが、賃料収入全体としては、前期の大口事務所テナントの減床による減収が、後継事務所テナントの入居により、増収となったため、前期並みの売上高となりました。また、2019年12月をもって古河大阪ビルが閉館したため、不動産事業の売上高は、減収となりました。不動産事業の売上高は、21億7百万円(対前期比2億78百万円減)、営業利益は、7億36百万円(対前期比0百万円増)となりました。
[その他]
運輸業等を行っています。売上高は、7億55百万円(対前期比15百万円減)、営業損失は、82百万円(対前期比12百万円の損失減)となりました。
②財政状態の状況
当期末の総資産は、対前期末比85億78百万円増の2,182億75百万円となりました。これは、主として、現金及び預金、上場株式の株価上昇による投資有価証券の増加、また、受取手形及び売掛金の減少によるものです。有利子負債(借入金)は、対前期末比7億29百万円減の696億83百万円となり、負債合計は、電子記録債務、未払金の減少のほか、退職給付に係る負債の減少により、対前期末比78億19百万円減の1,239億10百万円となりました。純資産は、対前期末比163億97百万円増の943億64百万円となり、自己資本比率は、対前期末比6.0ポイント増加し、42.0%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益の計上などにより60億42百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得により34億3百万円の支出をしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するため、手元流動性を確保すべく2020年8月に売却した、投資有価証券の売却による収入54億22百万円ほかの収入があり、22億45百万円の純収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却同様、2020年5月に取引金融機関から長期運転資金100億円を調達しましたが、調達した運転資金のうち80億円を返済したほか、その他借入金の返済による支出や配当金の支払額等の支出により31億23百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、対前期末比51億1百万円増の177億48百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、60億42百万円の純収入で、対前期比23億58百万円の収入減となりました。主として、営業利益の減益に伴う非資金損益項目等の調整後収入が減少したことによります。
(参考)
※減価償却費や減損損失等の非資金損益項目のほか、営業外損益、特別損益項目の調整を含みます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、22億45百万円の純収入(前期は50億73百万円の純支出)で、対前期比73億19百万円増となりました。主として、投資有価証券の売却による収入55億51百万円(対前期比52億1百万円の収入増)、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出34億73百万円(対前期比26億97百万円の支出減)によるものです。投資有価証券の売却による収入の増加は、政策保有株式について、毎年、保有継続の適否を検証するとともに、資産の有効活用および財務体質の健全化を図るべく適宜売却を進めていることに加え、当期は新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するための手元流動性を確保する目的で、投資有価証券の売却を行ったことによるものです。また、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出の減少は、前期は、主として、高崎吉井工場の生産能力増強を目的とした設備投資などの支出が多額であったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、31億23百万円の純支出で、対前期比17億19百万円の支出減となりました。主として、有利子負債(借入金)削減による支出(借入れによる収入および返済による支出の純減)7億41百万円(対前期比14億32百万円の支出減)によるものです。なお、このうち、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰りの対応として、取引金融機関から調達した長期運転資金による有利子負債(借入金)の増加は20億円(調達した100億円のうち、80億円を返済)です。
④生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
産業機械およびユニックの一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討の内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績)
ユニック部門の売上高は、国内では、主として、前期にあった移動式クレーン構造規格の一部改正や、小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要による出荷増加の反動による出荷減少が大きく、海外では、主として、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きい東南アジアでユニッククレーンの出荷が減少し、欧米においては、都市部の建設現場の工事中断などによる影響でミニ・クローラクレーンの出荷が減少し、39億87百万円(△12.5%)の減収(国内で29億16百万円の減収、海外で10億70百万円の減収)となりました。
金属部門の売上高は、前期末に急落した電気銅の海外相場が、4月以降、大幅に上昇したことを主因として、89億45百万円(13.3%)の増収(電気銅は65億82百万円の増収、電気金は24億24百万円の増収)となりました。
当連結会計年度の売上原価は、対前期比14億31百万円(△1.0%)減少し、1,375億8百万円となりました。売上原価率は2.0ポイント増加し、86.1%となりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による行動制限などにより、全般的に営業活動経費が減少したため、販売費及び一般管理費は、対前期比9億80百万円(△5.6%)減少し、166億1百万円となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益3億55百万円、為替差益7億2百万円を計上したことなどにより、対前期比11億54百万円増加し、27億49百万円となりました。営業外費用は、当期は為替差益の計上(前期は5億53百万円の為替差損)となったことなどにより、対前期比5億84百万円減少し、15億68百万円となりました。
当連結会計年度の特別利益は、政策保有株式2銘柄の売却により、投資有価証券売却益40億78百万円(対前期比40億58百万円増)を計上したほか、固定資産売却益は25百万円(対前期比6億29百万円減、前期は、古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)売却に伴う固定資産売却益5億83百万円ほかを計上)を計上したことなどにより、対前期比34億3百万円増加し、41億5百万円となりました。特別損失は、古河大阪ビルの解体工事の進捗に対応した費用7億30百万円を計上しましたが、前期は、上場株式の株価下落による投資有価証券評価損10億29百万円の計上があったことなどにより、対前期比5億84百万円減少し、9億71百万円となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、4億2百万円減少し、22億37百万円となりました。法人税等の負担率は、政策保有株式売却に伴う評価性引当額の減少などにより、13.7ポイント減少し、22.6%となりました。なお、法定実効税率30.6%と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」に記載しております。
非支配株主に帰属する当期純利益は、8百万円減少し、2億1百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前期比30億36百万円(68.5%)増加し、74億68百万円となりました。
(当社グループの当連結会計年度末の財政状態)
保有する上場株式の時価評価額が83億25百万円増加するなど、71億12百万円(26.0%)増加したことによります。なお、上場株式の保有状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載しております。
以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、対前期末比85億78百万円(4.1%)増加し、2,182億75百万円となりました。
が68億1百万円(△71.5%)減少したことによります。繰延税金負債の増加は、その他有価証券評価差額金および退職給付に係る調整累計額の増加によるものなどです。また、退職給付に係る負債の減少は、退職金制度の改定により退職給付債務が34億63百万円減少し、株価の上昇などにより年金資産が31億87百万円増加したことによるものです。なお、退職給付債務および年金資産の対前期末との増減の原因の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」に記載しております。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、対前期末比78億19百万円(△5.9%)減少し、1,239億10百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、対前期末比163億97百万円(21.0%)増加し、943億64百万円となりました。増加の要因は、主に保有する上場株式の時価評価額の増加に伴い、その他有価証券評価差額金が増加し、退職金制度の改定により費用(減額)処理されていない未認識過去勤務費用の増加および株価の上昇などにより費用処理されていない未認識数理差異の減少により、退職給付に係る調整累計額が増加したため、その他の包括利益累計額合計額が108億71百万円(240.2%)増加したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益74億68百万円を計上し、剰余金の配当19億60百万円を実施したことなどにより、株主資本合計が53億55百万円(7.5%)増加したことによります。なお、退職給付に係る調整額および退職給付に係る調整累計額の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」に記載しております。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向の影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニッククレーンは、トラックの国内需要動向の影響を受けます。
銅をはじめとする金属製品は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子部門は、半導体市場の動向の影響を受けます。
なお、新型コロナウイルス感染症がセグメントごとの経営成績等に与える可能性および主要なリスクを含む事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
(当社グループの資本の財源および資金の流動性)
a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b)契約債務
2021年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2021年3月31日現在の債務保証額は、22億14百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、2021年3月31日現在の契約総額は、393億43百万円(借入実行額84億36百万円)です。
c)連結キャッシュ・フロー配分と資本政策
2021年5月13日付で公表した「『中期経営計画2022』の公表見送りに関するお知らせ」のとおり、「中期経営計画2022」の公表を見送ることとしたため、「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズを担う2020年度から2022年度における、当社グループの連結キャッシュ・フロー配分の公表はしておりませんが、引き続き、堅固な財務基盤の確立を目指しつつ、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」を行うとともに、株主還元を配慮した連結キャッシュ・フローの適正配分に努めていきます。
なお、第1フェーズ(2017年度から2019年度の3年間)および2020年度の連結キャッシュ・フロー配分の概要は、以下のとおりです。
設備投資ヘの資金配分については、コア事業と位置づける機械事業を中心に、第1フェーズの3年間の設備投資実績累計額は164億3百万円(設備投資等の支払額は163億94百万円)、2020年度は41億44百万円(設備投資等の支払額は34億73百万円)となりました。なお、2020年度の設備投資の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。また、当連結会計年度末現在における翌年度以降の設備投資予定額は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり80億円で、このうち2021年度は、小山工場の新事務所棟建築など機械事業合計で38億円、当社グループ全体では、53億円を予定しております。今後も「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」に取り組むべく、機械事業を中心に「モノづくり力の強化」を支える設備投資を実施していきます。
有利子負債(借入金)の削減については、2016年度末の有利子負債(借入金)残高735億7百万円から第1フェーズの3年間で30億94百万円、2020年度は、7億29百万円削減(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の有利子負債の増△減には、為替換算差額による増△減額を含んでおりません。)し、696億83百万円となりました。当社グループは、今後も財務レバレッジに過度に依存することなく、効率性、収益性の改善に最優先で取り組み、2020年5月に公表した「中期経営方針2022」で掲げた「2025年ビジョン」の最終年度である2025年度の財務水準(イメージ)を達成すべく、財務の健全性向上に努めていきます。

資本政策については、株主還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部留保を念頭に、今後の事業展開、その他諸般の事情を総合的に勘案して、成果の配分を実施することを基本方針としており、株主還元としての利益剰余金からの配当は、連結による損益を基礎とし、特別な損益状態である場合を除き、原則として1株当たり50円の年間配当金および連結配当性向30%以上をめどに、安定的・継続的な利益還元に努めていきます。第1フェーズの3年間の剰余金の処分累計額は59億58百万円で、連結配当性向は43.3%でした。2020年度の剰余金の処分額は19億53百万円(1株当たり配当金50円の年間配当金)としましたが、2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するための手元流動性を確保する目的で、政策保有株式の売却を行い、特別利益に投資有価証券売却益を計上した結果として1株当たり当期純利益が増加したこともあり、連結配当性向は26.2%となりました。なお、2021年5月13日に公表した2021年度の剰余金の配当予想は、1株当たり年間配当金50円00銭(連結配当性向54.3%)としました。
なお、自己株式の取得につきましては、第1フェーズの3年間で取得した株式の総数は1,186,300株、取得価額の総額は16億28百万円、2020年度は、2020年11月に自己株式140,500株を取得し、取得価額の総額は1億64百万円(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の自己株式の取得額には、単元未満株式の買取請求による自己株式の取得を含みます。)でした。自己株式の取得・消却については、株価の動向や資本効率、キャッシュ・フロー等を勘案しつつ、適宜検討していきます。

(当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において連結営業利益150億円超の常態化、二桁台のROEを掲げ、「2025年ビジョン」を具現化していくための第1フェーズとして2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、最終年度である2019年度に、マイルストーンとして連結営業利益85億円程度、ROE6~7%程度とする経営指標を設定いたしました。連結営業利益につきましては、2018年度89億円、2019年度86億円と2期連続で目標を達成しましたが、ROEにつきましては、3年間を通じて、5%台後半にとどまり、目標未達でした。

2021年5月13日付で公表した「『中期経営計画2022』の公表見送りに関するお知らせ」のとおり、「中期経営計画2022」の公表を見送ることとしたため、「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズ(2020年度から2022年度)の最終年度となる2022年度のマイルストーンについては公表しておりませんが、2021年度および2022年度は単年度の連結業績予想を、それぞれ2020年度(2021年5月13日)および2021年度(2022年5月予定)の本決算時に公表することとしました。

当連結会計年度の売上高は、1,597億2百万円で、2016年度(比較基準年)に対する比率は、機械事業は103%、素材事業は112%、不動産事業は69%となりました。連結全体の売上高に対する構成比は、機械事業は43%(前期は50%)、素材事業全体では、55%(前期は48%)、不動産事業は1%(前期は1%)となりました。
なお、2021年5月13日に公表した、2021年度の連結売上高予想は、2020年度に比し、246億97百万円増収の1,844億円としました。機械事業については、産業機械では、橋梁や大型プロジェクト案件の増収を見込み、ロックドリルおよびユニック部門では、国内外ともに新型コロナウイルス感染症の影響からの緩やかな需要回復を想定し、増収を見込んでいます。素材事業については、金属部門では、銅価格の前提により電気銅が増収、電気金は生産量の増加による増収を見込み、電子部門では、結晶製品やコイルの需要増加を想定し、増収を見込んでいます。化成品部門は2020年度並みとなる見込みです。また、不動産事業については、2020年度並みとなる見込みです。

当連結会計年度の営業利益は、55億92百万円で、2016年度(比較基準年)に対する比率は、機械事業は111%、素材事業は56%、不動産事業は58%となりました。連結全体の営業利益に対する構成比は、コア事業と位置づける機械事業は、比較基準年である2016年度の53%から69%(前期は83%)となり、素材事業全体では、28%から18%(前期は9%)、不動産事業は19%から13%(前期は8%)となりました。
なお、2021年5月13日に公表した、2021年度の連結営業利益予想は、2020年度に比し、10億7百万円増益の66億円としました。機械事業については、産業機械、ロックドリルおよびユニック部門ともに自粛を余儀なくされていた営業活動の再開による経費の増加などがあるものの、増収による増益を見込んでいます。産業機械部門は、橋梁で好採算の案件が寄与した2020年度並みとなることを見込み、ロックドリル部門は、当期に大きく減少した需要の緩やかな回復を見込み、営業損失を計上した当期から営業利益に転じることを見込んでいます。ユニック部門は、若干の増益を見込んでいます。素材事業については、電子部門および化成品部門は当期並みとなる見込みですが、金属部門については、当期に1年を通じて上昇基調にあったことにより、営業利益計上の要因となった金属価格の変動を見込んでいないため、営業損失となる見込みです。また、不動産事業については、修繕費などの経費の増加により、若干の減益となることを見込んでいます。

ROE向上に向けた取り組みの強化・浸透については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)中期的な経営戦略 ①ROE向上に向けた取り組み」に記載のとおり、ROEの構成要素のうち、収益性と効率性の改善に最優先で取り組むこととしております。また、資本コストを的確に把握するとともに、設備投資等を含む経営資源の配分等に際し、資本コストを考慮した事業ポートフォリオマネジメントの運用を通じ、最適事業ポートフォリオの構築、経営資源配分における全体最適の追求をしていきます。
ROEの構成要素について2016年度(比較基準年)との比較で、第1フェーズの最終年度である2019年度は、投資有価証券評価損10億29百万円を特別損失に計上したことによる当期純利益率の悪化を主因として、収益性が低下し、ROEは5.8%(2017年度5.9%、2018年度5.7%)でした。
2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を主因とする機械事業の減収などにより、連結売上高は55億13百万円の減収となった一方で、投資有価証券売却益40億78百万円を特別利益に計上したことによる当期純利益率の改善を主因として、収益性が改善し、ROEは8.9%となりました。
(セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析検討の内容)
ROE向上の取り組みの強化・浸透を図るべく、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・管理指標とし、ROAの構成要素として収益性(売上高営業利益率)、効率性(総資産回転率)の改善に取り組んでいます。2016年度(比較基準年)および2019年度(第1フェーズの最終年度)ならびに2020年度の状況は以下のとおりです。なお、セグメントごとの今後の課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に記載のとおりです。

産業機械部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.5%から第1フェーズの最終年度である2019年度には12.9ポイント改善し13.4%となりましたが、2020年度は4.6ポイント悪化し8.8%(2016年度からは8.3ポイントの改善)となりました。第1フェーズにおいて、2018年4月に組織再編を実施し、エンジニアリング力強化を図ってきた結果として、コントラクタ事業の拡大を図ることができたこと、また、マテリアル機械においても、セクションプラント工事案件への技術提案による破砕機やスクリーン、造粒機や一部プラント設備等の受注など、業績向上に大きく貢献したことで、産業機械部門の2020年度の営業利益は、直近15年間で、2019年度の最高益に次ぐ業績となるなど、2016年度から収益性(営業利益率)は改善しました。2020年度については、大型プロジェクト案件のうち、前年度に小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備や中間貯蔵設備(福島県双葉郡大熊町)など、工事の大部分が進捗したことにより65億55百万円(△28.2%)の減収となったことを主因として、効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から悪化しました。産業機械部門では、大型プロジェクト案件の受注精度・確率の向上を図るとともに、密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)の需要創出、ポンプ、マテリアル機械の更新需要の取り込みによる収益基盤の強化を図っていきます。
ロックドリル部門のROAは、2016年度(比較基準年)の2.9%から第1フェーズの最終年度である2019年度には2.5ポイント悪化し0.4%となり、2020年度は営業損失の計上となったことで、4.2ポイント悪化し△3.8%(2016年度からは6.7ポイントの悪化)となりました。第1フェーズにおいて、2017年度および2018年度は、国内においてはトンネルドリルジャンボや都市再開発・建設投資などの底堅い需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルの出荷が好調であったこと、また、海外においては欧米を中心に油圧クローラドリルの出荷が好調であったことなどによる収益性(営業利益率)の改善を主因として、ROAは2017年度5.7%、2018年度5.0%となりましたが、2019年度には、油圧クローラドリルの先進国での排ガス規制対応に伴うコストアップおよび2017年度から開始した高崎吉井工場の設備投資による減価償却費などの負担増加による収益性(営業利益率)の悪化に加え、固定資産投資のほか在庫投資の増加などによる効率性(総資産回転率)も悪化し、ROAは0.4%となりました。2020年度については、国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響があり、35億13百万円(△12.7%)の減収となったことを主因として営業損失の計上となり、効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から悪化しましたが、高崎吉井工場の第2期工事以降の設備投資の計画延期・見直しをするとともに在庫水準の適正化を図るなど、効率性(総資産回転率)の改善に努めました。ロックドリル部門では、在庫水準の適正化に向けた取り組みを継続するとともに、重点課題としている海外マーケティング力の強化・再構築の実行のほか、ライフサイクルサポートを活用したビジネスモデルの構築など体質の強化に取り組み、業績の回復に注力していきます。
ユニック部門のROAは、2016年度(比較基準年)の11.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には1.8ポイント改善し13.0%となりましたが、2020年度は2.6ポイント悪化し10.4%(2016年度からは0.8ポイントの悪化)となりました。第1フェーズにおいて、2016年度から開始した佐倉工場の設備投資に伴う総資産の増加、また、鋼材価格の上昇や製造しながらの設備投資の実施による減価償却費負担の増加など生産コストが上昇する中で、国内においてはユニッククレーンの高機能化・高付加価値化による競争力強化を更に図るため、操作性・安全性を各段に高めたフルモデルチェンジ機(G-FORCEシリーズ)の安全強化モデルの販売や、海外においては販売店網の再整備・販売力の強化に加え、海外輸出機の生産拠点の拡張、整備を行ってきたこと、また、佐倉工場の設備投資による投資効果についても生産効率の向上など、収益性の向上(営業利益率)に寄与し始めたことからROAは13.0%となりました。2020年度については、国内では、前期にあった移動式クレーン構造規格の一部改正などの駆け込み需要による出荷増加の反動による出荷減少が大きく、海外では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響の大きい地域の出荷減少を主因として、39億87百万円(△12.5%)の減収となったことから効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から悪化しましたが、機械事業の安定的なけん引に貢献しています。ユニック部門では、佐倉工場を三極生産体制(日本、中国、タイ)におけるマザー工場として機能強化する目的で、2016年度から開始した設備投資は、計画していたほとんどの工事が完了し、更なる設備投資効果の追求と最大化を図っていきます。
金属部門のROAは、2016年度(比較基準年)の6.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には5.1ポイント悪化し1.1%となりましたが、2020年度は0.6ポイント改善し1.7%(2016年度からは4.5ポイントの悪化)となりました。金属部門では、原料銅鉱石、地金製品ともに国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢など国際市況の動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けるため、収益の変動は大きくなります。このため、為替予約取引や、先物取引を利用したヘッジ等によりこれらの影響の軽減を図るとともに、収益体質の向上のため、採算重視の最適生産・販売体制の確立に努めておりますが、鉱石買鉱条件の悪化や製錬費の増加等、製錬採算は年々厳しいものとなっています。第1フェーズにおいて、収益性(営業利益率)は2016年度の2.6%から2017年度1.1%、2018年度0.7%、2019年度0.5%と悪化しましたが、2020年度については、委託製錬損益の減益を、金属価格の大幅な上昇により吸収し、増収増益となったことから効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から改善しました。金属部門では、2016年度から委託製錬損益は悪化していますが、この間、金属価格はおおむね上昇基調であったことから利益計上となりましたが、委託製錬の事業性は厳しいものと認識しており、電気銅の委託製錬比率の見直しにより、段階的に生産数量の削減を図るとともに、重点課題としている委託製錬事業の抜本的見直しを行っていきます。
電子部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には営業損失の計上となったことで、0.7ポイント悪化し△0.5%となりましたが、2020年度は2.8ポイント改善し2.3%(2016年度からは2.1ポイントの改善)となりました。第1フェーズにおいて、2017年度および2018年度は、成熟製品と位置づける高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体用などが好調で、結晶製品も個別半導体用の結晶が好調であったことなどによる収益性(営業利益率)の改善を主因として、ROAは2017年度4.5%、2018年度5.7%となりましたが、2019年度には、半導体市況の悪化による成熟製品の減収減益を主因として営業損失の計上となり、ROAは△0.5%となりました。2020年度については、第3四半期までは、前期に続いて損失計上となっていましたが、第2四半期以降、結晶製品やコイルの需要が回復傾向となり、高純度金属ヒ素は、化合物半導体用などの需要が安定し堅調であったこと、また、窒化アルミは、熱対策部品向けや半導体製造装置用部品向けなどの需要が増加し、増収となったことにより営業損失を解消し、利益計上となったことから、収益性(営業利益率)は、2019年度から改善しました。電子部門では、成熟製品から窒化アルミ、回折光学素子(DOE)およびハイブリッドコイルなど戦略製品への移行に取り組んでいきます。
化成品部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.7%から第1フェーズの最終年度である2019年度には2.4ポイント改善し3.1%となりましたが、2020年度は0.8ポイント悪化し2.3%(2016年度からは1.6ポイントの改善)となりました。第1フェーズにおいて、硫酸、亜酸化銅、酸化銅などの既存製品や高品質硫酸の増販などによる安定的な収益計上により、収益性(営業利益率)は2016年度の2.1%から2017年度7.1%、2018年度6.6%、2019年度7.6%と改善しました。2020年度については、酸化銅は、基板用向けの需要が旺盛であったことなどから増収となりましたが、亜酸化銅は、船底塗料の需要が全般的に低調であったこと、また、硫酸は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に加え、顧客の在庫調整を主因として減収となったことから、収益性(営業利益率)は、2019年度から悪化しました。化成品部門では、既存製品の収益拡大と高品質硫酸の差別化展開強化、金属銅粉の事業化・育成に取り組んでいきます。
不動産事業のROAは、2016年度(比較基準年)の4.0%から第1フェーズの最終年度である2019年度には1.3ポイント悪化し2.7%となりましたが、2020年度は0.1ポイント改善し2.8%(2016年度からは1.2ポイントの悪化)となりました。第1フェーズにおいて、2019年12月末をもって古河大阪ビルを閉館、この間、テナントの退出により賃貸収入が減少したこと、また、主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、順調な稼働を続けていましたが、2018年度第4四半期から大口事務所テナントの減床の影響による賃貸収入の減少で、収益性(営業利益率)は2016年度の39.4%から2017年度39.9%、2018年度38.5%、2019年度30.7%と悪化しました。一方で、経営資源の有効活用を図ることを目的として、遊休資産や2019年4月に売却した古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)など収益貢献が見込まれなくなった資産の売却を進めるなど、効率性(総資産回転率)の維持に努めました。2020年度については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による臨時休館や来館者の影響を受けた室町古河三井ビルディングの商業テナントに対して一部賃料の減免を実施しましたが、前期の大口事務所テナント減床後の後継事務所テナントの入居などにより、収益性(営業利益率)は、2019年度から改善しました。不動産事業では、室町古河三井ビルディングの安定収益の確保を図るとともに、重点課題としている古河大阪ビルの将来構想の具現化に取り組んでいきます。
②重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 165,215 | 159,702 | △5,513 |
| 営業利益(百万円) | 8,693 | 5,592 | △3,100 |
| 経常利益(百万円) | 8,135 | 6,773 | △1,361 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) | 4,431 | 7,468 | 3,036 |
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が世界的に感染拡大する中で、4月には全都道府県を対象に緊急事態宣言が発出され、個人消費の減少や企業の設備投資計画の見直しなど、国内需要の下振れの影響は大きく、4月から6月期は、リーマン・ショック以来の大幅なマイナス成長となりました。緊急事態宣言解除後の7月から9月期には、4四半期ぶりにプラス成長に転じ、海外経済の改善や先送りとなっていた設備投資計画が再開されるなどして10月から12月期も緩やかな景気回復が続きましたが、年明けに一部都府県に対して緊急事態宣言が再発出されるなど、国内経済は、一進一退の状況が続いており、新型コロナウイルス感染症が収束し、感染拡大以前の経済活動の水準まで回復するには時間を要するものと見込まれています。
このような経済環境の下、当社グループの当期の連結業績は、売上高は、1,597億2百万円(対前期比55億13百万円減)、営業利益は、55億92百万円(対前期比31億円減)となりました。各報告セグメントにおける新型コロナウイルス感染症の影響については、濃淡がありましたが、主として、産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業ならびに化成品部門は、減収減益となり、金属部門および電子部門は、増収増益となりました。なお、不動産事業については、古河大阪ビルの閉館に伴い、減収となりましたが、営業利益は、前期並みとなりました。経常利益は、主として、為替差損益および持分法投資損益の好転により、67億73百万円(対前期比13億61百万円減)となりました。特別利益に投資有価証券売却益40億78百万円を計上し、また、特別損失に古河大阪ビルの解体工事の進捗に対応した費用7億30百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、74億68百万円(対前期比30億36百万円増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[産業機械]
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 23,237 | 16,682 | △6,555 |
| 営業利益(百万円) | 3,208 | 2,113 | △1,094 |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響としては、一部工事の中断や延期等があったものの限定的で、山城総合運動公園城陽線(城陽橋)橋りょう新設改良工事(京都府京田辺市)や、中央新幹線第一首都圏トンネル新設(北品川工区)工事向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)の受注など、当期末の受注残高は、対前期末増となりました。しかしながら、当期の売上高については、マテリアル機械では、中間貯蔵施設(福島県双葉郡双葉町)向け関連設備の売上の計上があった前期と比べて減収となり、また、大型プロジェクト案件では、小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備、東京外かく環状道路工事向けベルトコンベヤ、境川金森調節池造成工事(東京都町田市)向け密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)等について出来高に対応した売上を計上しましたが、前年度に大部分の工事が進捗したため、減収となりました。産業機械部門の売上高は、166億82百万円(対前期比65億55百万円減)、営業利益は、21億13百万円(対前期比10億94百万円減)となりました。
[ロックドリル]
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 27,663 | 24,149 | △3,513 |
| 営業利益(百万円) | 142 | △1,324 | △1,467 |
国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響があり、減収となりました。国内では、全般的な機械の稼働率の低下や経済の先行き不透明感に起因する新たな機械の購入の一時的な見送りなどにより、油圧クローラドリル、油圧ブレーカおよび油圧圧砕機の出荷の減少が大きく、減収となりました。一方、トンネルドリルジャンボについては、需要に影響はなく、2020年6月に販売を開始した全自動ドリルジャンボ『J32RX-Hi ROBOROCK®』の売上高への寄与もあり、増収となりました。海外では、中国や一部の国・地域を除いて、行動制限などにより依然として経済活動のレベルが低く、一年を通じて、全般的に機械の購入に消極的な状況が続き、特に、東南アジアにおいては油圧クローラドリルの出荷が減少し、北米においてはレンタル会社向けの油圧ブレーカの出荷が減少するなどして、減収となりました。ロックドリル部門の売上高は、241億49百万円(対前期比35億13百万円減)、営業損失は、13億24百万円(前期は1億42百万円の利益)となりました。
[ユニック]
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 31,791 | 27,804 | △3,987 |
| 営業利益(百万円) | 3,992 | 3,180 | △812 |
国内では、トラックの納入延期や工事の中断・延期、レンタル会社の投資の見送りなど、特に首都圏において新型コロナウイルス感染症拡大の影響が顕著で、ユニッククレーンの受注は低調でしたが、第2四半期以降は、トラック需要が徐々に回復傾向となり、ユニッククレーンの受注も前年度並みとなっています。しかしながら、主として、前期にあった移動式クレーン構造規格の一部改正前の駆け込み需要による受注機の出荷や、小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要による出荷増加の反動による出荷減少が大きく、減収となりました。海外では、主として、東南アジアでの新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、ユニッククレーンの出荷が減少し、また、欧米におけるミニ・クローラクレーンについても、都市部の建設現場の工事中断などによる影響で出荷が減少し、減収となりました。ユニック部門の売上高は、278億4百万円(対前期比39億87百万円減)、営業利益は、31億80百万円(対前期比8億12百万円減)となりました。
≪機械事業合計≫
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 82,691 | 68,635 | △14,056 |
| 営業利益(百万円) | 7,343 | 3,968 | △3,374 |
産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、686億35百万円(対前期比140億56百万円減)、営業利益は、39億68百万円(対前期比33億74百万円減)となりました。
[金 属]
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 67,149 | 76,094 | 8,945 |
| 営業利益(百万円) | 301 | 499 | 197 |
電気銅の海外相場は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済成長の減速見通しから前期末に急落し、4月に4,772米ドル/トンで始まりましたが、中国や欧米諸国で経済活動が再開された後、景気回復の期待感などを背景に上昇傾向となり、米国大統領選挙の決着や追加経済対策の成立、また、新型コロナワクチンの供給、接種の開始等を好感し、期末には8,850米ドル/トンで取引を終えました。電気銅の国内建値は、57万円で始まり、期末には103万円となりました。電線、伸銅需要は、自動車産業の生産回復に伴い、第3四半期以降は前年同月並みとなっているものの、電気銅の国内需要は、大きく減少しました。電気銅の販売数量は、委託製錬比率の見直しにより段階的に生産量を減らしており、81,998トン(対前期比1,866トン減)となりましたが、海外相場の上昇により、増収となりました。金属部門の売上高は、760億94百万円(対前期比89億45百万円増)、営業利益は、4億99百万円(対前期比1億97百万円増)となりました。
[電 子]
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 5,506 | 5,741 | 235 |
| 営業利益(百万円) | △35 | 161 | 196 |
主力製品である結晶製品やコイルの需要は、自動車産業などの生産活動への新型コロナウイルス感染症拡大の影響を主因として、大きく減少していましたが、第2四半期以降は回復傾向となり、一年を通じて、結晶製品は減収となったものの、コイルは前期並みの売上高となりました。高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体用などの需要が比較的安定しており、また、窒化アルミも、熱対策部品向けや半導体製造装置用部品向けなどの需要増加により、増収となりました。電子部門の売上高は、57億41百万円(対前期比2億35百万円増)、営業利益は、1億61百万円(前期は35百万円の損失)となりました。
[化成品]
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 6,710 | 6,367 | △343 |
| 営業利益(百万円) | 510 | 380 | △130 |
酸化銅は、基準銅価の上昇を主因として販売単価が上昇したことに加え、基板用向けの需要が旺盛であったことから、増収となりました。一方、亜酸化銅は、主要用途である船底塗料の需要が全般的に低調で、主要顧客向けの販売数量が減少したことにより、減収となりました。硫酸は、高付加価値品の増販などにより、販売単価は上昇しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に加え、顧客の在庫調整による需要減を主因として、減収となりました。化成品部門の売上高は、63億67百万円(対前期比3億43百万円減)、営業利益は、3億80百万円(対前期比1億30百万円減)となりました。
≪素材事業合計≫
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 79,366 | 88,203 | 8,836 |
| 営業利益(百万円) | 776 | 1,040 | 264 |
金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、882億3百万円(対前期比88億36百万円増)、営業利益は、10億40百万円(対前期比2億64百万円増)となりました。
[不動産]
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 2,386 | 2,107 | △278 |
| 営業利益(百万円) | 735 | 736 | 0 |
主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、商業施設については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年3月頃から来館者が減少傾向となり、4月に発出された緊急事態宣言を受けて、臨時休館となりました。営業再開後も来館者が通常時に比べ減少しており、商業テナントに対して一部賃料の減免を実施したため減収となりましたが、賃料収入全体としては、前期の大口事務所テナントの減床による減収が、後継事務所テナントの入居により、増収となったため、前期並みの売上高となりました。また、2019年12月をもって古河大阪ビルが閉館したため、不動産事業の売上高は、減収となりました。不動産事業の売上高は、21億7百万円(対前期比2億78百万円減)、営業利益は、7億36百万円(対前期比0百万円増)となりました。
[その他]
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 売上高(百万円) | 771 | 755 | △15 |
| 営業利益(百万円) | △94 | △82 | 12 |
運輸業等を行っています。売上高は、7億55百万円(対前期比15百万円減)、営業損失は、82百万円(対前期比12百万円の損失減)となりました。
②財政状態の状況
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 総資産(百万円) | 209,697 | 218,275 | 8,578 |
| 負債(百万円) | 131,730 | 123,910 | △7,819 |
| 純資産(百万円) | 77,966 | 94,364 | 16,397 |
| 自己資本比率(%) | 36.0 | 42.0 | 6.0 |
当期末の総資産は、対前期末比85億78百万円増の2,182億75百万円となりました。これは、主として、現金及び預金、上場株式の株価上昇による投資有価証券の増加、また、受取手形及び売掛金の減少によるものです。有利子負債(借入金)は、対前期末比7億29百万円減の696億83百万円となり、負債合計は、電子記録債務、未払金の減少のほか、退職給付に係る負債の減少により、対前期末比78億19百万円減の1,239億10百万円となりました。純資産は、対前期末比163億97百万円増の943億64百万円となり、自己資本比率は、対前期末比6.0ポイント増加し、42.0%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
| 前期 | 当期 | 対前期増△減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 8,400 | 6,042 | △2,358 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △5,073 | 2,245 | 7,319 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △4,843 | △3,123 | 1,719 |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 12,646 | 17,748 | 5,101 |
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として税金等調整前当期純利益の計上などにより60億42百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得により34億3百万円の支出をしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するため、手元流動性を確保すべく2020年8月に売却した、投資有価証券の売却による収入54億22百万円ほかの収入があり、22億45百万円の純収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却同様、2020年5月に取引金融機関から長期運転資金100億円を調達しましたが、調達した運転資金のうち80億円を返済したほか、その他借入金の返済による支出や配当金の支払額等の支出により31億23百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、対前期末比51億1百万円増の177億48百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、60億42百万円の純収入で、対前期比23億58百万円の収入減となりました。主として、営業利益の減益に伴う非資金損益項目等の調整後収入が減少したことによります。
(参考)
| 2019年度 (百万円) | 2020年度 (百万円) | 増△減 (百万円) | |
| 税金等調整前当期純利益 | 7,280 | 9,907 | 2,626 |
| 非資金損益項目等の調整※ | 3,826 | △967 | △4,793 |
| 非資金損益項目等の調整後収入 | 11,107 | 8,940 | △2,167 |
| 営業活動に係る資産・負債の増減 | △1,329 | △2,240 | △910 |
| 純支払利息および配当金の受取額 | 523 | 542 | 18 |
| 法人税等の純支払額 | △1,900 | △1,199 | 701 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 8,400 | 6,042 | △2,358 |
※減価償却費や減損損失等の非資金損益項目のほか、営業外損益、特別損益項目の調整を含みます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、22億45百万円の純収入(前期は50億73百万円の純支出)で、対前期比73億19百万円増となりました。主として、投資有価証券の売却による収入55億51百万円(対前期比52億1百万円の収入増)、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出34億73百万円(対前期比26億97百万円の支出減)によるものです。投資有価証券の売却による収入の増加は、政策保有株式について、毎年、保有継続の適否を検証するとともに、資産の有効活用および財務体質の健全化を図るべく適宜売却を進めていることに加え、当期は新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するための手元流動性を確保する目的で、投資有価証券の売却を行ったことによるものです。また、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出の減少は、前期は、主として、高崎吉井工場の生産能力増強を目的とした設備投資などの支出が多額であったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、31億23百万円の純支出で、対前期比17億19百万円の支出減となりました。主として、有利子負債(借入金)削減による支出(借入れによる収入および返済による支出の純減)7億41百万円(対前期比14億32百万円の支出減)によるものです。なお、このうち、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた資金繰りの対応として、取引金融機関から調達した長期運転資金による有利子負債(借入金)の増加は20億円(調達した100億円のうち、80億円を返済)です。
④生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 産業機械 | 15,748 | △29.0 |
| ロックドリル | 18,623 | △29.5 |
| ユニック | 27,233 | △13.0 |
| 金属 | 70,939 | 13.9 |
| 電子 | 5,553 | 1.7 |
| 化成品 | 5,172 | △1.1 |
| その他 | 326 | 3.3 |
| 合計 | 143,597 | △6.2 |
(注)1.生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
産業機械およびユニックの一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前期比 (%) |
| 産業機械 | 11,534 | △6.9 | 9,841 | 11.9 |
| ユニック | 2,578 | △18.2 | 877 | △18.3 |
| 合計 | 14,112 | △9.2 | 10,718 | 8.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 産業機械 | 16,682 | △28.2 |
| ロックドリル | 24,149 | △12.7 |
| ユニック | 27,804 | △12.5 |
| 金属 | 76,094 | 13.3 |
| 電子 | 5,741 | 4.3 |
| 化成品 | 6,367 | △5.1 |
| 不動産 | 2,107 | △11.7 |
| その他 | 755 | △2.0 |
| 合計 | 159,702 | △3.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 古河電気工業(株) | 24,409 | 14.8 | 24,230 | 15.2 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討の内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績)
| 当連結会計年度の売上高は、対前期比55億13百万円(△3.3%)減少し、1,597億2百万円となりました。セグメント別の売上高の状況につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載のとおりですが、減収の要因は、主に、以下のとおりです。 産業機械部門の売上高は、大型プロジェクト案件のうち、前年度に小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備や中間貯蔵設備(福島県双葉郡大熊町)など、工事の大部分が進捗したことにより65億55百万円(△28.2%)の減収となりました。 ロックドリル部門の売上高は、国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響があり、国内では油圧クローラドリル、油圧ブレーカおよび油圧圧砕機の出荷の減少が大きく、海外では、特に、東南アジアにおいては油圧クローラドリルの出荷が減少し、北米においてはレンタル会社向けの油圧ブレーカの出荷が減少するなどして、35億13百万円(△12.7%)の減収(国内で10億60百万円の減収、海外で24億53百万円の減収)となりました。 | ![]() |
ユニック部門の売上高は、国内では、主として、前期にあった移動式クレーン構造規格の一部改正や、小型トラックの排ガス規制前の駆け込み需要による出荷増加の反動による出荷減少が大きく、海外では、主として、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きい東南アジアでユニッククレーンの出荷が減少し、欧米においては、都市部の建設現場の工事中断などによる影響でミニ・クローラクレーンの出荷が減少し、39億87百万円(△12.5%)の減収(国内で29億16百万円の減収、海外で10億70百万円の減収)となりました。
金属部門の売上高は、前期末に急落した電気銅の海外相場が、4月以降、大幅に上昇したことを主因として、89億45百万円(13.3%)の増収(電気銅は65億82百万円の増収、電気金は24億24百万円の増収)となりました。
当連結会計年度の売上原価は、対前期比14億31百万円(△1.0%)減少し、1,375億8百万円となりました。売上原価率は2.0ポイント増加し、86.1%となりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による行動制限などにより、全般的に営業活動経費が減少したため、販売費及び一般管理費は、対前期比9億80百万円(△5.6%)減少し、166億1百万円となりました。
| 当連結会計年度の営業利益は、対前期比31億円(△35.7%)減少し、55億92百万円となりました。営業利益率は1.8ポイント減少し、3.5%となりました。減益の要因は、主に以下のとおりです。 産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業は、減収による減益を主因として、産業機械部門は、10億94百万円(△34.1%)の減益となり、ロックドリル部門は、14億67百万円の減益で、営業損失の計上(前期は利益計上)となりました。また、ユニック部門は、8億12百万円(△20.4%)の減益となりました。 金属部門は、鉱石買鉱条件の悪化など、委託製錬損益は減益となりましたが、金属価格の大幅な上昇により、10億11百万円の増益(電気銅は9億43百万円の増益、電気金は46百万円の減益)となったことから、1億97百万円(65.6%)の増益となりました。電子部門は、高純度金属ヒ素や窒化アルミなどの増収により、1億96百万円の増益で、営業利益の計上(前期は損失計上)となりました。化成品部門は、硫酸や亜酸化銅の減収により、1億30百万円(△25.5%)の減益となりました。 | ![]() |
当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益3億55百万円、為替差益7億2百万円を計上したことなどにより、対前期比11億54百万円増加し、27億49百万円となりました。営業外費用は、当期は為替差益の計上(前期は5億53百万円の為替差損)となったことなどにより、対前期比5億84百万円減少し、15億68百万円となりました。
当連結会計年度の特別利益は、政策保有株式2銘柄の売却により、投資有価証券売却益40億78百万円(対前期比40億58百万円増)を計上したほか、固定資産売却益は25百万円(対前期比6億29百万円減、前期は、古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)売却に伴う固定資産売却益5億83百万円ほかを計上)を計上したことなどにより、対前期比34億3百万円増加し、41億5百万円となりました。特別損失は、古河大阪ビルの解体工事の進捗に対応した費用7億30百万円を計上しましたが、前期は、上場株式の株価下落による投資有価証券評価損10億29百万円の計上があったことなどにより、対前期比5億84百万円減少し、9億71百万円となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、4億2百万円減少し、22億37百万円となりました。法人税等の負担率は、政策保有株式売却に伴う評価性引当額の減少などにより、13.7ポイント減少し、22.6%となりました。なお、法定実効税率30.6%と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」に記載しております。
非支配株主に帰属する当期純利益は、8百万円減少し、2億1百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前期比30億36百万円(68.5%)増加し、74億68百万円となりました。
(当社グループの当連結会計年度末の財政状態)
| 当連結会計年度末の流動資産は、対前期末比29億円(3.4%)増加し、886億25百万円となりました。増加の要因は、主に現金及び預金が51億1百万円(40.3%)増加し、受取手形及び売掛金が26億22百万円(△8.6%)減少したことによります。なお、現金及び預金の増加の要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 当連結会計年度末の固定資産は、対前期末比56億78百万円(4.6%)増加し、1,296億49百万円となりました。増加の要因は、主に投資有価証券が、政策保有株式の売却により14億73百万円減少し、 | ![]() |
保有する上場株式の時価評価額が83億25百万円増加するなど、71億12百万円(26.0%)増加したことによります。なお、上場株式の保有状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載しております。
以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、対前期末比85億78百万円(4.1%)増加し、2,182億75百万円となりました。
| 当連結会計年度末の流動負債は、対前期末比47億16百万円(△9.0%)減少し、478億39百万円となりました。減少の要因は、主に仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)および未払金の合計額が35億円(△10.8%)減少したほか、短期借入金(1年以内返済予定の長期借入金を含みます。)が、10億6百万円(△8.7%)減少したことによります。 当連結会計年度末の固定負債は、対前期末比31億3百万円(△3.9%)減少し、760億71百万円となりました。減少の要因は、主に繰延税金負債が34億3百万円(53.5%)増加し、退職給付に係る負債 | ![]() |
が68億1百万円(△71.5%)減少したことによります。繰延税金負債の増加は、その他有価証券評価差額金および退職給付に係る調整累計額の増加によるものなどです。また、退職給付に係る負債の減少は、退職金制度の改定により退職給付債務が34億63百万円減少し、株価の上昇などにより年金資産が31億87百万円増加したことによるものです。なお、退職給付債務および年金資産の対前期末との増減の原因の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」に記載しております。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、対前期末比78億19百万円(△5.9%)減少し、1,239億10百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、対前期末比163億97百万円(21.0%)増加し、943億64百万円となりました。増加の要因は、主に保有する上場株式の時価評価額の増加に伴い、その他有価証券評価差額金が増加し、退職金制度の改定により費用(減額)処理されていない未認識過去勤務費用の増加および株価の上昇などにより費用処理されていない未認識数理差異の減少により、退職給付に係る調整累計額が増加したため、その他の包括利益累計額合計額が108億71百万円(240.2%)増加したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益74億68百万円を計上し、剰余金の配当19億60百万円を実施したことなどにより、株主資本合計が53億55百万円(7.5%)増加したことによります。なお、退職給付に係る調整額および退職給付に係る調整累計額の内訳については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」に記載しております。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向の影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニッククレーンは、トラックの国内需要動向の影響を受けます。
銅をはじめとする金属製品は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子部門は、半導体市場の動向の影響を受けます。
なお、新型コロナウイルス感染症がセグメントごとの経営成績等に与える可能性および主要なリスクを含む事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
(当社グループの資本の財源および資金の流動性)
a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b)契約債務
2021年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。
| 年度別要支払額(百万円) | |||||||
| 合計 | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
| 短期借入金 | 8,436 | 8,436 | - | - | - | - | - |
| 長期借入金 | 61,246 | 2,138 | 5,171 | 9,075 | 6,015 | 3,426 | 35,418 |
| リース債務 | 613 | 219 | 163 | 100 | 74 | 43 | 12 |
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2021年3月31日現在の債務保証額は、22億14百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、2021年3月31日現在の契約総額は、393億43百万円(借入実行額84億36百万円)です。
c)連結キャッシュ・フロー配分と資本政策
2021年5月13日付で公表した「『中期経営計画2022』の公表見送りに関するお知らせ」のとおり、「中期経営計画2022」の公表を見送ることとしたため、「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズを担う2020年度から2022年度における、当社グループの連結キャッシュ・フロー配分の公表はしておりませんが、引き続き、堅固な財務基盤の確立を目指しつつ、「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」を行うとともに、株主還元を配慮した連結キャッシュ・フローの適正配分に努めていきます。
なお、第1フェーズ(2017年度から2019年度の3年間)および2020年度の連結キャッシュ・フロー配分の概要は、以下のとおりです。
設備投資ヘの資金配分については、コア事業と位置づける機械事業を中心に、第1フェーズの3年間の設備投資実績累計額は164億3百万円(設備投資等の支払額は163億94百万円)、2020年度は41億44百万円(設備投資等の支払額は34億73百万円)となりました。なお、2020年度の設備投資の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。また、当連結会計年度末現在における翌年度以降の設備投資予定額は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり80億円で、このうち2021年度は、小山工場の新事務所棟建築など機械事業合計で38億円、当社グループ全体では、53億円を予定しております。今後も「企業価値向上に資する投資等の積極的推進」に取り組むべく、機械事業を中心に「モノづくり力の強化」を支える設備投資を実施していきます。有利子負債(借入金)の削減については、2016年度末の有利子負債(借入金)残高735億7百万円から第1フェーズの3年間で30億94百万円、2020年度は、7億29百万円削減(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の有利子負債の増△減には、為替換算差額による増△減額を含んでおりません。)し、696億83百万円となりました。当社グループは、今後も財務レバレッジに過度に依存することなく、効率性、収益性の改善に最優先で取り組み、2020年5月に公表した「中期経営方針2022」で掲げた「2025年ビジョン」の最終年度である2025年度の財務水準(イメージ)を達成すべく、財務の健全性向上に努めていきます。

資本政策については、株主還元を充実させていくことを心掛けるとともに、収益の確保に不可欠な設備投資、研究開発等に必要な内部留保を念頭に、今後の事業展開、その他諸般の事情を総合的に勘案して、成果の配分を実施することを基本方針としており、株主還元としての利益剰余金からの配当は、連結による損益を基礎とし、特別な損益状態である場合を除き、原則として1株当たり50円の年間配当金および連結配当性向30%以上をめどに、安定的・継続的な利益還元に努めていきます。第1フェーズの3年間の剰余金の処分累計額は59億58百万円で、連結配当性向は43.3%でした。2020年度の剰余金の処分額は19億53百万円(1株当たり配当金50円の年間配当金)としましたが、2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による万が一の資金需要に即応するための手元流動性を確保する目的で、政策保有株式の売却を行い、特別利益に投資有価証券売却益を計上した結果として1株当たり当期純利益が増加したこともあり、連結配当性向は26.2%となりました。なお、2021年5月13日に公表した2021年度の剰余金の配当予想は、1株当たり年間配当金50円00銭(連結配当性向54.3%)としました。
なお、自己株式の取得につきましては、第1フェーズの3年間で取得した株式の総数は1,186,300株、取得価額の総額は16億28百万円、2020年度は、2020年11月に自己株式140,500株を取得し、取得価額の総額は1億64百万円(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の自己株式の取得額には、単元未満株式の買取請求による自己株式の取得を含みます。)でした。自己株式の取得・消却については、株価の動向や資本効率、キャッシュ・フロー等を勘案しつつ、適宜検討していきます。

(当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において連結営業利益150億円超の常態化、二桁台のROEを掲げ、「2025年ビジョン」を具現化していくための第1フェーズとして2017年度から2019年度の3年間を対象とした「中期経営計画2019」を策定し、最終年度である2019年度に、マイルストーンとして連結営業利益85億円程度、ROE6~7%程度とする経営指標を設定いたしました。連結営業利益につきましては、2018年度89億円、2019年度86億円と2期連続で目標を達成しましたが、ROEにつきましては、3年間を通じて、5%台後半にとどまり、目標未達でした。

2021年5月13日付で公表した「『中期経営計画2022』の公表見送りに関するお知らせ」のとおり、「中期経営計画2022」の公表を見送ることとしたため、「2025年ビジョン」達成に向けた第2フェーズ(2020年度から2022年度)の最終年度となる2022年度のマイルストーンについては公表しておりませんが、2021年度および2022年度は単年度の連結業績予想を、それぞれ2020年度(2021年5月13日)および2021年度(2022年5月予定)の本決算時に公表することとしました。

当連結会計年度の売上高は、1,597億2百万円で、2016年度(比較基準年)に対する比率は、機械事業は103%、素材事業は112%、不動産事業は69%となりました。連結全体の売上高に対する構成比は、機械事業は43%(前期は50%)、素材事業全体では、55%(前期は48%)、不動産事業は1%(前期は1%)となりました。
なお、2021年5月13日に公表した、2021年度の連結売上高予想は、2020年度に比し、246億97百万円増収の1,844億円としました。機械事業については、産業機械では、橋梁や大型プロジェクト案件の増収を見込み、ロックドリルおよびユニック部門では、国内外ともに新型コロナウイルス感染症の影響からの緩やかな需要回復を想定し、増収を見込んでいます。素材事業については、金属部門では、銅価格の前提により電気銅が増収、電気金は生産量の増加による増収を見込み、電子部門では、結晶製品やコイルの需要増加を想定し、増収を見込んでいます。化成品部門は2020年度並みとなる見込みです。また、不動産事業については、2020年度並みとなる見込みです。

当連結会計年度の営業利益は、55億92百万円で、2016年度(比較基準年)に対する比率は、機械事業は111%、素材事業は56%、不動産事業は58%となりました。連結全体の営業利益に対する構成比は、コア事業と位置づける機械事業は、比較基準年である2016年度の53%から69%(前期は83%)となり、素材事業全体では、28%から18%(前期は9%)、不動産事業は19%から13%(前期は8%)となりました。
なお、2021年5月13日に公表した、2021年度の連結営業利益予想は、2020年度に比し、10億7百万円増益の66億円としました。機械事業については、産業機械、ロックドリルおよびユニック部門ともに自粛を余儀なくされていた営業活動の再開による経費の増加などがあるものの、増収による増益を見込んでいます。産業機械部門は、橋梁で好採算の案件が寄与した2020年度並みとなることを見込み、ロックドリル部門は、当期に大きく減少した需要の緩やかな回復を見込み、営業損失を計上した当期から営業利益に転じることを見込んでいます。ユニック部門は、若干の増益を見込んでいます。素材事業については、電子部門および化成品部門は当期並みとなる見込みですが、金属部門については、当期に1年を通じて上昇基調にあったことにより、営業利益計上の要因となった金属価格の変動を見込んでいないため、営業損失となる見込みです。また、不動産事業については、修繕費などの経費の増加により、若干の減益となることを見込んでいます。

ROE向上に向けた取り組みの強化・浸透については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)中期的な経営戦略 ①ROE向上に向けた取り組み」に記載のとおり、ROEの構成要素のうち、収益性と効率性の改善に最優先で取り組むこととしております。また、資本コストを的確に把握するとともに、設備投資等を含む経営資源の配分等に際し、資本コストを考慮した事業ポートフォリオマネジメントの運用を通じ、最適事業ポートフォリオの構築、経営資源配分における全体最適の追求をしていきます。
ROEの構成要素について2016年度(比較基準年)との比較で、第1フェーズの最終年度である2019年度は、投資有価証券評価損10億29百万円を特別損失に計上したことによる当期純利益率の悪化を主因として、収益性が低下し、ROEは5.8%(2017年度5.9%、2018年度5.7%)でした。
2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を主因とする機械事業の減収などにより、連結売上高は55億13百万円の減収となった一方で、投資有価証券売却益40億78百万円を特別利益に計上したことによる当期純利益率の改善を主因として、収益性が改善し、ROEは8.9%となりました。
(セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析検討の内容)
ROE向上の取り組みの強化・浸透を図るべく、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・管理指標とし、ROAの構成要素として収益性(売上高営業利益率)、効率性(総資産回転率)の改善に取り組んでいます。2016年度(比較基準年)および2019年度(第1フェーズの最終年度)ならびに2020年度の状況は以下のとおりです。なお、セグメントごとの今後の課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題」に記載のとおりです。

産業機械部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.5%から第1フェーズの最終年度である2019年度には12.9ポイント改善し13.4%となりましたが、2020年度は4.6ポイント悪化し8.8%(2016年度からは8.3ポイントの改善)となりました。第1フェーズにおいて、2018年4月に組織再編を実施し、エンジニアリング力強化を図ってきた結果として、コントラクタ事業の拡大を図ることができたこと、また、マテリアル機械においても、セクションプラント工事案件への技術提案による破砕機やスクリーン、造粒機や一部プラント設備等の受注など、業績向上に大きく貢献したことで、産業機械部門の2020年度の営業利益は、直近15年間で、2019年度の最高益に次ぐ業績となるなど、2016年度から収益性(営業利益率)は改善しました。2020年度については、大型プロジェクト案件のうち、前年度に小名浜港湾国際バルクターミナル向けの荷役設備や中間貯蔵設備(福島県双葉郡大熊町)など、工事の大部分が進捗したことにより65億55百万円(△28.2%)の減収となったことを主因として、効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から悪化しました。産業機械部門では、大型プロジェクト案件の受注精度・確率の向上を図るとともに、密閉式吊下げ型コンベヤ(SICON®)の需要創出、ポンプ、マテリアル機械の更新需要の取り込みによる収益基盤の強化を図っていきます。
ロックドリル部門のROAは、2016年度(比較基準年)の2.9%から第1フェーズの最終年度である2019年度には2.5ポイント悪化し0.4%となり、2020年度は営業損失の計上となったことで、4.2ポイント悪化し△3.8%(2016年度からは6.7ポイントの悪化)となりました。第1フェーズにおいて、2017年度および2018年度は、国内においてはトンネルドリルジャンボや都市再開発・建設投資などの底堅い需要を背景に、油圧ブレーカや油圧クローラドリルの出荷が好調であったこと、また、海外においては欧米を中心に油圧クローラドリルの出荷が好調であったことなどによる収益性(営業利益率)の改善を主因として、ROAは2017年度5.7%、2018年度5.0%となりましたが、2019年度には、油圧クローラドリルの先進国での排ガス規制対応に伴うコストアップおよび2017年度から開始した高崎吉井工場の設備投資による減価償却費などの負担増加による収益性(営業利益率)の悪化に加え、固定資産投資のほか在庫投資の増加などによる効率性(総資産回転率)も悪化し、ROAは0.4%となりました。2020年度については、国内外で新型コロナウイルス感染症拡大の影響があり、35億13百万円(△12.7%)の減収となったことを主因として営業損失の計上となり、効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から悪化しましたが、高崎吉井工場の第2期工事以降の設備投資の計画延期・見直しをするとともに在庫水準の適正化を図るなど、効率性(総資産回転率)の改善に努めました。ロックドリル部門では、在庫水準の適正化に向けた取り組みを継続するとともに、重点課題としている海外マーケティング力の強化・再構築の実行のほか、ライフサイクルサポートを活用したビジネスモデルの構築など体質の強化に取り組み、業績の回復に注力していきます。
ユニック部門のROAは、2016年度(比較基準年)の11.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には1.8ポイント改善し13.0%となりましたが、2020年度は2.6ポイント悪化し10.4%(2016年度からは0.8ポイントの悪化)となりました。第1フェーズにおいて、2016年度から開始した佐倉工場の設備投資に伴う総資産の増加、また、鋼材価格の上昇や製造しながらの設備投資の実施による減価償却費負担の増加など生産コストが上昇する中で、国内においてはユニッククレーンの高機能化・高付加価値化による競争力強化を更に図るため、操作性・安全性を各段に高めたフルモデルチェンジ機(G-FORCEシリーズ)の安全強化モデルの販売や、海外においては販売店網の再整備・販売力の強化に加え、海外輸出機の生産拠点の拡張、整備を行ってきたこと、また、佐倉工場の設備投資による投資効果についても生産効率の向上など、収益性の向上(営業利益率)に寄与し始めたことからROAは13.0%となりました。2020年度については、国内では、前期にあった移動式クレーン構造規格の一部改正などの駆け込み需要による出荷増加の反動による出荷減少が大きく、海外では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響の大きい地域の出荷減少を主因として、39億87百万円(△12.5%)の減収となったことから効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から悪化しましたが、機械事業の安定的なけん引に貢献しています。ユニック部門では、佐倉工場を三極生産体制(日本、中国、タイ)におけるマザー工場として機能強化する目的で、2016年度から開始した設備投資は、計画していたほとんどの工事が完了し、更なる設備投資効果の追求と最大化を図っていきます。
金属部門のROAは、2016年度(比較基準年)の6.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には5.1ポイント悪化し1.1%となりましたが、2020年度は0.6ポイント改善し1.7%(2016年度からは4.5ポイントの悪化)となりました。金属部門では、原料銅鉱石、地金製品ともに国際的な需給バランス、投機的取引、国際政治・経済情勢など国際市況の動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けるため、収益の変動は大きくなります。このため、為替予約取引や、先物取引を利用したヘッジ等によりこれらの影響の軽減を図るとともに、収益体質の向上のため、採算重視の最適生産・販売体制の確立に努めておりますが、鉱石買鉱条件の悪化や製錬費の増加等、製錬採算は年々厳しいものとなっています。第1フェーズにおいて、収益性(営業利益率)は2016年度の2.6%から2017年度1.1%、2018年度0.7%、2019年度0.5%と悪化しましたが、2020年度については、委託製錬損益の減益を、金属価格の大幅な上昇により吸収し、増収増益となったことから効率性(総資産回転率)および収益性(営業利益率)ともに2019年度から改善しました。金属部門では、2016年度から委託製錬損益は悪化していますが、この間、金属価格はおおむね上昇基調であったことから利益計上となりましたが、委託製錬の事業性は厳しいものと認識しており、電気銅の委託製錬比率の見直しにより、段階的に生産数量の削減を図るとともに、重点課題としている委託製錬事業の抜本的見直しを行っていきます。
電子部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.2%から第1フェーズの最終年度である2019年度には営業損失の計上となったことで、0.7ポイント悪化し△0.5%となりましたが、2020年度は2.8ポイント改善し2.3%(2016年度からは2.1ポイントの改善)となりました。第1フェーズにおいて、2017年度および2018年度は、成熟製品と位置づける高純度金属ヒ素は、主要用途である化合物半導体用などが好調で、結晶製品も個別半導体用の結晶が好調であったことなどによる収益性(営業利益率)の改善を主因として、ROAは2017年度4.5%、2018年度5.7%となりましたが、2019年度には、半導体市況の悪化による成熟製品の減収減益を主因として営業損失の計上となり、ROAは△0.5%となりました。2020年度については、第3四半期までは、前期に続いて損失計上となっていましたが、第2四半期以降、結晶製品やコイルの需要が回復傾向となり、高純度金属ヒ素は、化合物半導体用などの需要が安定し堅調であったこと、また、窒化アルミは、熱対策部品向けや半導体製造装置用部品向けなどの需要が増加し、増収となったことにより営業損失を解消し、利益計上となったことから、収益性(営業利益率)は、2019年度から改善しました。電子部門では、成熟製品から窒化アルミ、回折光学素子(DOE)およびハイブリッドコイルなど戦略製品への移行に取り組んでいきます。
化成品部門のROAは、2016年度(比較基準年)の0.7%から第1フェーズの最終年度である2019年度には2.4ポイント改善し3.1%となりましたが、2020年度は0.8ポイント悪化し2.3%(2016年度からは1.6ポイントの改善)となりました。第1フェーズにおいて、硫酸、亜酸化銅、酸化銅などの既存製品や高品質硫酸の増販などによる安定的な収益計上により、収益性(営業利益率)は2016年度の2.1%から2017年度7.1%、2018年度6.6%、2019年度7.6%と改善しました。2020年度については、酸化銅は、基板用向けの需要が旺盛であったことなどから増収となりましたが、亜酸化銅は、船底塗料の需要が全般的に低調であったこと、また、硫酸は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に加え、顧客の在庫調整を主因として減収となったことから、収益性(営業利益率)は、2019年度から悪化しました。化成品部門では、既存製品の収益拡大と高品質硫酸の差別化展開強化、金属銅粉の事業化・育成に取り組んでいきます。
不動産事業のROAは、2016年度(比較基準年)の4.0%から第1フェーズの最終年度である2019年度には1.3ポイント悪化し2.7%となりましたが、2020年度は0.1ポイント改善し2.8%(2016年度からは1.2ポイントの悪化)となりました。第1フェーズにおいて、2019年12月末をもって古河大阪ビルを閉館、この間、テナントの退出により賃貸収入が減少したこと、また、主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、順調な稼働を続けていましたが、2018年度第4四半期から大口事務所テナントの減床の影響による賃貸収入の減少で、収益性(営業利益率)は2016年度の39.4%から2017年度39.9%、2018年度38.5%、2019年度30.7%と悪化しました。一方で、経営資源の有効活用を図ることを目的として、遊休資産や2019年4月に売却した古河大名ビル(福岡県福岡市中央区)など収益貢献が見込まれなくなった資産の売却を進めるなど、効率性(総資産回転率)の維持に努めました。2020年度については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による臨時休館や来館者の影響を受けた室町古河三井ビルディングの商業テナントに対して一部賃料の減免を実施しましたが、前期の大口事務所テナント減床後の後継事務所テナントの入居などにより、収益性(営業利益率)は、2019年度から改善しました。不動産事業では、室町古河三井ビルディングの安定収益の確保を図るとともに、重点課題としている古河大阪ビルの将来構想の具現化に取り組んでいきます。
②重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。



