四半期報告書-第124期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/02/13 14:14
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37項目
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年12月31日)における日本経済は、企業業績や雇用環境の改善等を背景に全体としては緩やかな回復基調で推移したものの、消費増税の駆け込み需要の反動影響、相次ぐ自然災害に加えて、米中貿易摩擦の長期化、新興国経済の不確実性などにより、先行き不透明な経営環境が続きました。
このような状況において、当社グループでは、中期経営計画「CAN20計画第2フェーズ(2017年度~2020年度)」の3年目を迎え、『集中と結集』をキーコンセプトに、「セグメント別事業戦略」「新規事業創出」「経営基盤強化」の3つの基本戦略への取り組みを進めました。
機能ソリューション事業は、半導体市場の低迷による影響を受けましたが、M&Aによる効果もあり売上高は堅調に推移しました。アパレル事業は、消費増税後の消費マインドの低下や、大型台風等の自然災害、暖冬による影響を受けましたが、事業体質改善に注力しました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は107,682百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は6,090百万円(前年同期比0.3%増)となりましたが、為替影響等により、経常利益は6,385百万円(前年同期比2.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,506百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<機能ソリューション事業>プラスチックフィルム分野は、ナイロンフィルムが堅調に推移したものの、OPPフィルムや多層フィルムは市況の影響を受け苦戦しました。エンジニアリングプラスチックス分野は、半導体市場向け及び産業機器向けは苦戦しましたが、OA向け製品が引き続き堅調に推移しました。電子部品分野は、フィルム販売は減少しましたが、中国内販は堅調に推移しました。メディカル分野は、株式会社メディカルユーアンドエイの子会社化により増収となりましたが、米国向け縫合補強材の減少と治験費用等の増加影響を受けました。
以上の結果、機能ソリューション事業の売上高は42,444百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は4,597百万円(前年同期比6.2%減)となりました。
<アパレル事業>アパレル事業全体では、消費増税後の消費マインドの低下や、大型台風等の自然災害、暖冬による影響を受け苦戦しましたが、インナーウエア分野は、メンズインナーのBODYWILD「AIRZ」や、レディスインナーのブランドリニュ-アルしたTucheが順調に推移し、レッグウエア分野を含めた事業体質改善により、収益性が向上しました。
以上の結果、アパレル事業の売上高は54,552百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益は3,036百万円(前年同期比15.9%増)となりました。
<ライフクリエイト事業>不動産関連分野では、ショッピングセンター事業は地域に密着した運営に取り組み堅調に推移し、賃貸事業においては新規物件が貢献しました。スポーツクラブ分野は、会員数の減少に歯止めがかかったものの新店舗の費用負担で苦戦しました。
以上の結果、ライフクリエイト事業の売上高は11,038百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益は841百万円(前年同期比5.8%減)となりました。
(2) 財政状態の分析
総資産は、176,474百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,842百万円増加しました。主な増加要因は、現金及び預金の増加2,481百万円、受取手形及び売掛金の増加1,693百万円、有形固定資産「その他」の増加3,351百万円(建設仮勘定等)であり、主な減少要因は、投資その他の資産「その他」の減少1,890百万円(出資金等)であります。
負債は、64,289百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,725百万円増加しました。主な増加要因は、コマーシャル・ペーパーを含む長短借入金の増加5,678百万円であります。
純資産は、112,185百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,116百万円増加しました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加4,506百万円であり、主な減少要因は、配当による減少1,995百万円、取締役会決議に基づく自己株式の取得による減少1,958百万円であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は「会社の支配に関する基本方針」を定めており、その内容は以下のとおりであります。
会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容
当社グループは、「品質第一」と「技術立社」を基盤に、創業の精神である「人間尊重」、「優良品の提供」、「共存共栄」を企業理念として顧客起点の事業運営を行っております。この理念の下、企業の社会的責任(CSR)に積極的に取り組むとともに、各事業の商品、サービスを通して「お客さまに“ここちよさ”をお届けしていく」という強い意思をもち、「社会にとって必要とされる企業」「社会とともに持続発展する企業」を目指しております。また、当社グループは、企業価値向上を目指し、株主重視の経営姿勢を堅持していくことを基本に、収益性の向上、資本の効率化に取り組むとともに、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要政策と位置づけ、配当金支払い・自己株式取得等を通じて、中長期的な業績見通しに基づいた、安定的・継続的な利益還元を図っております。
一方、当社の株主のあり方については、当社株式の自由な取引を通じて決定されるものであると考えており、会社の支配権の移転を伴う買収提案がなされた場合に、これに応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆様の意思に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、上記のような取り組みを通して、企業価値・株主共同の利益の持続的な向上を図るためには、株主の皆様はもとより、お客様・取引先・従業員・地域社会等のステークホルダーとの適切な関係を維持し、発展させていくことが重要であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、ステークホルダーの利益にも十分配慮した経営を行うことが可能な者である必要があると考えております。
従って、当社グループの企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大量買付行為又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社グループの企業価値及び会社の利益ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
②基本方針の実現に資する取り組み
当社は、基本方針の実現に資する取り組みとして以下の施策を実施し、当社グループの企業価値及び株主共同の利益の向上に努めております。
a. 中期経営計画の推進
当社グループは、中期経営計画(CAN20計画:第119期~第125期)を展開しており、『集中と結集』をキーコンセプトに、「SBU(戦略的ビジネスユニット)戦略による既存事業の選択と集中」、「CFA(クロス ファンクショナル アプローチ)活動による成長・新規事業の育成・創出」、「成長戦略を支援する経営基盤強化」を基本戦略として、企業価値の向上を図っていくこととしております。
また、当社は、経営戦略・経営計画の策定において、経済的付加価値指標を重視しております。具体的には、当社独自の経済的付加価値指標であるGVA※を経営上の重要管理指標として位置づけ、事業部門の業績評価、投資採算性評価等に活用してまいります。策定した経営戦略・経営計画については、経済的付加価値の観点を踏まえて定期的に進捗状況を確認し、必要に応じて事業構造の見直しおよび資源の再配分を実施してまいります。
※GVAとは経済的付加価値を表す当社独自指標であり、税引後事業利益から投下資本使用に伴う資本コストを控除したもの。資本コストは事業リスクの異なる部門別に設定する加重平均資本コスト(WACC)に投下資本を乗じて算出する。
b. コーポレートガバナンスの強化
当社は、意思決定の迅速化、経営監督機能の強化を図るため、第110期(2005年度)に執行役員制度の導入、取締役員数の削減を行うとともに、取締役の経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制とするため、第111期(2006年度)に取締役任期を2年から1年に変更し、併せて経営の透明性の確保を図るため社外取締役の選任を行うなど、コーポレートガバナンスの強化に努めております。
なお、2015年12月18日開催の取締役会において、当社グループのコーポレートガバナンスに関する基本方針として、「グンゼ コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定いたしました。その内容は、以下の当社ホームページに掲載しております。
https://www.gunze.co.jp/ir/policy/governance/index.html
③不適切な支配の防止のための取り組み
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
④上記取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社取締役会は、これらの取り組みが、当社の支配の基本方針に沿うものであり、企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、また取締役の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2,180百万円であります。