有価証券報告書-第132期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 12:59
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131項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の各種政策効果を背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善が進むなど、緩やかな回復基調が続いているものの、米国をはじめとした諸外国の政策動向や東アジア地域における地政学的リスクなどの影響により、海外経済の不確実性が懸念されるなど、景気は依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような経済環境のなか、当社グループの事業基盤であります水産、水産加工・流通、食品の各分野におきましては、世界的な水産物需要の高まりによる買付競争の激化に加え、日本近海での不漁などにより原料価格が高騰する一方で、一部には価格よりも品質を重視した選別消費の動向が見られるものの、消費者の節約志向が依然として根強く、引き続き厳しい状況下にありました。
このような情勢のもとで、当社グループは、3ヵ年経営計画「第131期中期経営計画(100周年への飛躍)」の2年度として、人材と組織の連携強化を図るとともに、「浜から食卓まで」をカバーした当社グループならではの強みを生かしたきめ細かな営業活動に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,185億67百万円と前連結会計年度比45億29百万円の増加となりました。営業損益は13億74百万円の利益となり前連結会計年度比10億51百万円の減少となりました。経常損益は11億27百万円の利益となり前連結会計年度比4億14百万円の減少となりました。
特別損益におきましては、特別利益として51百万円を計上いたしました結果、親会社株主に帰属する当期純損益は6億2百万円の利益となり前連結会計年度比3億11百万円の減少となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
<食品事業>すり身部門では、市況が回復したことにより販売量が増加いたしました結果、売上、営業利益ともに増加いたしました。鮮凍水産物部門では、カニはアラスカからの搬入量が減少し原料相場が高騰したものの、通販業界への販売が堅調に推移し、売上、営業利益ともに増加いたしました。一方、北方凍魚は取扱量の増加により売上は増加いたしましたが、原料価格高騰分の製品価格への転嫁が進まず、営業利益は減少いたしました。助子も同様に原料高製品安の影響により、売上、営業利益ともに減少いたしました。加工食品部門では、ツナやサケ・マス加工品の販売が順調に推移し、売上、営業利益ともに増加いたしました。その他、海外子会社が操業している船舶での漁獲不振の影響を大きく受け、売上、営業利益ともに大幅に減少いたしました。
これらの結果、売上高は772億94百万円となり前連結会計年度比47億75百万円の増加となりました。セグメント損益は8億88百万円の利益となり前連結会計年度比8億58百万円の減少となりました。
<海洋事業>漁網・漁具資材部門では、海外まき網用漁具資材などの拡販に努め、売上は前連結会計年度並みとなりましたが、日本沿岸でのサケ定置網漁の不漁の影響を受け、仕立て需要が落ち込み、営業利益は減少いたしました。船舶・機械部門では、船体一括受注案件の減少や船舶用機器類などの販売が低迷し、売上、営業利益ともに減少いたしました。養殖部門では、養殖用生簀や機資材、養殖魚向け配合飼料の販売が堅調に推移いたしました結果、売上、営業利益ともに増加いたしました。
これらの結果、売上高は176億85百万円となり前連結会計年度比3億49百万円の減少となりました。セグメント損益は5億85百万円の利益となり前連結会計年度比1億81百万円の減少となりました。
<機械事業>機械事業におきまして、国内では豆腐製造プラントや冷凍食品業界・総菜加工業界およびコンビニ向けを中心とした各種生産設備など幅広く受注が進み、海外では米国向け豆腐生産設備や欧州向け総菜プラントなどの受注が堅調に推移いたしましたが、一部納入が次年度にずれ込んだことなどにより、売上、営業利益ともに減少いたしました。
これらの結果、売上高は101億24百万円となり前連結会計年度比2億41百万円の減少となりました。セグメント損益は6億75百万円の利益となり前連結会計年度比34百万円の減少となりました。
<資材事業>資材事業におきまして、化成品部門では、包装資材の販売は低調に推移いたしましたが、住宅用部材シートや印刷用フィルムの既存商材の販売が順調に推移し、家具用木工製品などの新規商材の拡販にも努めました結果、売上、営業利益ともに増加いたしました。農畜資材では、農業用ハウス資材の販売が減少し、売上は減少いたしましたが、既存商材の拡販に努め、営業利益は前連結会計年度並みとなりました。
これらの結果、売上高は107億31百万円となり前連結会計年度比4億20百万円の増加となりました。セグメント損益は3億2百万円の利益となり前連結会計年度比23百万円の増加となりました。
<バイオティックス事業>バイオティックス事業では、大手食品メーカー向けに「アグリマックス」や「イムバランス」素材の拡販や、薬局向けOEM商品や「ファイトロゲン」などのサプリメントの販売が堅調に推移いたしました結果、売上高は3億24百万円となり前連結会計年度比27百万円の増加となりました。セグメント損益は36百万円の利益となり前連結会計年度比0百万円の減少となりました。
<物流事業>物流事業では、九州地区における食品を中心とした運送業を展開し、継続して業務効率の改善に取り組んでまいりましたが、運送業界での深刻な人員不足の影響などによりコストが上昇いたしました結果、売上高は23億20百万円となり前連結会計年度比1億7百万円の減少となりました。セグメント損益は74百万円の損失となり前連結会計年度比45百万円の減少となりました。
<その他>その他といたしましては、不動産の賃貸、人材派遣業などを行っており、売上高は87百万円となり前連結会計年度比4百万円の増加となりました。セグメント損益は56百万円の利益となり前連結会計年度比7百万円の減少となりました。
(財政状態)
資 産
当連結会計年度における資産の部は687億44百万円となり、前連結会計年度比76億円の増加となりました。これは、主として、現金及び預金の増加8億84百万円、たな卸資産の増加47億15百万円、前渡金の増加6億48百万円などによるものであります。
負 債
負債の部は542億40百万円となり、前連結会計年度比76億16百万円の増加となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の増加23億47百万円、短期借入金の増加48億80百万円、前受金の増加8億66百万円などによるものであります。
純資産
純資産の部は145億3百万円となり、前連結会計年度比15百万円の減少となりました。これは、利益剰余金の増加4億31百万円、為替換算調整勘定の減少5億88百万円などによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、56億7百万円と前連結会計年度比8億59百万円の増加となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益11億78百万円、たな卸資産の増加37億21百万円、前渡金の増加6億55百万円、仕入債務の増加24億6百万円、前受金の増加8億66百万円などにより、5億97百万円のマイナス(前連結会計年度は48億99百万円のプラス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出10億24百万円などにより、8億94百万円のマイナス(前連結会計年度は6億95百万円のマイナス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額28億36百万円、長期借入れによる収入12億円、長期借入金の返済による支出11億37百万円などにより、23億95百万円のプラス(前連結会計年度は34億47百万円のマイナス)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)金額(百万円)前年同期比(%)
食品事業72,51877,2946.5
海洋事業18,03417,685△1.9
機械事業10,36610,124△2.3
資材事業10,31110,7314.0
バイオティックス事業2963249.4
物流事業2,4272,320△4.4
その他83874.9
合計114,038118,5674.0

(注)1 セグメント間取引については、相殺処理しております。
2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)金額(百万円)前年同期比(%)
食品事業59,00270,19518.9
海洋事業12,88613,4003.9
機械事業5,9865,234△12.5
資材事業9,54310,1156.0
バイオティックス事業76839.0
その他2827△0.6
合計87,52299,05713.1

(注)1 セグメント間取引については、相殺処理しております。
2 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 「注記事項」(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、3ヵ年経営計画「第131期中期経営計画(100周年への飛躍)」の2年度として、人材と組織の連携強化を図るとともに、「浜から食卓まで」をカバーした当社グループならではの強みを生かしたきめ細かな営業活動に努めてまいりました。
経営成績等の分析
a.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、1,185億67百万円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。損益につきましては、営業損益は13億74百万円の利益(前連結会計年度比43.3%減)、経常損益は11億27百万円の利益(前連結会計年度比26.9%減)、親会社株主に帰属する当期純損益は6億2百万円の利益(前連結会計年度減34.1%減)となりました。
(売上高及び営業利益)
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外損益)
営業外損益は、当連結会計年度は2億46百万円の損失(前連結会計年度は8億83百万円の損失)となりました。これは主に、営業外収益として受取配当金1億45百万円及び持分法による投資利益4億7百万円あるものの、営業外費用として支払利息4億56百万円及び為替差損3億85百万円などによるものであります。
(特別損益)
特別損益は、当連結会計年度は51百万円の利益(前連結会計年度は24百万円の利益)となりました。これは主に、特別利益として固定資産売却益6百万円、投資有価証券売却益43百万円などによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損益は、当連結会計年度は6億2百万円の利益(前連結会計年度は9億14百万円の利益)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び原料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期及び長期の資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本ととしております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は336億71百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は56億7百万円となっております。