有価証券報告書-第71期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当期におけるわが国の一般経済環境は、緩やかな景気回復の動きが見られましたものの、海外経済の減速により輸出の伸び悩みが生じるなど景気の下押し圧力が強まりました。個人消費につきましては、天候不順や全国各地で相次いで発生した自然災害の影響により消費者マインドが低下するなど一進一退で推移し、力強さを欠きました。
パン・菓子業界にありましては、お客様の節約志向が根強い市場環境の下で販売競争が激化しました。さらに、人手不足を背景とした人件費や物流コスト、エネルギーコストの増加に加え、原料価格の上昇もあり収益が圧迫される厳しい経営環境となりました。また、コンビニエンスストア業界にありましては、ドラッグストアなどとの業態を超えた競争が激化するなど厳しい経営環境となりました。
このような情勢下にありまして、当社グループは、創業70周年の記念事業を実施するに当たり、ヤマザキパン創業以来70年の歩みと歴史をまとめる中で、改めて創業の原点に立ち帰り、あるべき姿に立ち帰って、品質向上と新製品開発に積極的に取り組み、「厳撰100品」を中心とした主力製品の拡販につとめるとともに、高品質・高付加価値製品を開発する一方で、お客様の節約志向に対応した値頃感のある製品を投入するなど、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、売上確保をはかりました。
当社は、2月1日に神戸工場を竣工稼働し、最新の生産設備と増強された生産能力を活用して食パン、菓子パンの主力製品を集中生産し、関西・中四国地区を中心にフレッシュな製品供給を推進しました。神戸工場稼働後、下期に入り売上高が予算を大きく下回ることになり、大阪第一工場の食パンラインを休止して近隣工場に生産移管を行い稼働率の向上をはかるなど生産・販売・物流体制の再構築を行い効率化に取り組むとともに、抜本的対策に取り組んでおります。
また、4月には輸入小麦の政府売渡価格が引き上げられ、これを受けて業務用小麦粉が値上げされました。小麦粉の値上げは3回連続となり、この間、人件費や物流コスト、エネルギーコストが増加していることから、当社は、引き続き高品質で安全・安心な製品を提供するため、7月1日出荷分から、食パンや菓子パンの主力70品についての値上げを実施しました。しかしながら、猛暑の影響もありパン類の需要が減少する中で、お客様の節約志向が強まり、下期は苦戦いたしましたが、その中で各部門毎の製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」に立ち帰り、改めて品質訴求と売場づくりによって売上向上対策を実施し回復をはかりました。
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、コンビニエンスストア事業の種蒔きの仕事である商品開発の体制を整備し、ヤマザキベストセレクションのパンやおにぎりなど品質向上と新商品開発に取り組みました。また、「首都圏リージョン小委員会」を定期的に開催して店舗一店一店の改善につとめ、ベーカリー機能の導入など店舗機能強化のための改装を推進するとともに、楽天ポイントサービスを開始してお客様の利便性の向上をはかり、来店客数の増加をめざしました。
当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は1兆594億42百万円(対前連結会計年度比100.6%)となり、人件費や物流コスト、エネルギーコストの増加に加え、神戸工場稼働に伴う減価償却費の負担増もあり、連結営業利益は243億43百万円(対前連結会計年度比80.9%)、連結経常利益は266億29百万円(対前連結会計年度比82.8%)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期に㈱不二家の固定資産売却益を計上したこともあり135億34百万円(対前連結会計年度比53.9%)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
[食品事業]
a 食パン部門(売上高965億54百万円、対前連結会計年度比100.1%) 食パンは、販売を強化した主力の「ロイヤルブレッド」が好調に推移し、おいしい健康志向製品の「ダブルソフト全粒粉」が寄与して「ダブルソフト」シリーズが伸長しました。下期に入り売上は伸び悩みましたが、自家製発酵種ルヴァンを活用した「新食感宣言ルヴァン」を9月に全国発売するとともに、11月にゴールドシリーズの新製品「くるみゴールド」を投入して取扱拡大につとめ、前期の売上を確保しました。 b 菓子パン部門(売上高3,597億75百万円、対前連結会計年度比100.1%)
菓子パンは、下期に入り主力製品の一部で売上が伸び悩みましたが、チョコを増量した「ホワイトデニッシュショコラ」などのペストリーが好調に推移し、新規格の小ぶりサイズのコッペパンやスナックスティックが伸長するとともに、自家製発酵種ルヴァンを活用した「塩バターフランスパン」などのハードロールが大きく伸長し、前期の売上を確保することができました。
c 和菓子部門(売上高701億12百万円、対前連結会計年度比98.8%) 和菓子は、上期の和生菓子の不振対策として、主力の大福、まんじゅう、どら焼き、季節製品のおはぎや「苺大福」などの消費期限を延長して取扱拡大につとめましたところ、9月以降、売上は回復傾向となりました。
d 洋菓子部門(売上高1,360億51百万円、対前連結会計年度比100.8%) 洋菓子は、主力の2個入り生ケーキや「まるごとバナナ」などのチルドケーキが伸長し、「大きなツインシュー」などのシュークリームや「イチゴスペシャル」などのスナックケーキが好調に推移し、コンビニエンスストア向け製品対応を強化した効果もあり、売上増となりました。
e 調理パン・米飯類部門(売上高1,608億64百万円、対前連結会計年度比103.6%) 調理パン・米飯類は、「こだわりソースの焼きそばパン」や和紙包装のハンバーガーが好調に推移するとともに、㈱サンデリカにおいて大手量販店やコンビニエンスストアチェーンとの取引が拡大し、好調な売上となりました。
f 製菓・米菓・その他商品類部門(売上高1,674億95百万円、対前連結会計年度比101.6%) 製菓・米菓・その他商品類は、㈱不二家の「ルック」などのチョコレートや㈱東ハトの「ポテコ」などのスナックが好調に推移しました。
以上の結果、食品事業の売上高は9,908億53百万円(対前連結会計年度比100.9%)、営業利益は232億65百万円(対前連結会計年度比79.6%)となりました。
[食品事業 前期比較]
[流通事業]
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、原材料の調達から見直して品質の向上に取り組んだヤマザキベストセレクションのおにぎりを2月から全国発売し、5月には「助六寿司」や「いなり寿司」の品質向上をはかり、お客様のご支持をいただくとともに、10月にはヤマザキベストセレクションのパンの全面リニューアルを実施しました。また、麺の品質向上に取り組み、調理麺が好調に推移しました。
当期末の店舗数は、「デイリーヤマザキ」1,131店(56店減)、「ニューヤマザキデイリーストア」337店(4店増)、「ヤマザキデイリーストアー」25店(8店減)、総店舗数1,493店(60店減)となりました。 以上の結果、流通事業の売上高は、直営店舗数の減少により575億46百万円(対前連結会計年度比95.3%)となり、これに伴い営業損失は9億28百万円(前連結会計年度は8億49百万円の営業損失)となりました。
[流通事業 前期比較]
[その他事業]
その他事業につきましては、売上高は110億42百万円(対前連結会計年度比103.7%)、営業利益は18億79百万円(対前連結会計年度比149.8%)となりました。
[その他事業 前期比較]
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は7,297億4百万円で、前連結会計年度末に比べ176億18百万円減少しました。
当連結会計年度末の負債合計は3,871億50百万円で、前連結会計年度末に比べ144億29百万円減少しました。
当連結会計年度末の純資産合計は3,425億53百万円で、前連結会計年度末に比べ31億88百万円減少しました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,064億23百万円となり、前連結会計年度に対しては228億30百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益236億23百万円に加え、減価償却費382億15百万円などにより499億47百万円のプラスとなりました。前連結会計年度に対しては67億15百万円収入が減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより490億5百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に対しては150億24百万円支出が増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、配当金の支払などにより237億8百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に対しては新規借入の減少などにより258億50百万円減少しました。
④生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注状況
当社グループの食品事業における製品は特に鮮度が重要視されますので、取引先からの日々の注文により生産しておりますが、納入時間の関係上受注締切以前に見込数で生産を開始し、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、翌日繰越受注残はありません。
d 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
a 貸倒引当金
当社グループは、貸倒懸念債権等特定の債権について個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b 投資有価証券の減損処理
当社グループは、投資有価証券を所有しておりますが、その価値が50%以上下落した場合及び2ヶ年以上継続して30%から50%下落している場合は、減損処理を実施しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振等によっては、更に減損処理が必要となる可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その実現可能性について毎期検討し、内容の見直しを行なっておりますが、将来の課税所得の見込みの変化やその他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の取崩又は追加計上により親会社株主に帰属する当期純利益が変動する可能性があります。
d 退職給付費用及び債務
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は優良社債の利回りに基づき、長期期待運用収益率については年金資産の過去の運用実績等に基づき決定しております。
実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は1兆594億42百万円(前連結会計年度比0.6%増) で、当社に加え、連結子会社も堅調に推移したこともあり、前連結会計年度を上回りました。営業利益は243億43百万円(前連結会計年度比19.1%減)、経常利益は266億29百万円(前連結会計年度比17.2%減)で、人件費や物流コスト、エネルギーコストの増加に加え、神戸工場稼動に伴う減価償却費の負担増もあり、営業利益、経常利益ともに減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益も、前期に㈱不二家の固定資産売却益の計上により、135億34百万円(前連結会計年度比46.1%減)で、前連結会計年度を下回りました。
a 売上高
売上高を事業の種類別に見ますと、食品事業は和菓子部門以外の部門は前連結会計年度を上回り、9,908億53百万円(前連結会計年度比0.9%増)、流通事業は直営店の店舗数の減少もあり、575億46百万円(前連結会計年度比4.7%減)、その他事業は、110億42百万円(前連結会計年度比3.7%増)でした。
なお、売上高の詳細については、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載の通りです。
b 営業利益
売上総利益率は、食品事業の原料面で、粉価や米等の単価がアップしたことに加え、労務費やエネルギーコスト等の増加もあり、35.6%で前連結会計年度を0.5%下回りました。
販売費及び一般管理費は、3,532億21百万円、売上高に対する比率は33.3%で、物流費の増加はありましたが、前連結会計年度並でした。
以上の結果、営業利益は243億43百万円(前連結会計年度比19.1%減)となりました。
c 経常利益
営業外収益面で、金融収支の改善はありましたが、経常利益は266億29百万円(前連結会計年度比17.2%減)となりました。なお、目標とする経営指標の連結売上高経常利益率3%以上に対し、当連結会計年度は2.5%で前連結会計年度に比べ、0.5%減少しました。
d 親会社株主に帰属する当期純利益
前連結会計年度に㈱不二家の固定資産売却益の計上もあり、税金等調整前当期純利益は236億23百万円(前連結会計年度比42.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は135億34百万円で、前連結会計年度に比べ、46.1%の減益となりました。当連結会計年度の1株当たり当期純利益は62円17銭で、前連結会計年度に比べ52円24銭減少しました。また、目標とする経営指標の連結ROEの最低限5%に対し、当連結会計年度は4.3%で前連結会計年度に比べ、4.1%減少しました。
③財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は7,297億4百万円で、前連結会計年度末に対し176億18百万円減少しました。
主な要因は、流動資産が2,606億39百万円で、現金及び預金が借入金の返済により232億11百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に対し233億69百万円減少したことと、固定資産が4,690億64百万円で、有形固定資産が新規設備投資で71億91百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に対し57億50百万円増加したことによるものです。
負債は3,871億50百万円で、退職給付に係る負債の増加がありましたが、借入金の返済等により、前連結会計年度末に対し144億29百万円減少しました。
純資産は3,425億53百万円で、利益剰余金は増加しましたが、退職給付に係る調整累計額が57億18百万円、その他有価証券評価差額金が14億99百万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に対し31億88百万円減少しました。なお、自己資本比率は42.89%で前連結会計年度に比べ0.58%の増、1株当たり純資産は1,439円72銭で前連結会計年度に比べ1円5銭の減となりました。
④資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度末の借入金残高は839億4百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループは将来必要とされる成長資金及び有利子負債の返済に対し、当面充分な流動性を確保しております。
また、当社グループは、第1に、手元流動性を極力最小限に抑える。第2に営業活動によるキャッシュ・フローは会社の維持発展に必要な設備投資に充当する。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。第3に余剰資金は金利負担の軽減をはかるため適宜借入金の返済に充当する。以上の3項目を目標にしてキャッシュ・フローの有効活用に努めます。株主還元につきましては、株主の皆様への安定配当を継続することを基本方針とし、連結配当性向25%を目標にしております。なお、当期の連結配当性向は32.17%であります。
⑤当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当期におけるわが国の一般経済環境は、緩やかな景気回復の動きが見られましたものの、海外経済の減速により輸出の伸び悩みが生じるなど景気の下押し圧力が強まりました。個人消費につきましては、天候不順や全国各地で相次いで発生した自然災害の影響により消費者マインドが低下するなど一進一退で推移し、力強さを欠きました。
パン・菓子業界にありましては、お客様の節約志向が根強い市場環境の下で販売競争が激化しました。さらに、人手不足を背景とした人件費や物流コスト、エネルギーコストの増加に加え、原料価格の上昇もあり収益が圧迫される厳しい経営環境となりました。また、コンビニエンスストア業界にありましては、ドラッグストアなどとの業態を超えた競争が激化するなど厳しい経営環境となりました。
このような情勢下にありまして、当社グループは、創業70周年の記念事業を実施するに当たり、ヤマザキパン創業以来70年の歩みと歴史をまとめる中で、改めて創業の原点に立ち帰り、あるべき姿に立ち帰って、品質向上と新製品開発に積極的に取り組み、「厳撰100品」を中心とした主力製品の拡販につとめるとともに、高品質・高付加価値製品を開発する一方で、お客様の節約志向に対応した値頃感のある製品を投入するなど、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、売上確保をはかりました。
当社は、2月1日に神戸工場を竣工稼働し、最新の生産設備と増強された生産能力を活用して食パン、菓子パンの主力製品を集中生産し、関西・中四国地区を中心にフレッシュな製品供給を推進しました。神戸工場稼働後、下期に入り売上高が予算を大きく下回ることになり、大阪第一工場の食パンラインを休止して近隣工場に生産移管を行い稼働率の向上をはかるなど生産・販売・物流体制の再構築を行い効率化に取り組むとともに、抜本的対策に取り組んでおります。
また、4月には輸入小麦の政府売渡価格が引き上げられ、これを受けて業務用小麦粉が値上げされました。小麦粉の値上げは3回連続となり、この間、人件費や物流コスト、エネルギーコストが増加していることから、当社は、引き続き高品質で安全・安心な製品を提供するため、7月1日出荷分から、食パンや菓子パンの主力70品についての値上げを実施しました。しかしながら、猛暑の影響もありパン類の需要が減少する中で、お客様の節約志向が強まり、下期は苦戦いたしましたが、その中で各部門毎の製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」に立ち帰り、改めて品質訴求と売場づくりによって売上向上対策を実施し回復をはかりました。
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、コンビニエンスストア事業の種蒔きの仕事である商品開発の体制を整備し、ヤマザキベストセレクションのパンやおにぎりなど品質向上と新商品開発に取り組みました。また、「首都圏リージョン小委員会」を定期的に開催して店舗一店一店の改善につとめ、ベーカリー機能の導入など店舗機能強化のための改装を推進するとともに、楽天ポイントサービスを開始してお客様の利便性の向上をはかり、来店客数の増加をめざしました。
当連結会計年度の業績につきましては、連結売上高は1兆594億42百万円(対前連結会計年度比100.6%)となり、人件費や物流コスト、エネルギーコストの増加に加え、神戸工場稼働に伴う減価償却費の負担増もあり、連結営業利益は243億43百万円(対前連結会計年度比80.9%)、連結経常利益は266億29百万円(対前連結会計年度比82.8%)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期に㈱不二家の固定資産売却益を計上したこともあり135億34百万円(対前連結会計年度比53.9%)となりました。
前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
売 上 高 | 1,053,164 | 1,059,442 | 6,277 | 100.6 |
営 業 利 益 | 30,087 | 24,343 | △5,744 | 80.9 |
経 常 利 益 | 32,143 | 26,629 | △5,514 | 82.8 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 25,106 | 13,534 | △11,571 | 53.9 |
セグメント別の業績は次のとおりであります。
[食品事業]
a 食パン部門(売上高965億54百万円、対前連結会計年度比100.1%) 食パンは、販売を強化した主力の「ロイヤルブレッド」が好調に推移し、おいしい健康志向製品の「ダブルソフト全粒粉」が寄与して「ダブルソフト」シリーズが伸長しました。下期に入り売上は伸び悩みましたが、自家製発酵種ルヴァンを活用した「新食感宣言ルヴァン」を9月に全国発売するとともに、11月にゴールドシリーズの新製品「くるみゴールド」を投入して取扱拡大につとめ、前期の売上を確保しました。 b 菓子パン部門(売上高3,597億75百万円、対前連結会計年度比100.1%)
菓子パンは、下期に入り主力製品の一部で売上が伸び悩みましたが、チョコを増量した「ホワイトデニッシュショコラ」などのペストリーが好調に推移し、新規格の小ぶりサイズのコッペパンやスナックスティックが伸長するとともに、自家製発酵種ルヴァンを活用した「塩バターフランスパン」などのハードロールが大きく伸長し、前期の売上を確保することができました。
c 和菓子部門(売上高701億12百万円、対前連結会計年度比98.8%) 和菓子は、上期の和生菓子の不振対策として、主力の大福、まんじゅう、どら焼き、季節製品のおはぎや「苺大福」などの消費期限を延長して取扱拡大につとめましたところ、9月以降、売上は回復傾向となりました。
d 洋菓子部門(売上高1,360億51百万円、対前連結会計年度比100.8%) 洋菓子は、主力の2個入り生ケーキや「まるごとバナナ」などのチルドケーキが伸長し、「大きなツインシュー」などのシュークリームや「イチゴスペシャル」などのスナックケーキが好調に推移し、コンビニエンスストア向け製品対応を強化した効果もあり、売上増となりました。
e 調理パン・米飯類部門(売上高1,608億64百万円、対前連結会計年度比103.6%) 調理パン・米飯類は、「こだわりソースの焼きそばパン」や和紙包装のハンバーガーが好調に推移するとともに、㈱サンデリカにおいて大手量販店やコンビニエンスストアチェーンとの取引が拡大し、好調な売上となりました。
f 製菓・米菓・その他商品類部門(売上高1,674億95百万円、対前連結会計年度比101.6%) 製菓・米菓・その他商品類は、㈱不二家の「ルック」などのチョコレートや㈱東ハトの「ポテコ」などのスナックが好調に推移しました。
以上の結果、食品事業の売上高は9,908億53百万円(対前連結会計年度比100.9%)、営業利益は232億65百万円(対前連結会計年度比79.6%)となりました。
[食品事業 前期比較]
前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
売 上 高 | 982,116 | 990,853 | 8,736 | 100.9 |
営 業 利 益 | 29,209 | 23,265 | △5,944 | 79.6 |
[流通事業]
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、原材料の調達から見直して品質の向上に取り組んだヤマザキベストセレクションのおにぎりを2月から全国発売し、5月には「助六寿司」や「いなり寿司」の品質向上をはかり、お客様のご支持をいただくとともに、10月にはヤマザキベストセレクションのパンの全面リニューアルを実施しました。また、麺の品質向上に取り組み、調理麺が好調に推移しました。
当期末の店舗数は、「デイリーヤマザキ」1,131店(56店減)、「ニューヤマザキデイリーストア」337店(4店増)、「ヤマザキデイリーストアー」25店(8店減)、総店舗数1,493店(60店減)となりました。 以上の結果、流通事業の売上高は、直営店舗数の減少により575億46百万円(対前連結会計年度比95.3%)となり、これに伴い営業損失は9億28百万円(前連結会計年度は8億49百万円の営業損失)となりました。
[流通事業 前期比較]
前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
売 上 高 | 60,401 | 57,546 | △2,854 | 95.3 |
営 業 利 益 | △849 | △928 | △79 | - |
[その他事業]
その他事業につきましては、売上高は110億42百万円(対前連結会計年度比103.7%)、営業利益は18億79百万円(対前連結会計年度比149.8%)となりました。
[その他事業 前期比較]
前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
売 上 高 | 10,646 | 11,042 | 395 | 103.7 |
営 業 利 益 | 1,255 | 1,879 | 624 | 149.8 |
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は7,297億4百万円で、前連結会計年度末に比べ176億18百万円減少しました。
当連結会計年度末の負債合計は3,871億50百万円で、前連結会計年度末に比べ144億29百万円減少しました。
当連結会計年度末の純資産合計は3,425億53百万円で、前連結会計年度末に比べ31億88百万円減少しました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,064億23百万円となり、前連結会計年度に対しては228億30百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益236億23百万円に加え、減価償却費382億15百万円などにより499億47百万円のプラスとなりました。前連結会計年度に対しては67億15百万円収入が減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより490億5百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に対しては150億24百万円支出が増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、配当金の支払などにより237億8百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に対しては新規借入の減少などにより258億50百万円減少しました。
前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 増 減 | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 56,663 | 49,947 | △6,715 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △33,980 | △49,005 | △15,024 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 2,142 | △23,708 | △25,850 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 83 | △64 | △148 |
現金及び現金同等物の増減額 | 24,909 | △22,830 | △47,739 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 104,344 | 129,253 | 24,909 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 129,253 | 106,423 | △22,830 |
④生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
食品事業 | 863,709 | 870,242 | 6,532 | 100.8 |
その他 | 105 | 89 | △15 | 85.5 |
合計 | 863,815 | 870,332 | 6,517 | 100.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
食品事業 | 34,967 | 35,787 | 819 | 102.3 |
流通事業 | 36,611 | 35,108 | △1,502 | 95.9 |
合計 | 71,579 | 70,895 | △683 | 99.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注状況
当社グループの食品事業における製品は特に鮮度が重要視されますので、取引先からの日々の注文により生産しておりますが、納入時間の関係上受注締切以前に見込数で生産を開始し、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、翌日繰越受注残はありません。
d 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの 名称 | 区分 | 前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) |
金額(百万円) | 金額(百万円) | ||||
食品事業 | 食パン | 96,493 | 96,554 | 60 | 100.1 |
菓子パン | 359,571 | 359,775 | 204 | 100.1 | |
和菓子 | 70,991 | 70,112 | △879 | 98.8 | |
洋菓子 | 134,907 | 136,051 | 1,143 | 100.8 | |
調理パン・米飯類 | 155,298 | 160,864 | 5,566 | 103.6 | |
製菓・米菓・その他商品類 | 164,854 | 167,495 | 2,640 | 101.6 | |
食品事業計 | 982,116 | 990,853 | 8,736 | 100.9 | |
流通事業 | 60,401 | 57,546 | △2,854 | 95.3 | |
その他事業 | 10,646 | 11,042 | 395 | 103.7 | |
合計 | 1,053,164 | 1,059,442 | 6,277 | 100.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
a 貸倒引当金
当社グループは、貸倒懸念債権等特定の債権について個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b 投資有価証券の減損処理
当社グループは、投資有価証券を所有しておりますが、その価値が50%以上下落した場合及び2ヶ年以上継続して30%から50%下落している場合は、減損処理を実施しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振等によっては、更に減損処理が必要となる可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その実現可能性について毎期検討し、内容の見直しを行なっておりますが、将来の課税所得の見込みの変化やその他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の取崩又は追加計上により親会社株主に帰属する当期純利益が変動する可能性があります。
d 退職給付費用及び債務
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は優良社債の利回りに基づき、長期期待運用収益率については年金資産の過去の運用実績等に基づき決定しております。
実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は1兆594億42百万円(前連結会計年度比0.6%増) で、当社に加え、連結子会社も堅調に推移したこともあり、前連結会計年度を上回りました。営業利益は243億43百万円(前連結会計年度比19.1%減)、経常利益は266億29百万円(前連結会計年度比17.2%減)で、人件費や物流コスト、エネルギーコストの増加に加え、神戸工場稼動に伴う減価償却費の負担増もあり、営業利益、経常利益ともに減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益も、前期に㈱不二家の固定資産売却益の計上により、135億34百万円(前連結会計年度比46.1%減)で、前連結会計年度を下回りました。
a 売上高
売上高を事業の種類別に見ますと、食品事業は和菓子部門以外の部門は前連結会計年度を上回り、9,908億53百万円(前連結会計年度比0.9%増)、流通事業は直営店の店舗数の減少もあり、575億46百万円(前連結会計年度比4.7%減)、その他事業は、110億42百万円(前連結会計年度比3.7%増)でした。
なお、売上高の詳細については、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載の通りです。
b 営業利益
売上総利益率は、食品事業の原料面で、粉価や米等の単価がアップしたことに加え、労務費やエネルギーコスト等の増加もあり、35.6%で前連結会計年度を0.5%下回りました。
販売費及び一般管理費は、3,532億21百万円、売上高に対する比率は33.3%で、物流費の増加はありましたが、前連結会計年度並でした。
以上の結果、営業利益は243億43百万円(前連結会計年度比19.1%減)となりました。
c 経常利益
営業外収益面で、金融収支の改善はありましたが、経常利益は266億29百万円(前連結会計年度比17.2%減)となりました。なお、目標とする経営指標の連結売上高経常利益率3%以上に対し、当連結会計年度は2.5%で前連結会計年度に比べ、0.5%減少しました。
d 親会社株主に帰属する当期純利益
前連結会計年度に㈱不二家の固定資産売却益の計上もあり、税金等調整前当期純利益は236億23百万円(前連結会計年度比42.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は135億34百万円で、前連結会計年度に比べ、46.1%の減益となりました。当連結会計年度の1株当たり当期純利益は62円17銭で、前連結会計年度に比べ52円24銭減少しました。また、目標とする経営指標の連結ROEの最低限5%に対し、当連結会計年度は4.3%で前連結会計年度に比べ、4.1%減少しました。
③財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は7,297億4百万円で、前連結会計年度末に対し176億18百万円減少しました。
主な要因は、流動資産が2,606億39百万円で、現金及び預金が借入金の返済により232億11百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に対し233億69百万円減少したことと、固定資産が4,690億64百万円で、有形固定資産が新規設備投資で71億91百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に対し57億50百万円増加したことによるものです。
負債は3,871億50百万円で、退職給付に係る負債の増加がありましたが、借入金の返済等により、前連結会計年度末に対し144億29百万円減少しました。
純資産は3,425億53百万円で、利益剰余金は増加しましたが、退職給付に係る調整累計額が57億18百万円、その他有価証券評価差額金が14億99百万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に対し31億88百万円減少しました。なお、自己資本比率は42.89%で前連結会計年度に比べ0.58%の増、1株当たり純資産は1,439円72銭で前連結会計年度に比べ1円5銭の減となりました。
前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前期差 | |
金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
流 動 資 産 | 284,009 | 260,639 | △23,369 |
固 定 資 産 | 463,313 | 469,064 | 5,750 |
資 産 合 計 | 747,322 | 729,704 | △17,618 |
負 債 合 計 | 401,580 | 387,150 | △14,429 |
純 資 産 合 計 | 345,742 | 342,553 | △3,188 |
負 債 純 資 産 合 計 | 747,322 | 729,704 | △17,618 |
④資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度末の借入金残高は839億4百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループは将来必要とされる成長資金及び有利子負債の返済に対し、当面充分な流動性を確保しております。
また、当社グループは、第1に、手元流動性を極力最小限に抑える。第2に営業活動によるキャッシュ・フローは会社の維持発展に必要な設備投資に充当する。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。第3に余剰資金は金利負担の軽減をはかるため適宜借入金の返済に充当する。以上の3項目を目標にしてキャッシュ・フローの有効活用に努めます。株主還元につきましては、株主の皆様への安定配当を継続することを基本方針とし、連結配当性向25%を目標にしております。なお、当期の連結配当性向は32.17%であります。
⑤当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。