四半期報告書-第106期第1四半期(2024/01/01-2024/03/31)

【提出】
2024/05/10 14:07
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 財政状態および経営成績の状況
当社グループはMissionに、「人材能力とコア技術の多様性」を成長の原動力として、高い競争力を有する特徴ある製品・サービスの創出によりお客さま価値を実現し、「人々の豊かな生活」の実現に寄与することを掲げています。
このMissionのもと、2030年のあるべき姿をサステナビリティビジョン(長期ビジョン)として定め、多様な技術や人材能力の結集・融合により、メディカル・モビリティ・環境に関わるグローバルな社会課題の解決に貢献することで、社会・経済価値の創出を目指しています。また、サステナビリティビジョンを起点にバックキャストして、2024年から2026年までの3年間で目指すべき中期計画とそこに至るための戦略を第8次中期経営計画として定め、運用しています。安定的な成長と資本効率性の向上を志向し、これまでに構築した事業ポートフォリオの強化を通じて、利益率の向上と安定化を実現します。
当第1四半期連結累計期間のグローバル経済情勢は、ヨーロッパや中国などの地域において弱さが続いた一方で、アメリカの力強い景気拡大により、持ち直しの動きとなりました。製造業の生産活動は、循環的な需要の回復に先立ち、緩やかな持ち直しの基調となりました。ただし、金融資本市場の変動や中東地域をめぐる情勢など、依然として先行き不透明な状況は継続しています。わが国の経済については、生産活動がモビリティ市場の一部で低下したものの、電子部品市場などで持ち直し、景気回復が緩やかに進みました。
このような状況の下、当第1四半期連結累計期間の業績については、産業資材事業では、加飾分野およびサステナブル資材分野でともに製品需要が堅調に推移しました。ディバイス事業では、前期低調だったタブレット向けが需要期に入り、力強く推移しました。メディカルテクノロジー事業では、堅調な製品需要に加え、企業買収による業績貢献が業績を押し上げました。これら需要動向に加え、為替変動の影響などにより、売上高および営業利益は前年同四半期比で増加しました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は467億19百万円(前年同四半期比10.1%増)、利益面では営業利益は13億1百万円(前年同四半期は6億71百万円の営業損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は12億40百万円(前年同四半期は7億84百万円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
産業資材
産業資材事業は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾や機能の付与を行うIMD、IMLおよびIMEは、グローバル市場でモビリティ、家電製品などに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けのサステナブル資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。
当第1四半期連結累計期間においては、加飾分野のモビリティ向けの製品需要は底堅く推移し、家電向けの需要は堅調なものとなりました。蒸着紙の需要は、サプライチェーン在庫の改善に伴い、回復基調となりました。これらの需要動向により、売上高は前年同四半期比で増加しました。需要動向に加え、生産性および効率性の改善に取り組み、営業利益は前年同四半期比で増加しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は178億41百万円(前年同四半期比4.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は11億49百万円(前年同四半期比121.4%増)となりました。
ディバイス
ディバイス事業は、精密で機能性を追求した部品・モジュール製品を提供するセグメントです。主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でタブレット、業務用端末(物流関連)、モビリティ、ゲーム機などに幅広く採用されています。このほか、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。
当第1四半期連結累計期間においては、前期低調に推移したタブレット向けが需要期に入り、また前期に低迷した業務用端末向けの製品需要が回復しました。これらの需要動向に伴い、売上高および営業利益は前年同四半期比で増加しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は165億69百万円(前年同四半期比11.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は4億32百万円(前年同四半期は8億68百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
メディカルテクノロジー
メディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指すセグメントです。幅広い診療領域で使われる低侵襲医療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどの製品を手がけており、現在は欧米中心に大手医療機器メーカー向けの開発製造受託(CDMO)を展開するとともに、医療機関向けに自社ブランド品を製造・販売しています。
当第1四半期連結累計期間においては、主力のCDMOの堅調な製品需要に加え、買収企業の業績貢献により、売上高は前年同四半期比で増加しました。一方、企業買収に係る費用の計上などにより、営業利益は前年同四半期比で減少しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は100億69百万円(前年同四半期比18.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は4億8百万円(前年同四半期比17.7%減)となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は2,361億68百万円となり、前連結会計年度末(2023年12月期末)に比べ183億15百万円増加しました。
流動資産は1,092億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億29百万円増加しました。主な要因は、現金及び現金同等物が38億29百万円減少した一方、営業債権及びその他の債権が53億80百万円、棚卸資産が8億99百万円増加したこと等によるものです。
非流動資産は1,269億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ164億86百万円増加しました。主な要因は、有形固定資産が19億4百万円、新規連結等によりのれんが106億83百万円、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等によりその他の金融資産が28億3百万円増加したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末における負債は1,222億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ152億54百万円増加しました。
流動負債は573億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億13百万円増加しました。主な要因は、営業債務及びその他の債務が54億75百万円、借入金が23億80百万円、その他の金融負債が11億61百万円増加したこと等によるものです。
非流動負債は649億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億41百万円増加しました。主な要因は、退職給付に係る負債が7億22百万円減少した一方、新規連結等によりその他の金融負債が34億90百万円、繰延税金負債が9億35百万円増加したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末における資本は1,139億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億60百万円増加しました。主な要因は、新規連結等により資本剰余金が31億76百万円減少した一方、為替換算等の影響によりその他の資本の構成要素が62億40百万円増加したこと等によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ38億29百万円減少し、340億25百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は52億7百万円(前年同四半期は23億86百万円の支出)となりました。これは税引前四半期利益17億15百万円の計上に対して、営業債権及びその他の債権の増加額として43億26百万円計上した一方、減価償却費及び償却費として22億69百万円、営業債務及びその他の債務の増加額として42億15百万円計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は106億1百万円(前年同四半期比247.7%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得として13億97百万円、子会社の取得として91億66百万円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1億19百万円(前年同四半期は31億40百万円の支出)となりました。これは主に親会社の所有者への配当金の支払として12億8百万円、リース負債の返済による支出として5億8百万円計上した一方、短期借入れによる収入として25億40百万円計上したこと等によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は10億86百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。