四半期報告書-第102期第1四半期(令和2年1月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
なお、当社グループは、前連結会計年度末よりIFRSに準拠した連結財務諸表を開示しており、前第1四半期連結累計期間の数値もIFRSベースに組み替えて比較・分析を行っています。
(1) 財政状態および経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるグローバル経済情勢は、当初緩やかな回復基調にあったものの、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響により、景気は減速に転じました。アメリカや欧州では休業・移動制限・入国制限措置などにより経済活動が抑制され、景気は下押しされました。中国では経済活動の大幅な縮小が生じ、景気が減速しました。わが国の経済については、個人消費が弱い動きとなり企業収益が弱含むなど、景気が下押しされ、厳しい状況となりました。
現在、当社グループは事業ポートフォリオの組み換え・最適化による成長を骨子とする第6次中期経営計画(3カ年)を運用しています。主力のコンシューマー・エレクトロニクス(IT)に加え、モビリティ(自動車・輸送機器)、医療機器、サステナブルパッケージ資材を重点市場と定め、バランスの取れた事業基盤の構築を図り、グローバルベースの成長戦略の実践による企業価値の向上を目指しています。当第1四半期連結累計期間においては、COVID-19感染症の影響は一部で見られたものの、主力のコンシューマー・エレクトロニクス(IT)向けの製品需要が堅調に推移しました。また、サステナブルパッケージ資材を対象とした企業買収が完了し、業績貢献が始まりました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は394億74百万円(前年同四半期比8.4%増)、利益面では営業利益は10億82百万円(前年同四半期は24億58百万円の営業損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は8億70百万円(前年同四半期は29億57百万円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
産業資材
産業資材事業は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾や機能の付与を行うIMD、IMLおよびIMEは、グローバル市場でモビリティ(自動車・輸送機器)、家電製品、スマートフォンなどに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けのサステナブルパッケージ資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。
当第1四半期連結累計期間においては、COVID-19感染症の影響により中国の生産拠点では一時的に稼働を停止したものの、3月末までに稼働を再開しました。日本をはじめ、中国以外の地域においては概ね想定通りに稼働を続け、その影響は限定的なものとなりました。また、サステナブルパッケージ資材を対象とした企業買収による業績貢献が始まりました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は119億46百万円(前年同四半期比3.7%増)となり、セグメント利益(営業利益)は22百万円(前年同四半期は4億35百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
ディバイス
ディバイス事業は、精密で機能性を追求した部品・モジュール製品を提供するセグメントです。主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でスマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機、産業用機器(物流関連)、モビリティ(自動車・輸送機器)などに幅広く採用されています。このほか、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。
当第1四半期連結累計期間においては、季節的な需要減少に対して変動人件費を削減するなどのコスト改善が進みました。COVID-19感染症の影響は一部で見られたものの、主力のスマートフォンおよびタブレット向けの製品需要が堅調に推移しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は195億36百万円(前年同四半期比16.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は16億59百万円(前年同四半期は21億9百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
メディカルテクノロジー
メディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指すセグメントです。心疾患向けを中心に幅広い分野で使われる低侵襲の手術用機器や医療用ウェアラブルセンサーなどの製品を手がけており、現在はグローバルベースで大手医療機器メーカー向けの受託製造事業(製品設計~開発~製造の一連の工程を手がける事業)を展開するとともに、医療機関向けに自社ブランド品を製造・販売しています。
当第1四半期連結累計期間においては、COVID-19感染症の影響により医療機器の製品需要は堅調に推移したものの、商業施設向けなどのビジネスメディアの製品需要は減少しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は57億円(前年同四半期比7.3%減)となり、セグメント利益(営業利益)は2億14百万円(前年同四半期比48.7%減)となりました。
情報コミュニケーション
情報コミュニケーション事業は、出版印刷やアートソリューションなど高精細で高品位な色調再現が活かせる分野に注力しているほか、商業印刷やセールスプロモーション関連のサービスを提供しています。
当第1四半期連結累計期間においては、製品需要が繁忙期に入り、堅調に推移しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は19億47百万円(前年同四半期比3.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は32百万円(前年同四半期比95.0%減)となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は1,779億11百万円となり、前連結会計年度末(2019年12月期末)に比べ82億93百万円減少しました。
流動資産は723億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ59億86百万円減少しました。主な要因は、棚卸資産が15億71百万円増加した一方で、現金及び現金同等物が17億77百万円、営業債権及びその他の債権が42億97百万円減少したこと等によるものです。
非流動資産は1,055億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億7百万円減少しました。主な要因は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等により、その他の金融資産が20億62百万円減少したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末における負債は1,052億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ59億75百万円減少しました。
流動負債は684億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ55億95百万円減少しました。主な要因は、借入金が16億45百万円増加した一方、営業債務及びその他の債務が78億96百万円減少したこと等によるものです。
非流動負債は367億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億79百万円減少しました。主な要因は、退職給付に係る負債が7億31百万円増加した一方、繰延税金負債が8億93百万円減少したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末における資本は726億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億18百万円減少しました。主な要因は、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動額の減少等により、その他の資本の構成要素が22億11百万円減少したこと等によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ17億77百万円減少し、157億22百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は18億98百万円(前年同四半期は48億88百万円の使用)となりました。これは税引前四半期利益10億76百万円の計上に対して、主に営業債務及びその他の債務の減少額として63億58百万円計上した一方、減価償却費及び償却費として20億58百万円、営業債権及びその他の債権の減少額として48億67百万円計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は37億52百万円(前年同四半期比78.9%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得として24億72百万円、子会社の取得として11億18百万円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1億円(前年同四半期比97.7%減)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出として51億20百万円、親会社の所有者への配当金の支払として9億89百万円計上した一方、短期借入れによる収入として67億77百万円計上したこと等によるものです。
(3) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ. 基本方針の内容
上場会社・公開会社である当社の株式は、自由な取引が認められ、当社は、会社の支配権の移転を伴うような大規模な株式の買付提案またはこれに類似する行為に応じるか否かの判断は、最終的には、株主のみなさまのご意思に基づき行われるべきものであると考えています。従いまして、大規模な株式の買付提案であっても、当社グループの企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。
当社では、企業価値や株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるためには、企業理念体系(Nissha Philosophy)を礎とし、未来志向型の企業として常に価値ある製品・サービスを提供することを通じて社会に貢献することが必要不可欠であると考えています。より具体的には、世界に広がる多様な人材能力と情熱を結集し、継続的にコア技術の拡充を図ること、グローバルベースで市場のニーズを捉え、他社にはできないものづくりを通じて付加価値の高い製品・サービスを提供すること、そして人々の豊かな社会を実現することが、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上につながるものと考えています。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、このような基本的な考え方を十分に理解し、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を中・長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えています。
従いまして、上記のような基本的な考え方を十分に理解せず、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資さない不適切な当社株式の大規模な買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。
Ⅱ. 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、創業以来培ってきた印刷技術にさまざまな技術要素を融合させながら常にコア技術の拡充を図り、製品と対象市場の多様化、グローバル市場への進出などを通じて事業領域の拡大を実現してきました。当社グループでは3年の単位で中期経営計画を運用していますが、その基本戦略は事業領域の進化・拡大による事業ポートフォリオの最適化です。
現在、当社グループは第6次中期経営計画を運用しています。主力のコンシューマー・エレクトロニクス(IT)に加え、モビリティ(自動車・輸送機器)、医療機器、サステナブルパッケージ資材を重点市場と定め、バランスの取れた事業基盤の構築を図り、グローバルベースの成長戦略の実践による企業価値の向上を目指しています。
当社は創業以来、経営者の強いリーダーシップのもと、経営環境の変化に的確に対応した戦略を実践してきました。当社はこのリーダーシップとともにコーポレートガバナンスを強化することにより、迅速かつ果断な意思決定が促進され、同時に経営の透明性、公正性を確保することができると考え、コーポレートガバナンスを重要な経営課題と認識しています。
当社は、執行役員制度を導入し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行機能との分化を図っています。また、取締役会のダイバーシティーを推進し、現在の取締役会は、独立性の高い社外取締役4名を含む取締役9名(社外取締役比率44.4%、女性比率11.1%、外国人比率11.1%)で構成されています。社外取締役は他社での企業経営の経験や製造業での事業経営の経験、コーポレートガバナンス、金融経済全般、法務・コンプライアンスに関する高い見識などから有益な指摘、意見を述べ、取締役会の議論は活性化しています。また、2015年10月には、当社はコーポレートガバナンス基本方針を制定しました。当社はその基本方針に基づき、社外取締役が過半数を占めかつ委員長を務める指名・報酬委員会を設置し、社外取締役の知見を活用することで役員の選任や報酬に関して客観性と公正性の確保を図るとともに、取締役会の実効性評価を年1回実施し、取締役会の機能のさらなる向上に努めています。
当社は、以上の取り組みを継続して実行することによって、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上を実現できるものと考えています。
Ⅲ. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2019年3月22日開催の第100期定時株主総会終結の時をもって、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)を廃止していますが、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主のみなさまが適切に判断するために、必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主のみなさまの検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法およびその他関係法令を踏まえながら、適切な措置を講じます。
Ⅳ. 上記の取り組みについての取締役会の判断
上記ⅡおよびⅢの取り組みは、基本方針に従い、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための施策です。
従いまして、当社取締役会は、上記ⅡおよびⅢの取り組みは、いずれも、基本方針に沿うものであり、株主のみなさまの共同の利益の確保・向上に資するものであり、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は6億71百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当社グループは、前連結会計年度末よりIFRSに準拠した連結財務諸表を開示しており、前第1四半期連結累計期間の数値もIFRSベースに組み替えて比較・分析を行っています。
(1) 財政状態および経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるグローバル経済情勢は、当初緩やかな回復基調にあったものの、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響により、景気は減速に転じました。アメリカや欧州では休業・移動制限・入国制限措置などにより経済活動が抑制され、景気は下押しされました。中国では経済活動の大幅な縮小が生じ、景気が減速しました。わが国の経済については、個人消費が弱い動きとなり企業収益が弱含むなど、景気が下押しされ、厳しい状況となりました。
現在、当社グループは事業ポートフォリオの組み換え・最適化による成長を骨子とする第6次中期経営計画(3カ年)を運用しています。主力のコンシューマー・エレクトロニクス(IT)に加え、モビリティ(自動車・輸送機器)、医療機器、サステナブルパッケージ資材を重点市場と定め、バランスの取れた事業基盤の構築を図り、グローバルベースの成長戦略の実践による企業価値の向上を目指しています。当第1四半期連結累計期間においては、COVID-19感染症の影響は一部で見られたものの、主力のコンシューマー・エレクトロニクス(IT)向けの製品需要が堅調に推移しました。また、サステナブルパッケージ資材を対象とした企業買収が完了し、業績貢献が始まりました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は394億74百万円(前年同四半期比8.4%増)、利益面では営業利益は10億82百万円(前年同四半期は24億58百万円の営業損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は8億70百万円(前年同四半期は29億57百万円の親会社の所有者に帰属する四半期損失)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
産業資材
産業資材事業は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾や機能の付与を行うIMD、IMLおよびIMEは、グローバル市場でモビリティ(自動車・輸送機器)、家電製品、スマートフォンなどに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けのサステナブルパッケージ資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。
当第1四半期連結累計期間においては、COVID-19感染症の影響により中国の生産拠点では一時的に稼働を停止したものの、3月末までに稼働を再開しました。日本をはじめ、中国以外の地域においては概ね想定通りに稼働を続け、その影響は限定的なものとなりました。また、サステナブルパッケージ資材を対象とした企業買収による業績貢献が始まりました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は119億46百万円(前年同四半期比3.7%増)となり、セグメント利益(営業利益)は22百万円(前年同四半期は4億35百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
ディバイス
ディバイス事業は、精密で機能性を追求した部品・モジュール製品を提供するセグメントです。主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でスマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機、産業用機器(物流関連)、モビリティ(自動車・輸送機器)などに幅広く採用されています。このほか、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。
当第1四半期連結累計期間においては、季節的な需要減少に対して変動人件費を削減するなどのコスト改善が進みました。COVID-19感染症の影響は一部で見られたものの、主力のスマートフォンおよびタブレット向けの製品需要が堅調に推移しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は195億36百万円(前年同四半期比16.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は16億59百万円(前年同四半期は21億9百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
メディカルテクノロジー
メディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指すセグメントです。心疾患向けを中心に幅広い分野で使われる低侵襲の手術用機器や医療用ウェアラブルセンサーなどの製品を手がけており、現在はグローバルベースで大手医療機器メーカー向けの受託製造事業(製品設計~開発~製造の一連の工程を手がける事業)を展開するとともに、医療機関向けに自社ブランド品を製造・販売しています。
当第1四半期連結累計期間においては、COVID-19感染症の影響により医療機器の製品需要は堅調に推移したものの、商業施設向けなどのビジネスメディアの製品需要は減少しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は57億円(前年同四半期比7.3%減)となり、セグメント利益(営業利益)は2億14百万円(前年同四半期比48.7%減)となりました。
情報コミュニケーション
情報コミュニケーション事業は、出版印刷やアートソリューションなど高精細で高品位な色調再現が活かせる分野に注力しているほか、商業印刷やセールスプロモーション関連のサービスを提供しています。
当第1四半期連結累計期間においては、製品需要が繁忙期に入り、堅調に推移しました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は19億47百万円(前年同四半期比3.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は32百万円(前年同四半期比95.0%減)となりました。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は1,779億11百万円となり、前連結会計年度末(2019年12月期末)に比べ82億93百万円減少しました。
流動資産は723億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ59億86百万円減少しました。主な要因は、棚卸資産が15億71百万円増加した一方で、現金及び現金同等物が17億77百万円、営業債権及びその他の債権が42億97百万円減少したこと等によるものです。
非流動資産は1,055億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億7百万円減少しました。主な要因は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等により、その他の金融資産が20億62百万円減少したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末における負債は1,052億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ59億75百万円減少しました。
流動負債は684億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ55億95百万円減少しました。主な要因は、借入金が16億45百万円増加した一方、営業債務及びその他の債務が78億96百万円減少したこと等によるものです。
非流動負債は367億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億79百万円減少しました。主な要因は、退職給付に係る負債が7億31百万円増加した一方、繰延税金負債が8億93百万円減少したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末における資本は726億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億18百万円減少しました。主な要因は、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動額の減少等により、その他の資本の構成要素が22億11百万円減少したこと等によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ17億77百万円減少し、157億22百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は18億98百万円(前年同四半期は48億88百万円の使用)となりました。これは税引前四半期利益10億76百万円の計上に対して、主に営業債務及びその他の債務の減少額として63億58百万円計上した一方、減価償却費及び償却費として20億58百万円、営業債権及びその他の債権の減少額として48億67百万円計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は37億52百万円(前年同四半期比78.9%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得として24億72百万円、子会社の取得として11億18百万円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1億円(前年同四半期比97.7%減)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出として51億20百万円、親会社の所有者への配当金の支払として9億89百万円計上した一方、短期借入れによる収入として67億77百万円計上したこと等によるものです。
(3) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
株式会社の支配に関する基本方針
Ⅰ. 基本方針の内容
上場会社・公開会社である当社の株式は、自由な取引が認められ、当社は、会社の支配権の移転を伴うような大規模な株式の買付提案またはこれに類似する行為に応じるか否かの判断は、最終的には、株主のみなさまのご意思に基づき行われるべきものであると考えています。従いまして、大規模な株式の買付提案であっても、当社グループの企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。
当社では、企業価値や株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるためには、企業理念体系(Nissha Philosophy)を礎とし、未来志向型の企業として常に価値ある製品・サービスを提供することを通じて社会に貢献することが必要不可欠であると考えています。より具体的には、世界に広がる多様な人材能力と情熱を結集し、継続的にコア技術の拡充を図ること、グローバルベースで市場のニーズを捉え、他社にはできないものづくりを通じて付加価値の高い製品・サービスを提供すること、そして人々の豊かな社会を実現することが、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上につながるものと考えています。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、このような基本的な考え方を十分に理解し、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を中・長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えています。
従いまして、上記のような基本的な考え方を十分に理解せず、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資さない不適切な当社株式の大規模な買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。
Ⅱ. 基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、創業以来培ってきた印刷技術にさまざまな技術要素を融合させながら常にコア技術の拡充を図り、製品と対象市場の多様化、グローバル市場への進出などを通じて事業領域の拡大を実現してきました。当社グループでは3年の単位で中期経営計画を運用していますが、その基本戦略は事業領域の進化・拡大による事業ポートフォリオの最適化です。
現在、当社グループは第6次中期経営計画を運用しています。主力のコンシューマー・エレクトロニクス(IT)に加え、モビリティ(自動車・輸送機器)、医療機器、サステナブルパッケージ資材を重点市場と定め、バランスの取れた事業基盤の構築を図り、グローバルベースの成長戦略の実践による企業価値の向上を目指しています。
当社は創業以来、経営者の強いリーダーシップのもと、経営環境の変化に的確に対応した戦略を実践してきました。当社はこのリーダーシップとともにコーポレートガバナンスを強化することにより、迅速かつ果断な意思決定が促進され、同時に経営の透明性、公正性を確保することができると考え、コーポレートガバナンスを重要な経営課題と認識しています。
当社は、執行役員制度を導入し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行機能との分化を図っています。また、取締役会のダイバーシティーを推進し、現在の取締役会は、独立性の高い社外取締役4名を含む取締役9名(社外取締役比率44.4%、女性比率11.1%、外国人比率11.1%)で構成されています。社外取締役は他社での企業経営の経験や製造業での事業経営の経験、コーポレートガバナンス、金融経済全般、法務・コンプライアンスに関する高い見識などから有益な指摘、意見を述べ、取締役会の議論は活性化しています。また、2015年10月には、当社はコーポレートガバナンス基本方針を制定しました。当社はその基本方針に基づき、社外取締役が過半数を占めかつ委員長を務める指名・報酬委員会を設置し、社外取締役の知見を活用することで役員の選任や報酬に関して客観性と公正性の確保を図るとともに、取締役会の実効性評価を年1回実施し、取締役会の機能のさらなる向上に努めています。
当社は、以上の取り組みを継続して実行することによって、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上を実現できるものと考えています。
Ⅲ. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2019年3月22日開催の第100期定時株主総会終結の時をもって、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)を廃止していますが、当社株式の大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主のみなさまが適切に判断するために、必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主のみなさまの検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法およびその他関係法令を踏まえながら、適切な措置を講じます。
Ⅳ. 上記の取り組みについての取締役会の判断
上記ⅡおよびⅢの取り組みは、基本方針に従い、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための施策です。
従いまして、当社取締役会は、上記ⅡおよびⅢの取り組みは、いずれも、基本方針に沿うものであり、株主のみなさまの共同の利益の確保・向上に資するものであり、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は6億71百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。