四半期報告書-第123期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

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2019/02/13 10:37
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30項目
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2018年4月1日~2018年12月31日)における日本経済は、企業業績や雇用環境の改善等を背景に全体としては緩やかな回復基調にあるものの、米中間の貿易摩擦や通商問題、新興国等の海外経済の不確実性などにより、先行き不透明な経営環境が続きました。
このような状況において、当社グループでは、中期経営計画「CAN20計画第2フェーズ(2017年度~2020年度)」の2年目を迎え、『集中と結集』をキーコンセプトに、「セグメント別事業戦略」「新規事業創出」「経営基盤強化」の3つの基本戦略への取り組みを進めました。
機能ソリューション事業は、プラスチックフィルム分野及びエンジニアリングプラスチックス分野を中心に好調に推移しました。アパレル事業は、消費者の節約志向と天候影響を受ける中、インナーウエア差異化商品の拡販と成長販路への取り組みを強化しましたが、レッグウエアが苦戦しました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は106,522百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は6,070百万円(前年同期比2.2%増)、経常利益は6,513百万円(前年同期比3.8%減)となりました。海外関係会社の売却損を計上しましたが、固定資産売却益を計上したこと等から、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,577百万円(前年同期比9.4%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
<機能ソリューション事業>プラスチックフィルム分野は、主力のシュリンクフィルムが国内・海外ともに堅調であり、ナイロンフィルムも好調に推移しました。エンジニアリングプラスチックス分野は、半導体向け、産業機器向けが引き続き好調に推移しました。電子部品分野では、業務用タッチパネルは堅調に推移したものの、米国工場の生産性悪化の影響を受けました。メディカル分野は、縫合補強材の国内新販売体制が順調に立ち上がり、人工皮膚も堅調に推移しましたが、治験費用等の増加影響を受けました。
以上の結果、機能ソリューション事業の売上高は39,797百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は4,903百万円(前年同期比15.7%増)となりました。
<アパレル事業>インナーウエア分野は、BODYWILD「AIRZ」の展開店舗拡大に加え、スポーツカテゴリー商品、完全無縫製・カットオフ等の主力商品が伸長し、ベーシックインナ-の減少トレンドを吸収しましたが、新規販路拡大に向けた販売コストの増加影響を受けました。レッグウエア分野は、ファッションボトムトレンドの変化や、天候影響もあり、店頭は苦戦し高収益商品を中心に低調に推移しました。繊維資材分野は、海外事業環境変化による生産性悪化の影響を受けました。
以上の結果、アパレル事業の売上高は55,837百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益は2,620百万円(前年同期比18.0%減)となりました。
<ライフクリエイト事業>不動産関連分野では、ショッピングセンター事業は地域に密着した運営により堅調に推移し、賃貸事業は新規物件が貢献しました。スポーツクラブ分野は、競争激化による既存店での会員数の減少により苦戦しました。
以上の結果、ライフクリエイト事業の売上高は11,209百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は893百万円(前年同期比2.8%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
総資産は、172,291百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,018百万円増加しました。主な増加要因は、受取手形及び売掛金の増加2,149百万円、建物及び構築物の増加1,356百万円、投資その他の資産その他の増加1,301百万円であり、主な減少要因は、投資有価証券の減少4,889百万円、現金及び預金の減少1,521百万円であります。なお、2018年7月11日に当社連結子会社である福島プラスチックス株式会社において発生した火災により焼失した たな卸資産及び固定資産の帳簿価額等167百万円は、保険金が受領できる見込みであるため、火災未決算として流動資産の「その他」に計上しております。
負債は、60,929百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,785百万円増加しました。主な増加要因は、コマーシャル・ペーパーを含む長短借入金の増加2,238百万円、未払法人税等の増加1,388百万円であり、主な減少要因は、流動負債「その他」の減少935百万円(為替予約等)であります。
純資産は、111,361百万円となり、前連結会計年度末に比べ767百万円減少しました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加4,577百万円であり、主な減少要因は、その他有価証券評価差額金の減少2,831百万円、配当による減少1,654百万円、自己株式の取得等による減少1,454百万円であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は「会社の支配に関する基本方針」を定めており、その内容は以下のとおりであります。
会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容
当社グループは、「品質第一」と「技術立社」を基盤に、創業の精神である「人間尊重」、「優良品の提供」、「共存共栄」を企業理念として顧客起点の事業運営を行っております。この理念の下、企業の社会的責任(CSR)に積極的に取り組むとともに、各事業の商品、サービスを通して「お客さまに“ここちよさ”をお届けしていく」という強い意思をもち、「社会にとって必要とされる企業」「社会とともに持続発展する企業」を目指しております。また、当社グループは、企業価値向上を目指し、株主重視の経営姿勢を堅持していくことを基本に、収益性の向上、資本の効率化に取り組むとともに、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要政策と位置づけ、配当金支払い・自己株式取得等を通じて、中長期的な業績見通しに基づいた、安定的・継続的な利益還元を図っております。
一方、当社の株主のあり方については、当社株式の自由な取引を通じて決定されるものであると考えており、会社の支配権の移転を伴う買収提案がなされた場合に、これに応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆様の意思に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、上記のような取り組みを通して、企業価値・株主共同の利益の持続的な向上を図るためには、株主の皆様はもとより、お客様・取引先・従業員・地域社会等のステークホルダーとの適切な関係を維持し、発展させていくことが重要であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、ステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行うことが可能な者である必要があると考えております。
従って、当社グループの企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大量買付行為又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社グループの企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
②基本方針の実現に資する取り組み
当社は、基本方針の実現に資する取り組みとして以下の施策を実施し、当社グループの企業価値及び株主共同の利益の向上に努めております。
a. 中期経営計画の推進
当社グループは、中期経営計画(CAN20計画:第119期~第125期)を展開しており、『集中と結集』をキーコンセプトに、「SBU(戦略的ビジネスユニット)戦略による既存事業の選択と集中」、「CFA(クロス ファンクショナル アプローチ)活動による成長・新規事業の育成・創出」、「成長戦略を支援する経営基盤強化」を基本戦略として、企業価値の向上を図っていくこととしております。
また、株主重視の観点からROE(自己資本当期純利益率)をグループ重点指標として掲げ、収益性の向上、資本の効率化並びに自己株式の取得等により、その向上に取り組んでまいります。そのために、各事業の投資効率を計る指標としてROA(総資産営業利益率)目標を事業部門・関係会社単位で設定し、売上高利益率・総資産回転率の向上に努めてまいります。
b. コーポレートガバナンスの強化
当社は、意思決定の迅速化、経営監督機能の強化を図るため、第110期(2005年度)に執行役員制度の導入、取締役員数の削減を行うとともに、取締役の経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制とするため、第111期(2006年度)に取締役任期を2年から1年に変更し、併せて経営の透明性の確保を図るため社外取締役の選任を行うなど、コーポレートガバナンスの強化に努めております。
なお、2015年12月18日開催の取締役会において、当社グループのコーポレートガバナンスに関する基本方針として、「グンゼ コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定いたしました。その内容は、以下の当社ホームページに掲載しております。
http://www.gunze.co.jp/ir/policy/governance/index.html
③不適切な支配の防止のための取り組み
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
④上記取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社取締役会は、これらの取り組みが、当社の支配の基本方針に沿うものであり、企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、また取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2,064百万円であります。