有価証券報告書-第56期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/23 9:51
【資料】
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【項目】
110項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度の売上高は、前期から17億22百万円増収(前期比3.6%増)の501億49百万円となりました。
セグメントでは、食品事業が前期から14億22百万円増収(前期比3.3%増)の442億78百万円となりました。家庭用商品につきましては、肉まわり調味料群は、『黄金の味』『にんにくのたれ』等が好調な売上推移を見せ、『生姜焼のたれ』等のメニュー専用調味料におきましても、コストパフォーマンスにも優れていることがお客様の支持を集め売上を伸ばしました。鍋物調味料群につきましても、『すき焼のたれ』が好調に推移したことに加え、新商品の『プチッと鍋』が市場に受け入れられ、順調に売上を伸ばした結果、前期実績を上回りました。また、その他群につきましても、『横濱舶来亭カレーフレーク』が営業強化により店頭露出を高めて売上を伸ばしました。野菜まわり調味料群につきましては、『浅漬けの素』が野菜価格高騰により苦戦を強いられ前期実績を下回りましたが、家庭用商品全体の売上高は351億56百万円(前期比2.7%増)となりました。業務用商品につきましては、肉まわり調味料群は、主力商品の『焼肉のたれ』を中心に売上を伸ばし、スープ群につきましても、ラーメンスープが好調に推移し、その他群につきましても、特注品の増加等により売上を伸長し、前期実績を上回りました。その結果、業務用商品全体の売上高は91億21百万円(前期比5.7%増)となりました。
その他事業につきましては、前期から2億99百万円増収(前期比5.4%増)の58億71百万円となりました。広告宣伝事業が既存顧客の受注減少により前期売上高を下回ったものの、物流事業が新規受注を伸ばす等の積極的な営業活動により前期売上高を上回り、また、人材派遣事業におきましても新規事業の取り組みが奏功したことにより前期実績を上回ったこと等が寄与いたしました。
②売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前期から9億22百万円増加(前期比3.7%増)し、257億69百万円となりました。売上原価率は、原材料価格が上昇するなか、製造部門を中心とした原価低減活動の取り組みにより、前期水準をほぼ維持しました。
販売費及び一般管理費は前期から2億94百万円増加(前期比1.3%増)し、224億39百万円となりましたが、全体的な費用の効率的運用により対売上高比率は1.0ポイント低下し44.7%となりました。
③営業利益
営業利益は、前期から5億6百万円増益(前期比35.3%増)の、19億40百万円となりました。セグメントでは、食品事業は主力商品の売上が好調に推移したこと等により、前期から5億40百万円増益(前期比30.8%増)の22億92百万円となりました。
その他事業は、売上原価の上昇等により、前期から3百万円減益(前期比3.6%減)の1億3百万円となりました。
④営業外損益及び経常利益
営業外収益は、前期から29百万円減少の1億20百万円、営業外費用は、前期から40百万円増加の1億93百万円となりました。その主な要因は、保険解約返戻金が15百万円減少したこと、上場関連費用が36百万円増加したこと等によるものであります。その結果、経常利益は前期から4億35百万円増益(前期比30.4%増)の18億67百万円となりました。
⑤特別損益
特別利益は、前期から1百万円増加の2百万円、特別損失は、前期から1億47百万円増加の1億98百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券売却益が1百万円増加したこと、厚生年金基金脱退損失1億90百万円が発生したこと等であります。
⑥法人税等及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用合計は8億21百万円で、税金等調整前当期純利益に対する負担率は49.1%です。法定実効税率(38.2%)との差10.9%につきましては、主に永久差異によるものです。詳細につきましては「税効果会計関係」の注記に記載のとおりです。
以上により、当期純利益は前期から1億17百万円増益(前期比16.1%増)の8億50百万円となりました。
なお、当連結会計年度の1株当たり当期純利益は93円03銭(前期は72円81銭)、自己資本利益率は4.7%(前期は4.0%)となりました。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
①資産の部
当連結会計年度末の総資産額は、前期末に比べ10億円増加(前期比3.5%増)し、299億52百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前期末に比べ8億58百万円増加(前期比5.1%増)し、176億63百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が前期とほぼ同額となり、無形固定資産は17百万円減少(前期比4.9%減)しました。また、長期貸付金の増加等により、投資その他の資産が1億59百万円増加(前期比4.4%増)したことで、固定資産は、1億41百万円増加(前期比1.2%増)して、122億88百万円となりました。
②負債の部
当連結会計年度末の負債合計額は、前期末に比べ4億67百万円増加(前期比4.2%増)し、116億85百万円となりました。流動負債は未払法人税等の増加等により、前期末に比べ1億3百万円増加(前期比1.3%増)し、83億33百万円となりました。固定負債は退職給付に係る負債の増加等により、前期末に比べ3億63百万円増加(前期比12.2%増)し、33億51百万円となりました。
③純資産の部
当連結会計年度末の純資産額は、利益剰余金の増加等により、前期末に比べ5億33百万円増加(前期比3.0%増)し、182億67百万円となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は61.0%(前期は61.3%)、1株当たり純資産額は1,997円81銭(前期は1,939円22銭)となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、創立60周年(平成31年3月期)までの期間を見据え、「Evolution 60」と称し長期的な経営の方向性を定め、基本とする戦略方針を「ニッチ&トップポジションの確立」といたしました。将来的な国内市場においては、人口減少と高齢化社会が顕在化し、需要の減退とシェアの奪い合いという競争環境の激化に加え、単身世帯の増大等により、食へのニーズはさらに大きく変化し、多様化が進むと予想されます。このような経営環境においては、当社の強みである“たれ”をさらに進化させ、商品とサービスの付加価値を高めてエバラブランドの価値を向上させるとともに、既存のカテゴリーシェアを確固たるものとし、かつ、新たな市場を創出して利益を獲得していくことが重要です。また、さらなる成長のためには、国内市場の収益性を高め、海外においても成長機会を創出していく必要があります。
当社グループの長期的な連結業績目標としては、「Evolution 60」の最終年度となる平成31年3月期において、安定的に営業利益率4%を超える利益水準及び海外売上高10億円を目指します。また、中期経営計画は機動的な課題解決を重視し、毎年2年単位でのローリング方式といたしました。
今後の2年においては、目標達成のために企業体質とブランドを進化させ、将来の環境変化に対応するため、当社の強みである“たれ”にさらに磨きをかけて、「ニッチ&トップポジション」を正しく強く推進していくことに注力いたします。
(6)資本の財源及び資金の流動性の分析
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益16億71百万円等により、39億58百万円の収入(前年同期は3億95百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出11億86百万円等により、11億67百万円の支出(前年同期は4億15百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いによる支出2億47百万円等により、2億86百万円の支出(前年同期は23億52百万円の支出)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ25億32百万円増加し、62億43百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの指標のトレンドは、下記のとおりであります。
平成25年3月期平成26年3月期
自己資本比率(%)61.361.0
時価ベースの自己資本比率(%)47.351.7
債務償還年数(年)0.40.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ99.51,352.4

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に記載されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
②資金需要
当社グループにおきましては、今後予想される様々な経営環境の変化に対応し、さらなる発展と飛躍を目的として、事業分野の拡大や研究及び開発体制の強化、生産設備の拡充等に、資金を活用していきたいと考えておりま
す。
③資金調達
当社グループは、グループ内の資金の一元化と低コストかつ安定的な資金確保の観点から、グループファイナンスシステムを導入しております。これは、グループ内における必要な運転資金や設備資金については、当社にて調達し、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融費用の極小化を図っており、必要な資金は主に営業活動によって得られるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借り入れ等によって調達しています。