四半期報告書-第72期第3四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2019年1月1日~2019年9月30日)におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の深刻化や海外経済の減速を受け、製造業を中心に下押し圧力がかかり、景気の停滞感が強まりました。個人消費は、一部に消費増税前の駆け込み需要が見られましたものの、総じて力強さを欠きました。
当業界におきましては、お客様の節約志向が続き販売競争が激化する中で、人手不足を背景とした人件費やエネルギーコストの増加もあり、収益が圧迫される厳しい経営環境となりました。
このような情勢下にありまして、当社グループは、「厳撰100品」を中心とした主力製品の品質向上と科学的根拠の上に立った消費期限の延長に取り組みました。また、市場動向に即応して、高品質・高付加価値・高単価製品を開発する一方で値頃感のある製品を投入するなど、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、売上確保をめざしました。
また、製パン業界全般に拡大した「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示につきましては、6月に日本パン工業会で、7月には日本パン公正取引協議会で自粛する旨の自主基準が決議され、製パン業界において遵守徹底されることとなりました。これに伴い、当社のパンの売上は着実に回復してまいりました。
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、「週次商品施策・営業戦略小委員会」を開催し、ヤマザキパンの生産部門、営業部門、デイリーヤマザキ合同で、デイリーヤマザキ事業の日々の仕事の中から問題・課題を把握しこれに取り組むとともに、高品質・高付加価値・高単価商品の特撰シリーズの展開をはかりました。また、「首都圏リージョン小委員会」を通じてデイリーヤマザキ一店一店の課題に取り組み、店舗運営の改善につとめ、店舗競争力の強化をはかりました。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は7,806億4百万円(対前年同期比99.4%)、営業利益は173億64百万円(対前年同期比95.4%)、経常利益は189億28百万円(対前年同期比97.2%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は96億64百万円(対前年同期比93.3%)となりました。売上が伸び悩む中で、人手不足を背景とした人件費の増加やエネルギーコストの増加に加え、お客様の節約志向の影響を強く受け菓子類の売上が想定以上に苦戦したこともあり一部の子会社の業績が低迷し、減収減益となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
<食品事業>食品事業の主要製品別の売上状況は次のとおりであります。
①食パン部門(売上高734億26百万円、対前年同期比99.3%)
食パンは、主力の「ロイヤルブレッド」が伸長するとともに、ルヴァン種の活用によりしっとり感が向上した「ふんわり食パン」が好調に推移し、また9月に「超芳醇」に高品質・高付加価値・高単価の「特撰超芳醇」を投入したこともあり、売上は前年同期を下回りましたものの、6月以降回復傾向となりました。
②菓子パン部門(売上高2,661億7百万円、対前年同期比99.0%)
菓子パンは、高級シリーズ、「まるごとソーセージ」、「ホワイトデニッシュショコラ」、「カレーパン」などの品質向上と消費期限の延長をはかった主力製品が好調に推移するとともに、「ふっくらバーガー」シリーズなどの惣菜パンの寄与もあり、山崎製パン本体の6月以降の売上は前年を上回るまで回復しました。一方で、米国子会社での売上逸失があり、菓子パン部門全体の売上は前年同期を下回りました。
③和菓子部門(売上高508億72百万円、対前年同期比101.6%)
和菓子は、消費期限を延長した串団子、大福、まんじゅう、どら焼などが堅調に推移し、新製品の「熟成厚焼きたまご風蒸しぱん」の寄与もあり蒸しパンが好調に推移するとともに、「特撰月餅」などの焼菓子が堅調に推移し、好調な売上となりました。
④洋菓子部門(売上高966億78百万円、対前年同期比100.5%)
洋菓子は、主力の2個入り生ケーキや「まるごとバナナ」が好調に推移するとともに、チルド製品の「レーズンサンド」や、コンビニエンスストア向け製品対応を強化したチーズケーキが大きく寄与し、前年同期の売上を上回りました。
⑤調理パン・米飯類部門(売上高1,236億10百万円、対前年同期比100.1%)
調理パン・米飯類は、「こだわりソースの焼きそばパン」などのこだわりシリーズや和紙包装のハンバーガーの伸長もあり調理パンが好調に推移しました。米飯類は、おにぎりが伸長しましたが、調理麺の伸び悩みもあり、調理パン・米飯類部門全体の売上は前年同期並みとなりました。
⑥製菓・米菓・その他商品類部門(売上高1,212億82百万円、対前年同期比99.8%)
製菓・米菓・その他商品類は、㈱不二家の「ホームパイ」や㈱東ハトの「ポテコ」が好調でしたが、ヤマザキビスケット㈱のビスケット、クラッカーの伸び悩みもあり、前年同期の売上を下回りました。
以上の結果、食品事業の売上高は7,319億75百万円(対前年同期比99.7%)、営業利益は168億56百万円(対前年同期比96.8%)となりました。
<流通事業>デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、直営店の減少や既存店売上の伸び悩みもあり、営業総収入は399億58百万円(対前年同期比92.5%)となり、営業損失は11億86百万円(前年同期は8億6百万円の営業損失)となりました。
<その他事業>その他事業につきましては、売上高は86億70百万円(対前年同期比107.3%)、営業利益は13億25百万円(対前年同期比88.2%)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は7,079億94百万円で、前連結会計年度末に対して208億83百万円減少しました。流動資産は2,392億98百万円で、受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に対して173億10百万円減少しました。固定資産は4,686億95百万円で、投資有価証券の減少等により、前連結会計年度末に対して35億73百万円減少しました。負債合計は3,619億97百万円で、支払手形及び買掛金等の支払債務の減少や借入金の返済により、前連結会計年度末に対して243億27百万円減少しました。純資産は3,459億97百万円で、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して34億43百万円増加しました。
この結果、自己資本比率は44.76%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は59億59百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
① 当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画の主なものは次のとおりであります。
(注)1 2019年7月1日に㈱サンデリカが㈱盛岡デリカを吸収合併し盛岡事業所といたしました。
2 本明細は、消費税等を除いて表示しております。
② 前連結会計年度末及び当第3四半期連結累計期間において計画中であった重要な設備について、当第3四半期連結累計期間に完了したものは次のとおりであります。
(注) 本明細は、消費税等を除いて表示しております。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2019年1月1日~2019年9月30日)におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の深刻化や海外経済の減速を受け、製造業を中心に下押し圧力がかかり、景気の停滞感が強まりました。個人消費は、一部に消費増税前の駆け込み需要が見られましたものの、総じて力強さを欠きました。
当業界におきましては、お客様の節約志向が続き販売競争が激化する中で、人手不足を背景とした人件費やエネルギーコストの増加もあり、収益が圧迫される厳しい経営環境となりました。
このような情勢下にありまして、当社グループは、「厳撰100品」を中心とした主力製品の品質向上と科学的根拠の上に立った消費期限の延長に取り組みました。また、市場動向に即応して、高品質・高付加価値・高単価製品を開発する一方で値頃感のある製品を投入するなど、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、売上確保をめざしました。
また、製パン業界全般に拡大した「イーストフード、乳化剤不使用」等の強調表示につきましては、6月に日本パン工業会で、7月には日本パン公正取引協議会で自粛する旨の自主基準が決議され、製パン業界において遵守徹底されることとなりました。これに伴い、当社のパンの売上は着実に回復してまいりました。
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、「週次商品施策・営業戦略小委員会」を開催し、ヤマザキパンの生産部門、営業部門、デイリーヤマザキ合同で、デイリーヤマザキ事業の日々の仕事の中から問題・課題を把握しこれに取り組むとともに、高品質・高付加価値・高単価商品の特撰シリーズの展開をはかりました。また、「首都圏リージョン小委員会」を通じてデイリーヤマザキ一店一店の課題に取り組み、店舗運営の改善につとめ、店舗競争力の強化をはかりました。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は7,806億4百万円(対前年同期比99.4%)、営業利益は173億64百万円(対前年同期比95.4%)、経常利益は189億28百万円(対前年同期比97.2%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は96億64百万円(対前年同期比93.3%)となりました。売上が伸び悩む中で、人手不足を背景とした人件費の増加やエネルギーコストの増加に加え、お客様の節約志向の影響を強く受け菓子類の売上が想定以上に苦戦したこともあり一部の子会社の業績が低迷し、減収減益となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
セグメントの名称 | 区分 | 金額(百万円) | 前年同四半期比(%) |
食品事業 | 食パン | 73,426 | 99.3 |
菓子パン | 266,107 | 99.0 | |
和菓子 | 50,872 | 101.6 | |
洋菓子 | 96,678 | 100.5 | |
調理パン・米飯類 | 123,610 | 100.1 | |
製菓・米菓・その他商品類 | 121,282 | 99.8 | |
食品事業計 | 731,975 | 99.7 | |
流通事業 | 39,958 | 92.5 | |
その他事業 | 8,670 | 107.3 | |
合計 | 780,604 | 99.4 |
<食品事業>食品事業の主要製品別の売上状況は次のとおりであります。
①食パン部門(売上高734億26百万円、対前年同期比99.3%)
食パンは、主力の「ロイヤルブレッド」が伸長するとともに、ルヴァン種の活用によりしっとり感が向上した「ふんわり食パン」が好調に推移し、また9月に「超芳醇」に高品質・高付加価値・高単価の「特撰超芳醇」を投入したこともあり、売上は前年同期を下回りましたものの、6月以降回復傾向となりました。
②菓子パン部門(売上高2,661億7百万円、対前年同期比99.0%)
菓子パンは、高級シリーズ、「まるごとソーセージ」、「ホワイトデニッシュショコラ」、「カレーパン」などの品質向上と消費期限の延長をはかった主力製品が好調に推移するとともに、「ふっくらバーガー」シリーズなどの惣菜パンの寄与もあり、山崎製パン本体の6月以降の売上は前年を上回るまで回復しました。一方で、米国子会社での売上逸失があり、菓子パン部門全体の売上は前年同期を下回りました。
③和菓子部門(売上高508億72百万円、対前年同期比101.6%)
和菓子は、消費期限を延長した串団子、大福、まんじゅう、どら焼などが堅調に推移し、新製品の「熟成厚焼きたまご風蒸しぱん」の寄与もあり蒸しパンが好調に推移するとともに、「特撰月餅」などの焼菓子が堅調に推移し、好調な売上となりました。
④洋菓子部門(売上高966億78百万円、対前年同期比100.5%)
洋菓子は、主力の2個入り生ケーキや「まるごとバナナ」が好調に推移するとともに、チルド製品の「レーズンサンド」や、コンビニエンスストア向け製品対応を強化したチーズケーキが大きく寄与し、前年同期の売上を上回りました。
⑤調理パン・米飯類部門(売上高1,236億10百万円、対前年同期比100.1%)
調理パン・米飯類は、「こだわりソースの焼きそばパン」などのこだわりシリーズや和紙包装のハンバーガーの伸長もあり調理パンが好調に推移しました。米飯類は、おにぎりが伸長しましたが、調理麺の伸び悩みもあり、調理パン・米飯類部門全体の売上は前年同期並みとなりました。
⑥製菓・米菓・その他商品類部門(売上高1,212億82百万円、対前年同期比99.8%)
製菓・米菓・その他商品類は、㈱不二家の「ホームパイ」や㈱東ハトの「ポテコ」が好調でしたが、ヤマザキビスケット㈱のビスケット、クラッカーの伸び悩みもあり、前年同期の売上を下回りました。
以上の結果、食品事業の売上高は7,319億75百万円(対前年同期比99.7%)、営業利益は168億56百万円(対前年同期比96.8%)となりました。
<流通事業>デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、直営店の減少や既存店売上の伸び悩みもあり、営業総収入は399億58百万円(対前年同期比92.5%)となり、営業損失は11億86百万円(前年同期は8億6百万円の営業損失)となりました。
<その他事業>その他事業につきましては、売上高は86億70百万円(対前年同期比107.3%)、営業利益は13億25百万円(対前年同期比88.2%)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は7,079億94百万円で、前連結会計年度末に対して208億83百万円減少しました。流動資産は2,392億98百万円で、受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に対して173億10百万円減少しました。固定資産は4,686億95百万円で、投資有価証券の減少等により、前連結会計年度末に対して35億73百万円減少しました。負債合計は3,619億97百万円で、支払手形及び買掛金等の支払債務の減少や借入金の返済により、前連結会計年度末に対して243億27百万円減少しました。純資産は3,459億97百万円で、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して34億43百万円増加しました。
この結果、自己資本比率は44.76%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は59億59百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
① 当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画の主なものは次のとおりであります。
会社名 | 事業所名 (所在地) | セグメント の名称 | 設備の内容 | 投資予定額 | 資金 調達 方法 | 着手年月 | 完了予定 年月 | 完成後の 増加能力 | |
総額 (百万円) | 既支払額 (百万円) | ||||||||
提出会社 | 松戸工場 松戸第二工場 (千葉県松戸市) | 食品事業 | 菓子パン生産設備 | 295 | 295 | 自己資金 | 2019年8月 | 2019年10月 | 生産能力 180百万円/月 |
横浜第二工場 (横浜市都筑区) | 食品事業 | 食パン生産設備 | 280 | 70 | 自己資金 | 2019年12月 | 2020年7月 | 生産能力 520百万円/月 | |
安城冷生地事業所 (愛知県安城市) | 食品事業 | 冷凍食品生産設備 | 250 | 51 | 自己資金 | 2019年9月 | 2019年10月 | 生産能力 250百万円/月 | |
㈱サンデリカ (注)1 | 盛岡事業所 (岩手県紫波郡 矢巾町) | 食品事業 | 炊飯生産設備 | 800 | 138 | 自己資金 | 2019年6月 | 2020年4月 | 生産能力 25%増 |
(注)1 2019年7月1日に㈱サンデリカが㈱盛岡デリカを吸収合併し盛岡事業所といたしました。
2 本明細は、消費税等を除いて表示しております。
② 前連結会計年度末及び当第3四半期連結累計期間において計画中であった重要な設備について、当第3四半期連結累計期間に完了したものは次のとおりであります。
会社名 | 事業所名 (所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 金額 (百万円) | 完了年月 |
提出会社 | 京都工場(京都府宇治市) | 食品事業 | 菓子パン生産設備 | 553 | 2019年6月 |
松戸工場(千葉県松戸市) | 食品事業 | 受変電設備 | 300 | 2019年1月 | |
伊勢崎工場(群馬県伊勢崎市) | 食品事業 | 調理食品生産設備 | 232 | 2019年6月 | |
ヤマザキビスケット㈱ | 古河事業所(茨城県古河市) | 食品事業 | 製菓生産設備 | 3,606 | 2019年8月 |
製菓包装設備 | 406 | 2019年7月 |
(注) 本明細は、消費税等を除いて表示しております。