四半期報告書-第74期第2四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/11 9:19
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2021年1月1日~2021年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により厳しい状況が続く中で持ち直しの動きが見られましたものの、個人消費はサービス消費を中心に弱い動きとなりました。
当業界におきましては、お客様の節約志向が根強い市場環境の下でプチ贅沢の動きなど消費行動が多様化し販売競争が激化する中で、卵や糖類、油脂などの原料価格の上昇もあり収益が圧迫される厳しい経営環境となりました。また、コンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、外出自粛やテレワークの常態化の影響もあり売上が伸び悩む厳しい状況となりました。
このような情勢下にありまして、当社グループは、緊急事態においてパン・和洋菓子類を緊急食糧として社会に提供するという新しいヤマザキの使命に従い、新型コロナウイルス感染拡大の中で製品の安定供給体制を確保するため、パート、アルバイトを含めた全従業員を対象として検温を実施し、37.2℃以上の発熱がある者は自宅待機とし、また発熱がない場合でも倦怠感や味覚・嗅覚がない等の新型コロナウイルス独特の体調異常の自覚症状がある者も自宅待機とし、この自宅待機者数とPCR検査陽性者数を日々管理しました。また、マスクの着用や手指の消毒など日常の感染防止対策に加え、WEB会議等を活用して事業所間の出張を制限するなど感染防止対策を徹底するとともに、多人数による会食の原則禁止など公衆衛生上の遵守事項を徹底しました。さらに、工場並びに事業所内の感染防止対策として炭酸ガス濃度測定器を導入して換気の悪い密閉空間の改善に取り組み、常時職場内の炭酸ガス濃度を測定して700ppm以下に保ち感染防止対策とするとともに、従業員向けに新型コロナワクチンの職域接種を実施することを推進し、社会的使命の達成に全力を挙げて取り組んでまいりました。
このような状況の中で、当社グループは、新型コロナウイルス感染防止対策の上に行う業績向上対策として、「いのちの道」の教えの言葉に従う部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」とピーター・ドラッカー博士の5つの質問を連動させる「our mission, my missionの実践、実行、実証」の経営手法によって、ルヴァン種等を活用した品質向上や女性製品開発担当者を活用した新製品開発を推進するとともに、高品質・高付加価値・高単価製品や健康志向対応製品の開発に取り組むなど、各部門毎の業績向上をめざしました。また、長年業績不振で苦しんでいるヤマザキパンの小売事業であるデイリーヤマザキ事業を社長直轄とするとともに、日次管理・週次決算の経営手法をヤマザキパンの小売事業に有効に機能させるため小売事業業績改善プロジェクトを設置し、デイリーヤマザキやヴィ・ド・フランスを始めとする小売事業の抜本的な業績改善の取組みを開始しました。さらに、「いのちの道」の教えの言葉に従ったヤマザキパンの小売事業のあるべき姿を追求するため、小売事業本部内に戦略製品・戦略商品開発推進チームを設置し、ヤマザキの総力を挙げて自社業態の業績改善をめざした戦略製品の開発を推進する体制を構築しました。
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、日次管理・週次決算に取り組み日々の仕事の精度を高めるとともに、DY商品・運営合同小委員会を毎週開催し、戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携して当社グループ商品の充実と戦略商品の開発に取り組みました。
当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は5,122億10百万円(対前年同期比100.9%)、営業利益は122億23百万円(対前年同期比123.9%)、経常利益は137億53百万円(対前年同期比126.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は72億37百万円(対前年同期比147.7%)となりました。

セグメントの業績は以下のとおりであります。
セグメントの名称区分金額(百万円)前年同四半期比(%)
食品事業食パン48,75695.1
菓子パン174,929101.3
和菓子33,27096.1
洋菓子71,567104.1
調理パン・米飯類69,91197.3
製菓・米菓・その他商品類81,481103.8
食品事業計479,917100.4
流通事業26,011111.1
その他事業6,28195.0
合計512,210100.9

<食品事業>食品事業の主要製品別の売上状況は次のとおりであります。
①食パン部門(売上高487億56百万円、対前年同期比95.1%)
食パンは、主力の「ロイヤルブレッド」や「ダブルソフト」の拡販をはかるとともに、「超芳醇 塩分50%カット」などの健康志向対応製品や高級食パンを発売し取扱拡大をはかりましたが、前期の食パンの需要急増の反動もあり、前年同期の売上を下回りました。
②菓子パン部門(売上高1,749億29百万円、対前年同期比101.3%)
菓子パンは、主力の高級シリーズや「アップルパイ」が好調に推移するとともに、買い置き需要に対応した「ベイクワン」シリーズなど複数個入り製品が伸長しました。また、「フレンチクルーラー」などチルド菓子パンが伸長するとともに、新製品の「マリトッツォ」が寄与したこともあり、売上は前年同期を上回りました。
③和菓子部門(売上高332億70百万円、対前年同期比96.1%)
和菓子は、主力の「北海道チーズ蒸しケーキ」やチルド製品の「北海道チーズ蒸しケーキのとろけるぷりん」が好調に推移しましたが、主力の団子、大福、まんじゅうなど和生菓子の不振もあり、売上は前年同期を下回りました。
④洋菓子部門(売上高715億67百万円、対前年同期比104.1%)
洋菓子は、高品質・高付加価値・高単価製品を計画的に投入した2個入り生ケーキが伸長するとともに、「大きなツインシュー」などのシュークリームが伸長し、3月に品質を向上させた「プレミアムスイーツ」シリーズが寄与しました。さらに、㈱不二家の洋菓子事業が好調に推移したこともあり、前年同期の売上を上回りました。
⑤調理パン・米飯類部門(売上高699億11百万円、対前年同期比97.3%)
調理パン・米飯類は、第2四半期以降、主要販路であるコンビニエンスストアチェーンとの取引が回復してまいりましたが、前年同期の売上を下回る結果となりました。
⑥製菓・米菓・その他商品類部門(売上高814億81百万円、対前年同期比103.8%)
製菓・米菓・その他商品類は、ヤマザキビスケット㈱の「エアリアル」や㈱東ハトの「キャラメルコーン」が伸長するとともに、㈱不二家の「カントリーマアム チョコまみれ」や不二家(杭州)食品有限公司の「ポップキャンディ」が好調に推移し、前年同期の売上を上回りました。
以上の結果、食品事業の売上高は4,799億17百万円(対前年同期比100.4%)、営業利益は130億83百万円(対前年同期比124.7%)となりました。
<流通事業>デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、直営店舗数の増加により営業総収入は260億11百万円(対前年同期比111.1%)となりましたが、人件費等コストの増加もあり22億6百万円の営業損失(前年同期は19億87百万円の営業損失)となりました。
<その他事業>その他事業につきましては、売上高は62億81百万円(対前年同期比95.0%)、営業利益は10億75百万円(対前年同期比99.3%)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は7,180億91百万円で、前連結会計年度末に対して36億47百万円増加しました。流動資産は2,634億98百万円で、新規借入金等による現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に対して72億43百万円増加しました。固定資産は4,545億92百万円で、有形固定資産の減価償却が進んだことにより、前連結会計年度末に対して35億96百万円減少しました。負債合計は3,601億95百万円で、新規借入金の増加などにより、前連結会計年度末に対して81億35百万円増加しました。純資産は3,578億95百万円で、自己株式の取得などにより、前連結会計年度末に対して44億88百万円減少しました。
この結果、自己資本比率は45.33%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益135億3百万円に加え、減価償却費177億53百万円などにより484億86百万円のプラスとなりました。前年同期に対しては101億62百万円収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより185億49百万円のマイナスとなりましたが、前年同期に対しては6億32百万円支出が減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得、借入金の返済などがありましたが、新規借入により59億75百万円のプラスとなり、前年同期に対しては151億79百万円収入が増加しました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末残高は1,389億81百万円となり、前連結会計年度末残高に対しては361億38百万円の増加となりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は40億15百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備
① 当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設の計画の主なものは次のとおりであります。
会社名事業所名
(所在地)
セグメント
の名称
設備の内容投資予定額資金
調達
方法
着手年月完了予定
年月
完成後の
増加能力
総額
(百万円)
既支払額
(百万円)
提出会社松戸工場
(千葉県松戸市)
食品事業食パン生産設備220-自己資金2021年7月2021年7月生産能力
478百万円/月
大阪第二工場(大阪府松原市)食品事業洋菓子生産設備220-自己資金2021年8月2021年9月生産能力
144百万円/月
安城工場(愛知県安城市)食品事業洋菓子生産設備270-自己資金2021年9月2021年10月品質向上
不二家飲料
果実㈱
本社工場(福島県伊達市)食品事業工場新設及び製菓生産設備(注)11,6505自己資金2021年7月2022年6月生産能力
800Kg/h

(注) 1 当該設備は㈱不二家が不二家飲料果実㈱へ賃貸する予定であります。
2 本明細は、消費税等を除いて表示しております。
② 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に完了したものは次のとおりであります。
会社名事業所名
(所在地)
セグメントの名称設備の内容金額
(百万円)
完了年月
ベイクワイズ
ブランズ,Inc.
本社工場
(米国ニューヨーク州)
食品事業ベーグル成形生産設備更新2702021年3月

(注) 本明細は、消費税等を除いて表示しております。