四半期報告書-第84期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 10:37
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴う国内外の経済活動の停滞により、第1四半期は景気が急速に悪化しましたが、その後は社会経済活動の再開に伴い徐々に持ち直しの動きが見られました。しかし、新型コロナウイルス感染症の収束は未だ見通せず、むしろ冬場からの感染急拡大による年明けの緊急事態宣言の再発出が、景気回復にブレーキをかけることも懸念され、当面は、不透明で厳しい環境が続くことが予想されます。
化学業界におきましても、自動車をはじめとする多くの産業分野で需要が減少し、事業環境は悪化しました。半導体関連材料の需要は堅調を維持しており、自動車生産等では回復の動きが見られますが、多くの産業分野ではコロナ禍以前の水準への需要回復にはなお時間を要することが予想されます。一方で、中国経済の回復等により一部の原料価格に上昇の動きがみられ、本格的な需要回復に先行して原料調達コストが増加することによる収益への悪影響が懸念されます。
このような経営環境下、当社グループにおいても自動車市場向け製品をはじめ、幅広い分野にわたって需要が落ち込みました。第1四半期を底に、第2四半期から第3四半期にかけては回復の兆しが見られましたが、前年同期との比較では依然として低調が続き、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比2,300百万円、7.2%減収の29,475百万円と、大幅な減収となりました。
損益面につきましては、大幅な売上の減少による収益の悪化に加え、原材料価格の急落に伴って第1四半期に計上した在庫評価損(517百万円)及びたな卸資産の評価方法の変更に伴う損益へのマイナス影響(88百万円)もあり、当第3四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期比752百万円減益の745百万円、経常利益は前年同期比470百万円減益の680百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比471百万円減益の392百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(界面活性剤)
香粧原料は、洗剤向けの一般洗浄剤やシャンプー用基剤の販売が増加した一方、リンス・コンディショナー用基剤等の販売が低調で減収となりました。プラスチック用添加剤は、乳化重合剤等の落ち込みを主因に減収となりました。土木建築用薬剤は、コンクリート用関連薬剤等が振るわず減収となりました。農薬助剤は、国内外ともに販売が好調で、大幅な増収となりました。繊維助剤は、中国での販売は堅調を維持したものの国内販売が振るわず減収となりました。紙パルプ用薬剤は、消泡剤や脱墨剤が低調で減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前年同期比1,226百万円、6.9%減収の16,557百万円となり、セグメント利益は、前年同期比439百万円減益の627百万円となりました。なお、セグメント利益の中には在庫評価損299百万円が含まれております。
(樹脂)
石油樹脂は、大口ユーザーでの生産調整を主因に減収となりました。合成樹脂は、冷蔵機器用断熱ウレタンフォーム原液等が不振で、減収となりました。樹脂エマルションは、フロアーポリッシュ用等が低調で減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前年同期比378百万円、16.8%減収の1,879百万円となり、セグメント損失は38百万円(前年同期はセグメント利益84百万円)となりました。なお、セグメント損失の中には在庫評価損19百万円が含まれております。
(化成品)
合成ゴム・ABS樹脂用ロジン系乳化重合剤は、国内外ともに自動車関連需要が落ち込み、減収となりました。金属加工油剤は、水溶性切削油剤の大口ユーザー向け販売が低調で、減収となりました。石油添加剤は、国内外ともに不振で、大幅な減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前年同期比717百万円、18.5%減収の3,153百万円となり、セグメント利益は、前年同期比100百万円減益の12百万円となりました。なお、セグメント利益の中には在庫評価損52百万円が含まれております。
(スペシャリティーケミカル)
溶剤は、ブレーキ液基剤の販売の落ち込みを主因に減収となりました。電子情報産業用の微細加工用樹脂は、半導体関連の販売が堅調で増収となりました。アクリレートは、中国市場での販売は前期比増加したものの、国内販売が振るわず減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前年同期比23百万円、0.3%増収の7,830百万円となり、セグメント利益は、前年同期比38百万円減益の204百万円となりました。なお、セグメント利益の中には在庫評価損143百万円が含まれております。
なお、上記の各セグメント利益又は損失の前年同期比の数値は、(セグメント情報等)「報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報」の表における「報告セグメント」の比較情報です。
その他に、各セグメントに帰属しない調整額(棚卸資産の調整額等)が△49百万円(前年同期は△1百万円)あります。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、56,626百万円と前期末比3,327百万円の増加となりました。その内訳は、流動資産が1,204百万円増加の30,748百万円、固定資産が2,122百万円増加の25,877百万円です。
流動資産の主な増減要因は、現金及び預金が511百万円の増加、受取手形及び売掛金が1,008百万円の増加、たな卸資産が452百万円の減少、前渡金の増加を主因とするその他(流動資産)が143百万円の増加です。
固定資産の主な増減要因は、有形固定資産が1,532百万円の増加、無形固定資産が43百万円の増加、投資その他の資産が546百万円の増加です。
一方、負債合計は42,258百万円と前期末比2,540百万円の増加となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金が215百万円の増加、短期借入金が643百万円の増加、未払法人税等が262百万円の減少、賞与引当金が317百万円の減少、設備関係支払手形や未払金の増加を主因とするその他(流動負債)が1,085百万円の増加、長期借入金が1,013百万円の増加、退職給付に係る負債が199百万円の増加です。
純資産は、14,367百万円と前期末比787百万円の増加となりました。主な増減要因は、利益剰余金が、配当金の支払いと親会社株主に帰属する四半期純利益との差額の72百万円の増加、その他の包括利益累計額が713百万円の増加です。
その結果、自己資本比率は25.2%となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営の基本方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,208百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
また、研究開発費は、セグメント別に関連づけられないものもあるため、セグメント別の研究開発費の金額は記載しておりません。