有価証券報告書-第97期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復の動きが見られました。一方で、継続的な物価上昇による個人消費の停滞懸念に加え、関係国の関税政策や中東情勢を背景とした原油価格高騰の影響により、先行きは依然として不透明な状況が続きました。
食品業界においては、物価上昇の影響からお客様の生活防衛意識が高まり、節約志向が強まる中で、高付加価値商品と値ごろ感のある商品との消費の二極化が一層顕著となりました。その結果、販売競争が激化するなど、厳しい経営環境が継続しました。
このような中、当社グループは、中期経営計画「Challenge & Change for 100th! ~もっとおいしく、もっと便利に、もっと優しく、そしてもっと元気に!~」に掲げる優先課題である製品ブランドの価値向上に取り組み、健康志向や利便性・簡便性といった機能価値を重視した製品の販売強化と新製品の開発に注力しました。主力製品であるシーチキンにおいては、「シーチキンで今日をおいしく」をテーマに、毎日の食事を特別なものにする提案として、シーチキンと野菜の組み合わせに着目し、サラダやサンドイッチ、ディップメニューなどを紹介する新たなテレビコマーシャルを展開し、売り場施策やメニュー提案を実施することで、さらなる需要喚起とブランド価値の訴求に努めました。その他のカテゴリーにおいても、テレビコマーシャルや動画配信と連動した販売促進活動を実施し、ブランド認知の拡大に努めました。
この結果、家庭用食品の販売は、価格改定による買い控え等の影響はありましたが、新価格の定着と機能性を追求したパウチタイプの製品や、明確な製品コンセプトを打ち出した製品がお客様に支持されたこと等により増加しました。業務用食品の販売は、コンビニエンスストアおよび給食向けが減少し、当連結会計年度の売上高は750億78百万円(前年同期比0.6%増)となりました。
利益面では、売上総利益の増加と販売奨励金等の減少により、営業利益は31億46百万円(同10.4%増)、受取配当金が増加したこと等により、経常利益は37億12百万円(同9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億36百万円(同7.2%増)となりました。
また、当社グループは、食品事業およびこの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っていませんが、製品群別の販売動向は以下のとおりです。
表:製品群別売上高(連結) (単位:千円、%)
「ツナ等」では、主力の油漬缶詰「シーチキンLフレーク」や「シーチキンマイルド」が好調で、さらに食塩を使用していない「食塩不使用シーチキン」や、開けやすく後片付けが簡単なパウチタイプの「シーチキンSmile」シリーズが伸長し、売上高は前年同期比3.6%増加しました。
「デザート」では、ぜんざい・おしるこ類が伸長しましたが、主力の「朝からフルーツ」缶詰やその他フルーツパウチが低調で、売上高は同7.3%減少しました。
「パスタ&ソース」では、パスタは主力の結束タイプのスパゲッティ「ポポロスパ」とマカロニが好調でした。ソースは主力の缶詰ソースが堅調で、売上高は同1.1%増加しました。
「総菜」では、主力の「シャキッと!コーン」缶詰は低調でしたが、パウチタイプの「シャキッと!コーン」やさば・さんま・いわし調理品、さらに料理素材の「Home Cooking」パウチシリーズが伸長し、売上高は同1.6%増加しました。
「削りぶし・のり・ふりかけ類」では、削りぶしと味付のりは低調でしたが、きざみのりが堅調でした。ふりかけ類では、「のり弁慶ふりかけ」や「天下無添ふりかけ」シリーズが伸長し、売上高は同1.0%増加しました。
「ギフト・その他食品」では、シーチキンや乾物のギフト製品は低調でしたが、電子レンジで簡単に調理可能な包装米飯「パパッとライス」が堅調で、売上高は同5.9%増加しました。
「業務用食品」では、コンビニエンスストアや給食向け販売が低調で、売上高は同6.5%減少しました。
「ペットフード・バイオ他」では、バイオ製品は低調でしたが、スティックタイプの愛猫用おやつ「無一物舌福」をはじめとするペットフードが好調で、売上高は同1.9%増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、25億32百万円増加し、40億17百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により増加した資金は48億4百万円(前年同期は24億69百万円の増加)となりました。これは主に、仕入債務の減少や法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により減少した資金は35億68百万円(前年同期は6億80百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により増加した資金は12億円96百万円(前年同期は11億円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出や配当金の支払があったものの、長期借入れによる収入があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における製品群別生産実績は次のとおりです。
(注) 1 金額は販売価額で表示しています。
2 生産実績には外注仕入実績を含みます。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていません。
c. 販売実績
当社グループは主として卸売業者に販売しています。当連結会計年度の販売実績は次のとおりです。
(注) 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの製品の原材料の多くは農水産物であり、年度や季節により漁獲量や収穫量が増減します。また、食糧需給バランスや環境・資源問題による規制、諸外国の関税政策の影響等のさまざまな要因で市場価格が変動し、さらに為替の変動も原材料価格に大きく影響します。
一方で製品の販売は、主に卸店等を経由し量販店で販売される形態であり、原材料等の市場価格の変動を製品の販売価格に反映させるには一定期間を要するため、販売奨励金を有効に活用しながら、販売数量と利益の最適化を目指します。
さらに当社グループは、ツナ製品を製造する海外関連会社における持分法による投資利益や、保有する取引先等 の株式からの受取配当金を含めた売上高経常利益率を重視しています。
このような背景を踏まえ、当社グループは単年度ではなく中長期的な視点で、各種製品の市場シェアの向上と利益の基調的な改善、および株主重視の観点から自己資本利益率(ROE)を指標として捉え、これらの基調的な改 善に取り組んでいます。
当連結会計年度においては、中期経営計画の5つの基本方針にもとづき、変化する市場ニーズを的確に捉えた新製品の開発を加速させました。同時に、既存製品の販売拡大とブランド価値向上に注力し、収益力の強化および持続的成長に向けた事業基盤の確立を推進しました。
<中期経営計画>名称:Challenge & Change for 100th!
~もっとおいしく、もっと便利に、もっと優しく、そしてもっと元気に!~
期間:2024年4月1日~2027年3月31日
基本方針:
①製品の安全・安心、そして安定生産・供給を実現する積極的な設備・人財投資の推進
・技術力の蓄積と向上および人財の育成
・資材、製品調達の多様化の推進により強固な生産ネットワークの構築
・安全、安心な製品づくりのための積極的な設備投資の実行
②既存事業の強化
・マーケティングデータ(VOCなど)の活用などで高付加価値新製品の積極的な投入
・SKUの削減による収益力向上と業務の効率化(新製品投入は積極的に行うが、結果として削減する)
・新基幹システムの構築を中心とする業務のデジタル化の推進
③新たな事業の柱の育成と開発
・既存事業に続く、当社の強みを活かした新たな事業の構築
④多様な人財が元気に活躍できる職場づくり
・労働環境の多様化(雇用、就業、評価)に沿った新人事制度の導入
・戦略的な人財の開発育成制度の導入(女性の活躍推進も含む)
・働き甲斐を実感することができる職場環境、福利厚生の改善
⑤環境保全や社会貢献活動への積極的な取り組み
・環境問題への積極的な取り組み(エコアクション、サステナビリティ活動推進など)
・リスクマネジメント、BCPへの積極的な取り組み
・地域社会に溶け込み、地域社会を元気にする社会貢献活動の推進
主力のシーチキンにおいては、「シーチキン スルッと!Smile」を発売しました。本製品は、従来品に対して寄せられていた「中身が取り出しにくい」といったお客様の声(VOC)を受け、寒天仕上げにより内容物をスムーズに取り出せるよう改良したものです。また、ツナの旨みを最大限に引き出す食材と組みあわせた「旨海シーチキン」シリーズや、1回使い切りの利便性を高めた「シーチキンSmileプチ純」も発売し、用途やニーズに応じたラインナップの拡充を図りました。
デザートにおいては、冷凍・冷蔵の両方でお楽しみいただけるフルーツジュレ「シャリッと!デザート」を発売しました。近年の猛暑および暑さの長期化に伴い冷たいデザート需要が拡大する中、冷凍庫の容量制約といったお客様の日常課題に配慮した製品です。果肉を40%配合し、食べ応えのある満足感の高い製品に仕上げています。
パスタ&ソースにおいては、調理時間の短縮ニーズに対応した「ポポロマカ早ゆで3分」を発売するとともに、マカロニの新たな利用シーンを提案するため、マカロニを“ちょこっと”使う100種類の「ちょこまかレシピ」を作成し、当社ホームページ上で公開しました。
ふりかけにおいては、「天下無添ふりかけ」シリーズに「さけ風味」「たまご」を追加し、定番ラインの強化を図りました。また、「のり弁慶ふりかけ」シリーズの新たなラインアップとして、味かつおを贅沢に使用した「ぶし若丸ふりかけ」を発売し、テレビCMの展開と相まって好調な販売を維持しています。
ペットケアでは、スティックタイプおやつ「無一物舌福」のラインアップを拡充し、新たに愛犬用製品を投入しました。当社ペットフード事業における中核ブランドとして、さらなる育成を図ってまいります。
業務用製品としては、医療従事者のニーズに対応した「食塩・オイル不使用シーチキンマイルド純」を開発・発売しました。
生産面においては、FSSC(食品安全マネジメントシステム)にもとづく品質マネジメントの高度化を図るため、生産部門社員への教育を継続的かつ積極的に実施しました。また、お客様の声を体系的にデータベース化し、品質改善および新製品開発に反映させる仕組みを強化することで、顧客価値の最大化に取り組みました。
管理面においては、在宅勤務や時差出勤制度の活用により、柔軟で多様な働き方を推進し、生産性向上と人財活用の最適化を図りました。さらに、近年の物価上昇に伴う従業員の生活安定と、労働市場における人財獲得競争力の維持・向上を目指し、当連結会計年度において給与改定を実施しました。同時に、人財育成を経営の重要課題と位置づけ、海外研修や技術研修、女性総合職向け研修など、階層・属性に応じた教育機会の充実を図るとともに、若手・中堅社員を対象とした次世代リーダー研修を実施し、将来の成長を担う人財基盤の強化を推進しました。
当社グループは、比較的賞味期間の長い製品を多く取り扱っている特性を踏まえ、大規模災害や感染症の発生といった不確実な環境下においても、「安全・安心な製品を安定的に供給する」という社会的使命を強く認識しています。今後も事業継続体制の強化を図りながら、安定供給の責任を果たすことで、社会からの信頼に応えてまいります。
このような施策を実施した結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、明確な製品コンセプトを打ち出した製品の販売拡大や価格改定の効果等により前連結会計年度比0.3ポイント上昇し、4.9%となりました。自己資本利益率(ROE)は、当期純利益の計上に伴う自己資本の積み上がり等により同0.3ポイント低下し、5.8%となりました。詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
次連結会計年度においては、老朽化設備の更新および市場環境の変化に対応した生産体制の構築に向け、積極的な設備投資を計画しており、これに伴い減価償却費の増加を見込んでいます。
一方で、主力製品の原材料については、地政学的リスクの高まりや世界的な食糧需要の拡大、為替変動、さらには環境・資源問題への関心の高まりを背景に、今後も価格上昇圧力が継続するものと認識しています。加えて、国際情勢の不確実性に伴うエネルギー価格の動向や各国の関税政策の影響に加え、製造・物流分野における人手不足を背景とした人件費・物流費の上昇も懸念されます。これに対し、当社グループでは賞味期間の長さを活かした配送効率の向上や、製品開発や資材調達の担当部署と連携した積載効率の改善等に取り組み、持続可能な物流体制の構築と物流効率化によるコスト影響の最小化に努めてまいります。
また、持続的な成長を牽引する優秀な人財の確保・定着に向け、次年度以降も社会情勢や業績の動向を踏まえた適切な処遇改善を検討しており、短期的には費用増加要因となる見込みです。しかしながら、業務のデジタル化や業務効率化を並行して推進することで、従業員一人当たりの生産性の向上を図り、これらのコスト影響を吸収し得る体質づくりを進めてまいります。
こうした厳しい事業環境の中にあっても、開発・生産・販売の各部門が一体となり、独創性と競争力を備えた製品の提供を継続することで、収益基盤の持続的な改善と企業価値の向上に努めてまいります。
②財政状態の分析
当社グループの資産構成は、流動資産が約47%、投資有価証券が約29%、有形固定資産が約18%、その他の資産が約6%で、他の食品製造業者と比べて有形固定資産の比率が低いと認識しています。この背景としては、多品種の製品を安定的に生産し市場に供給するため、国内外約70か所の協力工場に製品の製造を委託していることによるものです。
当社グループの生産設備等の投資計画は、使用年数や生産性等を考慮し、設備の更新時期が短期間に集中しないよう計画的に実施することとしています。
自己資本に蓄積した利益等は、配当金として株主へ還元する一方で、将来の生産設備の更新に充てることで、投資と調達のバランスを意識しています。
当連結会計年度末における財政状態の分析は次のとおりです。
a.資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より116億59百万円増加して、803億93百万円となりました。これは主に、受取手形が56億57百万円減少したものの、投資有価証券が81億15百万円、電子記録債権が35億92百万円、現金及び預金が25億32百万円、建設仮勘定が20億94百万円それぞれ増加したことによるものです。
b.負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より33億80百万円増加して、307億28百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が16億18百万円減少したものの、繰延税金負債が28億51百万円、長期借入金が
17億55百万円増加したことによるものです。
c.純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より82億78百万円増加して、496億64百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が56億60百万円、利益剰余金が20億25百万円、退職給付に係る調整累計額が4億54百万円増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は61.8%、1株当たり純資産額は5,277円52銭となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品および原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、生産設備等への設備投資によるものです。
当社グループの資金調達の方針は、必要資金を円滑かつ効率的に調達することにあります。
短期運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金や長期運転資金への調達につきましては、自己資金および金融機関からの長期借入を基本としています。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は51億37百万円となっています。また、キャッシュ・フローにつきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されています。
この連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすと考えています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の利益計画にもとづいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額ならびに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や市場環境の変化等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額の見積額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(退職給付に係る資産および退職給付に係る負債)
当社グループは、従業員退職給付費用および債務について、数理計算上で設定される前提条件にもとづき算出しています。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率等の要素が含まれています。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件に変更が生じた場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復の動きが見られました。一方で、継続的な物価上昇による個人消費の停滞懸念に加え、関係国の関税政策や中東情勢を背景とした原油価格高騰の影響により、先行きは依然として不透明な状況が続きました。
食品業界においては、物価上昇の影響からお客様の生活防衛意識が高まり、節約志向が強まる中で、高付加価値商品と値ごろ感のある商品との消費の二極化が一層顕著となりました。その結果、販売競争が激化するなど、厳しい経営環境が継続しました。
このような中、当社グループは、中期経営計画「Challenge & Change for 100th! ~もっとおいしく、もっと便利に、もっと優しく、そしてもっと元気に!~」に掲げる優先課題である製品ブランドの価値向上に取り組み、健康志向や利便性・簡便性といった機能価値を重視した製品の販売強化と新製品の開発に注力しました。主力製品であるシーチキンにおいては、「シーチキンで今日をおいしく」をテーマに、毎日の食事を特別なものにする提案として、シーチキンと野菜の組み合わせに着目し、サラダやサンドイッチ、ディップメニューなどを紹介する新たなテレビコマーシャルを展開し、売り場施策やメニュー提案を実施することで、さらなる需要喚起とブランド価値の訴求に努めました。その他のカテゴリーにおいても、テレビコマーシャルや動画配信と連動した販売促進活動を実施し、ブランド認知の拡大に努めました。
この結果、家庭用食品の販売は、価格改定による買い控え等の影響はありましたが、新価格の定着と機能性を追求したパウチタイプの製品や、明確な製品コンセプトを打ち出した製品がお客様に支持されたこと等により増加しました。業務用食品の販売は、コンビニエンスストアおよび給食向けが減少し、当連結会計年度の売上高は750億78百万円(前年同期比0.6%増)となりました。
利益面では、売上総利益の増加と販売奨励金等の減少により、営業利益は31億46百万円(同10.4%増)、受取配当金が増加したこと等により、経常利益は37億12百万円(同9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億36百万円(同7.2%増)となりました。
また、当社グループは、食品事業およびこの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っていませんが、製品群別の販売動向は以下のとおりです。
表:製品群別売上高(連結) (単位:千円、%)
| 製品群 | 前期 | 当期 | 増減 | |||||
| 金額 | 構成比 | 金額 | 構成比 | 金額 | 率 | |||
| 製 品 | 家庭用食品 | ツナ等 | 34,060,375 | 45.6 | 35,290,198 | 47.0 | 1,229,823 | 3.6 |
| デザート | 5,376,266 | 7.2 | 4,982,258 | 6.6 | △394,008 | △7.3 | ||
| パスタ&ソース | 6,332,781 | 8.5 | 6,399,487 | 8.5 | 66,706 | 1.1 | ||
| 総菜 | 7,132,066 | 9.5 | 7,247,857 | 9.7 | 115,790 | 1.6 | ||
| 削りぶし・のり・ふりかけ類 | 3,635,299 | 4.9 | 3,672,008 | 4.9 | 36,709 | 1.0 | ||
| ギフト・その他食品 | 3,046,525 | 4.1 | 3,225,678 | 4.3 | 179,152 | 5.9 | ||
| 計 | 59,583,314 | 79.8 | 60,817,488 | 81.0 | 1,234,174 | 2.1 | ||
| 業務用食品 | 12,652,960 | 16.9 | 11,825,988 | 15.7 | △826,971 | △6.5 | ||
| ペットフード・バイオ他 | 2,057,142 | 2.8 | 2,096,126 | 2.8 | 38,983 | 1.9 | ||
| 計 | 74,293,417 | 99.5 | 74,739,603 | 99.5 | 446,186 | 0.6 | ||
| その他 | 357,279 | 0.5 | 338,433 | 0.5 | △18,845 | △5.3 | ||
| 合計 | 74,650,697 | 100.0 | 75,078,037 | 100.0 | 427,340 | 0.6 | ||
「ツナ等」では、主力の油漬缶詰「シーチキンLフレーク」や「シーチキンマイルド」が好調で、さらに食塩を使用していない「食塩不使用シーチキン」や、開けやすく後片付けが簡単なパウチタイプの「シーチキンSmile」シリーズが伸長し、売上高は前年同期比3.6%増加しました。
「デザート」では、ぜんざい・おしるこ類が伸長しましたが、主力の「朝からフルーツ」缶詰やその他フルーツパウチが低調で、売上高は同7.3%減少しました。
「パスタ&ソース」では、パスタは主力の結束タイプのスパゲッティ「ポポロスパ」とマカロニが好調でした。ソースは主力の缶詰ソースが堅調で、売上高は同1.1%増加しました。
「総菜」では、主力の「シャキッと!コーン」缶詰は低調でしたが、パウチタイプの「シャキッと!コーン」やさば・さんま・いわし調理品、さらに料理素材の「Home Cooking」パウチシリーズが伸長し、売上高は同1.6%増加しました。
「削りぶし・のり・ふりかけ類」では、削りぶしと味付のりは低調でしたが、きざみのりが堅調でした。ふりかけ類では、「のり弁慶ふりかけ」や「天下無添ふりかけ」シリーズが伸長し、売上高は同1.0%増加しました。
「ギフト・その他食品」では、シーチキンや乾物のギフト製品は低調でしたが、電子レンジで簡単に調理可能な包装米飯「パパッとライス」が堅調で、売上高は同5.9%増加しました。
「業務用食品」では、コンビニエンスストアや給食向け販売が低調で、売上高は同6.5%減少しました。
「ペットフード・バイオ他」では、バイオ製品は低調でしたが、スティックタイプの愛猫用おやつ「無一物舌福」をはじめとするペットフードが好調で、売上高は同1.9%増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、25億32百万円増加し、40億17百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により増加した資金は48億4百万円(前年同期は24億69百万円の増加)となりました。これは主に、仕入債務の減少や法人税等の支払があったものの、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により減少した資金は35億68百万円(前年同期は6億80百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により増加した資金は12億円96百万円(前年同期は11億円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出や配当金の支払があったものの、長期借入れによる収入があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における製品群別生産実績は次のとおりです。
| 品目 | 金額(千円) | 前期比(%) | |
| 家庭用食品 | ツナ等 | 45,988,234 | △3.0 |
| デザート | 6,210,792 | △1.0 | |
| パスタ&ソース | 10,394,517 | 0.6 | |
| 総菜 | 9,692,846 | 2.8 | |
| 削りぶし・のり・ふりかけ類 | 4,873,841 | 3.1 | |
| ギフト・その他食品 | 4,135,324 | 3.8 | |
| 計 | 81,295,557 | △1.1 | |
| 業務用食品 | 15,141,620 | △0.5 | |
| ペットフード・バイオ他 | 2,277,308 | △5.4 | |
| 合計 | 98,714,486 | △1.1 | |
(注) 1 金額は販売価額で表示しています。
2 生産実績には外注仕入実績を含みます。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていません。
c. 販売実績
当社グループは主として卸売業者に販売しています。当連結会計年度の販売実績は次のとおりです。
| 品目 | 金額(千円) | 前期比(%) | ||
| 製品 | 家庭用食品 | ツナ等 | 35,290,198 | 3.6 |
| デザート | 4,982,258 | △7.3 | ||
| パスタ&ソース | 6,399,487 | 1.1 | ||
| 総菜 | 7,247,857 | 1.6 | ||
| 削りぶし・のり・ふりかけ類 | 3,672,008 | 1.0 | ||
| ギフト・その他食品 | 3,225,678 | 5.9 | ||
| 計 | 60,817,488 | 2.1 | ||
| 業務用食品 | 11,825,988 | △6.5 | ||
| ペットフード・バイオ他 | 2,096,126 | 1.9 | ||
| 計 | 74,739,603 | 0.6 | ||
| その他 | 338,433 | △5.3 | ||
| 合計 | 75,078,037 | 0.6 | ||
(注) 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 伊藤忠商事㈱ | 24,258,353 | 32.5 | 24,001,535 | 32.0 |
| 三菱商事㈱ | 12,265,544 | 16.4 | 12,273,130 | 16.3 |
| 三井物産㈱ | 11,436,080 | 15.3 | 11,218,480 | 14.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの製品の原材料の多くは農水産物であり、年度や季節により漁獲量や収穫量が増減します。また、食糧需給バランスや環境・資源問題による規制、諸外国の関税政策の影響等のさまざまな要因で市場価格が変動し、さらに為替の変動も原材料価格に大きく影響します。
一方で製品の販売は、主に卸店等を経由し量販店で販売される形態であり、原材料等の市場価格の変動を製品の販売価格に反映させるには一定期間を要するため、販売奨励金を有効に活用しながら、販売数量と利益の最適化を目指します。
さらに当社グループは、ツナ製品を製造する海外関連会社における持分法による投資利益や、保有する取引先等 の株式からの受取配当金を含めた売上高経常利益率を重視しています。
このような背景を踏まえ、当社グループは単年度ではなく中長期的な視点で、各種製品の市場シェアの向上と利益の基調的な改善、および株主重視の観点から自己資本利益率(ROE)を指標として捉え、これらの基調的な改 善に取り組んでいます。
当連結会計年度においては、中期経営計画の5つの基本方針にもとづき、変化する市場ニーズを的確に捉えた新製品の開発を加速させました。同時に、既存製品の販売拡大とブランド価値向上に注力し、収益力の強化および持続的成長に向けた事業基盤の確立を推進しました。
<中期経営計画>名称:Challenge & Change for 100th!
~もっとおいしく、もっと便利に、もっと優しく、そしてもっと元気に!~
期間:2024年4月1日~2027年3月31日
基本方針:
①製品の安全・安心、そして安定生産・供給を実現する積極的な設備・人財投資の推進
・技術力の蓄積と向上および人財の育成
・資材、製品調達の多様化の推進により強固な生産ネットワークの構築
・安全、安心な製品づくりのための積極的な設備投資の実行
②既存事業の強化
・マーケティングデータ(VOCなど)の活用などで高付加価値新製品の積極的な投入
・SKUの削減による収益力向上と業務の効率化(新製品投入は積極的に行うが、結果として削減する)
・新基幹システムの構築を中心とする業務のデジタル化の推進
③新たな事業の柱の育成と開発
・既存事業に続く、当社の強みを活かした新たな事業の構築
④多様な人財が元気に活躍できる職場づくり
・労働環境の多様化(雇用、就業、評価)に沿った新人事制度の導入
・戦略的な人財の開発育成制度の導入(女性の活躍推進も含む)
・働き甲斐を実感することができる職場環境、福利厚生の改善
⑤環境保全や社会貢献活動への積極的な取り組み
・環境問題への積極的な取り組み(エコアクション、サステナビリティ活動推進など)
・リスクマネジメント、BCPへの積極的な取り組み
・地域社会に溶け込み、地域社会を元気にする社会貢献活動の推進
主力のシーチキンにおいては、「シーチキン スルッと!Smile」を発売しました。本製品は、従来品に対して寄せられていた「中身が取り出しにくい」といったお客様の声(VOC)を受け、寒天仕上げにより内容物をスムーズに取り出せるよう改良したものです。また、ツナの旨みを最大限に引き出す食材と組みあわせた「旨海シーチキン」シリーズや、1回使い切りの利便性を高めた「シーチキンSmileプチ純」も発売し、用途やニーズに応じたラインナップの拡充を図りました。
デザートにおいては、冷凍・冷蔵の両方でお楽しみいただけるフルーツジュレ「シャリッと!デザート」を発売しました。近年の猛暑および暑さの長期化に伴い冷たいデザート需要が拡大する中、冷凍庫の容量制約といったお客様の日常課題に配慮した製品です。果肉を40%配合し、食べ応えのある満足感の高い製品に仕上げています。
パスタ&ソースにおいては、調理時間の短縮ニーズに対応した「ポポロマカ早ゆで3分」を発売するとともに、マカロニの新たな利用シーンを提案するため、マカロニを“ちょこっと”使う100種類の「ちょこまかレシピ」を作成し、当社ホームページ上で公開しました。
ふりかけにおいては、「天下無添ふりかけ」シリーズに「さけ風味」「たまご」を追加し、定番ラインの強化を図りました。また、「のり弁慶ふりかけ」シリーズの新たなラインアップとして、味かつおを贅沢に使用した「ぶし若丸ふりかけ」を発売し、テレビCMの展開と相まって好調な販売を維持しています。
ペットケアでは、スティックタイプおやつ「無一物舌福」のラインアップを拡充し、新たに愛犬用製品を投入しました。当社ペットフード事業における中核ブランドとして、さらなる育成を図ってまいります。
業務用製品としては、医療従事者のニーズに対応した「食塩・オイル不使用シーチキンマイルド純」を開発・発売しました。生産面においては、FSSC(食品安全マネジメントシステム)にもとづく品質マネジメントの高度化を図るため、生産部門社員への教育を継続的かつ積極的に実施しました。また、お客様の声を体系的にデータベース化し、品質改善および新製品開発に反映させる仕組みを強化することで、顧客価値の最大化に取り組みました。
管理面においては、在宅勤務や時差出勤制度の活用により、柔軟で多様な働き方を推進し、生産性向上と人財活用の最適化を図りました。さらに、近年の物価上昇に伴う従業員の生活安定と、労働市場における人財獲得競争力の維持・向上を目指し、当連結会計年度において給与改定を実施しました。同時に、人財育成を経営の重要課題と位置づけ、海外研修や技術研修、女性総合職向け研修など、階層・属性に応じた教育機会の充実を図るとともに、若手・中堅社員を対象とした次世代リーダー研修を実施し、将来の成長を担う人財基盤の強化を推進しました。
当社グループは、比較的賞味期間の長い製品を多く取り扱っている特性を踏まえ、大規模災害や感染症の発生といった不確実な環境下においても、「安全・安心な製品を安定的に供給する」という社会的使命を強く認識しています。今後も事業継続体制の強化を図りながら、安定供給の責任を果たすことで、社会からの信頼に応えてまいります。
このような施策を実施した結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、明確な製品コンセプトを打ち出した製品の販売拡大や価格改定の効果等により前連結会計年度比0.3ポイント上昇し、4.9%となりました。自己資本利益率(ROE)は、当期純利益の計上に伴う自己資本の積み上がり等により同0.3ポイント低下し、5.8%となりました。詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
次連結会計年度においては、老朽化設備の更新および市場環境の変化に対応した生産体制の構築に向け、積極的な設備投資を計画しており、これに伴い減価償却費の増加を見込んでいます。
一方で、主力製品の原材料については、地政学的リスクの高まりや世界的な食糧需要の拡大、為替変動、さらには環境・資源問題への関心の高まりを背景に、今後も価格上昇圧力が継続するものと認識しています。加えて、国際情勢の不確実性に伴うエネルギー価格の動向や各国の関税政策の影響に加え、製造・物流分野における人手不足を背景とした人件費・物流費の上昇も懸念されます。これに対し、当社グループでは賞味期間の長さを活かした配送効率の向上や、製品開発や資材調達の担当部署と連携した積載効率の改善等に取り組み、持続可能な物流体制の構築と物流効率化によるコスト影響の最小化に努めてまいります。
また、持続的な成長を牽引する優秀な人財の確保・定着に向け、次年度以降も社会情勢や業績の動向を踏まえた適切な処遇改善を検討しており、短期的には費用増加要因となる見込みです。しかしながら、業務のデジタル化や業務効率化を並行して推進することで、従業員一人当たりの生産性の向上を図り、これらのコスト影響を吸収し得る体質づくりを進めてまいります。
こうした厳しい事業環境の中にあっても、開発・生産・販売の各部門が一体となり、独創性と競争力を備えた製品の提供を継続することで、収益基盤の持続的な改善と企業価値の向上に努めてまいります。
②財政状態の分析
当社グループの資産構成は、流動資産が約47%、投資有価証券が約29%、有形固定資産が約18%、その他の資産が約6%で、他の食品製造業者と比べて有形固定資産の比率が低いと認識しています。この背景としては、多品種の製品を安定的に生産し市場に供給するため、国内外約70か所の協力工場に製品の製造を委託していることによるものです。
当社グループの生産設備等の投資計画は、使用年数や生産性等を考慮し、設備の更新時期が短期間に集中しないよう計画的に実施することとしています。
自己資本に蓄積した利益等は、配当金として株主へ還元する一方で、将来の生産設備の更新に充てることで、投資と調達のバランスを意識しています。
当連結会計年度末における財政状態の分析は次のとおりです。
a.資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より116億59百万円増加して、803億93百万円となりました。これは主に、受取手形が56億57百万円減少したものの、投資有価証券が81億15百万円、電子記録債権が35億92百万円、現金及び預金が25億32百万円、建設仮勘定が20億94百万円それぞれ増加したことによるものです。
b.負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より33億80百万円増加して、307億28百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が16億18百万円減少したものの、繰延税金負債が28億51百万円、長期借入金が
17億55百万円増加したことによるものです。
c.純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より82億78百万円増加して、496億64百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が56億60百万円、利益剰余金が20億25百万円、退職給付に係る調整累計額が4億54百万円増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は61.8%、1株当たり純資産額は5,277円52銭となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品および原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、生産設備等への設備投資によるものです。
当社グループの資金調達の方針は、必要資金を円滑かつ効率的に調達することにあります。
短期運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金や長期運転資金への調達につきましては、自己資金および金融機関からの長期借入を基本としています。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は51億37百万円となっています。また、キャッシュ・フローにつきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されています。
この連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすと考えています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の利益計画にもとづいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額ならびに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や市場環境の変化等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額の見積額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(退職給付に係る資産および退職給付に係る負債)
当社グループは、従業員退職給付費用および債務について、数理計算上で設定される前提条件にもとづき算出しています。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率等の要素が含まれています。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件に変更が生じた場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。