有価証券報告書-第73期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当期におけるわが国の一般経済環境は、新型コロナウイルス感染症が世界的な大流行となり、国内でも4月に緊急事態宣言が発令され景気は急速に悪化しました。5月の緊急事態宣言解除以降、政府の経済対策効果もあり持ち直しの動きに転じましたものの、11月以降、新型コロナウイルスの感染拡大により、先行き不透明感が強まりました。
当業界におきましては、政府による全国一斉休校や外出自粛の要請を受け、量販店やドラッグストアを中心に食パンや食卓ロールの需要が急増し、その安定供給が求められました。一方で、コンビニエンスストアにおきましては、外出自粛や在宅勤務の広がりを受け、来店客数の減少により菓子パン、サンドイッチ、おにぎり等の需要が減少し、フレッシュベーカリーにおきましては、商業施設等の休業や営業時間短縮の影響もあり、経営状況は厳しさを増しました。また、新型コロナウイルス感染拡大の収束の見通しが立たない中で、消費者の節約志向が強まり、販売競争が激化する厳しい経営環境となりました。
このような情勢下にありまして、当社グループは、わが国の食生活の基幹を担う製パン業としての社会的使命のもと、21世紀のヤマザキの経営方針に基づき、新型コロナウイルス感染拡大の中で従業員の安全と製品の安定供給を確保するため、マスクの着用やうがい、手洗い、アルコール消毒など日常的な対策の徹底はもとより、パート、アルバイトを含めた全従業員に対して検温を実施し、37.2℃以上の発熱がある者は自宅待機とすることに加え、発熱がない場合でも倦怠感や味覚・嗅覚がない等の体調異常の自覚症状がある場合には自宅待機とし、この自宅待機者数を日々管理するとともに、WEB会議等を活用して事業所間の出張を制限するなど、新型コロナウイルス感染防止対策の実施を徹底いたしました。また、多人数による会食の原則禁止や感染の恐れの高い施設の利用を原則禁止とするなど、公衆衛生上の遵守事項の徹底をはかり、日常業務を通しての製パン業界としての使命の達成に全力を挙げて取り組んでまいりました。
このような状況の中で、当社は、食パンにおいてヤマザキの技術により科学的根拠の上に立った品質向上に取り組むとともに、菓子パンの主力製品にルヴァン種等を活用した品質向上をはかり、また女性製品開発担当者を活用して市場動向に即応した新製品開発を推進するなど、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進しました。さらに、昨年9月以降、新型コロナウイルス感染防止対策の上に行う業績向上対策として、いのちの道の教えとピーター・ドラッカー博士の5つの質問を連動させる「our mission, my mission」、「my mission, his mission」の経営手法を見出し、着実な業績向上対策の実践、実行、実証へと舵を切りかえました。
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、ヤマザキパンの営業部門の最前線にある小売事業として日次管理・週次管理の経営手法を導入し日々の仕事の精度を高めてまいりました。また、デイリーヤマザキの商品部と生産各部合同の週次商品施策・営業戦略小委員会等を通して当社グループ商品の充実をはかり、デイリーヤマザキ一店一店の課題に着実に取り組むとともに、店舗改装を計画的に実施し、デイリーホットの導入や店舗レイアウトの改善など、地域に密着したヤマザキらしい店舗づくりに取り組みました。
当期の業績につきましては、連結売上高は1兆147億41百万円(対前連結会計年度比95.6%)、連結営業利益は174億38百万円(対前連結会計年度比70.2%)、連結経常利益は197億34百万円(対前連結会計年度比71.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は69億56百万円(対前連結会計年度比50.2%)となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により厳しい状況が続く中、広告宣伝費等のコスト削減につとめましたものの、コンビニエンスストアチェーンとの取引減少やフレッシュベーカリー等小売業の売上減少もあり減収減益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
[食品事業]
a 食パン部門(売上高956億円、対前連結会計年度比99.0%)
食パンは、主力の「ロイヤルブレッド」が大きく伸長し、「ダブルソフト」が好調に推移するとともに、ルヴァン種を使用し乳酸菌を配合した「ふんわり食パン」が寄与しましたが、サンドイッチの需要減少によりサンドイッチ用食パンの売上が大きく減少し、前期の売上を下回りました。
b 菓子パン部門(売上高3,407億65百万円、対前連結会計年度比94.3%)
菓子パンは、「ルヴァンバターロール」などの食卓ロールや「塩バターフランスパン」などのハードロールが伸長するとともに、値頃感のある複数個入り製品の「ベイクワン」シリーズや新たな取組みであるチルド菓子パンの「フレンチクルーラー」が寄与しましたが、コンビニエンスストア向け製品や㈱ヴィ・ド・フランス等のフレッシュベーカリーの売上が大きく減少したこともあり、前期の売上を下回りました。
c 和菓子部門(売上高706億98百万円、対前連結会計年度比99.6%)
和菓子は、主力の串団子が伸長するとともに、新製品の「あんずっしりどら焼」や新たな取組みであるチルド製品の「クリームたっぷり生どら焼」、「北海道チーズ蒸しケーキのとろけるぷりん」が寄与しましたが、コンビニエンスストア向けの蒸しパンや焼菓子が伸び悩み、前期の売上を若干下回りました。
d 洋菓子部門(売上高1,398億48百万円、対前連結会計年度比101.7%)
洋菓子は、高品質・高付加価値・高単価製品の寄与もあり主力の2個入り生ケーキが大きく伸長するとともに、「大きなツインシュー」などのシュークリームが好調に推移し、コンビニエンスストア向け製品が大きく伸長するなど、在宅需要の高まりもあり好調な売上となりました。
e 調理パン・米飯類部門(売上高1,424億57百万円、対前連結会計年度比88.5%)
調理パン・米飯類は、量販店を中心に拡販した「こだわりソースの焼きそばパン」や科学的根拠に基づき消費期限を延長した和紙包装のハンバーガーが好調に推移しましたが、主要販路であるコンビニエンスストアにおけるサンドイッチやおにぎり、弁当の需要減少により取引が減少したこともあり、前期の売上を下回りました。
f 製菓・米菓・その他商品類部門(売上高1,628億6百万円、対前連結会計年度比96.8%)
製菓・米菓・その他商品類は、ヤマザキビスケット㈱の「エアリアル」や㈱東ハトの「ポテコ」などのスナックが伸長しましたが、㈱不二家においてコンビニエンスストアへの売上が減少したことや、ヤマザキショップ向けの仕入商品の売上減少もあり、前期の売上を下回りました。
以上の結果、食品事業の売上高は9,521億78百万円(対前連結会計年度比95.6%)、営業利益は185億82百万円(対前連結会計年度比76.7%)となりました。
[食品事業 前期比較]
[流通事業]
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、パン、和洋菓子において高品質・高付加価値商品の開発に取り組むとともに、ヤマザキの技術を活かした冷凍パン生地を活用しデイリーホットの品揃えの強化をはかりました。
当期末の店舗数は、「デイリーヤマザキ」1,060店(15店減)、「ニューヤマザキデイリーストア」346店(6店減)、「ヤマザキデイリーストアー」14店(2店減)、総店舗数1,420店(23店減)となりました。
以上の結果、流通事業の売上高は、来店客数の減少に加え店舗数の減少もあり493億50百万円(対前連結会計年度比91.9%)、営業損失は38億92百万円(前連結会計年度は16億39百万円の営業損失)となりました。
[流通事業 前期比較]
[その他事業]
その他事業につきましては、売上高は132億13百万円(対前連結会計年度比112.3%)、営業利益は23億65百万円(対前連結会計年度比125.5%)となりました。
[その他事業 前期比較]
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は7,144億43百万円で、前連結会計年度末に比べ137億5百万円減少しました。
当連結会計年度末の負債合計は3,520億60百万円で、前連結会計年度末に比べ176億72百万円減少しました。
当連結会計年度末の純資産合計は3,623億83百万円で、前連結会計年度末に比べ39億66百万円増加しました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,028億42百万円となり、前連結会計年度に対しては30億73百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益164億6百万円に加え、減価償却費374億20百万円などにより471億57百万円のプラスとなりました。前連結会計年度に対しては107億23百万円収入が減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより386億23百万円のマイナスとなりましたが、前連結会計年度に対しては35億50百万円支出が減少しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、配当金の支払などにより115億85百万円のマイナスとなりましたが、前連結会計年度に対しては68億80百万円支出が減少しました。
④生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注状況
当社グループの食品事業における製品は特に鮮度が重要視されますので、取引先からの日々の注文により生産しておりますが、納入時間の関係上受注締切以前に見込数で生産を開始し、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、翌日繰越受注残はありません。
d 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、その時点で最も合理的と考えられる基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。
また、新型コロナウイルス感染症の収束時期等を含む仮定に関する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
a 貸倒引当金
当社グループは、貸倒懸念債権等特定の債権について個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b 投資有価証券の減損処理
当社グループは、投資有価証券を所有しておりますが、その価値が50%以上下落した場合及び2ヶ年以上継続して30%から50%下落している場合は、減損処理を実施しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振等によっては、更に減損処理が必要となる可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その実現可能性について毎期検討し、内容の見直しを行なっておりますが、将来の課税所得の見込みの変化やその他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の取崩又は追加計上により親会社株主に帰属する当期純利益が変動する可能性があります。
d 退職給付費用及び債務
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は優良社債の利回りに基づき、長期期待運用収益率については年金資産の過去の運用実績等に基づき決定しております。
実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は1兆147億41百万円(前連結会計年度比4.4%減) で、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛や在宅勤務の広がりにより、コンビニエンスストア向けの菓子パンなどが減少するとともに、フレッシュベーカリーの小売業で商業施設内店舗の休業や営業時間の短縮があり前連結会計年度を下回りました。営業利益は174億38百万円(前連結会計年度比29.8%減)、経常利益は197億34百万円(前連結会計年度比28.6%減)で、光熱費や広告販促費のコスト減はありましたが、減収の影響が大きく営業利益、経常利益ともに減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益も69億56百万円(前連結会計年度比49.8%減)で、前連結会計年度を下回りました。
当社は持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、引き続き21世紀のヤマザキの経営方針に則り、新型コロナウイルス感染防止対策の上に行う経営手法とした、いのちの道の教えに従った部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」とピーター・ドラッカー博士の5つの質問を連動させるより精度の高い経営手法により、顧客本位の精神で、お客様のニーズを的確に捉えた製品とサービスの提供を行い業績の回復を目指します。
また、科学的根拠をもった食品安全衛生管理体制の上に築き上げる科学的・合理的・効率的な21世紀のヤマザキの経営手法を山崎製パン本体だけでなく関係子会社に導入し、連結経常利益率3%以上、連結ROE5%以上を達成すべく業績向上に全力を挙げて取り組みます。
a 売上高
売上高を事業の種類別に見ますと、食品事業は洋菓子部門は高品質、高付加価値・高単価製品の寄与や巣篭もり需要の高まりもあり好調でしたが、菓子パンや調理パン・米飯類部門でコンビニエンスストア向け製品が苦戦するとともに、フレッシュベーカリーの小売業での大幅な減収もあり、9,521億78百万円(前連結会計年度比4.4%減)で前年を下回りました、流通事業は駅前や施設内店舗での来店客数の減少や店舗数の減少もあり、493億50百万円(前連結会計年度比8.1%減)、その他事業は不動産賃貸収入の増加もあり前年を上回り、132億13百万円(前連結会計年度比12.3%増)でした。
なお、売上高の詳細については、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載の通りです。
b 営業利益
売上総利益率は、労務費率や商品原価率等の増加もあり、34.8%で前連結会計年度を0.5%上回りました。
販売費及び一般管理費は、3,361億80百万円、売上高に対する比率は33.1%で、人件費率や物流費率の増加もあり、前連結会計年度を0.1%上回りました。
以上の結果、営業利益は174億38百万円(前連結会計年度比29.8%減)となりました。
セグメント別では、食品事業は原材料費率や光熱水費、広告販促費等の減少はありましたが、菓子パン類や調理パン・米飯類の売上高の減収幅が大きく、営業利益は185億82百万円(前連結会計年度比23.3%減)、流通部門はロイヤリティ収入の減等があり、営業損失は38億92百万円(前連結会計年度は16億39百万円の営業損失)、その他事業は賃貸収入の増加もあり、営業利益は23億65百万円(前連結会計年度比25.5%増)でした。
c 経常利益
営業外収益面で、前連結会計年度に助成金収入があった事もあり、経常利益は197億34百万円(前連結会計年度比28.6%減)となりました。なお、目標とする経営指標の連結売上高経常利益率3%以上に対し、当連結会計年度は1.9%で、前連結会計年度に比べ、0.7%減少しました。
d 親会社株主に帰属する当期純利益
固定資産除売却損等の特別損失計上後の税金等調整前当期純利益は164億6百万円(前連結会計年度比29.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は69億56百万円で、前連結会計年度に比べ、49.8%の減益となりました。当連結会計年度の1株当たり当期純利益は32円で、前連結会計年度に比べ31円75銭減少しました。なお、目標とする経営指標の連結ROEの5%以上に対し、当連結会計年度は2.1%で前連結会計年度に比べ2.2%減少しました。
③財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は7,144億43百万円で、前連結会計年度末に対し137億5百万円減少しました。
主な要因は、流動資産が2,562億55百万円で、現金及び預金が25億24百万円、受取手形及び売掛金が19億20百万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に対し55億84百万円減少したことと、固定資産が4,581億88百万円で、有形固定資産が19億11百万円、投資有価証券が39億18百万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に対し81億21百万円減少したことによるものです。
負債は3,520億60百万円で、借入金の返済や、退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末に対し176億72百万円減少しました。
純資産は3,623億83百万円で、その他有価証券評価差額金は減少しましたが、利益剰余金が26億8百万円、退職給付に係る調整累計額が40億83百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に対し39億66百万円増加しました。なお、自己資本比率は46.26%で前連結会計年度に比べ1.32%の増、1株当たり純資産は1,520円24銭で前連結会計年度に比べ14円87銭の増となりました。
④資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度末の借入金残高は673億18百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループは将来必要とされる成長資金及び有利子負債の返済に対し、当面充分な流動性を確保しております。
また、当社グループは、第1に、手元流動性を極力最小限に抑える。第2に営業活動によるキャッシュ・フローは会社の維持発展に必要な設備投資に充当する。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。第3に余剰資金は金利負担の軽減をはかるため適宜借入金の返済に充当する。以上の3項目を目標にしてキャッシュ・フローの有効活用に努めます。株主還元につきましては、株主の皆様への安定配当を継続することを基本方針とし、連結配当性向30%を目標にしております。なお、当期の連結配当性向は68.75%であります。
⑤当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当期におけるわが国の一般経済環境は、新型コロナウイルス感染症が世界的な大流行となり、国内でも4月に緊急事態宣言が発令され景気は急速に悪化しました。5月の緊急事態宣言解除以降、政府の経済対策効果もあり持ち直しの動きに転じましたものの、11月以降、新型コロナウイルスの感染拡大により、先行き不透明感が強まりました。
当業界におきましては、政府による全国一斉休校や外出自粛の要請を受け、量販店やドラッグストアを中心に食パンや食卓ロールの需要が急増し、その安定供給が求められました。一方で、コンビニエンスストアにおきましては、外出自粛や在宅勤務の広がりを受け、来店客数の減少により菓子パン、サンドイッチ、おにぎり等の需要が減少し、フレッシュベーカリーにおきましては、商業施設等の休業や営業時間短縮の影響もあり、経営状況は厳しさを増しました。また、新型コロナウイルス感染拡大の収束の見通しが立たない中で、消費者の節約志向が強まり、販売競争が激化する厳しい経営環境となりました。
このような情勢下にありまして、当社グループは、わが国の食生活の基幹を担う製パン業としての社会的使命のもと、21世紀のヤマザキの経営方針に基づき、新型コロナウイルス感染拡大の中で従業員の安全と製品の安定供給を確保するため、マスクの着用やうがい、手洗い、アルコール消毒など日常的な対策の徹底はもとより、パート、アルバイトを含めた全従業員に対して検温を実施し、37.2℃以上の発熱がある者は自宅待機とすることに加え、発熱がない場合でも倦怠感や味覚・嗅覚がない等の体調異常の自覚症状がある場合には自宅待機とし、この自宅待機者数を日々管理するとともに、WEB会議等を活用して事業所間の出張を制限するなど、新型コロナウイルス感染防止対策の実施を徹底いたしました。また、多人数による会食の原則禁止や感染の恐れの高い施設の利用を原則禁止とするなど、公衆衛生上の遵守事項の徹底をはかり、日常業務を通しての製パン業界としての使命の達成に全力を挙げて取り組んでまいりました。
このような状況の中で、当社は、食パンにおいてヤマザキの技術により科学的根拠の上に立った品質向上に取り組むとともに、菓子パンの主力製品にルヴァン種等を活用した品質向上をはかり、また女性製品開発担当者を活用して市場動向に即応した新製品開発を推進するなど、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進しました。さらに、昨年9月以降、新型コロナウイルス感染防止対策の上に行う業績向上対策として、いのちの道の教えとピーター・ドラッカー博士の5つの質問を連動させる「our mission, my mission」、「my mission, his mission」の経営手法を見出し、着実な業績向上対策の実践、実行、実証へと舵を切りかえました。
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、ヤマザキパンの営業部門の最前線にある小売事業として日次管理・週次管理の経営手法を導入し日々の仕事の精度を高めてまいりました。また、デイリーヤマザキの商品部と生産各部合同の週次商品施策・営業戦略小委員会等を通して当社グループ商品の充実をはかり、デイリーヤマザキ一店一店の課題に着実に取り組むとともに、店舗改装を計画的に実施し、デイリーホットの導入や店舗レイアウトの改善など、地域に密着したヤマザキらしい店舗づくりに取り組みました。
当期の業績につきましては、連結売上高は1兆147億41百万円(対前連結会計年度比95.6%)、連結営業利益は174億38百万円(対前連結会計年度比70.2%)、連結経常利益は197億34百万円(対前連結会計年度比71.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は69億56百万円(対前連結会計年度比50.2%)となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により厳しい状況が続く中、広告宣伝費等のコスト削減につとめましたものの、コンビニエンスストアチェーンとの取引減少やフレッシュベーカリー等小売業の売上減少もあり減収減益となりました。
| 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
| 売 上 高 | 1,061,152 | 1,014,741 | △46,410 | 95.6 |
| 営 業 利 益 | 24,824 | 17,438 | △7,386 | 70.2 |
| 経 常 利 益 | 27,621 | 19,734 | △7,887 | 71.4 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 13,858 | 6,956 | △6,901 | 50.2 |
セグメント別の業績は次のとおりであります。
[食品事業]
a 食パン部門(売上高956億円、対前連結会計年度比99.0%)
食パンは、主力の「ロイヤルブレッド」が大きく伸長し、「ダブルソフト」が好調に推移するとともに、ルヴァン種を使用し乳酸菌を配合した「ふんわり食パン」が寄与しましたが、サンドイッチの需要減少によりサンドイッチ用食パンの売上が大きく減少し、前期の売上を下回りました。
b 菓子パン部門(売上高3,407億65百万円、対前連結会計年度比94.3%)
菓子パンは、「ルヴァンバターロール」などの食卓ロールや「塩バターフランスパン」などのハードロールが伸長するとともに、値頃感のある複数個入り製品の「ベイクワン」シリーズや新たな取組みであるチルド菓子パンの「フレンチクルーラー」が寄与しましたが、コンビニエンスストア向け製品や㈱ヴィ・ド・フランス等のフレッシュベーカリーの売上が大きく減少したこともあり、前期の売上を下回りました。
c 和菓子部門(売上高706億98百万円、対前連結会計年度比99.6%)
和菓子は、主力の串団子が伸長するとともに、新製品の「あんずっしりどら焼」や新たな取組みであるチルド製品の「クリームたっぷり生どら焼」、「北海道チーズ蒸しケーキのとろけるぷりん」が寄与しましたが、コンビニエンスストア向けの蒸しパンや焼菓子が伸び悩み、前期の売上を若干下回りました。
d 洋菓子部門(売上高1,398億48百万円、対前連結会計年度比101.7%)
洋菓子は、高品質・高付加価値・高単価製品の寄与もあり主力の2個入り生ケーキが大きく伸長するとともに、「大きなツインシュー」などのシュークリームが好調に推移し、コンビニエンスストア向け製品が大きく伸長するなど、在宅需要の高まりもあり好調な売上となりました。
e 調理パン・米飯類部門(売上高1,424億57百万円、対前連結会計年度比88.5%)
調理パン・米飯類は、量販店を中心に拡販した「こだわりソースの焼きそばパン」や科学的根拠に基づき消費期限を延長した和紙包装のハンバーガーが好調に推移しましたが、主要販路であるコンビニエンスストアにおけるサンドイッチやおにぎり、弁当の需要減少により取引が減少したこともあり、前期の売上を下回りました。
f 製菓・米菓・その他商品類部門(売上高1,628億6百万円、対前連結会計年度比96.8%)
製菓・米菓・その他商品類は、ヤマザキビスケット㈱の「エアリアル」や㈱東ハトの「ポテコ」などのスナックが伸長しましたが、㈱不二家においてコンビニエンスストアへの売上が減少したことや、ヤマザキショップ向けの仕入商品の売上減少もあり、前期の売上を下回りました。
以上の結果、食品事業の売上高は9,521億78百万円(対前連結会計年度比95.6%)、営業利益は185億82百万円(対前連結会計年度比76.7%)となりました。
[食品事業 前期比較]
| 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
| 売 上 高 | 995,681 | 952,178 | △43,503 | 95.6 |
| 営 業 利 益 | 24,217 | 18,582 | △5,634 | 76.7 |
[流通事業]
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、パン、和洋菓子において高品質・高付加価値商品の開発に取り組むとともに、ヤマザキの技術を活かした冷凍パン生地を活用しデイリーホットの品揃えの強化をはかりました。
当期末の店舗数は、「デイリーヤマザキ」1,060店(15店減)、「ニューヤマザキデイリーストア」346店(6店減)、「ヤマザキデイリーストアー」14店(2店減)、総店舗数1,420店(23店減)となりました。
以上の結果、流通事業の売上高は、来店客数の減少に加え店舗数の減少もあり493億50百万円(対前連結会計年度比91.9%)、営業損失は38億92百万円(前連結会計年度は16億39百万円の営業損失)となりました。
[流通事業 前期比較]
| 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
| 売 上 高 | 53,702 | 49,350 | △4,352 | 91.9 |
| 営 業 利 益 | △1,639 | △3,892 | △2,253 | - |
[その他事業]
その他事業につきましては、売上高は132億13百万円(対前連結会計年度比112.3%)、営業利益は23億65百万円(対前連結会計年度比125.5%)となりました。
[その他事業 前期比較]
| 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
| 売 上 高 | 11,768 | 13,213 | 1,445 | 112.3 |
| 営 業 利 益 | 1,884 | 2,365 | 480 | 125.5 |
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は7,144億43百万円で、前連結会計年度末に比べ137億5百万円減少しました。
当連結会計年度末の負債合計は3,520億60百万円で、前連結会計年度末に比べ176億72百万円減少しました。
当連結会計年度末の純資産合計は3,623億83百万円で、前連結会計年度末に比べ39億66百万円増加しました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,028億42百万円となり、前連結会計年度に対しては30億73百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益164億6百万円に加え、減価償却費374億20百万円などにより471億57百万円のプラスとなりました。前連結会計年度に対しては107億23百万円収入が減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより386億23百万円のマイナスとなりましたが、前連結会計年度に対しては35億50百万円支出が減少しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、配当金の支払などにより115億85百万円のマイナスとなりましたが、前連結会計年度に対しては68億80百万円支出が減少しました。
| 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 増 減 | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 57,880 | 47,157 | △10,723 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △42,173 | △38,623 | 3,550 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △18,466 | △11,585 | 6,880 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △121 | △22 | 98 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | △2,880 | △3,073 | △193 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 106,423 | 105,916 | △507 |
| 新規連結に伴う現金及び 現金同等物の増加額 | 2,372 | - | △2,372 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 105,916 | 102,842 | △3,073 |
④生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
| 食品事業 | 874,203 | 853,522 | △20,681 | 97.6 |
| その他 | 96 | 109 | 12 | 113.3 |
| 合計 | 874,300 | 853,632 | △20,668 | 97.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | |||
| 食品事業 | 34,707 | 30,953 | △3,753 | 89.2 |
| 流通事業 | 33,168 | 32,199 | △969 | 97.1 |
| 合計 | 67,875 | 63,152 | △4,722 | 93.0 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c 受注状況
当社グループの食品事業における製品は特に鮮度が重要視されますので、取引先からの日々の注文により生産しておりますが、納入時間の関係上受注締切以前に見込数で生産を開始し、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、翌日繰越受注残はありません。
d 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの 名称 | 区分 | 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年 同期差 (百万円) | 前年 同期比 (%) |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||||
| 食品事業 | 食パン | 96,578 | 95,600 | △977 | 99.0 |
| 菓子パン | 361,471 | 340,765 | △20,706 | 94.3 | |
| 和菓子 | 70,987 | 70,698 | △288 | 99.6 | |
| 洋菓子 | 137,459 | 139,848 | 2,389 | 101.7 | |
| 調理パン・米飯類 | 160,917 | 142,457 | △18,460 | 88.5 | |
| 製菓・米菓・その他商品類 | 168,267 | 162,806 | △5,460 | 96.8 | |
| 食品事業計 | 995,681 | 952,178 | △43,503 | 95.6 | |
| 流通事業 | 53,702 | 49,350 | △4,352 | 91.9 | |
| その他事業 | 11,768 | 13,213 | 1,445 | 112.3 | |
| 合計 | 1,061,152 | 1,014,741 | △46,410 | 95.6 | |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、その時点で最も合理的と考えられる基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。
また、新型コロナウイルス感染症の収束時期等を含む仮定に関する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
a 貸倒引当金
当社グループは、貸倒懸念債権等特定の債権について個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
b 投資有価証券の減損処理
当社グループは、投資有価証券を所有しておりますが、その価値が50%以上下落した場合及び2ヶ年以上継続して30%から50%下落している場合は、減損処理を実施しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振等によっては、更に減損処理が必要となる可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その実現可能性について毎期検討し、内容の見直しを行なっておりますが、将来の課税所得の見込みの変化やその他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の取崩又は追加計上により親会社株主に帰属する当期純利益が変動する可能性があります。
d 退職給付費用及び債務
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は優良社債の利回りに基づき、長期期待運用収益率については年金資産の過去の運用実績等に基づき決定しております。
実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は1兆147億41百万円(前連結会計年度比4.4%減) で、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛や在宅勤務の広がりにより、コンビニエンスストア向けの菓子パンなどが減少するとともに、フレッシュベーカリーの小売業で商業施設内店舗の休業や営業時間の短縮があり前連結会計年度を下回りました。営業利益は174億38百万円(前連結会計年度比29.8%減)、経常利益は197億34百万円(前連結会計年度比28.6%減)で、光熱費や広告販促費のコスト減はありましたが、減収の影響が大きく営業利益、経常利益ともに減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益も69億56百万円(前連結会計年度比49.8%減)で、前連結会計年度を下回りました。
当社は持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、引き続き21世紀のヤマザキの経営方針に則り、新型コロナウイルス感染防止対策の上に行う経営手法とした、いのちの道の教えに従った部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」とピーター・ドラッカー博士の5つの質問を連動させるより精度の高い経営手法により、顧客本位の精神で、お客様のニーズを的確に捉えた製品とサービスの提供を行い業績の回復を目指します。
また、科学的根拠をもった食品安全衛生管理体制の上に築き上げる科学的・合理的・効率的な21世紀のヤマザキの経営手法を山崎製パン本体だけでなく関係子会社に導入し、連結経常利益率3%以上、連結ROE5%以上を達成すべく業績向上に全力を挙げて取り組みます。
a 売上高
売上高を事業の種類別に見ますと、食品事業は洋菓子部門は高品質、高付加価値・高単価製品の寄与や巣篭もり需要の高まりもあり好調でしたが、菓子パンや調理パン・米飯類部門でコンビニエンスストア向け製品が苦戦するとともに、フレッシュベーカリーの小売業での大幅な減収もあり、9,521億78百万円(前連結会計年度比4.4%減)で前年を下回りました、流通事業は駅前や施設内店舗での来店客数の減少や店舗数の減少もあり、493億50百万円(前連結会計年度比8.1%減)、その他事業は不動産賃貸収入の増加もあり前年を上回り、132億13百万円(前連結会計年度比12.3%増)でした。
なお、売上高の詳細については、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載の通りです。
b 営業利益
売上総利益率は、労務費率や商品原価率等の増加もあり、34.8%で前連結会計年度を0.5%上回りました。
販売費及び一般管理費は、3,361億80百万円、売上高に対する比率は33.1%で、人件費率や物流費率の増加もあり、前連結会計年度を0.1%上回りました。
以上の結果、営業利益は174億38百万円(前連結会計年度比29.8%減)となりました。
セグメント別では、食品事業は原材料費率や光熱水費、広告販促費等の減少はありましたが、菓子パン類や調理パン・米飯類の売上高の減収幅が大きく、営業利益は185億82百万円(前連結会計年度比23.3%減)、流通部門はロイヤリティ収入の減等があり、営業損失は38億92百万円(前連結会計年度は16億39百万円の営業損失)、その他事業は賃貸収入の増加もあり、営業利益は23億65百万円(前連結会計年度比25.5%増)でした。
c 経常利益
営業外収益面で、前連結会計年度に助成金収入があった事もあり、経常利益は197億34百万円(前連結会計年度比28.6%減)となりました。なお、目標とする経営指標の連結売上高経常利益率3%以上に対し、当連結会計年度は1.9%で、前連結会計年度に比べ、0.7%減少しました。
d 親会社株主に帰属する当期純利益
固定資産除売却損等の特別損失計上後の税金等調整前当期純利益は164億6百万円(前連結会計年度比29.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は69億56百万円で、前連結会計年度に比べ、49.8%の減益となりました。当連結会計年度の1株当たり当期純利益は32円で、前連結会計年度に比べ31円75銭減少しました。なお、目標とする経営指標の連結ROEの5%以上に対し、当連結会計年度は2.1%で前連結会計年度に比べ2.2%減少しました。
③財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は7,144億43百万円で、前連結会計年度末に対し137億5百万円減少しました。
主な要因は、流動資産が2,562億55百万円で、現金及び預金が25億24百万円、受取手形及び売掛金が19億20百万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に対し55億84百万円減少したことと、固定資産が4,581億88百万円で、有形固定資産が19億11百万円、投資有価証券が39億18百万円それぞれ減少したこと等により、前連結会計年度末に対し81億21百万円減少したことによるものです。
負債は3,520億60百万円で、借入金の返済や、退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末に対し176億72百万円減少しました。
純資産は3,623億83百万円で、その他有価証券評価差額金は減少しましたが、利益剰余金が26億8百万円、退職給付に係る調整累計額が40億83百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に対し39億66百万円増加しました。なお、自己資本比率は46.26%で前連結会計年度に比べ1.32%の増、1株当たり純資産は1,520円24銭で前連結会計年度に比べ14円87銭の増となりました。
| 前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前期差 | |
| 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
| 流 動 資 産 | 261,839 | 256,255 | △5,584 |
| 固 定 資 産 | 466,309 | 458,188 | △8,121 |
| 資 産 合 計 | 728,149 | 714,443 | △13,705 |
| 負 債 合 計 | 369,732 | 352,060 | △17,672 |
| 純 資 産 合 計 | 358,416 | 362,383 | 3,966 |
| 負 債 純 資 産 合 計 | 728,149 | 714,443 | △13,705 |
④資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度末の借入金残高は673億18百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループは将来必要とされる成長資金及び有利子負債の返済に対し、当面充分な流動性を確保しております。
また、当社グループは、第1に、手元流動性を極力最小限に抑える。第2に営業活動によるキャッシュ・フローは会社の維持発展に必要な設備投資に充当する。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。第3に余剰資金は金利負担の軽減をはかるため適宜借入金の返済に充当する。以上の3項目を目標にしてキャッシュ・フローの有効活用に努めます。株主還元につきましては、株主の皆様への安定配当を継続することを基本方針とし、連結配当性向30%を目標にしております。なお、当期の連結配当性向は68.75%であります。
⑤当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。