有価証券報告書-第157期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 14:00
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185項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
①経営成績の状況
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)214,190188,255△25,934
営業利益(百万円)9,0318,524△507
経常利益(百万円)9,34810,3841,036
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)6,21116,0979,885

当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の我が国経済は、雇用・所得環境が改善する中で、各種政策の効果もあって、景気は緩やかに回復しました。企業収益は全体として改善しています。一方、世界的な金融引締めに伴う影響、中国経済の先行き懸念やウクライナおよび中東地域をめぐる情勢など、海外経済の減速が我が国の景気を下押しするリスクとなっています。
このような経済環境の下、当社グループの当期の売上高は、1,882億55百万円(対前期比259億34百万円減)、営業利益は、85億24百万円(対前期比5億7百万円減)となりました。産業機械部門およびユニック部門は減収減益、ロックドリル部門は増収増益となり、機械事業全体では、増収減益となりました。素材事業では、金属部門は減収増益、電子部門は減収減益、化成品部門は増収増益となり、全体では減収増益となりました。また、不動産事業は減収減益となりました。営業外収益に為替差益11億62百万円ほかを計上した結果、経常利益は、103億84百万円(対前期比10億36百万円増)となりました。特別利益に、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡したことを主とした、固定資産売却益134億33百万円、投資有価証券売却益26億59百万円ほかを計上し、特別損失にCariboo Copper Corp. (ジブラルタル銅鉱山(カナダ)の権益の25%を保有)株式譲渡に伴う関連会社投融資整理損20億58百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、160億97百万円(対前期比98億85百万円増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[産業機械]
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)17,94315,548△2,394
営業利益(百万円)1,515389△1,125

産業機械部門の売上高は、155億48百万円(対前期比23億94百万円減)、営業利益は、3億89百万円(対前期比11億25百万円減)となりました。当期末の受注残高は、八王子南バイパス大船寺田高架橋やトンネル工事向け掘削土砂搬送設備、ダム新設工事向け骨材搬送設備などの受注があり、前期末に比べ増加しました。売上高については、マテリアル機械は、前期並みの売上高となりましたが、ポンプ設備および環境製品は、減収となりました。コントラクタ事業は、清水IC第3高架橋鋼上部工事やトンネル工事向け掘削土砂搬送設備などについて、出来高に対応した売上高を計上し、増収となりました。営業利益については、マテリアル機械においてプラント工事の遅延等に伴う追加原価の発生があり、減益となりました。
[ロックドリル]
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)35,75238,6822,930
営業利益(百万円)3,0304,1481,117

ロックドリル部門の売上高は、386億82百万円(対前期比29億30百万円増)、営業利益は、41億48百万円(対前期比11億17百万円増)となりました。国内については、油圧クローラドリルなどの補用部品の出荷増や整備事業の受注増により、増収となりました。海外については、北米向け油圧ブレーカおよび油圧クローラドリルの出荷が好調だったことに加え、中近東やアフリカ向け油圧クローラドリルの出荷が増加した結果、円安による増収効果もあり、増収となりました。
[ユニック]
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)27,96127,853△108
営業利益(百万円)1,5471,158△389

ユニック部門の売上高は、278億53百万円(対前期比1億8百万円減)、営業利益は、11億58百万円(対前期比3億89百万円減)となりました。国内については、トラックの生産遅延が回復傾向となり、前期と比べトラック供給台数が増加したことにより、ユニッククレーンの出荷が増加し、増収となりました。一方で、鋼材など原材料価格の高騰等に対して、値上げ前の受注製品の出荷が続いた結果、原価率が悪化し、減益となりました。海外については、中国、東南アジア、欧州などへの出荷が減少し、減収となりました。
≪機械事業合計≫
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)81,65882,085427
営業利益(百万円)6,0935,696△397

産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、820億85百万円(対前期比4億27百万円増)、営業利益は、56億96百万円(対前期比3億97百万円減)となりました。
[金 属]
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)111,42484,712△26,711
営業利益(百万円)1,2761,945668

金属部門の売上高は、847億12百万円(対前期比267億11百万円減)、営業利益は、19億45百万円(対前期比6億68百万円増)となりました。電気銅の海外相場は、8,966米ドル/トンで始まり、4月半ばには9,000米ドル/トン台まで上昇したものの、中国の需要低迷長期化を主因として、5月後半には8,000米ドル/トン割れとなりました。その後は、中国の需要回復に対する期待感と不透明感が入り交じり、上げ下げを繰り返す展開が続き、期末には8,729米ドル/トンとなりました。2023年3月末をもって小名浜製錬㈱との委託製錬契約を終了したことにより、電気銅の生産量が48,262トン(対前期比21,924トン減)となったことから、販売数量が減少し、減収となりました。一方で、金属価格変動による利益計上があったほか、委託製錬収支の改善により、増益となりました。
[電 子]
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)6,9266,766△159
営業利益(百万円)500212△288

電子部門の売上高は、67億66百万円(対前期比1億59百万円減)、営業利益は、2億12百万円(対前期比2億88百万円減)となりました。高純度金属ヒ素は、国内外ともに主要用途である化合物半導体用向け市場サイクルは底を脱しましたが、前期並みの売上高にとどまりました。結晶製品は、ユーザーの在庫調整の影響により、また、窒化アルミセラミックスは、半導体製造装置向け部品の需要低迷などにより、大幅な減収となりました。コイルは、半導体不足が解消された自動車生産の回復により、増収となりました。
[化成品]
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)8,4548,908454
営業利益(百万円)53260875

化成品部門の売上高は、89億8百万円(対前期比4億54百万円増)、営業利益は、6億8百万円(対前期比75百万円増)となりました。酸化銅は、銅価の上昇と価格改定などにより販売単価が上昇したものの、パソコンおよびスマートフォン向けに加え、サーバー等に使用されるパッケージ基板向けの需要も減少したため、前期並みの売上高となりました。亜酸化銅は、主要用途である船底塗料の需要が好調であることに加え、銅価の上昇と価格改定などにより販売単価が上昇し、増収となりました。
≪素材事業合計≫
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)126,804100,388△26,416
営業利益(百万円)2,3092,765456

金属、電子および化成品の素材事業の合計売上高は、1,003億88百万円(対前期比264億16百万円減)、営業利益は、27億65百万円(対前期比4億56百万円増)となりました。
[不動産]
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)2,0561,873△182
営業利益(百万円)835470△365

不動産事業の売上高は、18億73百万円(対前期比1億82百万円減)、営業利益は、4億70百万円(対前期比3億65百万円減)となりました。主力ビルである室町古河三井ビルディング(商業施設名:COREDO室町2)は、商業施設の売上げに応じて発生する変動賃料が、コロナ禍前の水準まで回復しましたが、オフィスについては、都心の市場が供給過多の状態にある影響で、賃料単価が低下し、減収となりました。
[その他]
前期当期対前期増△減
売上高(百万円)3,6713,908237
営業利益(百万円)△133△293△160

金属粉体事業、鋳物事業、運輸業等を行っています。売上高は、39億8百万円(対前期比2億37百万円増)、営業損失は、2億93百万円(対前期比1億60百万円の損失増)となりました。
②財政状態の状況
前期当期対前期増△減
総資産(百万円)232,745259,87827,132
負債(百万円)126,695126,605△89
(うち有利子負債
(百万円))
62,84858,389△4,459
純資産(百万円)106,050133,27227,222
自己資本比率(%)44.250.05.8

当期末の総資産は、対前期末比271億32百万円増の2,598億78百万円となりました。これは主として、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したこと、現金及び預金、上場株式の株価が上昇した投資有価証券、また、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡した代金を計上したことにより、投資その他の資産の「その他」に含まれる長期未収入金が増加したことによるものです。有利子負債は、対前期末比44億59百万円減の583億89百万円となり、負債合計は、対前期末比89百万円減の1,266億5百万円となりました。純資産は、対前期末比272億22百万円増の1,332億72百万円となり、自己資本比率は、対前期末比5.8ポイント増加し50.0%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
前期当期対前期増△減
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)6,14810,4924,344
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△1,6171,9153,533
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△5,934△8,446△2,512
現金及び現金同等物(百万円)13,60618,1934,587

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、主として、税金等調整前当期純利益の計上により104億92百万円の純収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出64億5百万円などの支出がありましたが、有形固定資産の売却による収入54億64百万円、投資有価証券の売却による収入31億28百万円などの収入があり、19億15百万円の純収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入50億円などの収入がありましたが、借入金返済による支出310億40百万円や配当金の支払額19億4百万円の支出があり、84億46百万円の純支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、対前期末比45億87百万円増の181億93百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、104億92百万円の純収入で、対前期比43億44百万円の収入増となりました。主として、売上債権の減少、仕入債務の増加ほか、営業活動に係る資産・負債の増減により支出が減少したことによるものです。
(参考)
2022年度
(百万円)
2023年度
(百万円)
増△減
(百万円)
税金等調整前当期純利益8,50623,25214,745
非資金損益項目等の調整※5,039△9,482△14,522
非資金損益項目等の調整後収入13,54613,769223
営業活動に係る資産・負債の増減△4,653△9413,711
純支払利息および配当金の受取額579878298
法人税等の純支払額△3,324△3,213110
営業活動によるキャッシュ・フロー6,14810,4924,344

※ 減価償却費や減損損失等の非資金損益項目のほか、営業外損益、特別損益項目の調整を含みます。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動によるキャッシュ・フローは、19億15百万円の純収入(前期は16億17百万円の純支出)で、対前期比35億33百万円の収入増となりました。主として、有形固定資産の取得による支出64億5百万円(対前期比30億43百万円の支出増)に対し、有形固定資産の売却による収入が54億64百万円(対前期比52億25百万円の収入増)、投資有価証券の売却による収入が31億28百万円(対前期比17億47百万円の収入増)となったことによるものです。有形固定資産の取得による支出の増加は、主として、群馬環境リサイクルセンター㈱の医療廃棄物処理設備の新設をはじめとする機械事業における、14億61百万円の支出の増加によるものです。有形固定資産の売却による収入の増加は、主として、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡したことによるものです。投資有価証券の売却による収入の増加は、政策保有株式について、毎年、保有継続の適否を検証するとともに、資産の有効活用および財務体質の健全化を図るべく適宜売却を進めていることによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動によるキャッシュ・フローは、84億46百万円の純支出で、対前期比25億12百万円の支出増となりました。主として、有利子負債削減による支出(短期・長期借入れおよび社債の発行による収入と短期・長期借入金の返済による支出の純減)46億62百万円(対前期比17億93百万円の支出増)によるものです。
④生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
産業機械17,134△5.5
ロックドリル36,2995.0
ユニック27,902△2.5
金属78,212△26.7
電子6,684△3.6
化成品7,3964.1
その他2,8173.4
合計176,445△13.8

(注)1.生産金額の算出方法は、販売価格および製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.産業機械、ロックドリルおよびユニックの一部については外注生産を、また、金属は委託製錬を行っております。
b.受注実績
産業機械、ユニックおよびその他の一部については受注生産を行っており、当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前期比
(%)
受注残高
(百万円)
前期比
(%)
産業機械11,095△26.315,87011.4
ユニック3,09236.41,80617.5
その他1,11773.1433△25.0
合計15,305△14.818,11010.7

c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
産業機械15,548△13.3
ロックドリル38,6828.2
ユニック27,853△0.4
金属84,712△24.0
電子6,766△2.3
化成品8,9085.4
不動産1,873△8.9
その他3,9086.5
合計188,255△12.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
古河電気工業(株)32,34015.028,67215.2

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討の内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績)
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当連結会計年度の売上高は、対前期比259億34百万円(△12.1%)減少し、1,882億55百万円、営業利益は、対前期比5億7百万円(△5.6%)減少し、85億24百万円となりました。営業利益率は、0.3ポイント増加し、4.5%となりました。セグメント別の売上高および営業利益の状況につきましては、(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載のとおりです。
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当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益5億39百万円(前期は8億60百万円の持分法による投資損失)などを計上したことにより、対前期比5億9百万円増加し、36億55百万円となりました。営業外費用は、対前期比10億34百万円減少し、17億95百万円となりました。以上の結果、経常利益は、対前期比10億36百万円(11.1%)増加し、103億84百万円となりました。
当連結会計年度の特別利益は、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡したことを主とした、固定資産売却益134億33百万円(対前期比133億85百万円増)、投資有価証券売却益26億59百万円(対前期比22億96百万円増)などを計上したことにより、対前期比156億82百万円増加し、160億92百万円となりました。特別損失は、Cariboo Copper Corp. (ジブラルタル銅鉱山(カナダ)の権益の25%を保有)株式譲渡に伴う関連会社投融資整理損20億58百万円などを計上したことにより、対前期比19億72百万円増加し、32億24百万円となりました。以上の結果、税金等調整前当期純利益は、対前期比147億45百万円(173.3%)増加し、232億52百万円となりました。
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合計した税金費用は、対前期比48億81百万円増加し、69億31百万円となりました。法人税等の負担率は、子会社留保利益による調整(△7.8%)があった前期に比し、5.7ポイント増加し、29.8%となりました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、対前期比21百万円減少し、2億24百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、対前期比98億85百万円(159.1%)増加し、160億97百万円となりました。
(当社グループの当連結会計年度末の財政状態)
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当連結会計年度末の流動資産は、対前期末比2億46百万円(△0.2%)減少し、996億36百万円となりました。減少の要因は、現金及び預金が49億6百万円(36.1%)増加しましたが、売上高の減少により、受取手形、売掛金及び契約資産が50億93百万円(△14.3%)減少したことによるものです。
当連結会計年度末の固定資産は、対前期末比273億78百万円(20.6%)増加し、1,602億41百万円となりました。増加の要因は、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡した代金の計上により、投資その他の資産の「その他」に含まれる長期未収入金が増加したほか、保有する上場株式の株価の上昇により、投資有価証券が126億71百万円(36.5%)増加したことによるものです。なお、当社の株式の保有状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載しています。
以上の結果、当連結会計年度末の総資産は、対前期末比271億32百万円(11.7%)増加し、2,598億78百万円となりました。
当連結会計年度末の流動負債は、対前期末比114億42百万円(△18.1%)減少し、516億69百万円となりました。減少の要因は、短期借入金(1年以内返済予定の長期借入金を含みます。)が、100億49百万円(△60.5%)減少したことによるものです。
当連結会計年度末の固定負債は、対前期末比113億52百万円(17.9%)増加し、749億35百万円となりました。増加の要因は、社債および長期借入金の合計額が、55億90百万円(12.1%)増加したほか、その他有価証券評価差額金に係る繰延税金負債が増加したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度の負債合計は、対前期末比89百万円(△0.1%)減少し、1,266億5百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、対前期末比272億22百万円(25.7%)増加し、1,332億72百万円となりました。増加の要因は、主に親会社株主に帰属する当期純利益160億97百万円を計上し、剰余金の配当19億5百万円を実施したことなどにより、株主資本合計が125億77百万円(15.0%)増加したこと、また、その他有価証券評価差額金の増加などにより、その他の包括利益累計額合計が143億83百万円(75.8%)増加したことによるものです。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
産業機械製品は、主に民間設備投資と公共投資の動向の影響を受けます。ロックドリル製品は、国内では民間設備投資と公共投資の動向、海外では出荷先各国の景気動向の影響を受けます。ユニック製品は、トラックの国内需要動向の影響を受けます。
電気銅をはじめとする金属製品は、原料銅鉱石、地金製品ともに国際市況動向の影響を受け、製錬採算は、鉱石買鉱条件の影響を受けます。電子製品は、半導体市場の動向の影響を受けます。
なお、主要なリスクを含む事業等のリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
(当社グループの資本の財源および資金の流動性)
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.契約債務
2024年3月31日現在の契約債務の概要は、以下のとおりです。
年度別要支払額(百万円)
合計1年以内1年超
2年以内
2年超
3年以内
3年超
4年以内
4年超
5年以内
5年超
短期借入金493493-----
長期借入金52,8956,0643,4987,4277,3205,73522,849
リース債務90725019914410478130

上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年以内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めています。
当社グループの第三者に対する保証は、連結会社以外の会社の金融機関等からの借入等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が発生した場合、代わりに弁済する義務があり、2024年3月31日現在の債務保証額は、16億2百万円です。なお、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメント契約を締結しており、2024年3月31日現在の契約総額は、509億61百万円(借入実行額4億93百万円)です。
c.連結キャッシュ・フロー配分と資本政策
「2025年ビジョン」達成に向けた最終フェーズを担う「中期経営計画2025」における、連結キャッシュ・フロー配分および資本政策については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 ②「中期経営計画2025」における経営方針・経営計画と進捗および拡充・強化した取り組み g.経営資源の配分等、d.資本政策」に記載のとおりです。
「2025年ビジョン」の各フェーズにおける連結キャッシュ・フロー配分の概要は、次のとおりです。
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設備投資ヘの資金配分については、第1フェーズの設備投資実績累計額は164億3百万円(設備投資等の支払額は163億94百万円)、第2フェーズは131億10百万円(設備投資等の支払額は124億59百万円)、2023年度は80億13百万円(設備投資等の支払額は65億26百万円)となりました。なお、2023年度の設備投資の概要については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。第3フェーズの設備投資累計額は200億円を見込み、70%に当たる140億円をコア事業と位置づける機械事業に投下する予定です。引き続き、モノづくり力の強化を支える設備投資を実施していきます。
有利子負債の削減については、2016年度末の有利子負債残高735億7百万円から、第1フェーズで30億94百万円、第2フェーズで75億64百万円、2023年度は44億59百万円を削減(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の有利子負債の増△減には、為替換算差額による増△減額を含んでいません。)し、当連結会計年度末の有利子負債残高は、583億89百万円となりました。第3フェーズでは有利子負債100億円の削減を予定しており、引き続き、金融情勢に左右されない資金調達を可能にする堅固な財務基盤の確立を目指していきます。更に、「2025年ビジョン」の最終年度となる2025年度には、日系格付機関による発行体格付で、現行の「BBB+」から「A-」以上の格付引上げが可能となる財務水準をイメージし、今後とも継続して財務の健全性向上に努めていきます。
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配当については、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するための投資を優先したうえで、増配および中間配当の実施を検討し、原則として1株当たり50円以上の年間配当金および連結自己資本総還元率3%以上を目安として、安定的・継続的な利益還元に努めていきます。第1フェーズの剰余金の処分累計額は59億58百万円で、平均の連結自己資本総還元率は3.2%、第2フェーズの剰余金の処分累計額は58億円で、平均の連結自己資本総還元率は2.6%、2023年度の剰余金の処分額は20億45百万円で、連結自己資本総還元率は3.1%でした。
自己株式の取得・消却については、株価の動向や資本効率、キャッシュ・フロー等を勘案しつつ適宜検討していきます。第1フェーズで取得した自己株式の総数は1,186,300株、取得価額の総額は16億28百万円、第2フェーズは1,099,400株、13億87百万円、2023年度は925,700株、16億20百万円(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の自己株式の取得額には、単元未満株式の買取請求による自己株式の取得を含みます。)でした。
政策保有株式の縮減については、毎年、個別の銘柄ごとにその保有目的、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか、また同時に定性面、定量面からの総合的な判断を含め精査し、保有継続の適否を検証しています。保有の必要性が認められなくなった銘柄は、適宜売却を行うなど縮減に努め、縮減に関する指標として、政策保有株式の連結純資産に対する比率を継続的に開示していきます。当連結会計年度末の比率は、保有する上場株式の株価が上昇したことにより、対前期末比5.8ポイント増加し、40.8%となりました。
なお、2024年2月に政策保有株式の縮減目標を設定し、2026年3月末までに連結純資産に対する比率を20%未満にすることを公表しました。これを更に推し進め、1年前倒しで2025年3月末までに低下させる予定です。当該売却資金は、「中期経営計画2025」において株主還元に関する方針として設定した自己株式の取得(3年間)の目安を30億円程度から50億円程度に増額し、活用する予定です。更に、M&A等の成長投資のほか、環境投資としてカーボンニュートラルおよび環境保全に係る投資に活用する予定です。(「連結キャッシュ・フロー配分の概要」の第3フェーズ累計額(イメージ)は、営業活動によるキャッシュ・フローの配分を表しており、当該売却資金を反映していません。)
(当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
創業150周年を迎える2025年度に向けた当社グループの2025年ビジョン「FURUKAWA Power & Passion 150」において連結営業利益150億円超の常態化、二桁台のROEを掲げる中、「2025年ビジョン」を具現化していくための最終フェーズ(2023年度~2025年度)を担う「中期経営計画2025」を策定し、最終年度である2025年度に、連結営業利益130億円程度、ROE8%程度とする経営指標を設定しました。
最終フェーズ初年度に当たる2023年度については、マテリアル機械においてプラント工事の遅延等に伴う追加原価の発生があった産業機械部門、鋼材など原材料価格の高騰等に対して、値上げ前の受注製品の出荷が続いたユニック部門などが低調で、連結営業利益は85億24百万円となりました。特別利益に、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡したことを主とした、固定資産売却益134億33百万円を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益が160億97百万円となった結果、ROEは13.8%となりました。
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目標達成に向けての成長戦略として、事業ポートフォリオの見直し強化に加え、各事業部門内の事業(製品)ポートフォリオ戦略も可視化し、収益性の改善や低収益事業(製品)の見極めを推進していきます。特に、コア事業と位置づける機械事業については、持続的拡大を新たなステージに引き上げるために、経営資源を集中していきます。
ROE向上に向けた取り組みの強化については、投資に伴うリスクおよび資本コストを勘案した採算性に留意し、個別の投資判断を行うとともに、効率性、収益性の改善に努めます。また、資本コストを活用した事業ポートフォリオマネジメントを運用することにより、経営資源配分の全体最適を追求し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現していきます。
(セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析検討の内容)
ROE向上の取り組みの強化・浸透を図るべく、ROA(総資産営業利益率)をセグメントごとの経営指標・管理指標とし、ROAの構成要素として収益性(売上高営業利益率)、効率性(総資産回転率)の改善に取り組んでいます。2016年度(比較基準年)、2019年度(第1フェーズの最終年度)、2022年度(第2フェーズの最終年度)および2023年度にわたる指標の推移、ならびに2023年度の状況は以下のとおりです。なお、セグメントごとの今後の課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 ②「中期経営計画2025」における経営方針・経営計画と進捗および拡充・強化した取り組み h.セグメント別の基本戦略、重点課題」に記載のとおりです。
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0102010_023.png産業機械部門では、単なる機器メーカーからの脱却を目指し、エンジニアリング力の強化を図ってきた成果として、コントラクタ事業の拡大や、マテリアル機械におけるセクションプラント工事案件への技術提案による受注獲得などが、業績向上に大きく貢献し、収益性(営業利益率)が改善してきましたが、2023年度は、マテリアル機械においてプラント工事の遅延等に伴う追加原価の発生があったため、収益性(営業利益率)が大幅に悪化したことに加え、固定資産投資および在庫投資の増加などにより効率性(総資産回転率)も悪化した結果、ROAは1.4%となりました。
0102010_024.pngロックドリル部門では、新型コロナウイルス感染症の影響から回復した2021年度以降の増収に伴い、収益性(営業利益率)が改善し、また、売上債権回転率の改善や、在庫水準適正化の取り組みによる棚卸資産回転率の改善を主因として、効率性(総資産回転率)も改善しています。2023年度は、北米向け油圧ブレーカおよび油圧クローラドリルの出荷好調に、円安効果も加わった増収を主因として、収益性(営業利益率)が更に改善し、ROAは10.8%となりました。
0102010_025.pngユニック部門では、継続的な鋼材など原材料価格の高騰等に対して、値上げ前の受注製品の出荷が続いた結果、収益性(営業利益率)が更に悪化し、2023年度のROAは3.7%となりました。2016年度から2021年度にかけて実施した佐倉工場の設備投資に伴い、固定資産回転率が悪化しているため、収益性(営業利益率)の改善とともに、設備投資効果の追求と最大化が課題となっています。
0102010_026.png金属部門では、金属価格変動による利益計上に加え、委託製錬収支の改善により、収益性(営業利益率)が更に改善し、2023年度のROAは6.4%となりました。委託製錬事業の抜本的な見直しとして、2023年3月末に小名浜製錬㈱との委託製錬契約を終了し生産規模を縮小した結果、必要銅精鉱量が減少したため、銅鉱山権益への出資についても見直し、ジブラルタル銅鉱山(カナダ)の権益の25%を保有する Cariboo Copper Corp.の株式を2024年3月に譲渡しました。
0102010_027.png電子部門では、半導体市況回復の遅れを主因として収益性(営業利益率)が悪化し、2023年度のROAは2.4%となりました。電子機器の高性能化や高集積化、微細化、薄型化が進み、それに伴う放熱部材の需要が高まっている窒化アルミセラミックスの生産能力増強のための設備投資を実施しており、収益基盤の強化を図っています。
0102010_028.png化成品部門では、亜酸化銅が、主要用途である船底塗料の需要が好調だったことに加え、銅価の上昇と価格改定などにより販売単価が上昇し、増収となったことを主因として収益性(営業利益率)が改善し、2023年度のROAは3.5%となりました。5G関連やクラウドサーバー向けに販売が伸長することに備え、酸化銅の生産能力増強のための設備投資を実施しています。
0102010_029.png不動産事業では、都心のオフィス市場が供給過多の状態にある影響で、室町古河三井ビルディングの事務所賃料単価が低下し、減収となったことを主因として収益性(営業利益率)が悪化し、2023年度のROAは1.5%となりました。経営資源の有効活用を図ることを目的として、2023年8月に古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡し、譲渡代金を原資として、当該地に建築中のホテルおよび一部住宅を用いた賃貸事業を2027年度中に開始することを計画しています。
②重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。
また、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。

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