有価証券報告書-第90期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/15 15:42
【資料】
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【項目】
124項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」の注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 製品保証引当金
当社グループは製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、将来支出が見込まれる額を計上しております。従って、実際の製品保証費は見積りと異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 退職給付に係る負債
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
③ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 概要
当連結会計年度における世界経済は、先進国、とりわけ米国を中心に回復基調にありましたが、欧州はようや
く始まった持ち直しの動きが足踏み状態にあること、アジアでは中国経済が緩やかに減速を続けていることなど
から、世界経済の成長ペースは緩やかなものとなりました。また、日本経済におきましては、消費税増税による
駆け込み需要の反動を受けたものの、政府の経済政策や日銀の金融政策などの効果もあり、景気は緩やかな回復
基調で推移してまいりました。
自動車業界におきましては、米国では台数の伸びが見られるものの、新興国を始めとする他の地域では厳しい
状況が続いております。また、日本においては、消費税増税の反動による影響など、依然として不透明な状況が
続いております。
このような情勢の中で、当連結会計年度の売上高は、1,305,502百万円と前連結会計年度に比べ87,102百万円
(7.1%)の増収となりました。営業利益は、32,393百万円と前連結会計年度に比べ3,570百万円(12.4%)
の増益となりました。経常利益は、41,091百万円と前連結会計年度に比べ796百万円(2.0%)の増益とな
りました。当期純利益は、特別損失の計上などにより、5,204百万円と前連結会計年度に比べ7,406百万円
(△58.7%)の減益となりました。
② 売上高
売上高は、北中南米地域での生産台数の増加や為替の影響などにより、1,305,502百万円と前連結会計年度に比
べ87,102百万円(7.1%)の増収となりました。
③ 営業利益
営業利益は、製品価格変動の影響、製品立上げの影響などの減益要因はありましたが、合理化などの増益要因により、32,393百万円と前連結会計年度に比べ3,570百万円(12.4%)の増益となりました。
④ 営業外損益
営業外収益は、受取保険金の減少などにより、13,236百万円と前連結会計年度に比べ3,091百万円(△18.9%)
の減少となりました。
営業外費用は、減価償却費の減少などにより、4,538百万円と前連結会計年度に比べ318百万円(△6.5%)
の減少となりました。
以上の結果、経常利益は、41,091百万円となり、売上高経常利益率は3.1%となりました。
⑤ 特別損益
特別損益は、主に北中南米及び欧州・アフリカ地域の固定資産の減損損失などにより、16,256百万円を特別損
失として計上しました。
⑥ 法人税等及び法人税等調整額
法人税等及び法人税等調整額は、14,387百万円と前連結会計年度に比べ274百万円(△1.9%)の減少となりま
した。また、税金等調整前当期純利益に対する比率は、前連結会計年度の41.4%から57.9%となりました。
⑦ 少数株主利益
少数株主利益は、主にアジア・オセアニアの連結子会社における利益の減少などにより、5,242百万円と前連結
会計年度に比べ2,906百万円(△35.7%)の減少となりました。
⑧ 当期純利益
当期純利益は、5,204百万円と前連結会計年度に比べ7,406百万円(△58.7%)の減益となりました。なお、
1株当たり当期純利益は28円08銭となりました。
(3) 資金の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は65,536百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額
11,678百万円、仕入債務の減少3,926百万円などによる資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益
24,834百万円、減価償却費40,121百万円などにより資金が増加したことによるものです。
投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は51,615百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却
による収入2,849百万円、定期預金の払戻による収入1,306百万円などによる資金の増加はありましたが、有形固
定資産の取得による支出54,962百万円、定期預金の預入による支出1,228百万円などにより資金が減少したことに
よるものです。
財務活動の結果増加した現金及び現金同等物は516百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による
支出6,677百万円などによる資金の減少はありましたが、短期借入金の純増額9,036百万円などにより資金が増
加したことによるものです。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資・出資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品
購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
③ 財務政策
当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを
財務方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、内部留保、長期借入債務及び社債の発行により、また、運転資金需要には短期借入債務により対応しております。借入債務については、主に金融機
関からの借入によって調達しております。
資金マネジメントについては、当社と海外子会社の資金管理の一元化を図るなかで、緊密な連携をとることに
より、グローバルな資金効率の向上を図っております。