四半期報告書-第103期第2四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/10 9:30
【資料】
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【項目】
41項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
なお、2020年1月31日に行われたAR Metallizing GmbH(2020年4月30日付でEurofoil Paper Coating GmbHより社名変更)との企業結合について、暫定的な会計処理を行っていましたが、前連結会計年度末に確定したため、前第2四半期連結累計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いています。
また、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第2四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4.事業セグメント」の「(4)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
(1) 財政状態および経営成績の状況
当社グループはMissionに、「人材能力とコア技術の多様性」を成長の原動力として、高い競争力を有する特徴ある製品・サービスの創出によりお客さま価値を実現し、「人々の豊かな生活」の実現に寄与することを掲げています。このMissionのもと、2030年のあるべき姿をサステナビリティビジョン(長期ビジョン)とし、バックキャストして2023年に目指すべき中期ビジョンとそこに至るための戦略を第7次中期経営計画として定めています。第7次中期経営計画では、これまでに獲得・構築したグローバルベースの事業基盤を最大限に活用し、シナジーの最大化による成長基盤の確立を目指しています。
当第2四半期連結累計期間におけるグローバル経済情勢は、長期化する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により厳しい状況にあったものの、経済活動の段階的な再開に伴い、景気は持ち直しの傾向となりました。アメリカやヨーロッパでは、ワクチン接種の進展や追加の経済対策などを背景に、景気回復が進みました。中国では、景気の緩やかな回復基調が持続しました。わが国の経済については、一部で景気の弱さが見られたものの、輸出の増加を受けて生産が上向きとなったことなどにより、景気持ち直しの動きが続きました。
このような状況の下、当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、ディバイス事業では季節的な変動なく、IT機器や産業用端末(物流関連)などを中心に力強い製品需要が続きました。産業資材事業では、モビリティ(自動車・輸送機器)やサステナブル資材などの市場向けを中心に旺盛な製品需要となりました。メディカルテクノロジー事業では、COVID-19により減少した製品需要の回復基調が持続しました。堅調な製品需要に加え、従来から取り組んできた収益構造の改善などにより、営業利益は前年同四半期比で大幅に改善しました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高は975億84百万円(前年同四半期比26.5%増)、利益面では営業利益は108億30百万円(前年同四半期は5億50百万円の営業損失)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は105億87百万円(前年同四半期比2,097.3%増)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
産業資材
産業資材事業は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾や機能の付与を行うIMD、IMLおよびIMEは、グローバル市場でモビリティ、家電製品などに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けのサステナブル資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。
当第2四半期連結累計期間においては、加飾分野のモビリティ・家電向けや、サステナブル資材分野の蒸着紙の製品需要が力強く推移し、売上高は前年同四半期比で大幅に増加しました。製品需要の増加に加え、収益構造の改善などにより、営業利益は前年同四半期比で大きく改善しました。
その結果、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は298億66百万円(前年同四半期比33.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は27億78百万円(前年同四半期は35百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。
ディバイス
ディバイス事業は、精密で機能性を追求した部品・モジュール製品を提供するセグメントです。主力製品であるフィルムタッチセンサーはグローバル市場でスマートフォン、タブレット、携帯ゲーム機、産業用端末(物流関連)、モビリティなどに幅広く採用されています。このほか、気体の状態を検知するガスセンサーなどを提供しています。
当第2四半期連結累計期間においては、スマートフォン向けの製品需要が季節的に急減することなく堅調に推移したことに加え、タブレット向けや産業用端末向けなどで力強い製品需要が継続したことにより、売上高は前年同四半期比で大幅に増加しました。製品需要の持続による生産平準化や収益構造の改善などが寄与し、営業利益は前年同四半期比で大幅に伸長しました。
その結果、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は525億24百万円(前年同四半期比29.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は85億67百万円(前年同四半期比667.6%増)となりました。
メディカルテクノロジー
メディカルテクノロジー事業は、医療機器やその関連市場において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指すセグメントです。心疾患向けを中心に幅広い分野で使われる低侵襲医療用の手術機器や医療用ウェアラブルセンサーなどの製品を手がけており、現在はグローバルベースで大手医療機器メーカー向けの開発製造受託(CDMO)を展開するとともに、医療機関向けに自社ブランド品を製造・販売しています。
当第2四半期連結累計期間においては、COVID-19の影響により減少したCDMOやビジネスメディアで、製品需要の回復基調が続きました。
その結果、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は115億10百万円(前年同四半期比11.9%増)となり、セグメント利益(営業利益)は4億75百万円(前年同四半期比32.0%増)となりました。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は2,077億7百万円となり、前連結会計年度末(2020年12月期末)に比べ79億81百万円増加しました。
流動資産は1,000億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ74億18百万円増加しました。主な要因は、営業債権及びその他の債権が22億1百万円減少した一方で、現金及び現金同等物が68億1百万円、棚卸資産が30億19百万円増加したこと等によるものです。
非流動資産は1,076億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億62百万円増加しました。主な要因は、有形固定資産が26億11百万円減少した一方で、為替換算等の影響によりのれんが10億73百万円、無形資産が3億83百万円、使用権資産が10億15百万円、またその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動等により、その他の金融資産が7億96百万円増加したこと等によるものです。
当第2四半期連結会計期間末における負債は1,134億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ41億90百万円減少しました。
流動負債は651億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ191億11百万円減少しました。主な要因は、営業債務及びその他の債務が47億89百万円、社債及び借入金が123億26百万円減少したこと等によるものです。
非流動負債は483億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ149億21百万円増加しました。主な要因は、社債の新規発行等により社債及び借入金が142億80百万円増加したこと等によるものです。
当第2四半期連結会計期間末における資本は942億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ121億71百万円増加しました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上等により利益剰余金が97億88百万円、為替換算等の影響によりその他の資本の構成要素が27億8百万円増加したこと等によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ68億1百万円増加し、318億68百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は90億96百万円(前年同四半期比582.2%増)となりました。これは税引前四半期利益122億11百万円の計上に対して、主に営業債務及びその他の債務の減少額として40億48百万円、法人所得税の支払として24億円計上した一方、減価償却費及び償却費として46億23百万円計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は32億46百万円(前年同四半期は9億72百万円の獲得)となりました。これは主に有形固定資産の取得として37億42百万円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8億38百万円(前年同四半期は41億2百万円の獲得)となりました。これは主に社債の発行による収入として99億45百万円計上した一方、短期借入金の返済による支出として80億13百万円、社債の償還による支出として28億40百万円計上したこと等によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
当第2四半期連結累計期間において、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は13億91百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。