有価証券報告書-第69期(2025/04/01-2026/03/31)
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
業績等の概要
(1)業績
①当連結会計年度の経営成績の概況
当社グループは、中期経営計画の達成に向けて、2025年4月に策定したパーパス・ビジョン・バリューを経営の判断軸とし、「ファンベース経営」の本格的な推進に努めてまいりました。
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続いた一方、物価上昇は個人消費の下押し要因となりました。世界経済では米国の関税政策の影響が顕在化する中、金融政策の動向や地政学的リスク等により、原油価格を含む資源価格の変動など、先行き不透明な状況が継続しております。食品業界においては、原材料価格、エネルギーコスト、人件費及び物流費の高止まりを背景に価格改定が続く一方、個人消費には持ち直しの動きがみられました。外食需要は、一部で中国団体客キャンセルの影響がみられたものの、インバウンド需要が堅調に推移したことから緩やかに増加しました。
このような環境下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、販売数量が前期比2.9%増加した一方、販売単価が同1.4%低下し、数量増を主因として前期比1.4%増の40,030百万円となりました。
利益面では、副資材代や人件費の増加があったものの、主原料価格の低下等により売上原価は前期を下回り、製品単価あたりの収益性改善に寄与しました。また、販売費及び一般管理費は、広告宣伝費が実施時期の後ろ倒し等により減少した一方、脱脂ごまのアップサイクル事業や新商品開発を含む研究開発体制の強化、人的投資の拡充等を、将来成長に向けた投資として実行したことにより前期比で増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、営業利益3,818百万円(前期比651百万円増)、経常利益4,060百万円(同666百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,724百万円(同367百万円増)となり、増収増益を確保しました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
1)ごま油事業
家庭用では、「かどやファン」の拡大とブランド価値向上を目的に、純正ごま油と調合ごま油の違いを訴求したWeb動画広告及びTVCMを配信しました。あわせて、キッチンカーを活用し、各地で他食品メーカーとのコラボレーションによるメニューを通じて、純正ごま油の使い方や価値を体験的に伝える取り組みを行うことで、価格訴求に依存しない需要創出を推進し、販売数量は前期比で増加しました。
業務用では、一部で中国団体客減少の影響がみられ、インバウンド需要も不透明感が残る局面となったものの、外食チェーン向けの新規採用や既存取引の拡大が進み、加工食品・給食向けを中心とした加工ユーザー向け販売も底堅く推移した結果、販売数量は前期比で増加しました。
輸出用では、米国の関税政策の影響や物価上昇による市況変動の影響を受けたものの、需要動向に応じた販売対応に加え、当社ブランドに対する指名買い需要を背景に、販売数量は前期比で増加しました。
以上の結果、ごま油事業全体では販売数量が前期比3.0%増、売上高は31,401百万円(前期比320百万円増)となりました。費用面では研究開発費や人件費の増加があったものの、数量増と原価改善効果により、セグメント利益は3,625百万円(前期比750百万円増)となりました。
2)食品ごま事業
食品ごま事業では、加工ユーザー向けを中心に高付加価値商品の提案を進め、採算性を重視した販売対応を行いました。高付加価値商品のねりごまを中心に需要は安定して推移しました。
その結果、販売数量は前期比2.3%増、売上高は8,611百万円(前期比342百万円増)となりました。高付加価値商品の販売拡大による増収があった一方、費用面では原料コストが高水準で推移した影響による原料代の増加や副資材代の増加があり、セグメント利益は184百万円(前期比53百万円減)となりました。
②中期経営計画関連の当連結会計年度における取組
当社グループは、2025年度を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画について、2023年11月に外部環境の変化を踏まえ最終年度を2028年度に延長しております。当連結会計年度は、中期経営計画の実効性を高めるべく、「経営基盤の再整理」と「成長に向けた打ち手の具体化」に重点を置いた取り組みを進めました。
1)国内事業・商品開発
当社グループは、用途区分(家庭用・業務用)を軸とする市場で事業を展開してきた一方、使用シーンに着目すると未開拓の市場機会が存在すると認識しております。飲食店における卓上化施策を推進し、ごま油を「かけて使う」食文化の浸透を図ることで、食卓領域における新たな需要創出に取り組んでおります。
また、商品戦略ではボトル形状に代表されるブランド価値最大化を基本方針とし、品質や使用価値に見合った商品展開及び情報発信を推進しております。個包装ごま油を発売したほか、新商品の早期発売に向けた開発を進めております。
2)海外事業
北米市場を中長期的な成長ドライバーと位置づけ、米国に現地法人 Kadoya America Inc. を設立し、販売及びマーケティング体制の強化等を目的に事業基盤整備を進めております。さらに、将来的な需要拡大を見据え供給体制のあり方も検討するとともに、中南米、APAC、EMEAなど各地域において成長機会の見込めるターゲット市場を見極め、販売領域拡大の体制整備を進めております。
3)事業運営
成長領域への対応力強化を目的として、たんぱく事業及びブランド戦略に関する全社横断での推進体制を整備いたしました。
たんぱく事業では市場・技術面の検証を進めた一方、アレルゲン対応や用途開発に時間を要したため、初期投資を抑えた段階的立ち上げへと方針を見直し、用途開発及び高付加価値化を通じて中期的な収益基盤構築に取り組んでおります。
また、IR活動の見直しにより、投資家属性を意識したメッセージ設計のもと、キャッシュの使途、成長投資及び株主還元に関する考え方を数値で説明し、DOEを指標とする配当方針の導入決定、株式分割の実施決議等を通じ株主基盤の拡充に向けた対応を進めました。
(2)経営上の目標の達成状況
当社グループは中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度のROEは7.5%となりました。
生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。
2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
③受注実績
当社は受注生産は行っておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ4,035百万円増加し、34,404百万円となりました。
これは商品及び製品が275百万円減少するなどの減少要因があったものの、現金及び預金が4,101百万円、売掛金が404百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ225百万円減少し、12,941百万円となりました。
これは投資有価証券が357百万円増加するなどの増加要因があったものの、袖ケ浦工場の減価償却等により有形固定資産が782百万円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,809百万円増加し、47,346百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ1,644百万円増加し、7,663百万円となりました。
これは支払手形及び買掛金が829百万円、未払金が486百万円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ10百万円減少し、2,241百万円となりました。
これは繰延税金負債が79百万円増加するなどの増加要因があったものの、退職給付に係る負債が85百万円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,634百万円増加し、9,905百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,174百万円増加し、37,440百万円となりました。
これは親会社株主に帰属する当期純利益2,724百万円の計上と配当金の支払い921百万円の加減算により利益剰余金が1,802百万円増加したこと等によるものであります。
(セグメントごとの分析)
当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ1,033百万円減少し、22,692百万円となりました。これは棚卸資産の減少等によるものであります。
また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ608百万円増加し、8,430百万円となりました。
(2)経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ1.4%増加し、40,030百万円となりました。
主な内訳はごま油31,401百万円、食品ごま8,611百万円、その他16百万円であります。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ2.0%減少し、28,712百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ1,170百万円増加し11,317百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ2.6ポイント増加し、28.3%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ518百万円増加し7,498百万円となりました。
主な内訳は、運送費及び保管料1,652百万円、給料及び手当1,419百万円、広告宣伝費638百万円、手数料751百万円、賞与引当金繰入額554百万円、販売手数料347百万円であります。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ651百万円増加し3,818百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ1.5ポイント増加し、9.5%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、営業外収益256百万円から営業外費用14百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ14百万円増加し、242百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ666百万円増加し4,060百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ1.5ポイント増加し、10.1%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益におきましては、減損損失を112百万円計上したこと等により、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ102百万円減少し、112百万円の損失となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ563百万円増加し、3,947百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が1,223百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ367百万円増加し2,724百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ0.8ポイント増加し6.8%となりました。
なお、1株当たりの当期純利益は98円66銭(株式分割後)、ROE(自己資本当期純利益率)は7.5%、総資産経常利益率は8.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ4,101百万円増加し、11,983百万円となりました。なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,688百万円の収入(前期比5,304百万円収入増)となりました。これは法人税等の支払額1,130百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,947百万円、減価償却費1,066百万円、仕入債務の増加額826百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、671百万円の支出(前期比412百万円支出増)となりました。これは工場の設備投資等に関する有形固定資産の取得による支出が375百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、920百万円の支出(前期比4百万円支出減)となりました。これは配当金の支払いが920百万円あったこと等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新のほか、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。
資金調達
当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。
なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行3行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は9,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は3,000百万円になります。
株主還元
当社グループは、株主の皆様への利益還元を経営の重点政策の一つとして位置付けており、期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針とし、「連結の親会社株主に帰属する当期純利益の40%」または「連結株主資本配当率(DOE)3.5%」のいずれか高い方を目処とし、継続した配当を行えるよう努力してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
業績等の概要
(1)業績
①当連結会計年度の経営成績の概況
当社グループは、中期経営計画の達成に向けて、2025年4月に策定したパーパス・ビジョン・バリューを経営の判断軸とし、「ファンベース経営」の本格的な推進に努めてまいりました。
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続いた一方、物価上昇は個人消費の下押し要因となりました。世界経済では米国の関税政策の影響が顕在化する中、金融政策の動向や地政学的リスク等により、原油価格を含む資源価格の変動など、先行き不透明な状況が継続しております。食品業界においては、原材料価格、エネルギーコスト、人件費及び物流費の高止まりを背景に価格改定が続く一方、個人消費には持ち直しの動きがみられました。外食需要は、一部で中国団体客キャンセルの影響がみられたものの、インバウンド需要が堅調に推移したことから緩やかに増加しました。
このような環境下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、販売数量が前期比2.9%増加した一方、販売単価が同1.4%低下し、数量増を主因として前期比1.4%増の40,030百万円となりました。
利益面では、副資材代や人件費の増加があったものの、主原料価格の低下等により売上原価は前期を下回り、製品単価あたりの収益性改善に寄与しました。また、販売費及び一般管理費は、広告宣伝費が実施時期の後ろ倒し等により減少した一方、脱脂ごまのアップサイクル事業や新商品開発を含む研究開発体制の強化、人的投資の拡充等を、将来成長に向けた投資として実行したことにより前期比で増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、営業利益3,818百万円(前期比651百万円増)、経常利益4,060百万円(同666百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,724百万円(同367百万円増)となり、増収増益を確保しました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
1)ごま油事業
家庭用では、「かどやファン」の拡大とブランド価値向上を目的に、純正ごま油と調合ごま油の違いを訴求したWeb動画広告及びTVCMを配信しました。あわせて、キッチンカーを活用し、各地で他食品メーカーとのコラボレーションによるメニューを通じて、純正ごま油の使い方や価値を体験的に伝える取り組みを行うことで、価格訴求に依存しない需要創出を推進し、販売数量は前期比で増加しました。
業務用では、一部で中国団体客減少の影響がみられ、インバウンド需要も不透明感が残る局面となったものの、外食チェーン向けの新規採用や既存取引の拡大が進み、加工食品・給食向けを中心とした加工ユーザー向け販売も底堅く推移した結果、販売数量は前期比で増加しました。
輸出用では、米国の関税政策の影響や物価上昇による市況変動の影響を受けたものの、需要動向に応じた販売対応に加え、当社ブランドに対する指名買い需要を背景に、販売数量は前期比で増加しました。
以上の結果、ごま油事業全体では販売数量が前期比3.0%増、売上高は31,401百万円(前期比320百万円増)となりました。費用面では研究開発費や人件費の増加があったものの、数量増と原価改善効果により、セグメント利益は3,625百万円(前期比750百万円増)となりました。
2)食品ごま事業
食品ごま事業では、加工ユーザー向けを中心に高付加価値商品の提案を進め、採算性を重視した販売対応を行いました。高付加価値商品のねりごまを中心に需要は安定して推移しました。
その結果、販売数量は前期比2.3%増、売上高は8,611百万円(前期比342百万円増)となりました。高付加価値商品の販売拡大による増収があった一方、費用面では原料コストが高水準で推移した影響による原料代の増加や副資材代の増加があり、セグメント利益は184百万円(前期比53百万円減)となりました。
②中期経営計画関連の当連結会計年度における取組
当社グループは、2025年度を最終年度とする5ヶ年の中期経営計画について、2023年11月に外部環境の変化を踏まえ最終年度を2028年度に延長しております。当連結会計年度は、中期経営計画の実効性を高めるべく、「経営基盤の再整理」と「成長に向けた打ち手の具体化」に重点を置いた取り組みを進めました。
1)国内事業・商品開発
当社グループは、用途区分(家庭用・業務用)を軸とする市場で事業を展開してきた一方、使用シーンに着目すると未開拓の市場機会が存在すると認識しております。飲食店における卓上化施策を推進し、ごま油を「かけて使う」食文化の浸透を図ることで、食卓領域における新たな需要創出に取り組んでおります。
また、商品戦略ではボトル形状に代表されるブランド価値最大化を基本方針とし、品質や使用価値に見合った商品展開及び情報発信を推進しております。個包装ごま油を発売したほか、新商品の早期発売に向けた開発を進めております。
2)海外事業
北米市場を中長期的な成長ドライバーと位置づけ、米国に現地法人 Kadoya America Inc. を設立し、販売及びマーケティング体制の強化等を目的に事業基盤整備を進めております。さらに、将来的な需要拡大を見据え供給体制のあり方も検討するとともに、中南米、APAC、EMEAなど各地域において成長機会の見込めるターゲット市場を見極め、販売領域拡大の体制整備を進めております。
3)事業運営
成長領域への対応力強化を目的として、たんぱく事業及びブランド戦略に関する全社横断での推進体制を整備いたしました。
たんぱく事業では市場・技術面の検証を進めた一方、アレルゲン対応や用途開発に時間を要したため、初期投資を抑えた段階的立ち上げへと方針を見直し、用途開発及び高付加価値化を通じて中期的な収益基盤構築に取り組んでおります。
また、IR活動の見直しにより、投資家属性を意識したメッセージ設計のもと、キャッシュの使途、成長投資及び株主還元に関する考え方を数値で説明し、DOEを指標とする配当方針の導入決定、株式分割の実施決議等を通じ株主基盤の拡充に向けた対応を進めました。
(2)経営上の目標の達成状況
当社グループは中期経営計画において、企業価値の向上のため資本効率性指標であるROE8%以上の維持・継続という中長期的な目標を定めております。同計画による新たな事業戦略及び経営基盤の再構築等のもと、経営課題及び財務目標の達成に取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度のROEは7.5%となりました。
生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比(%) |
| ごま油(トン) | 54,133 | 101.8 |
| 内訳 | ||
| (ごま油(トン)) | (29,028) | 103.1 |
| (脱脂ごま(トン)) | (25,105) | 100.3 |
| 食品ごま(トン) | 11,880 | 100.9 |
| 合計(トン) | 66,014 | 101.6 |
(注)1.ごま油生産数量には、輸入原料油、脱脂ごまを含みます。
2.ごま油生産数量は、生産内容が異なるため内訳を記載しております。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比(%) |
| その他(百万円) | 14 | 27.4 |
| 合計(百万円) | 14 | 27.4 |
③受注実績
当社は受注生産は行っておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比(%) |
| ごま油(百万円) | 31,401 | 101.0 |
| 食品ごま(百万円) | 8,611 | 104.1 |
| 報告セグメント計(百万円) | 40,013 | 101.6 |
| その他(百万円) | 16 | 16.7 |
| 合計(百万円) | 40,030 | 101.4 |
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産におきましては、前連結会計年度末に比べ4,035百万円増加し、34,404百万円となりました。
これは商品及び製品が275百万円減少するなどの減少要因があったものの、現金及び預金が4,101百万円、売掛金が404百万円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産におきましては、前連結会計年度末に比べ225百万円減少し、12,941百万円となりました。
これは投資有価証券が357百万円増加するなどの増加要因があったものの、袖ケ浦工場の減価償却等により有形固定資産が782百万円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,809百万円増加し、47,346百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債におきましては、前連結会計年度末に比べ1,644百万円増加し、7,663百万円となりました。
これは支払手形及び買掛金が829百万円、未払金が486百万円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債におきましては、前連結会計年度末に比べ10百万円減少し、2,241百万円となりました。
これは繰延税金負債が79百万円増加するなどの増加要因があったものの、退職給付に係る負債が85百万円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,634百万円増加し、9,905百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産におきましては、前連結会計年度末に比べ2,174百万円増加し、37,440百万円となりました。
これは親会社株主に帰属する当期純利益2,724百万円の計上と配当金の支払い921百万円の加減算により利益剰余金が1,802百万円増加したこと等によるものであります。
(セグメントごとの分析)
当連結会計年度末のごま油セグメントの資産は、前連結会計年度末に比べ1,033百万円減少し、22,692百万円となりました。これは棚卸資産の減少等によるものであります。
また、食品ごまセグメントの資産は前連結会計年度末に比べ608百万円増加し、8,430百万円となりました。
(2)経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ1.4%増加し、40,030百万円となりました。
主な内訳はごま油31,401百万円、食品ごま8,611百万円、その他16百万円であります。
(売上原価)
売上原価は、前連結会計年度に比べ2.0%減少し、28,712百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益におきましては、前連結会計年度に比べ1,170百万円増加し11,317百万円となり、売上高総利益率は前連結会計年度に比べ2.6ポイント増加し、28.3%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ518百万円増加し7,498百万円となりました。
主な内訳は、運送費及び保管料1,652百万円、給料及び手当1,419百万円、広告宣伝費638百万円、手数料751百万円、賞与引当金繰入額554百万円、販売手数料347百万円であります。
(営業利益)
売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益におきましては、前連結会計年度に比べ651百万円増加し3,818百万円となり、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ1.5ポイント増加し、9.5%となりました。
(営業外収益・費用)
営業外損益は、営業外収益256百万円から営業外費用14百万円差し引いた純額が、前連結会計年度に比べ14百万円増加し、242百万円の利益となりました。
(経常利益)
営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益におきましては、前連結会計年度に比べ666百万円増加し4,060百万円となり、売上高経常利益率は前連結会計年度に比べ1.5ポイント増加し、10.1%となりました。
(特別利益・損失)
特別損益におきましては、減損損失を112百万円計上したこと等により、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、前連結会計年度に比べ102百万円減少し、112百万円の損失となりました。
(税金等調整前当期純利益)
経常利益から特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益におきましては、前連結会計年度末に比べ563百万円増加し、3,947百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計が1,223百万円となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ367百万円増加し2,724百万円となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度に比べ0.8ポイント増加し6.8%となりました。
なお、1株当たりの当期純利益は98円66銭(株式分割後)、ROE(自己資本当期純利益率)は7.5%、総資産経常利益率は8.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ4,101百万円増加し、11,983百万円となりました。なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、5,688百万円の収入(前期比5,304百万円収入増)となりました。これは法人税等の支払額1,130百万円など減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益3,947百万円、減価償却費1,066百万円、仕入債務の増加額826百万円などの増加要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、671百万円の支出(前期比412百万円支出増)となりました。これは工場の設備投資等に関する有形固定資産の取得による支出が375百万円あったこと等によるものであります。なお、いずれの支出も原資は自己資金によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、920百万円の支出(前期比4百万円支出減)となりました。これは配当金の支払いが920百万円あったこと等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、生産活動(原材料の購入や労務費、設備の修繕費等)及び販売活動(人件費や販売促進費の支払等)等による運転資金需要や、設備投資に関する設備資金需要になります。なお、設備投資については、生産活動維持のための設備更新のほか、市場拡大に備えた生産能力増強等について、市場環境や販売動向を注視した上で行う方針です。
資金調達
当社グループの資金需要に対しては、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて獲得した自己資金により充当する方針にあります。但し、原料価格の上昇や大規模設備投資等による一時的な資金不足が生じた場合には、金融機関からの短期借入による調達を行います。
なお、当社では資金の流動性担保のため、取引銀行3行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。これらの契約に基づく当連結会計年度末における当座貸越極度額は9,000百万円、コミットメントライン契約における借入未実行残高は3,000百万円になります。
株主還元
当社グループは、株主の皆様への利益還元を経営の重点政策の一つとして位置付けており、期末配当の年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針とし、「連結の親会社株主に帰属する当期純利益の40%」または「連結株主資本配当率(DOE)3.5%」のいずれか高い方を目処とし、継続した配当を行えるよう努力してまいります。